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[416] 日本将棋連盟の未来 -過去は変えられないけれど- ※ログ終了※
JC IMPACTU (/) - 2012年03月23日 (金) 19時52分

些か不思議に思うことがある。

今日の「アクセスカウント数」は200を遥かに超えた。告知も発言内容についても、ここだけに限られているのに「数字」というのは不思議な動きをみせてくれる。このサイトは「管理者」には多様な情報を提供してくれるのだけれども、実質的なアクセス人数も不思議なほどに増加している。一時期、ここでの私の発言を「駒音」に転載される方がいて、そのことについて、私は改変しない限りは同意する、というスタンスを示しているのだけれど、それを受けての「アクセス状況」とここ一両日は「様相」がかなり異なっている。webというのは不思議なものだ。

昨日、私にメールをくださった方は、この掲示板を読まれている。少し、返信に時間をいただきたい。まずそのことを申し上げておきます。

こういうサイトの管理者でありながら、醒めているといえば醒めているのだが、私は「当事者」が自ら被害や実情を「自身」が訴えない限り、組織というものは1mmも動かないものだと考えている。当事者が何も語らなければ「問題意識」はないものとみられるし、問題意識がなければ、その組織の「問題はない」ものと見做される。そこに首を突っ込むというのは「余計なお世話」になりかねないという面がある。

大部分の将棋ファンは「自ら将棋を指す」「プロ棋戦を多様な環境下で楽しめる」これが一義である。私自身は、そういうサービスが顕著に低下しているという認識はない。動画サイトも含めて大半の棋戦を「無料で」視聴でき、コーヒー一杯分で有料サイトへのアクセスも可能である。そのことにも不満はない。棋士の何人かは教室を経営しているし、女流棋士も企業に足を運んでいることを私は知っている。実は今年度版の「将棋年鑑CD-ROM」は、これが面白いのだが「連盟の都合で発売されない」そうだ。

いきつけの書店に理由を尋ねても要領を得ない。「直接、連盟に尋ねてください」と申し訳なさそうな返事が返ってくる。なるほど電子メディアの著作権絡みなのか、販売上の問題なのか判明しないが、私の記憶では「年鑑」が出ないというのは、何か棋譜が使い捨てられるようで厭な気がしている。まぁ、そのうち有料のデーターベースサイトでも作るのかもしれないが。

そういうことに気づく人は少ないのかもしれないが、変化の潮流というものは、こうして少しずつやってくるものでもある。

私自身「web上で」色々なことを記しながら、それが何かを動かすことができるというのは、極めて限りなく稀というか、現実的には「ない」と考えてもいる。理由は簡単、私は棋士でもなければ職員でもない。当事者ではないからである。勿論、震災のときや様々な事件報道など「社会がそれを求める時には」このツールは極めて有効である。ただし、そういうものとは異なる「山」はネットでは動かない。コミュニケーションツールとしての「送り手」が、勿論私も含めて、要するに未成熟なのである。

そういう意味では「社会的現象化」を作り出すものはやはり既存のメディアなのである。webからの「ブーム」というのはせいぜいが「火つけ役」を果たすことはあっても、ムーヴメントには結びつかない。

例えば「連盟のいくつかの問題」について、web上の大半はいわゆる「1次情報」からの推測、憶測に過ぎないからだ。それは真の意味での「情報」とは言わない。極端なことをいうなら「書き手、ひとりひとりの物語」なのだ。そもそも「書き手の側」にも例えば「米長さんを好きな人は米長さんを称えるだけ」「米長さんを嫌いな人は米長さんをけなしまくるだけ」こういう情報は読み手を構えさせてしまう。それが罵詈雑言にまみれたものになればなるほど、読み手は萎えてしまう。そんなものは「内々の世界」では通じても、決して社会に共鳴はしない。むしろ、真の批判勢力の邪魔にすらなることもある。

現実には「棋士の不満や不安」というものがある。職員は半ばあきらめた人々とすり寄る人々に分かれているようだ。これでモチベーションがあがるのだろうかと首を捻らざるを得ない。

米長邦雄会長は、日本将棋連盟会員ならびに職員300名ぐらいだろうか、この組織を守る、家族の生活をも守る責任がある。そのために努力をされているという面は勿論ある。でなければ経営者としてあんなに数字には拘らない。それは悪いことではない。

ただ「守り方」が少し違うのではないかと感じることは多々ある。米長会長の語る「女性観」をみていると、いずれ考えてみたいと思っているが、不思議な面にも突き当たる。

ただ、今のところ、これだけは言える。谷川専務理事が「会長」になったからといって、今の連盟は変わらない。「谷川浩司の家」なんてものはつくらないだろうし、隙のない運営は目指されるだろう。中川前常務理事というのもなかなか難しい。シャドーキャビネットというのは、私は冗談で申し上げたつもりもないし、本気度をみせるというなら、これしかないのでは、と考えてもいる。

「米長会長に退任してもらう」あとはそれから考えるなどというのは学級委員の選挙みたいなものなのだ。経営というのはそれほど簡単じゃないのである。

私はここで単純な理想論を語るつもりはない。ただしできるだけテーマに即して、効果的なことを述べてみたいと思っている。

棋士も職員も読んでいるようだから、けしかけるつもりなどは毛頭ないが、参考になれば幸いである。

Pass

[417]
JC IMPACTU (/) - 2012年03月24日 (土) 00時18分



先週で放送は最終回を迎えたが「運命の人」というドラマを欠かすことなく視聴することができた。現実は、あんなに綺麗な話でもないし、最終回の弓成記者の「沖縄滞在云々」は全くのフィクションでもある。ただこのドラマは記者本人というよりは弓成夫人からみたドラマ仕立てという面もあり、その点ではなかなかの力作であったという気もしている。

このドラマを視聴しながら「正義」とは何かということを、私は考えていた。請求権問題、肩代わり密約は、結果としては外務省アメリカ条約局長が「密約存在」を認めたにもかかわらず、司法はそれを否定した。不都合な事実は遂に最後まで隠蔽されたということになる。

弓成記者が外務省の女性秘書官から密約文書(電信文)を入手する。それを当時の社会党議員に提供する。その議員は予算委員会であろうことかそれを具体的に開示した。そのことによって情報源の秘匿そのものが瓦解していく。生のまま公開するという議員もどうしようもないのだが、そのことによって、多くの人々の歯車は軋みはじめ、毎日新聞の部数は激減の一途を辿り、大量の人員整理を行ったものの、追いつかず遂に会社更生法の適用に至った。「情を通じて」以降、弓成夫人もご家族も、以降生じた精神的苦痛は言葉にはならないほどの辛苦を味わい続けた。弓成記者も高裁の敗訴で退職を余儀なくされる。

外務秘書官も当然、仕事を失い家庭は崩壊した。「情を通じて」以降の週刊新潮のジャーナリズム手法というのは、ある意味言論テロといっても過言ではなかった。当時の記事を読むとさのことを痛感させられる。

この場合、文書を渡した弓成記者も、委員会で密約文書を公開した当時の社会党一年生議員も、その発露は「正義」である。発露それ自体に曇りはなかっただろう。その結果どうなったか。正義に巻き込まれた犠牲者の数は半端ではない。そのような「正義」は正しいものなのか、正しいとして、罪もない人々が生活まで奪われることの妥当性はそこにあるのか、である。

正義というのは、言葉は綺麗だが、実はそんなに簡単なものでも唯一無二の存在でもない。人が生きていくことと、生活するということは違うのだ。

米長会長が去れば連盟は良くなるか。風通しはさわやかになり、棋士も職員も笑いの絶えない薔薇色のような職場環境がそこに出現するのか。実はそんな保証はどこにもない。「今よりはよくなる」というなら、何故、現場から声が上がらないのかということにもなる。何とはなく「今よりはよくなる」というのは危ないことでもある。政権交代の例が最もわかりやすい。

断っておくが、私は米長会長が「いい」とは思っていないし、問題も沢山あることは複数の情報も得ている。では谷川専務理事でいいのかどうか。私自身が今では全くそうは思わない。

それが本当に判断できるのは現場でしかない。連盟のような組織の場合、メディアとの交渉力(特に契約金を巡っての)が問われる。それなりのチカラもいる。何故なら関係性でいうなら、メディア側の方が強いからである。喧嘩とは言わないが、要求するわけだから、理論武装も説得もメリットも社会的にこなしていかなければならないのである。「読売が上げてくれないと他紙が上がらない(契約金)ので頼みます」というのは、大人の交渉ではないのである。

今の日本人の若者の「7割近くが」幸福だと思っているという調査データーをみて、私は流石に驚いてしまったことがある。今はともかく将来を俯瞰するという意識があまりに希薄だからだ。

若い棋士たちの何人かの「愚痴」というのは所詮「愚痴」でしかなく、実際は「幸福」なのではないか。面倒なことは年寄りにまかせておけばいいということではないか。そんな気もしなくはない。

Pass

[418]
JC IMPACTU (/) - 2012年03月24日 (土) 11時52分

些か不思議に思うことがある。

「将棋ペンクラブ」の交流会、関東は例年どおり千駄ヶ谷の将棋会館で開催されるが、関西は今年、そうではない。以前、駒音で寅金氏がそれを仄めかしたことを機会に、私はまず確認したことがあった。「関東はどうなのか」ということである。一般的に考えれば、関西で使用させないというのであれば、本丸の千駄ヶ谷の将棋会館を貸す理由がない。本掲示板の読者のみなさんも、おそらくは頷いてくださることだろう。

で、そのことを伺ってみた。東京では「(関西での件は)承知しているが、関東ではそういうこともなく、連盟で開催される予定です」とのこと。これは正式に会報に発表される遥か前の話である。少なくとも会場借用の件で「連盟とペンクラブ」が揉めたという形跡はない。私はそう感じた。

私はこの件ではかなり機敏に、実際に動いたのである。「もし連盟が会場提供を(東京でも)許可しない」というならば、私は私のあらゆる手段を講じて、その不当性を訴える用意があった。千駄ヶ谷にこの件で翻意を求めるべく丁寧に話をしにいくことも当然、考えていたし、あるペンクラブの方に「もし、会場の件で困ることがありましたら、いつでも声をかけてください。会場探しをお手伝いさせていただきたいと思います」とお伝えもしていた。実際に私が目をつけていた会場まで、既に足を運んでもいたくらいである。

つまり「関西はダメ、東京はOK」などという図式は私には摩訶不思議なことでもあったし、千駄ヶ谷もダメというなら、私も色々なことを考えなければいけない、というモードに入っていた。

私は山口瞳の愛読者でもあり「血涙十番勝負」や中平邦彦氏の著作に巡り合っていなければ、芹澤博文九段と出会わなければ「将棋」をこれほど追い続けはしなかった。その山口さんが設立に尽力した「ペンクラブ」に対して、そういう事態を黙ってみているほど柔らかくはない。入会後は湯川恵子さんに「山口瞳絡み」のことで、本当にお世話にもなった。思い入れというのは、そこに過ごした時間の長さだけではない。瞬時に芽生えることもある。

私は「将棋ペンクラブ」の例会は「将棋会館」で開催される、いや、されなければいけないという強い思いを抱いている。棋譜の制作者と観戦記という批評者の関係は「車の両輪」のようなもので、将棋を愛する人々が集い、将棋を楽しみ、宴を過ごす。

日頃、一般のファンは「対局室」に入る機会は極めて限られる。私は昨年の5月、将棋連盟のイベントで特別対局室を拝見する機会に恵まれたが、それはそれで、やはりいいものだった。忘れられない風景が、ささやかな人生のヒトコマとして刻まれることは、気持ちのいいものである。

そう、いずれにしても「関東は千駄ヶ谷」「関西は会館ではない場所」で「ペンクラブ交流会」は開催される。これはもうおそらくは変わることのない「歴史」のひとつになる。

米長邦雄会長は昨年の「関東交流会」で「ペンクラブとも仲良くしていきたい」ということをご挨拶ではっきり述べられた。まぁ、この「仲良く」というのは、米長会長の場合、凡人には想像できない含意が含まれているのかもしれない。

何故、関西交流会は将棋会館で行われなかったのか。私は強い推測を抱いている。寅金氏が関西に在住されていて、氏がペンクラブの会員で、連盟からみれば、そんな者が所属するペンクラブの交流会に何故場所を貸さなければいけないのか。冗談じゃないということなのだろう。私にはそれくらいしか、今回の理由を説明できる言葉を持ち合わせていない。

ただし断っておくが、私はそれが「連盟の不許可の根拠」だとするならば、それは間違っていると考えている。何故なら、ペンクラブの会員は、寅金氏の「コピー」が集まったものではない。米長会長を評価する方もいる、是々非々という方もいる、嫌いだという人もいる。多様な価値観を有する、将棋が好きな、将棋に関わっている人々の集まりだからだ。これは私見だが、私はペンクラブは「運動団体」ではないと思っているし、だから入会基準も「将棋が好きであれば」という極めて緩やかなものだ。

そして寅金氏がペンクラブに寄稿したものを私も読んではいるが、そこに記されたものは、題材も今の連盟云々の話題では全くなく、米長会長の「よ」の字もなければ、LPSAの「え」の字も出てこない。だからそういう会員の除名を要請するという理由には根拠がない。「オレが気に食わない奴はやめさせろ」というのは悪手どころか、そもそもが無理筋なのだ。私の「根本思想」はそこにあるし、だからこう書くことは寅金氏を個人的に弁護しているという意識が私にはない。誰であっても同じ立場を私はとる。

つまり、これは「感情的な対立」である。「寅金さんが女性でしかも絶世の美人であればよかったのに」と私に語った方がいて、実は大笑いしたことがあったのだが、それはそれでまた別の問題が生まれることになったような気もする。

人間は感情の動物である。いい悪いではなく、これは事実だ。
そして、私は今回の関西交流会が「連盟」で開催されないという事実について、残念で仕方がない。「それは米長会長が悪い」と言ったところで、いかにも感情的だ、器が小さいといったところで、その「現実」は「現実」である。

私は最近の寅金氏の、例えば「web駒音」における氏の言説をもう注視していないので、詳しくは知らない。ただ、私は千駄ヶ谷の執行部が、仮にそのことを問われたときに「じゃあ、駒音における氏の活動をみてくださいよ」とそれを示した時に、問うた人がそれをみて、どう思うかな、と考えることはある。

「なるほど.....。これなら会長の気持ちもわからなくはない」

そう思われたら実は「喧嘩」としては「負け」である。

私は言論の自由ということについて、おそらくは普通の感性に比べれば、遥かにそれを広くとる立場にある。だから私は私に対する「罵詈雑言」はいくらあってもいいと思っているし、そんなことで規制を考えたこともない。言論の委縮は、いいものを何ひとつ生み出さないし、日本国憲法で私が最も評価しているのは、その自由を謳った条文でもある。ただし、私はみんながみんな、私のようにそう考えるとは決して思ってもいない。

だから私なりに「言葉」を選びとる時に色々なことを考える。「怖れずに、しかし気をつけて」ということを、いつも思う。

そして「言葉」から好かれたい。

しかし、今日も「返事」は書けそうにない。書くことは嫌いではないのに、難しい。

Pass

[423]
JC IMPACTU (/) - 2012年03月29日 (木) 23時31分

棋士、観戦記者(現役・OB)ライター、メディアの囲碁・将棋セクションの担当者、普及指導員、支部関係者、実は私自身「将棋に関わるこれだけの人々」と一堂に会食したことはない。私はこの日、勧められはしたものの「アルコールの類」を一切口にしなかった。しかし、みなさん酒が強い。

「盤側の談話室」での活動など、楽しみながら苦もなく指が躍るのだけれど、相変わらず書けない、肉筆でも書けない返信のことも、ここではアドバイスを頂戴した。

米長邦雄日本将棋連盟会長の「セクハラ騒動」だが、おそらくこのままでは「おわらない」という印象を私は抱いている。少なくともその対策に執行部は頭を痛めているはずだ。「さわやか日記」のトーンとは全く裏腹に。

そうなれば、あえていうなら「週刊新潮」のような、冬服の上から孫の手をなぞるような記事は、吹っ飛ぶ。日本将棋連盟は否応なく記者会見を開かざるを得なくなるだろう。状況によっては「将棋の時間」の放映にも影響がでるかもしれない。それほどの火種があるということだ。だから棋士が「沈黙を守る」というのならば、それは間違っているが、心情的にはわからなくもない。

遭遇したことのない「本当の危機」が起きる可能性は、ある。

Pass

[426]
JC IMPACTU (/) - 2012年04月03日 (火) 01時50分

3月31日に「懸案の手紙」をようやく投函。年度内に済ませることができて肩の荷が降りた。

谷川浩司十七世名人について、いつだったか棋士のおひとりから、こんなお話を伺ったことがある。「会議であんなに喋らない理事も珍しい。それで威厳が醸し出されているかといえば、そうもみえない。不思議なんですよ」と。

「しかし、米長会長への不満や批判は内々で噴き出しているのに、十七世名人へのそれは、聞こえてきませんでしたね。(守る)発言以前は」と尋ねてみる。

「そうですね、特に関西では谷川十七世を悪くはいえないでしょう。長嶋批判を、表立ってはなかなかできない雰囲気と似ていますよね。それとやはり、十七世名人ですからね。こちら側に仰ぎ見るスタンスが染みついてしまっていますから。中原十六世会長時代も、大山十五世の時もそうでした。二上九段の時ですか? 二上九段には、独特の魅力と人徳があったと思います。下の者が酒を誘ってもいいというか、誘い易いというか、だから二上九段は、内部のことはよくご存知でしたよ」

私は「谷川十七世の(守る)発言」の真意を思い切って尋ねてみた。次回、ご紹介してみたい。

Pass

[427]
JC IMPACTU (/) - 2012年04月05日 (木) 23時03分

私は(その棋士に)「谷川十七世の(守る)発言」の真意を思い切って尋ねてみた。

「そうですね.....」

「谷川浩司十七世名人の(美学)かもしれません。ただしそれは谷川さんという個人というよりは「十七世名人」としての美学なのだろうと、私はみています。つまり、十七世名人(永世名人)は世俗に塗れないということではないでしょうか」

「JCさん、そう考えるとおわかりになりませんか。森内十八世名人、羽生十九世名人、彼らも同じようなことを考えていると思いますよ。だから、何があっても、今より更に連盟を巡る状況が窮地に陥っても、私は彼らが旗を振るなんてことは絶対にないと思っています。もう少しわかりやすくいえば、それは自分たちの(仕事)ではないと思っているはずです」

「中原誠十六世名人でもそうだったという気はしますよ。林葉さん騒動を経て、中原名人は会長になりましたが、運営面の問題について、十六世は何か対策を講じたというわけでもありません。そして、谷川さんも森内さんも羽生さんも、あの騒動(世俗にまみれた出来事)が、理由や背景はどうあれ、名人位の権威を傷つけてしまった。そういう状況を残念ですが、厭というほどみせつけられることになった。だから彼らは決して自ら世俗にはまみれないということなんですよ」

「米長会長は違うのですか」

「ええ、違うでしょうね。彼は永世棋聖ではあっても永世名人ではありませんから」

「では、今の永世名人は誰も会長などは受けない、様々な交渉事への決断含めて、世俗にまみれざるをえない役割を、大なり小なり担わなければいけませんよね」

「うん、そこは力学も含めて難しいところです。ただ、米長会長が続投するというならば、或いは来年の理事選挙の際には、谷川十七世はおそらく会長に一票を投じます。羽生さんは、そもそも今の時点で「会長職に就きたい」などという気持ちは全くありませんし、まぁ白紙委任ではないかな、という気はしますね。森内さんも同様でしょう」

更に話は続く。さぁ、この表現は難しい。

「米長会長を(守る)ということは、或いは谷川十七世の(全てを守る)ということに繋がっているという可能性はないのですか」
(この部分は、私は実際の対話ではストレートな表現を用いている)

棋士の表情が、一瞬、歪んだ。

Pass

[428]
JC IMPACTU (/) - 2012年04月09日 (月) 22時23分

「米長会長を(守る)ということは、或いは谷川十七世の(全てを守る)ということに繋がっているという可能性はないのですか」
(この部分は、私は実際の対話ではストレートな表現を用いている)

棋士の表情が、一瞬、歪んだ。

「それは.....わからないですね。今JCさんが問われたことを谷川十七世に尋ねる人は誰もいません。十七世自らが公言するような話でもありません。米長会長も、そのことに絡んだとしても吹聴する次元の話ではありませんし.....」

「先生ご自身はどうお考えですか」

「うーん。わからないですね。時々棋士の間では出る話ですけれど.....。ただし、もし仮に「絡み」があったとしても、それは決定的なことではないような気もするのです。つまり谷川十七世が「守らない、というか、ついていけません」みたいな話をしてしまうと、火中の栗など最初から拾う気のない棋士は、内心、快哉を叫ぶかもしれません。しかし、それもまたそれだけなんですよ。つまりこういうことです。十七世名人が、唐突に例えば専務理事を辞めたとしましょうか。そうなると、森内、羽生2トップの永世名人、渡辺竜王、佐藤棋士会会長、タイトルホルダーならびにその経験者に火の粉は確実に飛びます」

「といいますと?」

「中川常務理事が辞めても世間はせいぜい小波(さざなみ)程度の内紛としか捉えません。メディアも追いかけません。週刊新潮をみていてもよくわかりますよね。米長永世棋聖も不倫問題では当事者からも、棋士からも摘発されていますが、それでもどうということはない。林葉さんの問題は、相手が中原十六世名人だったからこそのスキャンダルだったともいえるわけです」

「谷川十七世名人が動けば、それは永世名人の行動ということになります。そんな状況が出現すれば、大先輩の永世名人が決起したことについて、森内さんも羽生さんも知らぬ存ぜぬではいかなくなるのです。つまり棋士の社会におけるそのような特殊性がみえないと、何も本質はみえてこないのですよ。名人戦の対局を前にそんな騒動が起きれば、棋戦そのものが汚されてしまう。将棋どころではなくなってしまいますからね」

「この感覚は名人位に就いたことがある者、永世名人の称号を有する棋士にしかわからないものだと思います。それを前提におかないと将棋連盟というブラックボックスはまるっきりみえてこないでしょうね」

私は溜息をついた。

「では、米長会長と談判する棋士はいない。勿論辞任も迫らないし、後任を受けることもない。そんなことは預かり知らないと」

「極端に言えばそういうことになります。だから、米長会長はおそらく、ですが、永世会長でありたいと思っているはずですよ。そういう意味では、森下さんは大変じゃないのかな。ああいう真面目な棋士は」

その言葉を引き取って、私はこんな質問をさせていただいた。

「先生ご自身は、今の現状をどう捉えていらっしゃいますか」と。

Pass

[429]
JC IMPACTU (/) - 2012年04月11日 (水) 23時56分

その言葉を引き取って、私はこんな質問をさせていただいた。

「先生ご自身は、今の現状をどう捉えていらっしゃいますか」と。


先生は「おや?」という表情をされた。

「その答の前に、JCさんは谷川十七世の「守る」という意味については、それで納得されました? 例えば六段、五段クラスの古参棋士、或いは将来的にタイトルには届かないし、勿論挑決にも絡まない棋士が立ち上がらないということについて、不思議ではありませんか。実は彼らにとって「会長の首」をとるということは、ある意味勲章になるかもしれませんよ」

先生はもう穏やかな表情で私を眺めている。そう、確かにこの点も不思議といえば不思議なのだ。私がそのことを聞かなかったのは、今までの説明で、何とはなく「納得していた気になっていた」という面がある。

「いや、それは.....。私の将棋と一緒で詰めが甘いのでしょうね」そう漏らすと微笑まれた。

「今も昔もそうですが.....。棋士は四段になった時点で、そうC2クラスの順位戦を2、3回経験すれば、自分が「ひとかどの将棋指しになれるかどうか」は、まぁ大体わかります。A級に届くかどうかも含めて、Cを卒業できるかどうかも含めて、肌身に感じるものがあるんですね。勿論、師匠もわかります。ただ言わないというだけで。実は師匠が弟子にしてやれることなどは殆どありませんし、頑張るのは当たり前の世界ですから、頑張らない者は落伍し、頑張ったからといってだからどうなる、道が開けるかといえば、そういうものでもないのです。大半の棋士は、自分にとっての(いい時代)を抱きしめながら生きている」

「そんなことはアマチュアのみなさんにはわかりませんし、わからなくてもいいことですし、わかるといったら怒る棋士は沢山いるでしょう。そういう世界に身を置くと、奨励会員も、棋士も、何かこう強迫観念から解放されることがなくなるんですね。米長会長も、実は、そのことだけはわかっています」

先生はいくつかの具体的な例を示された。私が存じ上げていることもあれば、えっ、と驚かされることもあった。

「今、お話ししましたように自殺未遂のケースも、奇行も、精神的な疾患も沢山ある世界です。誰もそれを笑いません。この世界にいれば、一般の社会に比べても遥かに多いし、不思議でもないのです。そういう世界だから、棋士の外部に対する結束力が非常に強いという面があるのですね。所詮、他者にはわからない世界なのだという思い込みもあります」

「山口瞳さんも、恐ろしい世界だと書いていましたね」

「いや、山口さんも実はわかりたかっただろうけれど、わからなかったと思います。団鬼六さんはみえていたかもしれません。小池さんはある意味、プロでしたが、鬼六さんはその世界にのめり込んでいったのだろうと思います。単なる作品の題材じゃありませんから」

私は山口瞳のファンであるが故、この見解は、正直に言うなら聞いていて辛いものがあった。しかし、少し醒めて考えてみると、山口さんの場合は、月刊誌に企画を売り込み、駒落ちで「二十番」の将棋を指し、棋士の様々なエピソードを知らしめた。その功績は当時としては、相当のものがあったと私は思っている。しかし、その中心はあくまでも「山口瞳」であり、自腹を切ってどうこうというものではなく、鬼六さんのように、わかっていながら次々と免状をもらうという(それは全てが有料である)かかわりでもない。すなわち「好き」の度合いや「かたち」が全然違うということなのだろう。今の私には、その違いが何とはなくわかるような気がする。

「だから、米長会長も、記憶にも記録にもみるべきものがない棋士のことがいちばん頭が痛いはずです。そういう存在は大山会長から米長会長まで「切る」などというスタンスは最初から「ない」のですよ。まぁ切れるなら簡単でしょうが、それができないし、実は対象となる棋士たちも、そのことがわかってもいるのですよ。だから、(ほぼ)満場一致などという、外からみれば奇妙奇天烈なことがおきる。みなさんにわかりにくいことが」

「しかし米長会長は特定の棋士(具体的に名前を挙げて)に対して、大人げないほど敵意を剥き出しにし、普及に対しても対価を支払わない、露骨に仕事を与えないということを現実に行っていますよね」

「そうですね。それはJCさんが今日、何度か言われたような、棋士は何でも物事を(勝負)にしてしまう、という面が米長会長にはとりわけ激しいし、逆らうならば徹底的にという面が出ているということはあると思います。しかし、おそらくそれだけではないでしょうね。もうひとつは【俺がこんなに戦績は勿論、棋譜も、顔も余程のファンでもなければ知られてもいない棋士のために、これだけ粉骨砕身、交渉にあたっているのに、その俺に弓を引くのか】という苛立ちがあると思います。感謝しろとはいわないが、石を投げるとは何事かということじゃあないのでしょうか」

「米長さんは嫌いだという棋士は沢山います。しかし、その一方で自分たちが切られない、守られるということをわかっている棋士たちは、それはそれで認めているということでしょう。だから狼煙は上がらないという面があると思います」

先生の説明は「今の現状に対する見事な答」になっている。

私は以前「盤側の談話室」に記したことを思い出した。

「つまり、それが連盟の「掟」ということなのでしょうね。棋士をおそらくは切らないということも含めて、人間臭い面が沢山ありますよ。いいことも、悪いことも」

「「掟」ですか、うん、そういうことなのかもしれませんね。小さな、それでいて特殊な組織ですから、先んじて守ろうとするものは多いような気がします。切らない結果として潰れるというなら、それはそれでいいという面もあるのかもしれません。「掟」を最後まで死守した結果ならば、内部では納得もえやすいですし、再生するならばそこから考えればいいということで」

この日、私は先生に色々な話を伺う機会に恵まれた。「将棋ペンクラブ」のこと、「将棋世界」のこと、web戦略、女流棋界の問題、その時々に語られる先生の思い出話も含めると、相当な時間を割いていただいたことになる。ここに示した内容も含めて、全てのことを書いたわけでもなければ、書くつもりもない。

私は「谷川十七世の(守る)発言」を耳にして以来、その真意について、色々な方と話をしたし、周囲には訝しがる声が圧倒的に多かった。

「守る」と発言したからにはその理由があるし背景がある。そのことについて、知りたくもあったし、私なりに考えてもみたかった。勿論、ここで紹介した内容が果たして真実であるかどうかは私には判断できない。それは谷川十七世や米長会長の「頭の中身を」覗きでもしない限りはわからないことである。

ただ、私にとって「埋めようのないピースの欠片」を探すという点において、そう考えるに至った理由を、かなり明快に示していただけたことで、私には一定の説得力を感じさせてもくれたし、欠片もみつかったという気はしている。それがジグソーパズルに合致するかどうかは、もう少し先になればわかるのかもしれないし、わからないのかもしれない。

「守るといった十七世はダメだ」という主張なら誰にでもできる。「米長会長批判」も根拠のあるもの曖昧模糊としたもの含めて、書き散らかすことも容易い。「米長会長は嫌い、いらない」というのも堂々巡りばかりで、挙句、何もかにも会長が悪いというのも愚かにみえる。

故に私は、現状のバックボーンを考えてみたいと思うようになった。雰囲気や主張を正しく伝えるというスタンスだけは怠らなかったつもりである。

Pass

[430] 世渡り下手爺さんへの公開私信(1)
JC IMPACTU (/) - 2012年04月13日 (金) 00時49分

世渡り下手爺さま

さきほど「web駒音」の参加者のHNをもじった方からメールを頂戴しました。「世渡り氏が私のサイトの発言に応えられている」とのことでしたので、改めて、web「駒音」にアクセスさせていただきました。拙文をお読みいただけましたことに感謝申し上げます。

今回の世渡り下手爺さんの発言で、本サイトにアクセスしてくださっていることがわかりましたので、もし、よろしければ「言葉の対局室」と「駒音」という場を通じて、意見の交換をさせていただければと思います。どうぞ、よろしくお願い致します。

色々な経緯と様々な偶然を重ねて、こういう機会が訪れたのだなぁ、ということについては些かの感慨を覚えるという面もあります。正直に申し上げれば。

「日本将棋連盟の今後を様々な見地から考えて」という駒音でのスレッドは、私の印象では、もう世渡りさんの望むような世界には戻らないだろうという気もしていますし、私が内心、期待していた「多様なかたちの建設的な対話と議論の場」からも遠く離れていくばかりだと考えております。

私も本件に関する世渡りさんの発言を拝読させていただきますし、世渡りさんは「駒音」でご自身の主張を展開していただければ嬉しく思います。

次回以降、世渡りさんの「web駒音」(http://www.koma.ne.jp/)における「米長さんのお言葉[六]」の世渡りさん発言(2012/04/12(Thu) 22:01 No.42161 )を適宜、引用しながら、世渡りさんや他のみなさんとも、それぞれの「場」で「建設的なやりとり」ができればと思っています。もちろん、こちらに発言していただいても構いません。そのご判断はおまかせ致します。

ということで今日はご挨拶としていくつか。

改めて「駒音」のいくつかのスレッドをざっと眺めてみました。世渡りさんに「はっきり書いて」というリクエストがいくつかあるのをみて、実は、みなさん案外「残酷」なことをさらっと求めるなぁ、と思いました。自分が関心を有することについて「知りたい」という欲求が芽生えるのは当たり前のことですし、応じなければ、それはそれで「出し惜しみしている」という声が上がる。実はそれもまた仕方のないことでもあります。ただ、私の想像ですが、世渡りさんはどこかで「気持ちはわかるけれど、誰か察してくれないかなぁ」とお考えになりながらPCの前に向かっていたのではないかなぁと感じましたね。

書かれた内容というよりは、その行間にある「葛藤」のようなものが、伝わってきたという方が正しいのかもしれません。

「盤側の談話室」で寅金さんが、ある発言者の「遠くから見ているのが一番良いのではないかと思います」という野球界のヒーローへの視点を引き取って「これこそ至言と思います」と述べていますが、私もしみじみそう思います。「大山十五世名人、中原十六世名人、凄い、凄い、強い、強い」それだけの方が、よほど楽でした。

私がある棋士と長時間話した内容について、ここに紹介をすると決めたのは、谷川十七世名人の「守る」発言が引き金でした。その機会がなければ、ここで紹介することはなかったということは確信できます。いくつかの情報が入ってくる中で、噂のレベルやらありそうな話やら、唖然呆然とさせられる話やら、書いたところで信じてももらえないであろう内容やらが錯綜する中で、この「守る」発言は、遂に私の思考回路をぐしゃぐしゃにしてしまったという感じがありました。私は、特段、谷川十七世のファンではありませんでしたが、いわば「自身をあれほど押し殺してきた人が、何故、今回、これほど明快にそう語ったのか、語らせたものは何だったのか」ということです。

日本将棋連盟の未来を考える、語るという上において、この問題が、ある種の輪郭として掴めないと、何を書いても空しくなるばかりという気がしたというのも事実です。

そういう意味では、今回の一連の内容は、ある意味仕上げるのは大変でした。棋士の真意を抽出する中で、できるだけ「現実として存在する状況」を(書けないものはあるにしても、それらを削ぎ落としながら)できるだけきちんと伝えたい、しかし、そう簡単ではなかったですね。実際にやってみると。

ただ、とにもかくにも「現状」をきちんと提示し、認識というベクトルを共有し、そこからスタートをしないと、棋士という実態には迫れませんし、であるならば建設的な議論もなかなか成立しないだろうと、そんなことを考えてもいました。

本筋からは離れますが、LPSAで山下カズ子女流五段が「ツアー女子プロ」として活動を継続されることが過日、発表されました。「駒音」では批判的なコメントが少なからずあったと思いますが、私はそれを今日、みたときに不思議だったんですね。もし組織というものに「情と理」の存在を認めるならば「女流棋士の先駆けとしての大先輩の希望に応え、礼を尽くす。一体その何が悪いのか、渡辺愛さんの今後とそれは全く別の次元だ」と私は考えていましたね。「理」だけで何もかにもが動くわけじゃないと。

今日はご挨拶ですので、このへんにしておきましょう。改めましてよろしくお願い致します。

私は駒音で世渡りさんとやりとりをした中で、確か芹澤さんのスレッドだったと思いますが、野村秋介氏の獄中句「俺に是非を説くな 激しき雪が好き」を紹介したことを今でも覚えています。

氏の思想を支持するしないは全く別としても、野村さんには間違いなく「覚悟」というものがありました。「俺に是非を解くな」が、もし米長会長に当てはまるのだとすれば「それほどの覚悟はあるのかなぁ」と、当時、私が考えていたからかもしれません。

「情と理」の問題、「仲間」という問題、関係性の問題、掘り下げていくと、意義のある議論になるのでは、と思ってもいます。

>金と銀さん

「何書いてもどうしようもない」とは、少なくとも私は思っていません。私も、そしておそらく世渡りさんも「運動家」ではないとは考えていますが、できることは続けていかないと。

そんな気がしています。

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[431] 世渡り下手爺さんへの公開私信(2)
JC IMPACTU (/) - 2012年04月14日 (土) 14時55分

さて、世渡りさんからも意見交換について、承諾をいただきましたので、ゆっくりと始めていくことにしましょう。

引用発言は「web駒音」(http://www.koma.ne.jp/)スレッドタイトル「米長さんのお言葉[六]」

23.世渡り下手爺 - 2012/04/12(Thu) 22:01 No.42161 のものです。

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>「大阪でのペンクラブの会場拒否」問題

この点については、世渡りさんからのご説明でよくわかりました。いずれにしても5月には東京でも交流会が開催されます。来年の開催場所がどうなるかについては、そこからのスタートということになるのでしょう。私自身は、米長会長が昨年の東京交流会の時点では「ペンクラブとは今後も仲良くしていきたい」と発言されたことを会報の紹介にもありましたとおり、存じておりますし、後日、湯川博士幹事が表明された見解についても全面的にそれを支持するという立場をとります。ですから、今の段階で、来年が云々という想像や推測を働かせてどうこうそのことをここで述べようとは思いません。この掲示板にも書きましたとおり、ペンクラブの交流会が「連盟」で開催されることについて、私は私なりの意義を感じておりますし、そのことが今後も続いて欲しいということを一会員の立場として願ってもおります。世渡りさんはスポンサーという立場で「ペンクラブ」については支援をいただいていると広告出稿から推測しておりますし、或いは私が感じている「意義」に近いものをお感じいただけているのではないかと想像もしております。

>棋士の世界は、他の人間には理解が出来ない棋士独特の世界感によって構築をされていますし

この点については私もそう痛感しています。例えば芹澤九段が木村十四世名人に憧れたのは「名人という絶対的な権威」であり、そのことを周囲も認め、権威にふさわしい対応をしてくれる、ということもあったのかもしれません。そうだとするならば芹澤九段が「命を差し出してでも」と回想した意味とは何だったのだろうか、そんなことを考えたりもします。

>実際彼らは自分自身をよく分かった上で、今の連盟を支持しているのです。

「私の実績と手腕をみれば、連盟の未来は薔薇色であり、あなたたちの生活も、報いる者には応える。そんなことができるのは私だけだ。他の棋士には到底まかせられないし、将来の生活設計も私なしではどうにもならなくなるのだよ」米長会長が内部に主張してきたのは、実はそういうことです。

「ああ薔薇色なんだ、じゃあいいのかなぁ。好きじゃないんだけどなぁ、米長さんは」まぁ、そういうことが投票結果に反映されてきたわけです。今までは。

ただ私は公益社団法人の移行を巡る時期に、何度も驚かされたことがあります。大変申し訳ないけれども「年金のしくみ」というものをわかっている棋士は、本当にいなかった。給与制の廃止がどういうことなのか、賞与もなくなるとはどういうことなのか、自分で年金を負担するというのはどういうことなのか。説明する側もちゃんと説明しない。というか説明する側が「わかっていないから」できないといった方がいいのです。私もそれほど詳しいわけではありませんが、話をしながら頭を抱えました。そもそも生活の設計などという意識があるのかないのか。

ある棋士が「生活の困窮を訴えられたこと」があります。生命保険を解約するという。一定期間保険料を支払っているのでしたら融資を受ければいいですよ、と話したら「そんなことができるんですか」という。私は担当の保険会社の方に電話をして手続きを依頼しました。(担当者はいい顔をしませんでしたが)

「これで消費者金融にいかずにすみます」

また、こんな話もありました。

「癌にかかったら保険に入ろうと思います」

「いやがん保険というのは、癌になった後では入れませんよ」というと「JCさんは私を騙すのですか」と怒った棋士がいました。
この棋士はタイトルもとられたことがあります。

>それを知った時には私も悲しくなったものです。「こんな連盟な>ど解体をしてしまえ」、と思ったものです。

私は少し醒めているのか、権力闘争というのはそんなものだろうと思っていました。所帯が小さいだけに尚のこそ、ですが。

政治の世界であれ、大学医学部の世界であれ、そういう話自体は特段、新味を感じるものではありません。勿論、私は「善悪」の話をしているわけではないのです。あえていうなら、そこまでして「頂点」に立って、棋界のために何をやるのか、ビジョンとして何を掲げるのか、ということを問うことも大事なのかもしれません。

世渡りさんは「将棋界はバブルだ」ということをweb「駒音」で述べていらっしゃいます。ただ実質の所得でいうなら、大山、二上、中原会長時代の「棋士」の方が、遥かに多くの所得を得ていますし、あの時代は「四段」になれば、生活は保証されました。芹澤九段が「全敗宣言」していた時の所得は当時で6〜700万円くらいです。連盟からの収入だけで。(彼はB1クラスでした)おそらく、今の方が遥かに厳しいでしょう。

この所得自体が「多過ぎるのだ」という意見はおそらくあるだろうと思います。せっかくですので、世渡りさんのご意見をお伺いしたいと思いますが、総じて、現行の棋士の所得について、どのようなお考えをお持ちなのか、お聞かせいただけますと嬉しく思います。

>私には、現在の連盟の姿がその様な環境から生まれてきた歪な事としか見えません。

そのとおりだと思います。世渡りさんはよくご存知だと思いますが、今の会館が建設される時に、確か、加藤治郎さんが会長の時代でしたが、建設の際の基金を集める際に、今は引退されている当時の理事が「ある企業から大口の寄付を獲得するから、バックマージンを寄こせ」などという話は平然と行われていました。裏の話ではありません。公然と行われていたことです。大山十五世名人が、会館建設の委員長を務める条件は、前体制の一掃でしたし、二上九段、芹澤(当時八段かな)、米長九段らは不正を糺す側に回りました。

私は何だかんだいっても大山十五世名人の時代は「よかった」と思っています。大山十五世名人の「女性問題」など知られてはいてもそれは表に出なかった。写真週刊誌の記者が証拠となるそれを現像したら光にさえぎられて何も写っていなかったなどというジョークもあります。

しかしその大山十五世も晩年はご親戚絡みの「データサービス」を巡る経理処理の問題という厭な面が出てきました。誰が鈴をつけにいったかといえば中原十六世名人です。厭な話だけれども中原名人しかいないというか、現実、できないわけです。辞めてくださいなどといえるのは。

この時に「ある理事」が述べたそうです。「米長さんはやめろよ」と。

中原十六世名人を襲った事件についてはご承知のとおりです。要するに、こんな魑魅魍魎な世界にいれば、普通の感覚ではなくなるのでしょう。誰も信じられないから疑心暗鬼は募るばかりで、だから、とりあえずイエスマンを置く。しかしイエスマンといえども信用できない。故に独裁になる。実にわかりやすいと思いますよ。

私はいわゆる経営部分、金銭を取り扱う部門は米長会長が辞めたところで、誰がやっても今のような時代、まして公益社団法人になった限りは誰が会長になっても、コントロールはできないと考えています。いわゆる「経営」を判る者はいないのですから。

米長会長が辞めても五十歩百歩ですよ。誰かが会長を画策するでしょうし、辞めても隠然たる影響力を作りたいと考える者もでるでしょう。

>連盟はもうもたないと感じ始めているのではないでしょうか。

ここは具体的に絞り込みましょう。

具体的にもうもたないというのは

「経営的な危機」なのか「急速なファン離れ」ということなのか
「社会的な糾弾を受ける」ということなのか、世渡りさんはどうイメージされているのでしょう?

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[432] 世渡り下手爺さんへの公開私信(3)
JC IMPACTU (/) - 2012年04月16日 (月) 02時40分

世渡り下手爺さま

「駒音」で本意見交換のための「独立スレッド」まで作成いただきましたこと、深く感謝申し上げます。世渡りさんと私だけではなく「駒音」でも「言葉の対局室」でも、それぞれの参加者やROMの皆さんもご覧いただいていますし、私自身もできるだけ「様々な問題点」を抽出しながら、意見交換ができればと思っています。

引用発言は「web駒音」(http://www.koma.ne.jp/)スレッドタイトル「JCさんとの意見交流」

投稿者:世渡り下手爺 投稿日:2012/04/15(Sun) 09:28 No.42308
のものです。(スレッドNo.1)(引用発言は点線内)

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私は、実際に連盟自体は未だにバブルであると感じております。
約十数年程前には棋院は約30億、連盟は20億程の収入がありましたが、その関係は逆転をして、棋院の収入は連盟よりも下ではないかと考えます。もちろん棋院の棋士数と連盟の棋士数は違っておりますし、棋院は改革の後、給料制を以前より撤廃をしておりましたが、個人的な収入源(稽古先の絶対量の違い等)がありますので、金額が下がっても各個人は収入の維持が出来ていたのではないかと想像をしています。
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以下に私が記しますことについては「実態として本当かどうか」は確信がありませんが、ある棋士から、こういう話を聞いたことがありました。

「確かに今年度から普及協力金はなくなりますが、公益社団法人化に伴う優遇税制のことを思えば、そうたいしたダメージではありませんよ」

実はこう語られた棋士が「経理に明るい」という印象が全く感じられませんでしたので、私としては「それはそれは」という程度に話を伺っておりました。

世渡りさんがご指摘のとおり、囲碁と将棋についてプロ棋士が将棋に比べ沢山の稽古先(企業・個人)を有しているという実感は私も日常、痛感することがあります。勿論、その背景には囲碁の棋士たちがアマチュアとの交流に積極的であり、私の知っている囲碁サロンは(何度かそこで、知人と待ち合わせをしたことがあります)まず、綺麗ですし、くつろぎの雰囲気があり、社交のためのサロンという実に洒落たものです。

私は以前、棋士何人かとそんな話をしたことがありました。

「JCさんは、まぁ負けても負けても私たちにおつきあいしてくださいますが、アマチュアへの指導というのは、大変なんですよ。まず、下手側が「駒落ち」を忌避したがるというか、指したがらないという面があるのです。二枚落でも上手が言い分を通しているというのに、少し勝つとすぐに平手という話になる。で、その手合いでは勝負にならないというか、こちらもそんなに緩めないという面もあるものですから、下手は勝てません。それが続くとだんだんアマチュアの方が厭になってくるのでしょう。突然教室にこなくなったりします。つまり習う事をやめてしまう」

別の棋士がそれを引き取って

「そうですね。中級未満、初級以上の大人は難しいですね。持続しないという面が最近は顕著です。不況という問題もあるかもしれませんが、負けることは不愉快ですよ、それは。プロだってそう思います。だからというと何ですが、ふたつの女流も連盟も「子ども教室」の充実に力を入れている。ただし、教えることができない高段者は沢山いますけどね」

将棋であれ囲碁であれ何であれ、それを「芸事を習う」と考えるならば、やはり目標を持って、楽しく、しかし向上心をもたなければいけないと私は考えますし、いわば「芸に接する」機会をいただくわけですから、それを一瞬でも会得するためには、続けなければ「わからない」という気が私はしています。ただし、こういう感覚は一定の年齢を重ねてわかる、というものなのかもしれません。

さて、世渡りさんから提起いただいた囲碁と将棋の「稽古先の絶対量の違い」それは何故、生じているのかということについて、例えば寅金さんは「囲碁も打たれます」し、井上隕石さん、更には駒台は掌さんも「アマチュアと囲碁棋士の距離感、指導の問題や或いはルールの特性面、ハンディキャップの有様(ありよう)など、色々なご意見をお持ちではないかと考えています。もしよろしければ、ぜひお知恵をお借りできればと願っております。
(駒音の当スレッドでも盤側でもここでも、どこでも構いません)

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「見えました」という過去形は、今後の普及協力金が無くなったことや、各棋戦の絶対合計金額自体が減少傾向を見せており、新聞社自体の体力が以前のようには応援を出来なくなりつつあることを考えての事です。結果として、より下位の収入は減ってくるのではないでしょうか。
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ご指摘のとおり、棋戦については過去とは違い、金額に変動が生じていますし、棋戦の序列順位も変わっています。その結果、正会員の構成は、宣言によるフリークラスへの転出、四段の昇格定員を考えれば、このクラスは徐々に増え続けるということになるものと思われます。かってのA級棋士の姿も何人かこのクラスにいらっしゃいますし。

その結果、より下位のクラス棋士の収入は減少します。もう少し言うならば「棋譜も戦績も人の記憶に残らない棋士たちの収入」は低下するということは、なかなか歯止めがかからない。

で、私は「盤側」でこの件については何度か議論をしました。いわゆる「連盟解体論」みたいなところにも通じるのですが、「敗者には何もやるな。誰もみない棋譜など無価値に等しい」という話ですが、私は随分と抗った記憶があります。「普及というのも大きな役割なのだと」「タイトルホルダーやA級棋士は、そういう役目は担わないのだからと」、ということです。

ただ、現実問題として「対局以外の業務」について、適正な分配が今の連盟で執行されているとは全く思えません。ならば自分たちで仕事を創出する以外に「道を切り拓く」のは困難です。

例えばこんな方法があります。

日本青年会議所という組織があります。私は個人的にはこの組織はあまり好きではありませんが、全国に存在しますし、地元の有力企業の二世、三世の集まりですから、基盤はしっかりしていますし、裕福でもあります。この組織と新聞の県紙(全国紙とブロック紙を除く全ての地方紙)に協賛を依頼し、棋戦を創設する。公式戦扱いでも非公式戦扱いでもいい「奨励会員、C1、C2の一定年齢以上の古参棋士と女流棋士の棋戦の創設」です。そもそも男性棋士と女流棋士の「対局」というのが、まだまだ圧倒的に少ないわけですし「男性と女性の対局」ですから、男は負けたくはないし、女流棋士は「勝てば金星」になります。棋譜はそれぞれの県紙に自選記で掲載するわけです。

優勝者は望む手合いでA級棋士やタイトルホルダーを指名して祈念対局を開催。CPU相手ではありませんから「指すな」とはいえないはずです。

普及というならば、今、全国の大学に棋力は別としても「将棋部」はかなり存在しますから、そこに棋士を派遣するプロジェクトの展開であったり、色々と考えられそうです。いずれにしてもそのような「創出」をしなければいけない時期にきていると思いますね。

将棋にしても囲碁にしても、プロスポーツのように「何千人、何万人という観客を集めて、その競技に一喜一憂する」というものでは残念ながらありません。そもそも「どちらが優勢なのか」についても、終盤になってもよく判らない。1回表にジャイアンツが5点とったから、今日はいけそうだ」という判断にならないんですね。「わからない時間」を考えながらじっとみるというのは、一般向けではないのかもしれません。

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そして、それが理事選挙へ与える影響があるような傾向で偏っているとお感じにはなりませんでしょうか。また、昨年度よりは引退棋士・フリークラス棋士に対する新陳代謝を行うこともなく、逆に「彼らに仕事を回しているかのように見せかける」ことにより、下位の方々への収入は、より厳しくなるのではとも感じております。つまりは、「ものを言うべき人間に、物を言わせない方
式」になって来ているのではないかと思っているのです。
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「協力すれば仕事を与える」というのは、間違いなく存することですし、それで(みかけ)協力するという棋士もいます。ただし、私は時々掲示板に書いたりもしますが「人間、生きることと生活することは違う」「人はパンのみに生きるわけではない、しかしパンがなければ人は生きることができない」と考える面があることも事実です。

「クレームもコンプレインもこれだけ存在しながら」それが単なる愚痴であり、改革への動きに結びつかないというのは、どんなクラスにいようとも「勝負師として生きる」ことを決意して、みなさん、この世界に入られたわけですから、おそらくは「俺は弱いんだから仕方がない。波風立てずにひっそり生きていこう。それでも棋士だから」ということでしょうし、前回、棋士の「生活という将来設計について、あまりにも無頓着に過ぎる」という事例を記しましたが、要するに「モノをいわなくても、それを担保に資格を剥奪されることもなく、年間百数十万でも与えられるのであれば、やり過ごした方が得だなぁ」ということではないでしょうか。厭な言い方を承知で述べるならば。

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所得に関しては、このように感じておりますが、JCさんは如何だと思われていますでしょうか?
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http://live.shogi.or.jp/ryuou/tournament.html

読売新聞の「竜王戦」は優勝賞金含めて、対局料が公開されていますので、↑のURLを例に思うことを述べてみます。

1組優勝者の対局料が190万円、6組優勝者の対局料が45万円とあります。勿論各クラスで勝ち抜けばクラスアップしますし、対局料も増えていくわけです。優勝賞金は4200万円。

正直に申し上げればこの対局料なり賞金が「高い」のか「妥当」なのか「安い」のか、というのは私には判断がつきません。要するに新聞社サイドが「棋戦最高賞金額がタイトル戦のブランドクオリティ」であると判断し、それを合意できたのであれば、悪いことではないという気はしています。7番勝負で勝者の一手あたりを換算すればいくらになる、などと弾いても意味もないだろうと思いますし。

むしろ、その賞金額なりクラス毎の「対局料」が高いとか安いとかおかしいという話は、私は聞いたことがないのです。

ただその一方で、今後、履行されるのかもしれませんが、少なくとも昨年度は、全員なのかある特定の棋士なのかわかりませんが「段位×1万円×12ヶ月+会費10万円」が果たされていないとボヤいている棋士がいる」とメディア関係者から聞かされたことがあります。

面白い算出基準だなぁと思いましたね。

(追記)以降の提起につきましては、改めまして拙見を述べてみたいと思います。

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[435] 世渡り下手爺さんへの公開私信(4)
JC IMPACTU (/) - 2012年04月17日 (火) 02時55分

世渡り下手爺さま

後半部分について拙見を述べてみたいと思います。

引用発言は「web駒音」(http://www.koma.ne.jp/)スレッドタイトル「JCさんとの意見交流」

投稿者:世渡り下手爺 投稿日:2012/04/15(Sun) 09:28 No.42308
のものです。(スレッドNo.1)(引用発言は点線内)

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私は、第一には「経営的な危機」では、と考えております。

実に、棋士による、棋士だけの、保身的な考えに基づいた、社会観念からは程遠い経営方針であり、それが現状のスポンサーとしての新聞社の立場を理解していない事から起こるギャップをより深めていくのではないでしょうか。それは自分で、自分の首を絞めているのと同じことに見えてしまいます。
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また、それも知っていながら行っているように見える事が、より経営を危機的な状態に追い込みかねません。また、昨今のネット関連の問題(ネット配信の同時多発中継等)は棋士に対する目くらましにすら見えてしまいますし、「棋譜」という、よくわからない知的所有権?がより不明瞭となり、問題はこれから多発するのではないでしょうか。経営が計画的ではなく、経験が浅い事に対しての専門的助力を求めることもなく、思いつきで飛びつき的に行動をしている事には呆れております。サテライト・カルチャー・ジャパンの買収劇などはその一例にしか過ぎません。焦りが見えすぎています。
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さて、このあたりから少し世渡りさんと私の「考え方」は異なってくるのかもしれません。ただし、それは「どちらかが正しくてどちらかがダメ」というものではないような気がしますし、それはおそらくは世渡りさんにもご理解いただけるのではないだろうかと推察をしております。

まず「棋士による、棋士だけの、保身的な考えに基づいた」という点ですが、確かに一般の企業感覚、CSR、内部統制という問題も含めて、不思議な組織だなぁと思います。

以前、世渡りさんが「株式会社と比較しても仕方ないと思いつつ」という趣旨のことを書かれていました。「棋士」が個人事業主に近いという感覚は私にも非常によくわかりますし、そもそも企業の社員のような「企業との労働契約というような意識」はまぁないと思います。連盟というのは「個人タクシーの協同組合」のようなイメージが私にはありますね。

毎日出社の義務はありません。何時から何時まで「働く」という縛りもありません。各棋戦の将棋を指す。その棋譜を勝手に棋士が公開したり、提供してはいけません。免状を個人が発行するのはご法度です。大きな縛りというのはそれくらいです。棋士はひたすらにコンテンツ(棋譜)を作成し、営業部員は会長以下の執行部が先頭に立ち、メディアと交渉する。構造自体も歪といえば歪です。

収入の大半は「メディア・媒体社・協賛社」から得るわけです。もちろん個人というか、ファンも将棋雑誌を購入したり、大盤解説会に足を運んだり、ということはあるのですが、その割合は微々たるものです。例えばプロ野球ですと、プレイヤーは何万人という観客に「みられる」という実感、球場に足を運んでくれるお客さんの存在を体感として得ることができますが、棋士には実感として、そういうものを感じる機会がありません。スタジアムに広がる大声援や拍手という形で具体的な称賛を感じることができない。実はそれを媒体を通して伝える機関はメディアであり観戦記者です。更にいえば「プロの将棋はプロにしかわからないし対局者にしかみえない」というやっかいな面もあります。

現実に解説者の指し手は対局者とは一致せず、「わかりまらんねぇ」を連発し、「これが羽生さんの手なんですねぇ」と驚嘆するばかり。観戦する方も「ああ、そういうものか」で、更にはそれもまた将棋の魅力のひとつとなっています。

つまり「ファン」と「棋士」の距離が元々、実は遠いのではないかと、そういう構造だろうと思います。棋士が将棋を指して対価を得る環境を維持しているのは「メディア」であり「協賛企業」であるという構造をみれば、彼らの視線は自ずとそこに向かうわけです。

そしてファンは「名人戦」や「竜王戦」といったビッグタイトルの番勝負を様々な場所で断片的に、コアなファンは更に深めて視聴するという、実は「それが満たされればいい」という面があります。つまり「米長体制がどうであれ」多くのファンは、そんなことは「どこにでもあること」であり、私たちは「将棋がみたい」というその欲求が満たされることが第一義なんですね。不公平な棋戦を協賛する企業の商品をボイコットするということはあっても、その棋戦はウォッチする。その棋戦を支えているのはスポンサーである、という自己矛盾の世界もある。極論するならば「米長さんは嫌いでも名人戦や竜王戦はみる」「ナベツネは嫌いでもジャイアンツ戦はみる」ということです。何故ならば、対局や試合を通しての息詰まる熱戦と感動が与えられれば、それでいいからということになってしまいます。だから棋士たちは、米長体制云々よりも「将棋」を大事にする。実は、これはこれで理に適ったことでもあるのです。

私は毎日新聞社は、率直に申し上げるならば「名人戦」の契約料を負担する対価を、他のことに使った方がいいと思っています。ただしここには、読売、朝日、毎日という「意地の関係」のようなものが三社間にありますし、だから媒体は、自社の負担だけで賄えなくなれば、特別協賛をどんどん増やしていくでしょう。その意味では水面下も含めて様々な交渉があると考えますが、同様の手法により、メディアが棋戦を手放すことは「ない」だろうとみています。将棋という文化性を少なくとも一定、メディアは認めていますから、そういう弱い小さな価値のあるものを、なかなか見放すことはできない。そういう意味では「共催」というのは戦略的には優れた手法だと私は思っています。

web配信事業については、個人の加入負担金が安価であることを思えば、今までの既存メディアではできなかった「完全中継システム」というのは、一定の利用は保たれると思います。好きなものを視聴するために、コーヒー一杯、喫茶店で呑まないということは、おそらくそれほど難しいことではありません。こういう双方向のメディアシステムは、棋士にも経験のなかったことだと思います。1980年代の初頭に「ニューメディア」という言葉とシステムがそれなりに世の中で騒がれましたが、結局は定着しませんでした。ただし、それは当時のシステムに「双方向性」という概念がない、もしくは非常に希薄だったからです。

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公益法人としては、百年の体系とまでは言いませんが、長期的なビジョンが無く、思い付きだけでの行動は、経営を破たんさせる要因としては十分すぎます。それらの事により、スポンサーとしての新聞社との軋轢は増してくるでしょうし、将棋という文化性を持っている筈の世界が別のスポンサーを求める為には、より「興業的」ならざるを得ませんし、新聞社にとっては応援をし辛くなる環境を自ら行っております。
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もちろん、思いつきだけではいけませんが、経営という面には「スピード」が求められるということもあろうかと思います。

私は幸いにして、中学、高校時にプロ棋戦を生で〈対局室〉ほんの数分ですが、観戦する機会が何度かありました。感想戦では後ろの方から、勝負の世界の余韻を体験することもできました。その後、名人戦が中継され〈中原名人は、カメラが対局室に入るということになかなか慣れなかったわけですが)今では更に手軽に視聴できる環境が生まれました。映像というメディアが伝える情報量というものは、おろそかにはできませんし。

私はそのこと自体を世渡りさんが「否定」しているとも考えていませんが、この点はいかがでしょうか。

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公益法人として、国からの援助を期待するのであれば、より文化的になる必要を感じます。新聞社は、故大正力が新聞棋戦を考え始めた頃とは状況が違います。三派に訣れて、新聞社同士が棋士を抱えて、「劇場」を作ってくれていた時代ではないのでは。また、次の小菅剣之助を期待できるような夢の世界は終わってしまっております。

歴史的・文化的な将棋を前面に打ち出してこその公益法人取得であり、それを打ち出さないのであれば、新聞社は応援の糸口を失い「より興業的に走る」ようになるのではないでしょうか。これでは、長期的なビジョンを持っているなどとは言えません。
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少し御手間をかけてしまいますが、世渡りさんがお考えになる「将棋の文化性」という問題。「興行的」という問題。この点をもう少し噛み砕いていただければ幸いに存じます。世渡りさんのお考えになるこれら「定義」を踏まえた方が、やりとりが「明後日の方向にいかなくて済む」という気がしています。

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ファンは、それほど急速には離れてはいかないのではないでしょうか。しかしそれは、すでに現在のファン事態がよりコアなものへと変質をしてしまっているようにも見えるからです。将棋人口を増やすことには時間がかかるものであると考えております。逆を言えば、世界に将棋というゲームを紹介する方が、現実味を感じさせてくれます。
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私はファン層というものは、少なくとも私が将棋を覚えた昭和40年代後半から羽生さんの出現以前までの方が、ある意味、遥かにコアだと感じています。当時はご承知のとおり、女流棋士という存在自体が、本当に少ないものでしたし、棋譜に接するという機会も極めて限られていました。そもそも棋士の「生活の基盤」すら認知されていなかった面もありました。

さて、私のコメントも2回に渡って、随分と長くなってしまいました。

これは言わずもがなのことですが、返信は全く急ぎません。

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[448] 世渡り下手爺さんへの公開私信(5)
JC IMPACTU (/) - 2012年04月26日 (木) 23時33分

世渡り下手爺さま

引用発言は「web駒音」(http://www.koma.ne.jp/)スレッドタイトル「JCさんとの意見交流」

投稿者:世渡り下手爺 - 2012/04/25(Wed) 02:39 No.43093 のものです。(スレッドNo.4)(引用発言は点線内)

世渡り下手爺さんの発言を拝読させていただきました。

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実に長くなりましたので、この話は続くものとして本日は終了をさせて頂きます。
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承りました。それではこの問題についてのご見解をお示しくださり、一区切りつきましたらご発言内でお知らせください。私にとっては知らないことが多く、このような視点からのアプローチももちろん歓迎致しますし、区切りの時点で、私の方から、お尋ねも含めて拙見を述べさせていただければと思います。

尚、世渡りさんの方で、今後、アクセスをいただきます場合、

http://bbs7.sekkaku.net/bbs/?id=jcimpact&mode=res&log=54

をご活用いただけますと幸いに存じます。

私の方でも「独立したスレッド」を作成し、環境を整えさせていただきました。

この発言も↑のURLの最後に転載しておきます。

よろしくお願い致します。

Pass

[523]
JC IMPACTU (/) - 2012年05月20日 (日) 22時05分

HN「飛入」さんという方が「盤側」で「米長会長に対する評価」という問いかけを行っていらっしゃいます。氏は私の掲示板を読める環境にあるようですから、その回答はこちらで行うことにしましょう。(引用部分は「盤側の談話室」(http://bansoku.sakura.ne.jp/bansoku/joyful.cgi ROMの独白(ひとりごと)室 投稿者:飛入 投稿日:2012/05/20(Sun) 13:36 No.12554 より)

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5)連盟会長に対する評価
盤側でも連盟会長を批判する立場の人が大多数の様に感じられますが、(権力者を批判することはある意味健全なのでしょう)評価する点は全くないのでしょうか。功罪あれば功の部分。よろしければ一度常連さん個人個人の意見をお聞きしたい。

結果のみをなぞると、公益法人への移行・女流棋戦の増加(と女流棋士の待遇改善)・名人戦の共催(棋戦契約金の負担・維持の面で考えると両新聞社にとっても連盟にとってもよかったのかなとも思える。)等はあてはまりませんか。

盤側常連さんの意見も個々で微妙に違うのかなと予想しているのですが。(まずビストロさん如何でしょうか。)
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評価という面でいえば、盤側でビストロ氏が記されたことについて、私もほぼ同意できる面があります。特にニコニコ動画との中継提携については、一部からの批判はありますが、ファンにとって「みたい棋戦をみたいときにいつでも視聴できる」という環境を作ったことについては、いいことだと思っています。視聴者の全員が「純然たる将棋ファン(これも定義が難しいのですが)なのか」という提起もありますが、私などはコメントを「非表示」にして楽しんだりもしています。「囲碁・将棋専門チャンネル」は別としても、将棋というものは「映像化」が難しい面があり、地上波では「NHK杯」しかなく、名人戦もBSで一部しか放映されません。それが対局終了までリアルに視聴できる環境をいち早く作ったということについては、満足度の貢献という視点からみてもよかったと私は考えています。

問題点ということでいえば、このあと世渡り氏との意見交換を更新しますので、そちらもお読みいただければと思いますが、どの道、この国の少子化に歯止めはかかりませんから、未来の愛好者という点では「児童、幼児」がターゲットになります。この段階で「将棋を好きになってもらう」という施策が求められますし、連盟も取り組んではいますが、子供たちや保護者が今の「連盟」をみたときに「??」ということがあまりに多過ぎる。そんな世界に憧れを本当にもつのかどうか、とは感じますね。

米長会長は「大人の論理と権力をふりかざして」何とか自身の職を維持していますが、果たしてそれだけでいいのかどうか、この点は、私には大きな疑問でもあります。

マグロ事件は、私にはよくわかりません。従いまして見解を述べることは控えます。
>>7)女流独立問題(勝手読みと感想)

については機会を改めて、ここで見解を述べてみようと思います。


Pass

[525]
JC IMPACTU (/) - 2012年05月21日 (月) 22時16分

「女流棋士分裂問題」についてのHN「飛入」さん(盤側の談話室)でのご質問について、ひき続きこちらで拙見を述べてみたいと思います。(引用部分は「盤側の談話室」(http://bansoku.sakura.ne.jp/bansoku/joyful.cgi ROMの独白(ひとりごと)室 投稿者:飛入 投稿日:2012/05/20(Sun) 13:36 No.12554 より)

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7)女流独立問題(勝手読みと感想)
ブログを拝見し、JCさんがY女流四段に幻滅している感じを受けました。勝手読みすれば独立騒ぎの際、目の前に人参をぶら下げられ寝返ったとお考えなのでしょうか。
女流棋士は当初大半が独立には賛成で、Y四段(当時はたぶん女流名人)も独立のための役員をしていましたよね。
ところが一部急進派の独立の進め方(連盟と友好関係を築けなくてもかまわない)に多くの女流棋士が不安になり、また新法人設立準備委員会の設置が独立を認めたことになる等「知らしむべからず寄らしむべし」のやり方に不信感が募り分裂が避けられない事態になったとき、彼女は残留派に心情的に近かったということではないのでしょうか。
私はそう感じておりました。
当時、ゴトゲン氏の観戦記にチラッと登場した彼女の描写をみて尚更そう思いました。
確かに彼女は仕事を多く抱えているようですが、元々女流ではリーダー格、人気・実績もあり、何よりファンの受けが悪かったら仕事の依頼は続かないと思われます。
引止め工作時(他に適切な表現は無いのか・・自問)に、たとえ仕事の話が出ていたとしても、そんなことは彼女の決断を左右するほど大したものでは無かったんじゃないのかな、と言いたい。
最近成績がふるいませんが、老け込むのはまだ早い。タイトル奪回目指して頑張ってほしい。
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女流棋士会 妙手見えず 「独立宣言」…続々と脱落者 連盟が一転、切り崩し 「1億円寄付集め」が発端 この記事をご覧ください。私は当時、王位戦のスポンサーの1社でもあるこのメディアが「ここまで書いた」ことについて、一定の評価をしていますし、実際の「切り崩し」のきっかけはこの「寄付金問題」が発端だったと思っています。

私は矢内さんには全く何の恨み辛みもありませんし、同様に何かの思い入れとかファンであったとか、そういう感情も存在しておりません。

ただし、彼女は当時準備委員の一人でもあり、女流名人という地位にあったわけですから「独立」から「残留」に立場を変えたのであれば、変わった「理由」は、自身の口からきちんと説明すべきだと私は思いました。羽生さんに自ら「独立の意義」を説いたというなら尚のこそです。おそらくそれは矢内さんの「人生観」の問題でしょうが、私は彼女の「はっきりしない」スタンスは好まないですね。それが私の「矢内さん評」に繋がっていることは認めます。

残留の記者会見の席上で谷川治恵女流四段は「独立に反対なのではなく、連盟と対立するような進め方に懸念を感じる。白紙に戻してほしい。残留希望者数はわたしたちを含めて20人以上いると思う」という趣旨のことを述べられました。しかし独立問題が「同じパイ(将棋に対する出資)を巡る奪い合いの様相」になってしまえば「連盟との対立」は止まらない。つまり谷川さんの主張に沿うことは、中井さんや石橋さんが志した「理念」そのものを下ろすことになってしまいます。この段階でそれは難しい。

この問題の本質というか、捻じれの大きな原因のひとつに「男性と女性、強者と弱者について金銭と権利の部分を全て混在させてしまっている」点があったのだと私などは考えていますね。

Pass

[527]
香奈ファン (/) - 2012年05月22日 (火) 01時45分

今晩は、ご無沙汰しております、香奈ファンです。

今回は、私の関心が高い件なので、JCさんと少し議論をしてみたいと思います。

1)
女流の分裂時の矢内さんの対応に対する評価は、結局のところ、「独立」をどう評価するかを抜きにしては語れないのでは
ないか、と考えます。おおまかに言って、「独立」を評価する者は、分裂したにせよ初志貫徹して独立したLPSAを評価し、
少なくとも残留派の中のリーダー的棋士には批判的であり、「独立」に疑念を抱く者は、その逆であるのではないでしょうか。

JCさんは、矢内さんの「はっきりしない」スタンスに批判的ですが、はっきり言えない事もあるのではないでしょうか。

例えばですよ、矢内さんの認識が以下のように変わったのだとしたら如何でしょうか。

まず、私の<女流>に関する認識はこのようです。
私は女流ファンですが、それは、正棋士の指導の下に徐々にでも強くなっていくという条件付で女流を応援しているし、その
「過渡期」の将棋を楽しんでいます。その「条件」があるからこそ、時にトップ女流棋士でも見せる終盤のひどい差し手も
<我慢>して見ることが出来ます。また女流タイトル戦なども、4段以上の正棋士の解説・コメントもあって初めて将棋の
深みと、多少正着からはずれても女流の真剣勝負の醍醐味の両方を、バランスをとって楽しむことが出来ます。だからこそ、
奨励会の上級組が何人も出てきたのはとても喜ばしいことです。こういうファンが多いのではないでしょうか。

独立してしまって、かつ連盟とパイの取り合いになり、「強くなる」という面で連盟の支援を得られなくなった女流が、将来にも
渉ってスポンサーやファンを確保できるかは疑問であると思います。今でこそ高額女流棋戦が複数出てきていますが、将棋の内容
からして、賞金額だけの一時的な「バブル」である面も否めないと思います。連盟と手を切った女流棋界が独立後数年は耳目を
集めたのち、ファンを失い衰退し、自滅していく危険性はあったのではないか。と考えています。

矢内さんが羽生さんに言ったという「独立の意義」がいかほどのものであったか分りませんが、その女流ならではの「世間知らず」
振りに、連盟の引きとめ工作中に矢内さんが気がついたとしたら、どうでしょう。自分は独立を意義があると思っていた、しかし
その「必然的」手段であるべき1億円寄付金集めが、連盟との断絶・絶縁を意味すると説得され、なるほどそうかと気がついたら
どうでしょう。

自分の心変わりの理由が、独立の「幼稚性」、「無謀性」に気がついたことであれば、それを表明することは、これから独立して
いく者に対する侮蔑にもなりかねない。共に独立を進めてきた者を「裏切って」残留することだけでも「罪」であるのに、
あくまでも独立するという者に対して、その無謀さを言い募るのは更なる「罪」になる。そう考えたということはありませんか。
谷川さんのように、独立派と最初から距離を置いていた(推測ですが)人は、独立派への批判を躊躇する必要は感じないでしょうが、
矢内さんのような独立リーダ派は、考え方を変えただけでも後ろめたいのに、その理由を大きな声で言う事は更なる背信行為と
考えたということはありませんか。

私は、リーダーとして考え方を変えた理由を表明すべき(確かに正論ですが)という責任よりも、
最終的に正しい判断をしたかどうか、と言う責任の方に重きを置きます。

2)は質問です。

>つまり谷川さんの主張に沿うことは、中井さんや石橋さんが志した「理念」そのものを下ろすことになってしまいます。
>この段階でそれは難しい。

これは、どういうことでしょうか。この時点でどうすべきだったと、仰っているのでしょうか。


3)も質問です。

>この問題の本質というか、捻じれの大きな原因のひとつに「男性と女性、強者と弱者について金銭と権利の部分を全て混在
>させてしまっている」点があったのだと私などは考えていますね。

これも、どういうことでしょうか。誰が捻じれさせたのか。誰が混在させてしまっているのでしょうか。
誰がどのような間違いを犯したと仰ってるのでしょうか。


最後に、
私はJCさんや、駒音、盤側の論者と違って、将棋界に全く情報ソースを持ちませんので、情報はネットだけからです。
従って、当該の方たちが持っておられるような将棋界の常識的情報を知りませんので、自分の考え方は、
ネットで得た情報の上に、人の心理・一般的考え方、組織・集団のあり方、その他自分の経験から得たものの考え方を
加えた推論ですから、大いに勘違いしていることもあるかもしれないと考えています。

JCさんとの議論の中で、より真理に近づけられれば嬉しく思います。

Pass

[529]
JC IMPACTU (/) - 2012年05月22日 (火) 23時59分

香奈ファンさん

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女流の分裂時の矢内さんの対応に対する評価は、結局のところ、「独立」をどう評価するかを抜きにしては語れないのではないか、と考えます。おおまかに言って、「独立」を評価する者は、分裂したにせよ初志貫徹して独立したLPSAを評価し、少なくとも残留派の中のリーダー的棋士には批判的であり、「独立」に疑念を抱く者は、その逆であるのではないでしょうか。
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「今」ではなく「当時」の状況に照らしてみれば「行くも地獄、残るも地獄」という感じだったような気がします。実はこの「独立」というものをどう評価するか、については色々な視点があるだろうと私は思っていまして、いわば「自立」するということと「幸福(しあわせ)を求める」という基準で私はみていました。

そういう意味では女流棋士ひとりひとりの「生き方」がこれほど投影された選択もなかったのではないか、と感じてもいます。

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まず、私の<女流>に関する認識はこのようです。
私は女流ファンですが、それは、正棋士の指導の下に徐々にでも強くなっていくという条件付で女流を応援しているし、その「過渡期」の将棋を楽しんでいます。その「条件」があるからこそ、時にトップ女流棋士でも見せる終盤のひどい差し手も<我慢>して見ることが出来ます。また女流タイトル戦なども、4段以上の正棋士の解説・コメントもあって初めて将棋の深みと、多少正着からはずれても女流の真剣勝負の醍醐味の両方を、バランスをとって楽しむことが出来ます。だからこそ、奨励会の上級組が何人も出てきたのはとても喜ばしいことです。こういうファンが多いのではないでしょうか。
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私も概ね、そのような感じですね。ただ加藤さんや里見さんという「身体で覚えた将棋」が女流棋界の中で、ひとつの地位を作りつつあり、清水さんが孤軍奮闘しているという状況をみますと、奨励会会員の棋士と「女流棋士」の間は、なかなかに埋めがたいものが出てくるのかもしれません。そういう意味では、現在予選が進行している「女流王座戦」を注目してもいます。この力学が定着してしまえば、連盟の女流棋士も「お荷物」という状況に変わりはないからです。経営的にみれば、ということですが。

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独立してしまって、かつ連盟とパイの取り合いになり、「強くなる」という面で連盟の支援を得られなくなった女流が、将来にも
渉ってスポンサーやファンを確保できるかは疑問であると思います。今でこそ高額女流棋戦が複数出てきていますが、将棋の内容
からして、賞金額だけの一時的な「バブル」である面も否めないと思います。連盟と手を切った女流棋界が独立後数年は耳目を
集めたのち、ファンを失い衰退し、自滅していく危険性はあったのではないか。と考えています。
---------------------------------------------

ここは難しいところです。独立の足並みが変化をし、最終的には残留者の方が多かったわけですが、当時、中井さん、石橋さんに女流名人だった矢内さんと、あと千葉さん(清水さんはおそらく独立という気持ちは殆どなかったのでは、と思います)が、加わっていれば、おそらく勢力図は相当、変わっていたという気がするのですね。おそらく数のバランスも。

香奈ファンさんご承知のとおり、LPSAにはそもそも資格がありませんので別として、制度の再変更後、連盟の女流棋士が奨励会に入会したという話を私は聞きません。まぁ、これも人生観の問題でしょうが、矢内さんも清水さんも「女流」であり続けることを選択したわけです。

これは私の想像でしかありませんが、連盟の切り崩し工作によって、もちろん生活の糧を考えた結果、残留の道を選んだ方もいらっしゃるでしょう。ただ、矢内さんにはそれだけではなく、中井さん、石橋さんがいなくなった「連盟女流」でトップを目指すという気持ちにも傾いたのではないか、という気がしています。当時の実力から考えれば、それは射程距離として考えても全く不思議ではありません。

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矢内さんが羽生さんに言ったという「独立の意義」がいかほどのものであったか分りませんが、その女流ならではの「世間知らず」振りに、連盟の引きとめ工作中に矢内さんが気がついたとしたら、どうでしょう。自分は独立を意義があると思っていた、しかしその「必然的」手段であるべき1億円寄付金集めが、連盟との断絶・絶縁を意味すると説得され、なるほどそうかと気がついたらどうでしょう。

自分の心変わりの理由が、独立の「幼稚性」、「無謀性」に気がついたことであれば、それを表明することは、これから独立して
いく者に対する侮蔑にもなりかねない。共に独立を進めてきた者を「裏切って」残留することだけでも「罪」であるのに、あくまでも独立するという者に対して、その無謀さを言い募るのは更なる「罪」になる。そう考えたということはありませんか。
谷川さんのように、独立派と最初から距離を置いていた(推測ですが)人は、独立派への批判を躊躇する必要は感じないでしょうが、矢内さんのような独立リーダ派は、考え方を変えただけでも後ろめたいのに、その理由を大きな声で言う事は更なる背信行為と考えたということはありませんか。
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そもそも新しい「独立した組織」を作るわけですから、運営資金が必要になるのは当然で、それは天から降ってくるわけではないのですから「浄財」を求めるというのは、ごくごく自然のなりゆきだったと私は思います。そのことが「連盟との軋轢、関係の悪化を生むから残留した」というのであれば、矢内さんの独立のイメージは何だったのでしょうか。

彼女は当時、女流名人です。女流のトップという地位にあった方です。森内さんや羽生さん、谷川さんといった「名人・永世名人」の「言葉」が重いのと同様に、彼女もまた「女流棋界全体のこと」を考えなければいけない立場にあるわけです。矢内さんも「女流名人」として羽生さんに面会したと私は思います。

そういう立場というものを考えず、ただただ「現場」を混乱させたという点では、極めて問題のある行動だったのでは、と私はみています。ある意味、女流名人位の権威にすらかかわる問題だったのではないかということですね。

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自分の心変わりの理由が、独立の「幼稚性」、「無謀性」に気がついたことであれば、それを表明することは、これから独立して
いく者に対する侮蔑にもなりかねない。共に独立を進めてきた者を「裏切って」残留することだけでも「罪」であるのに、あくまでも独立するという者に対して、その無謀さを言い募るのは更なる「罪」になる。そう考えたということはありませんか。
谷川さんのように、独立派と最初から距離を置いていた(推測ですが)人は、独立派への批判を躊躇する必要は感じないでしょうが、矢内さんのような独立リーダ派は、考え方を変えただけでも後ろめたいのに、その理由を大きな声で言う事は更なる背信行為と考えたということはありませんか。
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それを「無責任」というのだと私は思います。だから私は矢内さんを評価しないのですね。つまり「名人として、やってはならないことをやってしまった」し、そのことを反省もしない、説明もしない。そういう「生き方」を私は肯定はできないということです。

>これは、どういうことでしょうか。この時点でどうすべきだったと、仰っているのでしょうか。

つまり「独立に反対なのではなく、連盟と対立するような進め方に懸念を感じる」という部分で、既に「独立」という解釈が連盟と委員会で決定的に異なっているわけです。「連盟が示す独立」では「独立にならない」というふうに独立派は考えていたでしょうし、そもそも、連盟も女流を経営的に評価していないわけですから、止まることはもうできないということではなかったかということです。

香奈ファンさんは「石橋メモ」の存在を御存知ですか。もし未見であれば次回以降、私の方で貼り付けますが。

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これも、どういうことでしょうか。誰が捻じれさせたのか。誰が混在させてしまっているのでしょうか。
誰がどのような間違いを犯したと仰ってるのでしょうか。
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強い男性棋士→見合った収入→権利主張
弱い女流棋士→低収入→権利主張の制限

という図式だけで物事を考えてしまったということです。元々、独立の発端となった問題は、給与とか保険という話であって、対局料とか賞金という話ではありませんでした。

おそらく「男性並みの給与」を要求したわけではなかろうと思います。(想像ですが)女流という「母数の少ない集団でも、将棋に関わる仕事はしているのだから、応分に扱ってくれ」ということが「棋力だけで」一刀両断された。変な思考停止が連盟にあったのではないかと思います。

今では男性棋士も同じようになりましたから、まぁ声高に主張はできないとは思います。これはあくまでも当時としての話です。

Pass

[530]
香奈ファン (/) - 2012年05月23日 (水) 00時49分

JCさん、多少の反論、再質問があるのですが、
「石橋メモ」を読んでからにしたいと思いますので、
貼っていただけますか。

「石橋メモ」なるものがあるのは知っていましたが、ネットでは
引用はあるものの、その全容は捜すことが出来ませんでしたので
御願いします。

Pass

[531]
香奈ファン (/) - 2012年05月23日 (水) 19時48分

JCさん、ご丁寧なご回答いただきありがとうございます。


名人戦があり、女流王位戦があり、仕事があるというお忙しい中でご回答いただくわけですから、ご面倒でしょうが、2-3日空いても
構いませんので、おいおいご回答いただけると嬉しく思います。


さて今回の回答を読ませて頂く中で感じたことは、私としては議論したい論点をもう一度整理したほうが良いのかなということでした。


というのは、相手の記述の段落毎へのレスをお互いに繰り返していくと、部分的には議論が進んでも、全体的にはドンドン論点が
ずれていき、何を主題にして議論しているのかわからなくなってしまうのではないかということです。


例えば、下記の段落。

---------------------------------------------
独立してしまって、かつ連盟とパイの取り合いになり、「強くなる」という面で連盟の支援を得られなくなった女流が、将来にも
渉ってスポンサーやファンを確保できるかは疑問であると思います。今でこそ高額女流棋戦が複数出てきていますが、将棋の内容
からして、賞金額だけの一時的な「バブル」である面も否めないと思います。連盟と手を切った女流棋界が独立後数年は耳目を
集めたのち、ファンを失い衰退し、自滅していく危険性はあったのではないか。と考えています。
---------------------------------------------

上記の私の記述に対してJCさんは以下のようにコメントされています。

>ここは難しいところです。独立の足並みが変化をし、最終的には残留者の方が多かったわけですが、当時、中井さん、石橋さんに
>女流名人だった矢内さんと、あと千葉さん(清水さんはおそらく独立という気持ちは殆どなかったのでは、と思います)が、加わって
>いれば、おそらく勢力図は相当、変わっていたという気がするのですね。おそらく数のバランスも。

>香奈ファンさんご承知のとおり、LPSAにはそもそも資格がありませんので別として、制度の再変更後、連盟の女流棋士が奨励会に
>入会したという話を私は聞きません。まぁ、これも人生観の問題でしょうが、矢内さんも清水さんも「女流」であり続けることを
>選択したわけです。

>これは私の想像でしかありませんが、連盟の切り崩し工作によって、もちろん生活の糧を考えた結果、残留の道を選んだ方も
>いらっしゃるでしょう。ただ、矢内さんにはそれだけではなく、中井さん、石橋さんがいなくなった「連盟女流」でトップを
>目指すという気持ちにも傾いたのではないか、という気がしています。当時の実力から考えれば、それは射程距離として考えても
>全く不思議ではありません。


この部分、私が主張点をハッキリまとめなかったことが原因かも知れませんが、JCさんの論点がよく理解できませんでした。


というのは、
上の段落で私が主張したかったのは、全員で独立してしまっていたら、独立した女流団体がその弱さ故に呆れられて(男性棋士との差を
埋める手段も展望も無く)、ファンに飽きられて自滅するというのではということです。すなわち、連盟と対立しての完全独立(全員での)
は「女流」の自滅・滅亡につながるのではないかという、敢えて言えば、私はこの段落で、全員での「独立否定」論を展開しているわけです。
LPSA否定論、連盟残留派肯定論などではありません。


これに対しJCさんのコメントの内容を要約すると、

1.千葉さんが加わっていれば勢力図は変わっていた。(もっとLPSA側が有利になっていた、ということでしょうか。)
2.制度の再変更後、矢内・清水を初め連盟女流は奨励会に加入していない。(連盟女流は強くなろうとしていない、ということでしょうか。)
3.矢内さんは中井さん、石橋さんがいなくなった後、「連盟女流」でトップを狙えることにメリットを見出した。


この部分をまとめると、LPSAへの参加者がもう少し多ければうまくいったかも知れないということと、連盟側女流への批判を主張
されているように思われます。


これは議論が噛み合っていないように思えます。女流が全員で独立すれば失敗する、目先好いように見えても将来滅亡するのではないか、
という問いに対する回答ですから、いやいやそんなことはない、全員で独立していたらうまくやっていけるはずだ、というような趣旨の
論点があって欲しいわけです。


ただこの食い違いは、JCさんの責任とは考えていません。もともとは矢内さんに対する評価から議論の取っ掛かりを見つけようとした
私がもっと最初に、議論したい内容をハッキリしていれば良かった事です。




ということで、JCさんの書かれた他の段落にも、その部分に関しては反論もあるのですが、それを書くとますます主題としたい論点から
ずれていくように思いますので、それは止めて、もう一度私が議論したい、もしくはJCさんのお考えをお聞きしたい点を整理したいと
思います。



改めて仕切り直しですが、

私は最初の書き込みで以下のように書きました。


---------------------------------------------------------------------------------------------------------------
1)
女流の分裂時の矢内さんの対応に対する評価は、結局のところ、「独立」をどう評価するかを抜きにしては語れないのでは
ないか、と考えます。おおまかに言って、「独立」を評価する者は、分裂したにせよ初志貫徹して独立したLPSAを評価し、
少なくとも残留派の中のリーダー的棋士には批判的であり、「独立」に疑念を抱く者は、その逆であるのではないでしょうか。
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------


そして、矢内さんがどういうことを考えたかの可能性を推論し、矢内さんを「弁護」し、最後に以下のように書きました。

------------------------------------------------------------------------------------------
私は、リーダーとして考え方を変えた理由を表明すべき(確かに正論ですが)という責任よりも、
最終的に正しい判断をしたかどうか、と言う責任の方に重きを置きます。
-------------------------------------------------------------------------------------------


つまり、敢えて文字にすると「独立否定論」です。その論拠は、このレスの最初の方で述べました。
敢えて言えば、私が前レスで展開した「矢内弁護論」は、「独立否定論」の補足程度のものであったかも知れません。取っ掛かりが矢内さん
への評価だったので、その点を記述するため「独立否定論」を前面に出すことを少し憚ったのかもしれません。



この論点に沿って、今一度JCさんのコメントを見ていきますと、


>「今」ではなく「当時」の状況に照らしてみれば「行くも地獄、残るも地獄」という感じだったような気がします。実はこの「独立」と
>いうものをどう評価するか、については色々な視点があるだろうと私は思っていまして、いわば「自立」するということと「幸福(しあわせ)
>を求める」という基準で私はみていました。

>そういう意味では女流棋士ひとりひとりの「生き方」がこれほど投影された選択もなかったのではないか、と感じてもいます。



確かに「当時」は「行くも地獄、残るも地獄」だったであろうことは想像出来ますし、そもそも「独立」を言いだしたのも連盟側だった
のですから、「独立」に向かうのは主観的には自然ななりゆきだったと思います。


ただその時点では、女流の「独立」は、独立して経営的に・採算的にやっていけるかどうかについて、女流棋士全体が意気込み・決意を
見せて団結できるか否かが焦点であり、連盟とのパイを奪い合っての決定的対立に結びつくとは誰も気がついていなかったのではないでしょうか。
連盟だけではなく、女流の側も矢内さんだけではなく、中井・石橋さんも同じではないでしょうか。この点では矢内さんだけを責める
ような状況ではなかったと思います。


問題は、寄付金集めなどから、誰もが本来完全に別のマーケットだと思っていた女流将棋と、正棋士の将棋が、実は同じパイの奪い合いに
なるのだと気がついた時からなのでしょう。


もし我々のマーケットを侵害するならそれは許さないと連盟が考えたのは当然の反応だと思います。私は連盟と、女流棋士の関係は相互補完
関係にあり、対立・するのは双方にとってデメリットの方が大きいと思います。連盟は「女流枠」で、正棋士とは別のマーケットを得られ
(採算的には赤字に見えても、将棋界全体に対して耳目を集める効果がある)、女流は、棋力では「プロ」として存在できないにも
かかわらず連盟の抱える将棋ファンの存在により「女流プロ」となれる。


私は、今までも述べてきましたが、女流単独では存在し得ないと考えています。確かに私も含めて男性の将棋ファンの中に、その華やかさ
から女流のファンも沢山いると思いますし、スポンサーも数百万程度で棋戦が買えるなら、奇特な社長さんも何人も出てくるでしょう。
しかし、その将棋が結局詰まらなければ、ファンは離れて行き、その「弱さ」と賞金額の相対的アンバランスが批判・非難・揶揄を呼び、
スポンサーも撤退し、最終的に、独立した女流将棋は衰亡するのではないかと考えています。


そういう観点からしますと、JCさんの言われる「自立」とか、「幸福(しあわせ)を求める」という判断基準は、あくまでも独立派女流の
<主観的>な、<刹那的な>夢であって、結局彼女達の為にならなかった、という結果になったのではないかという気がします。



私の結論としては、以下のものです。


@「独立」行動は自然の流れで、やむを得ないことであったと思いますが、連盟と利害が対立することが判明した時点で、独立阻止・引止め
に動いた連盟の動きを逆手にとり、何らかの譲歩や、将来の待遇改善への言質をとる程度で我慢して、分裂独立は断念すべきでは無かったか。

Aただ、LPSAが分裂独立した現時点では、過去のことをいつまでも言い募っていても仕方ありません。今後のことを考えるならば、
現会長退任の後にはなるべく早く再統一出来るような体制をとっておくべきではないかと考えます。復帰のことなど考えていないという姿勢は、
分裂の固定化につながり、批判されてしかるべきではないか。



独立が無理筋であったとするならば、リーダーとして女流棋士全体を混乱させた責任はあるが、「行くも地獄、残るも地獄」の中で
最終的に独立を諦め残留に回った矢内さんだけをを強くは責めることは片手落ちのように思われます。

JCさんは矢内さんが女流名人であったことに、相当重きをおいてその責任に言及されていますが、待遇についても、扱いについても、
連盟からおよそ「名人」らしい配慮を受けていたと思われない矢内さんに、その名目的な肩書きを根拠に、その「格」を要求するのは
やや正当性を欠くのではないかと感じます。




と、このようにやや大上段に振りかぶって書いてしまいましたが、必ずしも確信があって書いているわけではありません。

連盟の残留女流が非難されることの多い掲示板の様子を見ていて、そもそも独立をどう評価するかという視点が異なれば、
違った見解もありうるのではないかと思っていて、その解釈の一つとして提示してみたわけです。


このポイントに沿って是非JCさんのお考えをお聞きし、かつこの板をご覧になっている方々にも、私の「仮説」に対して
JCさんがどのように考えているかを披露したく、敢えて議論を持ちかけていますが、悪意・他意はありませんので、
よろしくご対応下さい。



「石橋メモ」のご紹介を待ってからにした方が無難かとも思ったのですが、まあその「石橋メモ」に関する感想は次回の
返信の際に、それを含めて書かせていただきますので、あしからずご了承下さい。

Pass

[532]
JC IMPACTU (/) - 2012年05月23日 (水) 22時02分

香奈ファンさん

ご丁寧なコメントを戴き、恐縮しております。

仕事がいくつか重なってしまったことや、前々から決まっていた会合やら、将棋部のOBが集まっての、今日の名人戦大研究会やら(このコメントも外出先から記しています)将棋部の部会やら、ペンクラブ交流会に向けての駒落ち特訓やらで、ここ一週間ほど、多忙な時を過ごしています。

そのせいでもないのでしょうが、前回の私のコメントは、少し慌てて仕上げたこともあり、些か不出来なものとなってしまいました。この点、深くお詫び申し上げます。

香奈ファンさんのコメントにつきましても、改めて拝読させていただき、週明けから、やりとりを再開させていただければ、と考えております。

よろしくお願い致します。

さて、今から乾杯の音頭です(笑)

Pass

[534]
世渡り下手爺 (/) - 2012年05月23日 (水) 23時00分

JC様、香奈ファン様

此処に、書き込むことはまず無いであろうと思っておりました。
実際、過去は変えることは出来ませんし、私が書く事により多くの今まで語られてきたことが覆されることになるでしょうから(笑)。

なぜ、「LPSAが沈黙をし続けるのか」、不思議に思われたことはありませんでしょうか? 何時かは語り始める時が来るのですね。しかし、今はその時ではないのでしょう。

香奈ファンさん、私が何故書いているのか、それでいて何故LPSAの活動に個人として参加が出来ているのか。それも不思議だとは思われませんか?それも何時かは分かる時が来るではないかと思いますよ。

同じことが、矢内さんの件にも当てはまります。憶測で書く事は幾らでも出来ます。しかし、その事実に関してだけは、LPSAも私も、将来に於いても書く事は無いでしょう。しかし、書かない事により、単なる憶測で書かれてしまう事は、彼女にとっては決して良い事には繋がらないのです。その為に此処で、その「単なる憶測」だけは否定をさせて頂きます。

1億円の寄付金の事も、羽生さんとの話し合いの事も全く関係などはいたしません。それだけはお伝えしたいと思います。


Pass

[535]
香奈ファン (/) - 2012年05月24日 (木) 00時42分

世渡り下手爺様、1,2度駒音で言葉を交わさせて頂きました香奈ファンです。

私たちの知らないことで、今話すことの出来ない真実が、当事者とも言える世渡りさんがお持ちであろうことは、さもありなん
と考えています。世間の憶測に対して、事実はこうなんだとブチまちまけてやりたいが、LPSAの立場を考えると、今は
その時期ではない、という立場についても充分に理解出来ます。

でも、鳩山総理の、沖縄米軍基地問題について「私に(相当な)腹案あり」と言っていたのが、蓋をあけてみれば、何も内容が
無かったというようなこともあり、世渡り下手爺様のややもったいぶった(失礼!)含みにも、それを聞けば、我々の、独立の
経緯に対する疑問・批判が氷解するかどうかは、必ずしも定かではないと考えられます。


それと、ちょっと意味深な書き方のため分りにくい部分があり、
わざわざ今回お書きになったのであれば、せめて以下の件だけは明らかにして頂けませんか。

つまり、
>その「単なる憶測」だけは否定をさせて頂きます。


その「単なる憶測」というのは、私の文章か、JCさんの文章か分りませんが、
そのどの部分のことを仰っているのですか。

これくらいはハッキリして頂かないと、
「単なる憶測」とはどの個所だろうと、また「憶測」しなければなりません。


また、真実を知る上で、当事者に近い立場におられた世渡り下手爺様が、今、真実を語るわけにはいかない
という「悔しさ」みたいなものを感じられていることだろうことも推察できます。

しかし、その悔しさは、LPSAサイドばかりではなく、連盟や連盟残留女流の方にだってあるだろうと
思いますよ。

今まで、世渡り下手爺さんは、駒音などでさんざん連盟や連盟残留女流を批判してきたわけで、
その当然の反作用として、私など市井の「反独立派」から、多少の「憶測」を含めて批判されたところで
まだまだイーブンにもなっていないのではと思いますよ。

少なくとも私は「憶測」を<解釈の一つ>として、「謙虚に」述べていますが、
駒音での連盟や連盟残留女流批判は、曲解・歪曲・こじつけ・はやとちり・妄信に満ちていたという印象がありますよ。

Pass

[536]
JC IMPACTU (/) - 2012年05月24日 (木) 07時43分

香奈ファンさん、 世渡り下手爺さん

おはようございます。私も世渡りさんの登場にびっくりしています。

私自身、女流棋士の独立の問題、矢内さんの変化の背景につきましては、公に語られた情報以外は、何も知りません。ただただ、不思議だなぁと思っていました。

独立云々という話から、矢内さんの『立ち位置』という問題になりましたし、私自身は確かに矢内さんに批判的ですが、だからといって、連盟女流のみなさんが悪いとか嫌だとかという感情は全くありませんし、LPSAのみなさんが、絶対に正義だと考えているわけでもありません。

というのは、昨日の里見さんの将棋をみていて感じたのですが、いわゆる「奨励会女子」の台頭は今後も続くことが予想されますし、女流棋士にとっては、ある意味『チヤホヤされる時代』は、終焉を迎えつつある、私はそう考えています。

そういう視点に立てば、連盟女流とLPSAを二項対立的に捉えるというのも仕方のないことなのかもしれません。今となっては、ですが。

どちらも大変だと思います。

連盟にも独立側にも思惑というものがあり、双方の読みにズレがあったことは間違いないと思いますが、私としては、石橋メモを週明けに示すことから、 香奈ファンさんと、マクロなやりとりを進めていきたい、と改めて感じました。

Pass

[537]
世渡り下手爺 (/) - 2012年05月27日 (日) 02時44分

香奈ファン様

これが、多分此処に於ける最後の書き込みとなります。つまり、今回の書き込みは、前回の書き込みに対しての香奈ファン様の疑問点を明らかにするためです。

---------------------------------------------------------
その「単なる憶測」というのは、私の文章か、JCさんの文章
か分りませんが、そのどの部分のことを仰っているのですか。
---------------------------------------------------------

私は明確に書いているつもりです。それは次の一行です。

>1億円の寄付金の事も、羽生さんとの話し合いの事も全く関係な>どはいたしません


また、香奈ファン様が書かれました、次の文章に対しては否定をさせて頂きます。

----------------------------------------------------------
しかし、その悔しさは、LPSAサイドばかりではなく、連盟
や連盟残留女流の方にだってあるだろう>と思いますよ。

今まで、世渡り下手爺さんは、駒音などでさんざん連盟や連盟
残留女流を批判してきたわけで、その当然の反作用として、私など市井の「反独立派」から、多少の「憶測」を含めて批判されたところでまだまだイーブンにもなっていないのではと思いますよ。
----------------------------------------------------------


香奈ファン様は、私が「連盟や、連盟残留女流を批判してきた」とされていますが、それは本当でしょうか? 

私が批判をしてきた(間違いであるとしてきた)のは「会長氏とそのブレーン」であり、また「『女流独立の経緯』とされた連盟発表の文章」に対してのみであり、連盟自体や、女流残留女流に対してではありません。

今一度、私が書いてきた内容を見て頂ければ、それはお分かりになる筈です。

Pass

[538]
世渡り下手爺 (/) - 2012年05月27日 (日) 10時28分

Passを入れていなかった為、ここに追記をさせて頂きます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
少なくとも私は「憶測」を<解釈の一つ>として、「謙虚に」述べていますが、駒音での連盟や連盟残留女流批判は、曲解・歪曲・こじつけ・はやとちり・妄信に満ちていたという印象がありますよ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


香奈ファン様、上記のあなた様の書き込みこそが、LPSAからの発信が無い為ではあるとは思いますが【憶測】の最たるものでありますよ。少なくとも、駒音における意見は「的外れ」などではありません。

2つの団体が対立をするのは何故であるのか、それを理解するのにためであるのならば、片側からのみの発信を鵜呑みにされているだけであり、それこそが【曲解・歪曲・こじつけ・はやとちり・妄信に満ちている】ことを全く理解をされてはおりません。

少なくとも、マグロ事件、連絡協議会、東塔に於ける会長氏の発信は全てが出鱈目であることは分かっていらっしゃるはずですが。

LPSAが発信をしないのは、時を選んでの為だけであり、その時が来なければ、情報や事実関係を持たない、あなた様には理解など出来ないのかも知れませんが、少なくともここに表れた【憶測】によるものは【否定】をさせて頂きます。

Pass

[539]
香奈ファン (/) - 2012年05月27日 (日) 14時04分


世渡り下手爺さま

私の質問に対するご回答ありがとうございます。


しかしながら、もうこの件での書き込みはされないと書かれているので、ご回答いただくことは無いのかもしれませんが、世渡り下手爺様の
ご回答にはどうも腑に落ちないことがいくつかあり、ここをご覧の方のためにも、その点だけは書かせて頂きます。



まず、私は世渡り下手爺様の下記のコメントにある「憶測で書く事」は私またはJCさんのどの部分ですかと質問しています。


>同じことが、矢内さんの件にも当てはまります。憶測で書く事は幾らでも出来ます。しかし、その事実に関してだけは、
>LPSAも私も、将来に於いても書く事は無いでしょう。しかし、書かない事により、単なる憶測で書かれてしまう事は、
>彼女にとっては決して良い事には繋がらないのです。その為に此処で、その「単なる憶測」だけは否定をさせて頂きます。



具体的には、世渡り下手爺様が抜き出して引用されたように


---------------------------------------------------------
その「単なる憶測」というのは、私の文章か、JCさんの文章
か分りませんが、そのどの部分のことを仰っているのですか。
---------------------------------------------------------

と、私は質問しています。



それに対する世渡り下手爺様の回答は、以下のものですね。


>私は明確に書いているつもりです。それは次の一行です。

>>1億円の寄付金の事も、羽生さんとの話し合いの事も全く関係な>どはいたしません


これは、世渡り下手爺様が書いた文章です。世渡り下手爺様は、「憶測で書く」ことはイカンと仰っているようなので、
私もしくはJCさんの文章のどこが憶測ですか、とお聞きしているのですが、
世渡り下手爺様の回答は自分の文章の再掲でした。


これでは一般的に言って回答になっていません。世渡り下手爺様は、私、もしくはJCさんの文章の箇所を抜き出して、
「この箇所が憶測である」と指摘すべきなのですよ。


今回のようなご自分の文章を再掲して、「俺のこの文章にすべての答えが書いてある。良く読めば分かる。」的な独りよがりの回答は
世渡り下手爺様の議論遂行能力を疑わせることにつながることを危惧いたします。




次に下記の箇所です。


>私が「連盟や、連盟残留女流を批判してきた」とされていますが、それは本当でしょうか? 

>私が批判をしてきた(間違いであるとしてきた)のは「会長氏とそのブレーン」であり、また「『女流独立の経緯』
>とされた連盟発表の文章」に対してのみであり、連盟自体や、女流残留女流に対してではありません。

>今一度、私が書いてきた内容を見て頂ければ、それはお分かりになる筈です。


世渡り下手爺様はじめ駒音の皆様は一般に、連盟や、連盟残留女流を批判していると言われれば、みなさん異口同音に
「連盟そのもの」は批判していないんだと、おなじような答え方をされています。 連盟や、連盟残留女流を「敵」視していない
という立場をとっているように見せたいのでしょうね。


しかし、そのような印象操作は成功されませんので、諦めたほうがよろしいかと思いますよ。


会長の続投を「許している」と言う理由でのトップ棋士、女流棋士を含め棋士全体への批判的発言や、
アカラと対戦したときの清水女流への悪意のこもった揶揄、里見香奈さんの奨励会入会への批判、
奨励会員の女流棋戦参加への批判、コンピュータとの対戦批判などを含め、
連盟の行ったここ2-3年の全ての事業に対して批判してきたことをどう思っているのでしょうか。


世の中、例えば盤側ですらも、米長会長のプロデュースしたイベントのいくつかについては
評価することもあったのですが、駒音、世渡り下手爺様は、一貫して「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」の感じで、
全て否定でした。


この意味するところは、「会長氏とそのブレーン」への批判から遠く逸脱して、棋士達が「概ね」了承している
連盟の事業方向そのものへの批判であり、イコール連盟批判なのですよ。


そうは思わない、と言っても、それは世渡り下手爺様のみの論理で、世間では通用しないと思います。



その他にもいろいろあるのですが、書いても「議論」になるとは思えませんので省略いたします。

Pass

[540]
世渡り下手爺 (/) - 2012年05月28日 (月) 02時59分

香奈ファン様

あまりにも、不思議な文章を展開されていらっしゃいますので、また書かせて頂くことにしました。それは私には、あなたの書かれている内容が非常に偏っているように見えるからです。

当初、このスレッドに登場をされた際には

--------------------------------------------------------
私はJCさんや、駒音、盤側の論者と違って、将棋界に全く情報ソースを持ちませんので、情報はネットだけからです。
従って、当該の方たちが持っておられるような将棋界の常識的情報を知りませんので、自分の考え方は、
ネットで得た情報の上に、人の心理・一般的考え方、組織・集団のあり方、その他自分の経験から得たものの考え方を加えた推論ですから、大いに勘違いしていることもあるかもしれないと考えています。

JCさんとの議論の中で、より真理に近づけられれば嬉しく思います。
----------------------------------------------------------


と書かれていますが、その後には

---------------------------------------------------------
駒音での連盟や連盟残留女流批判は、曲解・歪曲・こじつけ・はやとちり・妄信に満ちていたという印象がありますよ
----------------------------------------------------------

と変化をされています。その印象とはどの部分を取って「曲解・歪曲・こじつけ・妄想にみちていた」となるのでしょうか?あなたは、どのような客観的事実からそのような印象を持つまでに至ったのでしょうか。お答えいただければと思います。

つぎに、なぜ私が上記の様な質問をするのかといえば、あなたはまた、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
世渡り下手爺様はじめ駒音の皆様は一般に、連盟や、連盟残留女流を批判していると言われれば、みなさん異口同音に「連盟そのもの」は批判していないんだと、おなじような答え方をされています。 連盟や、連盟残留女流を「敵」視していないという立場をとっているように見せたいのでしょうね。

しかし、そのような印象操作は成功されませんので、諦めたほうがよろしいかと思いますよ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

と書かれているからです。ご自身が「ネットからしか情報を持たない」とするならば、その情報とはどのネットによるものであるのでしょうか?

あなたは、「駒音」を例として出されています。もし、それが「駒音掲示板」によるものであるとするならば、「みなさん異口同音に」と書かれていながら、その「ネットからの情報」を否定され、しかもその異口同音を「印象操作」とまで決めつけています。

そのあなたの文章の基となる、【根拠あるいは客観的な事実】とは、どこから得たものなのでしょう。まず、あなたのその情報の基となるものを提示して戴けなければ、あなたの意見は全く破綻をしております。私には、あなたの意見こそが「印象操作」としか見えませんものですので(笑)

Pass

[541]
香奈ファン (/) - 2012年05月28日 (月) 13時16分

世渡り下手爺様

世渡り下手爺様のことだからまた登場されることだと思っていました。

しかし、せっかく登場されるなら、もっと建設的議論が出来る体勢をとられてからにしては如何ですか。



まず、世渡り下手爺様は、2回に渉る、「憶測」とはどの箇所を言うのかという私の質問に答えていませんね。

これでは議論になりません。




第二に、私がJCさんにあてて書いたレスと、世渡り下手爺様にあてて書いたレスを並列に並べて
私の態度が「変化をされています。」と書かれています。これは随分無茶な結び付けです。

客観的事実に即して誠実に物事を考える方に対しては、私も自分の考え方の背景を隠すことなくつまびらかにし、
もって、より真摯な建設的な議論をしたいと考えています。

一方駒音に関しては、ここ2-3年もROMとして掲示板を見させて頂き、何度かは自身でも書き込みしたこともあります。
世渡り下手爺様からもレス頂いたこともありますよ。
その中で総合的印象として前述のような印象を得た、ということです。

そこには「変化をされています。」などいうような、何の矛盾もありません。




第三に、世渡り下手爺様は私が前レスで書いた、多少なりとも具体的な批判点の記述(下記)を意図的にスルーされているようですね。

-------------------------------------------------------------------------------------------
会長の続投を「許している」と言う理由でのトップ棋士、女流棋士を含め棋士全体への批判的発言や、
アカラと対戦したときの清水女流への悪意のこもった揶揄、里見香奈さんの奨励会入会への批判、
奨励会員の女流棋戦参加への批判、コンピュータとの対戦批判などを含め、
連盟の行ったここ2-3年の全ての事業に対して批判してきたことをどう思っているのでしょうか。
-------------------------------------------------------------------------------------------

これらのテーマについて、駒音諸氏の書き込みをつぶさに拝見すると、私の書いた「曲解・歪曲・こじつけ・はやとちり・妄信」
という印象が生まれるのです。


ネット上で、何かを立証することなど出来ませんから、これが絶対的事実だ・真実だなどとは申しませんが、
駒音でも、盤側でも、この言葉の対局室でも、見ている方の多くが、そのような印象を持っておられるだろうと考えています。




第四に、駒音諸氏が、連盟や、連盟残留女流を「敵」視していない、というのが世渡り下手爺様の主張のようですが、
それは非常に子供っぽい主張のように思えます。


ここ数年の連盟の事業のほぼ全てに批判を浴びせているということは、連盟の方向性そのものを批判していることだと考えます。
現会長がいかに独裁的権力を持っていても、連盟の存続・発展を目指しての施策の範囲内での、多少の逸脱や軋轢や回り道であり、
会長が代わっても、180度方向性が変わるなどありえないことだと考えます。


すなわち、現会長の一部の行動に対しての批判だけならいざしらず、現連盟のやることなすこと全てに悪罵を投げつけるようでは、
連盟批判と受け取られても仕方ないと思います。しかも現会長は棋士に「選任」されたのであり、その会長としての方向性全てに
対して批判するのは、「選任」した棋士全てを、自ら墓穴を掘る馬鹿者呼ばわりするに等しいことだと思いますよ。


駒音諸氏が意識しているかどうかはわかりませんが、諸氏が会長に切りつける刀の刃が周りの棋士や連盟残留女流にかすめたり当たったり
しているような感じですね。「いや俺は会長だけに切りつけるつもりだったんだ。」と言っても、これは子供の弁解・論理です。

これは、連盟の棋士や、女流棋士に、駒音の掲示板をよく読んでもらって、どのような印象を持つか聞いてもらうのが一番でしょうね。
駒音を評価する方が多数いるとは思えませんが。




最後に、「あなたの意見は全く破綻をしております。私には、あなたの意見こそが「印象操作」としか見えませんものですので(笑)」
とありますが、

どうぞお好きなだけお笑い下さい。私にはこの(笑)がむなしく見えます。

別の方にもアドバイスしたことがありますが、議論というものは聴衆がその成否・正邪を判断するものと考えていますので、
私たちの議論は見ている方に判断して頂きましょう。


最後に書いた方が「有利」になるとお考えでしたら、どうぞもう一度お書き下さい。
わたしはもう言うべきことは言ったので、「反論」は致しませんので、どうぞご自由に。


ネットの世界では、あの有名な「世渡り下手爺様」にお忙しい中、お相手して頂いたことは感謝いたします。

Pass

[542]
世渡り下手爺 (/) - 2012年05月28日 (月) 15時29分

香奈ファン 様

困った方ですね(笑)。今度は質問をされたら、さっさと尻尾を巻いてお逃げになるというわけですか。

―――――――――――――――――――――――――――――
まず、世渡り下手爺様は、2回に渉る、「憶測」とはどの箇所を言うのかという私の質問に答えていませんね。

これでは議論になりません。
―――――――――――――――――――――――――――――

これに関しては、
5月23日にNo534で

―――――――――――――――――――――――――――――
1億円の寄付金の事も、羽生さんとの話し合いの事も全く関係などはいたしません。それだけはお伝えしたいと思います。
―――――――――――――――――――――――――――――

と書いておりますが、それでもお分かりにはなりませんか?
そこでの私は「JC様、香奈ファン様」宛とした文章でしたが、もしご理解ができないのであれば、下記に書き添えます。

まず、1億円の寄付金の話とは、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
5月21日 JC様記載 No.525

女流棋士会 妙手見えず 「独立宣言」…続々と脱落者 連盟が一転、切り崩し 「1億円寄付集め」が発端 この記事をご覧ください。私は当時、王位戦のスポンサーの1社でもあるこのメディアが「ここまで書いた」ことについて、一定の評価をしていますし、実際の「切り崩し」のきっかけはこの「寄付金問題」が発端だったと思っています。

私は矢内さんには全く何の恨み辛みもありませんし、同様に何かの思い入れとかファンであったとか、そういう感情も存在しておりません。

ただし、彼女は当時準備委員の一人でもあり、女流名人という地位にあったわけですから「独立」から「残留」に立場を変えたのであれば、変わった「理由」は、自身の口からきちんと説明すべきだと私は思いました。羽生さんに自ら「独立の意義」を説いたというなら尚のこそです。おそらくそれは矢内さんの「人生観」の問題でしょうが、私は彼女の「はっきりしない」スタンスは好まないですね。それが私の「矢内さん評」に繋がっていることは認めます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

を指します。

次に、「羽生さんとの話し合いの事」とは

―――――――――――――――――――――――――――――
5月22日 香奈ファン様記載 No.527 

矢内さんが羽生さんに言ったという「独立の意義」がいかほどのものであったか分りませんが、その女流ならではの「世間知らず」振りに、連盟の引きとめ工作中に矢内さんが気がついたとしたら、どうでしょう。自分は独立を意義があると思っていた、しかしその「必然的」手段であるべき1億円寄付金集めが、連盟との断絶・絶縁を意味すると説得され、なるほどそうかと気がついたらどうでしょう。

自分の心変わりの理由が、独立の「幼稚性」、「無謀性」に気がついたことであれば、それを表明することは、これから独立していく者に対する侮蔑にもなりかねない。共に独立を進めてきた者を「裏切って」残留することだけでも「罪」であるのに、あくまでも独立するという者に対して、その無謀さを言い募るのは更なる「罪」になる。そう考えたということはありませんか。谷川さんのように、独立派と最初から距離を置いていた(推測ですが)人は、独立派への批判を躊躇する必要は感じないでしょうが、矢内さんのような独立リーダ派は、考え方を変えただけでも後ろめたいのに、その理由を大きな声で言う事は更なる背信行為と考えたということはありませんか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

を指します。
これでお分かりになりましたでしょうか?

この2つを私は、「憶測によるもの」と書かせていただいたつもりです。

そして、私が香奈ファン様に質問をした
5月28日記載 N0540

―――――――――――――――――――――――――――――
あなたは、「駒音」を例として出されています。もし、それが「駒音掲示板」によるものであるとするならば、「みなさん異口同音に」と書かれていながら、その「ネットからの情報」を否定され、しかもその異口同音を「印象操作」とまで決めつけています。

そのあなたの文章の基となる、【根拠あるいは客観的な事実】とは、どこから得たものなのでしょう。まず、あなたのその情報の基となるものを提示して戴けなければ、あなたの意見は全く破綻をしております。私には、あなたの意見こそが「印象操作」としか見えませんものですので
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

に関しては、あなたは何も答えようとはせずに、退散をされると書かれました。

随分と都合がよろしい方だと解釈をさせて頂きました。根拠もなく、人を中傷誹謗しておきながら、自分が都合が悪くなると書き逃げですか。まあ、匿名での無責任さをよく拝見させていただいたと思っておりますです。それでは、さようなら。


Pass

[543]
JC IMPACTU (/) - 2012年05月28日 (月) 21時05分

香奈ファンさん

本スレッドの(530)(531)を受けて、本日は「石橋メモ」の部分からやりとりをさせていただければと思います。改めて、どうぞよろしくお願い致します。

----------------------------------------------
将棋連盟応接室にて。米長邦雄将棋連盟会長・中井広恵・石橋幸緒
・そして今後、女流棋戦を増やすことはないとの事。自分達でスポンサーを探しなさい。

・連盟としてはあくまで、奨励会三段を抜けた者、及びそれに準ずる編入試験等をクリアした者以外、正会員として認めることはない。今後、女流棋士の立場向上はない。

・女流棋士現役47名(当時)は今後3つの選択肢を選んだほうがいいのではないか。
 (1)対局をして勝って稼ぐ人。
 (2)普及に専念して、対局はせずに稽古などで生計を立てる人。
 (3)他の職業を見つけ、女流棋士をやめる。もしくは肩書きだけを持っておく人。
 以上を各人どうするのかを打診してくれ。

・地方棋士は対局料より交通費の方が高いのだから、勝てる自信のある人だけで自費で対局に来たほうがよい。

・今後一切の不平、不満、苦情、要望は受け付ける気はないから言うな。

・だから上記に基づいて女流棋士会は解散せよ。及び女流棋士室の撤退を連盟から要求する。

・連盟職員に手合を付けるか、普及の仕事以外の女流棋士会に携わる仕事はさせない。(親睦会や積立金の帳簿など)

・根本的に女流棋士には普及活動だけしてほしい。(トップ10くらいは仕方ないから将棋させば?というニュアンス)

・まぁ、男性棋界だって食べられなくなってきているので、これ以上女流棋士に関わることはイヤ!

・記録係は付けたければ勝手に付ければいい。棋譜の二次使用は可。

・結論からすると女流棋士は独立しなさい。その際、今の普及の仕事と契約スポンサーは渡してあげるから(経費2割は連盟で引いてから) 
 まぁでも現状じゃあ独立は無理でしょう。

以上、全て米長会長が直々に話した内容をそのまま書きました。
つきましては2006年4月14日(金)に臨時総会を開いて頂けば、米長会長が公の発言として話をしに来て頂ける約束をしました。

<2006年3月8日 21時31分 藤森奈津子女流棋士会会長へ報告したFAX文面>
----------------------------------------------

まず、最初にお断りをしておきます。私自身が有している「石橋メモ」たるものは、この文面しか所有をしておりません。故にこのメモが公開されたものの「全文」なのか「一部」なのか、私には判断がつかないところがあります。もし、石橋メモたるものについて、香奈ファンさん、もしくは世渡りさんが情報をお持ちでしたら「開示されたものの全文なのか一部なのか」についてご指摘をいただければ嬉しく思います。如何せん、私にとっての「石橋メモ」はこれだけですので、とりあえず、ここから香奈ファンさんとやりとりをさせていただくことをご了承いただきたくお願い致します。

その前提を踏まえた上での話ですが、これは「メモ」であり、石橋さんが米長会長の主張を要約されたものです。いわば「石橋さんがどう受け取ったか」という趣旨が記されたものですから、或いはそこに「抜けや漏れ、米長会長の真意を必ずしも反映していないという面」の存在は否定できません。ただ、あの当時の女流棋士と男性棋士の境遇面の違い(当時から、彼女たちは正会員ではないという理由で月額の給与も保険もありませんでした)を考えれば、升田九段が弱い男性棋士に向かって放った「扶養家族が何を言うか」みたいな感覚ではなかったかと私は想像しています。

例えば今の女流棋界、それは「連盟所属」であっても「LPSA」であっても現実問題としては「今後3つの選択肢」を事実上、選択しているように私にはみえます。私は時々、不思議に思うことがあるのですが「現在、記憶にも記録にも残らない棋士たちの多くが、生活苦で破綻したとか、自己破産したとか、そんな話を聞いたことは一度もありません」既婚者であれば、パートナーも仕事をしているとか、独身者であれば、稽古先も含めて、或いは他の副業も含めて何か仕事に就いているのだと思います。勿論そういうことをせずとも家族の残してくれた遺産だけで生活には困らないという方もあるのかもしれませんが。

著名な師匠が不出来な弟子の無心に応じているという話は聞くことがありますが、このあたりはなるほど「村社会」だなぁと感じないこともありません。

ここに示した「石橋メモ」を前提として考えてみると、当時の女流棋士が連盟からみれば「いかにお荷物で、実に面倒くさいもの」であったのかがよくわかります。「お前たちが給与や社会保険など要求するのは片腹痛い」という感じですね。

このメモによれば「まぁでも現状じゃあ独立は無理でしょう」と米長会長は述べたとされています。「生殺与奪は全て連盟が握っているのだから、文句をいうな。黙って男を手伝っていればそれでいいのだ。「一切の不平、不満、苦情、要望は受け付ける気はない」し、女流棋士室も撤退してくれ。手合いや普及活動以外の仕事も職員にはさせない。お前さんたちとは関わりたくないんだよ。本当を言えば。独立するというならしなさいよ。できるはずはないだろうけれど」

私なりに要約すれば連盟会長の主張は↑のようになります。こういう弾圧に近い話が行われれば、人間にプライドもあれば尊厳もある以上、狼煙を上げると決意しても、私は全く不思議ではないという気がします。つまりこの状況下では「女流棋士の要求や要請は一切全てが却下される」ことは明白ですし、ならば同じ地獄をみるにしても、自分たちが何とか自立して、違う生き方と制度を這ってでも見出したい」そう考えることは少なくとも悪いことではないと私は思います。隷属的な扱いに耐えなければいけないという理由も、私は見出すことはできませんでした。

例えば大山康晴十五世名人は、存命時「女流棋士が男性棋士と肩を並べる時代がくる」などとは全く考えていなかったと私は思います。「根本が違うし質も違う」と一刀両断でした。言外のニュアンスには「そんな甘いもんじゃないんだよ」というものがはっきりありました。女流の将棋なんて歯牙にもかけないというスタンスははっきりしていたと思います。これは言っても詮無いことではありますが、しかしそれでも、女流棋士に対してこれほどの排他的な接し方はしなかったのではないかな、と想像しています。

香奈ファンさんはご自身のスレッドで「独立否定論」という立場を示されました。今の状況から逆算するならば「独立を維持していくことは予想以上に大変である」ということを見出すことができると思います。ただ、時計の針をこの「メモ当時」に戻してみれば、これで「独立しなければ」人間としての矜持も棄てたことになるし、貧しくとも幸せではありたいという思いも失うことになる。そう考えるのが自然ではないかという気がするのですが、香奈ファンさんの見解をお示しいただければ嬉しく思います。

というか、ここまでのなりゆきは「香奈ファンさん」と私はおそらく相当部分において共有できているという気もしています。

>独立して経営的に・採算的にやっていけるかどうかについて、女流棋士全体が意気込み・決意を見せて団結できるか
>否かが焦点であり、

少なくとも今の時点ではLPSAの決算資料を私はみたことがありませんので、財務的な数値での判断はできませんが、今現在、すなわち5年間は「LPSA」は何とかやってこれたわけです。破綻したわけではありませんから。そして、連盟が「独立を支援、容認するというのであれば」おそらくは存在したのであろう切り崩しの部分を露骨に行う姿勢というのは、私は厭なものに映りました。女流棋界が(も)共に発展すればいい、という立場の強い側の大らかなスタンスをみせて欲しかったわけです。どうして敵味方にしてしまうのか、と。

例えばLPSAの女流棋士が「奨励会棋士としての道を歩みたい」というのであれば、師匠は連盟の棋士ですから、入会試験を受ける機会は与えてやればいい。ただし、その選択をすれば「連盟奨励会員の資格も有する」ぐらいの特例措置が設けられてもいいと思っています。

その方が米長さんの株も上がりますよ。私はそう感じます。

>連盟とのパイを奪い合っての決定的対立に結びつくとは誰も気がついていなかったのではないでしょうか。

ここは違うのでは、と私は考えています。というか、それを対立因子にしたのは「連盟」ですから。

「要請も要求も聞かない。部屋も貸さない。職員も今までのようにはさせない。できないだろうけれど、独立するならしてごらん」と言われて決意したときに、連盟が経済的な支援などするはずはないわけですから、浄財を求めるのは当然ではないでしょうか。私は実際に1億円の寄付が集まったかどうかは知りませんが、何人かの男性棋士が支援をしたことは知っています。いわば独立をそそのかすようなスタンスを作りながら、いざそれが具体的に始まると、それを潰しにかかるというのは、一種の露骨なマッチポンプだと私は思います。

>マーケットを侵害するならそれは許さないと連盟が考えたのは当然の反応だと思います。

そうでしょうか。「そんなマーケットに価値はない」と断じておきながら「価値を見出そうとしたものを」「モノになられてはまずいから潰す」というのは、決して褒められたものではないという気がします。寄付は連盟に、だけれども「女流棋士の主張は一切認めません」というのは、企業の経営感覚としてもまともだという感じは私はしませんね。

この点、ぜひ香奈ファンさんの意見を拝聴したいと思っているのですが、どうも私は香奈ファンさんの主張を拝読していると、とにかく女流棋士は耐えなければいけない。どんな環境を押しつけられて、それを不当なものだと感じても、とにかく忍の一字でついていかなければいけない、というふうにもみえてしまうのです。そうではないというのであればぜひご教示いただければと思います。

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JCさんの言われる「自立」とか、「幸福(しあわせ)を求める」という判断基準は、あくまでも独立派女流の<主観的>な、<刹那的な>夢であって、
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例えば今の「連盟」にある「セクハラ」や「パワハラ」に近い体質ひとつみても、それを「嫌悪する」「厭だと感じる」女性のみなさんがいても私は不思議だとは思いません。ここ数年の「連盟」には風通しの良さといったものを私は微塵も感じることはできないものですから、ああいう環境の職場に身を置きたくはないと考えるのは「主観でも刹那的でもない」と思います。夢というのはもつだけではなく「追わないと、追い続けない限りは」どんなものであっても実現しないと私は考えていますので、それはLPSAのみなさんに大事にしていただきたいと考えています。

矢内さんも含めて、連盟に残留された方々は「生活すること」を選ばれたのだと私は思っています。中井さんや石橋さんは「生きること」を選択されたのだという気がしています。生きることと生活することは違うというのが私の考えにはありますが、人には「生活」ということも大変大きな問題ですから、今日、それを選んだ人々を責めているというわけでもありません。私が女流棋士の立場であれば、果たしてどちらを選んだのか、正直にいえばそれもまたわからないことではあります。

ただ、私は矢内さんが「何もなかったように振舞っている」ような気がするのです。それが彼女にとって「幸せなこと」というのであるならば、周囲がどうこういうことでもないのかもしれません。ただ、私が感じた棘のようなものがいつまでたっても抜けないという、その程度のことでもあります。

Pass

[544]
ビストロ (/) - 2012年05月28日 (月) 21時23分

JCさんの文章を読んで「初めて」感動した。

Pass

[546]
JC IMPACTU (/) - 2012年05月28日 (月) 22時39分

ビストロさん

>JCさんの文章を読んで「初めて」感動した。

まだ「二日酔い」ですか? 困ったものですねぇ(笑)


Pass

[547]
香奈ファン (/) - 2012年05月28日 (月) 22時41分

JCさん、石橋メモ有難うございました。

なかなか生々しい内容で、興味深く読ませて頂きました。
まず、私はこのメモを読むのは初めてで、これ以上の情報は持っていないことを申し上げたいと思います。

一晩考えて、改めてレスさせていただきたく、よろしくお願い致します。

Pass

[548]
寅金 (/) - 2012年05月28日 (月) 23時54分

中身は置いといて、石橋メモの流出手法は、
禁じ手では?と当時は思い、
石橋ブログにコメントした覚えがある。

分裂した責任は互いに同じだけある。
と言うか、結果的には必然だったと思う。

互いに幼稚だったのである。
片や支えるのは当たり前に汚い大人。
一方は幼児性を助長させる大人子供。

今やっと落ち着いた女流将棋界。

今連盟男性の興味は女性奨励会員に移っている。
連盟内でこそ、女流は厳しい毎日を送る事となる。

LPSAは成功しているのかは微妙だが、
現在の多くの女流棋士はお気楽である。
しかし、新人発掘・育成方法の具体案は待ったなしである。
それを気にしているお気楽女流は何人居るのか?

楽で貧乏?苦しくて貧乏?
次の時代に花を開かせるのは、
今苦しんで底力を蓄えた者の様な気がする。


茨の道から一生抜け出す事が出来ない、
楽して金持ちを甘受している矢内さんが一番不幸である。
それを同情する気は露とも起きない。

個人的には、今後女流棋士総体を応援する事は無いであろう。


理屈抜きで、清水市代は愛おしい〜

Pass

[550]
JC IMPACTU (/) - 2012年05月29日 (火) 00時42分

寅金さん

>分裂した責任は互いに同じだけある。
>と言うか、結果的には必然だったと思う。

これ「連盟女流間の分裂」を指してのことだと思いますが、可能であれば、もう少しその根拠、背景を示していただけません?

でないと参加者にもわかりにくいと思います。

>今連盟男性の興味は女性奨励会員に移っている。
>連盟内でこそ、女流は厳しい毎日を送る事となる。

ファンもそうだろうと思います。

>しかし、新人発掘・育成方法の具体案は待ったなしである。
>それを気にしているお気楽女流は何人居るのか?

いると思いますよ。というか存立基盤に関わってくることですから。

>楽して金持ちを甘受している矢内さんが一番不幸である。
>それを同情する気は露とも起きない。

いや、楽してとは断じていいものかどうか。そういう「乱暴モード」にいきなり持ち込むのが、最近の「寅金さんの傾向」のようにみえて仕方がないのですが。例えば「駒音」での寅金氏発言を今日、みていても、仕掛け方に露骨な苛立ちがみえるのですよ。仕掛けるななんていうつもりは毛頭ありませんが。

NHKの収録って時給に置き換えると、あれはあれで大変なんですよ。

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寅金氏の書かれたことに関しましては、実は私には良く分かる部分がございます。多分、ほんの少しの人間にしか理解が出来ない事を寅金氏は掲示板を通じて私に訴えかけてきております。しかし、今はそれは語るべきではないでしょう。と言いますより、彼は怒っているのです。それは、実に他愛もないことではありますが、彼にとっては現在における「本質」であり、それを書けない辛さが今の寅金氏にはあるのでしょう。ですので、今私が出来ます事は、そっと見ているしかありません。勿論それを止めようとしたことが現在を作ってしまってはいるのですが。。。
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と、世渡り氏が、引用発言は「web駒音(http://www.koma.ne.jp/)スレッドタイトル「JCさんとの意見交流」投稿者:31.世渡り下手爺 - 2012/05/16(Wed) 00:45 No.43852 で書かれていますが、世渡り氏に怒っていることで、荒れるというか、暴れているのですか。私からみても不思議に思いますし。

「んなもん聞くな」というなら、忘れてください。

>個人的には、今後女流棋士総体を応援する事は無いであろう。

寅金さんは、そんなにセッカチでしたかねぇ.....。

Pass

[559]
JC IMPACTU (/) - 2012年05月29日 (火) 19時27分

本スレッドは終了しました。

日本将棋連盟の未来-過去は変えられないけれど-(2)をご活用ください。

Pass

[0] 最大レス件数を超えました
システムメッセージ (/) - 2024年11月24日 (日) 02時55分

最大レス件数「35」を超えましたので、これよりレスは出来ません。

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