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誓いの花 STAGE9

「さて……と」

手元の弓を確認し、強く握ると座っていた椅子から立ち上がる。
そこに、呼び止める声がする。


「ちょっとだけいいかしら?」


「………コスモスさん」


そういえば昨夜楽しそうに声をかけてくるから何事かと思ったな…。などと考えつつロゼは呟く。

コスモスの方も、若干まだ楽しげな様子が残っているようだったが、比較的普通に話す。


「……もう少しやらせてみて、狙いに当てれなかった時は、ロゼットあんたが教えなさい」


「は?」


やらせる、というのは恐らく風の力のことだろう(ロゼは実際にはまだ見ていないのだが)。
だが、魔術ならロゼに言うべきではない。扱えないものは教えようもないからだ。
なので、疑問の声が漏れたのだろう。


そのロゼの前に、1つのものが差し出される。


「これ……は?」


「魔力を込めて、弾丸を撃ち出す装置……ってとこかしら。私も使ったことはない、というよりは使えないんだけど…あの子なら使えるでしょ?」


その形は、弓の形状ではない。
筒状に見える『それ』は、引き金やレンズのようなものがついていた。
恐らくそれらで撃ち出す制御をするのだろうか。


「また、珍しいものを持ってるんですね」


感嘆に近い声音でロゼは言う。
ロゼ自身は、魔術こそ使えないものの、それに関わる道具などの知識はあった。
どこかの本で見たことがあるのだが、目の前にあるような撃ち出すタイプのものはあまりないという記述があった覚えがあるからだ。


「たまたま知り合いに貰ったのよ。それはそうと、狙い撃つことなら、得意でしょう?」


「成程。わかりました」


コスモスの意見に納得したロゼは、ひとまずそれをしまうと、ふと思ったことがあった。


「貴女は俺達と一緒に来ないんですか?」


一瞬不思議そうな表情を浮かべていたコスモスも、意味を察して軽く笑む。


「ちょっと、サザンカと話したいことがあってね。」







Flower of an oath〜誓いの花〜 STAGE9







「しかし………お前、相当コントロール悪いだろ」


「うるせぇな、今度こそ…!」


本日も、リュージュ近郊の森の中。

目の前の様子に若干呆れながらロゼが言えば、クロスは反論する。
めげずに今日何度目かの構えを取ると、風の固まりを形成しはじめた。

が、その結果を見る前にロゼはぽつりと言った。


「無理だろ」


そしてこの言葉通り、狙いのものからは逸れたという…。




「クロス……お前、確かほとんどの武器を使えるんじゃなかったか?」

「それとこれとは違うっ!!」


まぁ、クロスの言い分も最もなわけで、直接武器で攻撃するのと魔術で遠距離攻撃するのとは勝手が違う。
それに、強い力があると言っても、ほんの2〜3日前に自覚した程度でどうにかできる方がすごい。

彼が言いたいのはそういうことだとはわかってはいたが、つっこまずにはいられなかった。


「とにかくっ、コントロールが悪すぎるって話だ!」


「遠距離武器はあれだ。攻撃してるーって実感がいまいちわかないというか…」

「それを言うなら!『あの武器』だって似たようなものだろうが!?」

「『あいつ』は長距離攻撃が可能だけど、手元を離れていない分、扱いやすいんだよ!」

「………お前、俺の専門馬鹿にしてるだろ」


作者注:ロゼの一番得意とする武器は弓矢です。


「馬鹿にはしてねえよ!けどな、向き不向きってのは誰にでもあるもんだし!」




………えーっと君たち?本来の目的、忘れてない?(汗)



「ったく…誰かのせいで、余計な体力使っただろーが」


やや疲れた様子でロゼはぼやく。けど、発端は貴方からだと思いますが?
一方のクロスも、しばらく黙りこんでいた。
自滅すんなお前ら(汗)



落ち着いたのか、冷静となった頭で改めてロゼはクロスに告げる。


「とりあえず、そのままじゃ集団戦はともかく、少人数相手だと無理だ。」

「じゃあ、どうすりゃいいんだよ?」


当然の疑問だ。そんなことを思いながら、ロゼはコスモスから預かったものを取り出す。


「これは、魔力を込めて打ち出せるそうだ。大体の理屈なら俺でもわかるから、命中精度、上げてやるよ」


不敵に笑いながら、ロゼが言えば、クロスはこう答えるしかなかった。


「……お願いします」





さて、男共がこんな馬鹿なやりとりをしていた頃。

サザンカに話したいことがあると言っていたコスモスは、雑貨屋の2階にいた。
というのも、サザンカの両親が営む雑貨屋の2階には、住居スペースがあって、ある意味話すのにはもってこいの場所だった。



「えっと、コスモスさん。お話というのは?」


昨日の今日で「話がある」と言われたサザンカは、困惑気味にコスモスにそう訊ねた。
心なしか少し警戒気味である(ぇ)

そんなサザンカを落ち着かせるかのようにコスモスは微笑んでから口を開く、


「そのことじゃなくて、その、あの子達には言いにくくて…」


コスモスにしてはとても珍しい、歯切れの悪さだった。
心なしか、少し顔を赤らめているようにも見える。


「コスモス……さん?」


「サザンカ。私にす、好きな、人がい、るってことは、前に言ったわよね?」

「え?えっと…昔馴染みの人、なんですよね?確か…」


そう言われて、そんなこともあったなと思いだしたサザンカがそう口にすると、より一層赤くなった。


「実は、2年前に、その、ビスカに、プロポーズされててっ」



「プロ………ってええ!?」


コスモスからそんな言葉が出るのも意外すぎるが、問題はそこではない。
今、彼女が口にした名前。察しのいい読者は気が付いているかもしれないが…。

以前、彼が彼女との関係があることを示唆していたことに。
そして、ビスカといえばロゼのおじである。

その彼がプロポーズしたということは、つまり…


「で、でも!まだへ、返事はしてないのよ!?」


サザンカが何か言う前に、反論してるが、嫌がってはいないことは反応から明白だ。
しかしそこでサザンカは気づいてしまった。

「2年前にされたってことは…」


「うん。返事は決まってるの。……だけど、私は目の前のことを片づけてから言いたいの…」


駄目だ、この人完全に乙女だ(ぇ)



「大丈夫、だよね…?コスモスさんもクロ君も…」


コスモスの秘めたる決意に不安が僅かによぎったサザンカは、思わずそう口にしていた。

最初にそうしたように、だが今度は寂しさを宿した笑みでコスモスは囁く。


「大丈夫よ。あの子は…クロッカスは、約束は何があっても守る子だから。それに、私も…あいつにはっきり伝えるまでは諦めないもの…!」



その言葉に、恐る恐るといった様子でサザンカは訊いてみた。


「あの、コスモスさん。シヴァス王国のことは…」



「ある程度ケリをつけたら、騎士は引退しようと思ってるの。あの子達になら安心して任せられるから…私も、幸せになろうかなって」



------だから、もう少しだけ待っていてくれる?ビスカ…。






■後書き■
ほんっと馬鹿な男2人ですね、あの子ら(苦笑)
『あの武器』というのは、これから出します。が、その前にクロスに新たな装備が追加。
魔力を込めて撃ち出す装置…まあ、早い話銃のようなものですね。
使いこなせるかどうかは………ロゼが指導するから大丈夫でしょ(おい)
その一方で、コスモスさんが乙女です。自分でも意外です(待て)
話す相手に、ロゼやクロスではなくサザンカを選んだのは、色々と前科(違)があるからでしょう。
…というのは冗談で、ロゼはビスカの血縁なので、打ち明けづらかったというのが大きいかな。

そうそう!そろそろ、ビスカも再登場します。
コスモスとのやりとりにもご注目ください♪




No.48 日乃 水葉 2009年11月15日 (日) 23時12分


RE: 誓いの花 STAGE9

まさか、クロスが手に入れた武器って『魔弾銃』!?……てか、このネタ分からないか(ェ)

そして、ビスカがサザンカにプロポーズしていたのは驚きだった……(何故)

No.50 HIRO´´ 2009年11月17日 (火) 21時40分




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