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誓いの花 STAGE16

「スターチス…?そっか、終わらせるつもりなんだ…」


ハルが落ち着いたところで、スターチス、そしてライが近付く。
一瞬だけスターチスを見て不思議そうな表情を浮かべると、そう呟いていた。



「終わらせたい。だから、君達の力が必要なんだ………僕に、手を貸して欲しい」



俯き加減でスターチスは言った。

それに対し、ロゼ、そしてハルの反応は、こんなものだった。


「手を貸すも何も、貴方は俺達を助けてくれた。それだけでも十分だ。」


「困った時は、お互い様ってね!使い方としては間違ってるかもだけど、僕達も目指す相手は同じだから…!」





そんな中、ふとライがハルを呼んだ。



「………ハル君」



何故呼びかけられたのか、ほぼ把握していたハルは言っていた。


「ライ…えっと、ごめんね。呼んでたのはわかって」



「それ以上言わなくていいっ!ところで、急がなくていいのか?」



その言葉に安心したのか、ハルは微笑んでいた。


「ほんっと優しい人、多いよ。………ライ、一緒に行かない?」




「でもっ、俺じゃあ足手まといにしかならないし!」




「あんまり、自分のことを過小評価するもんじゃない。それに、怪我人放っておこうとは思わない。」



ロゼがそう言いながら救急道具を取り出す。

スターチスも何も言わないが、同意見らしく、頷いていた。




数分後。



「………ありがとうな。……それで、さっきの話なんだけど………できることはわからない。けど見届けないといけない気がするんだ」


ロゼの手際のよさに感心しつつ、ライがそう呟いた。
ロゼ曰く「最小限な手当てしかできなかった」らしいが目立った傷に関してはしっかりと手当がされている。

そして、その答えに関してはスターチスが反応を見せていた。



「悩むのは悪いことじゃない。見極めてから行動を起こすのだって1つの選択だしな」



「………そう、ですかね?」



迷いはありつつも、行ってみることにはしたようだ。
その様子を見ながら、ハルはできるだけの笑顔で言った。



「よっし!じゃあとりあえず行こうか?」




「………ハルっ、俺やライがいるんだから飛ばし過ぎんなよ!」


「本番で力出せないと意味がないからね、そこらの加減は大丈夫だって!」





---------目指すは、リアトリス!!










Flower of an oath〜誓いの花〜 STAGE16










ぱちんっ!



「行くぞ、ミスミのおっさん」



数秒取り出して眺めていた懐中時計を閉じると、タフトは動き出す。



「ノクタス、ニードルアーム。ポニータ、飛び跳ねる!」


まずは先発、ノクタスとポニータ。
指示すると同時に、研究者・ミスミも口を開く。



「マッハパンチ、岩雪崩」



「クロバット!ノクタスを援護!ジュぺッタは……!」




ブーバーがノクタス目掛けて打ち出したマッハパンチはクロバットがエアカッターで軌道を逸らす。

ポニータを標的にした無数の岩は、器用に跳ねながら避け、その身はギャロップに向かって急降下。

ニードルアームは、クロバットのおかげもあり、狙いたがわずバクーダの足元へ。
だが、反撃もきっちりとされていたようで、ノクタスが後退する。






「(ポニータは初めての実戦だが、なんとかなりそうか…?だが、ノクタスが厳しいな…)」



タフトとしては、少なからず研究者だからと甘く見ていた面もあるだろう。
だが、予想以上にミスミという男は強かった。

咄嗟に次なる手を考えようとするタフトだったが、それすらも許さぬようにミスミが追い打ちをかける。



「破壊光線」



破壊光線を放つのは、バクーダとギャロップ。
1本ずつが強力であるが、それを重ねるようにすればどれほどになるか。


指示せずとも、タフトのポケモン達は回避する。
だが、タフト自身は一瞬反応が遅れてしまう。



「ちっ、この太さじゃ…!」



避けきれないと思い、動きが止まってしまう。
その間にも確実に彼の身に迫り、無意識に倒れることも覚悟した。


が………





ぽばんっ!!





まさに当たるという寸前で、何かに当たってはじけ飛んだ。

そして、タフトはある技を思い出した。



「…みがわり…?」




バサッ…………




呟くと同時に、頭上からそんな音が聞こえてきた。
ふと上を見ると、クロバットに掴まったノクタスの姿。


それを見て、指示しようとしたこととは違うことを口にしていた。



「ノクタス、そのままタネマシンガン!」



まさにぶつかってこようとするバクーダ目掛けて、無数の種を掃射する。
大きなダメージというわけではなさそうだが、スピードを落とすのには効いているらしい。

そして、ギリギリまで引き付けた所で、ジュぺッタが割って入る。



するり…



「シャドーボール!」



「噴煙!!」




ノーマルタイプである捨て身タックルはジュぺッタをすり抜ける。
かと思うと、身を翻したジュぺッタはシャドーボールをバクーダに撃ちだす。
その刹那には同じくしてバクーダの背中から高熱のマグマが放出されていた。




「ふんっ、そのジュぺッタ、大したことないな」




ミスミの指摘通り、ジュぺッタはぶつかり合いに屈したようで地に着いていた。

だが、タフトは不敵に笑った。



「どうかな?俺が最初にした指示、何だったと思う?」




「何?……………!?」




ぐらり…

どすんっ!!




ミスミが疑問に思った時には、ブーバーがその場に倒れ落ちていた。



「のろい。知ってるだろう?ゴーストタイプが使ったらどうなるか。」



普段のタフトなら、のろいを最初に使うことはしない。
ジュぺッタが倒れそうになる寸前になって使う、いわば切り札的なものだった。

そんな自身のスタイルにも拘らない今のタフトは、文字通り形振りには構っていない。
それほどまでに、負けたくない、勝つための理由が強いのだ。


クロスの動きもあってか、このバトルを邪魔する者もいない。
それもあってか、タフトはどこか落ち着いていた。



ひゅっ…



ジュぺッタを戻し、短く呼吸したかと思うと、ノクタスに降りるように手で指示をし、ポニータを駆けさせていた。



「行け!」



接近してから何かを仕掛けるつもりなのだろう。
だが、ミスミの反応も速く、ギャロップが進路を塞ぐ。



「メガホーンだ」



進化系相手ということもあってか、ポニータは簡単に弾き飛ばされる。
しかし、虫タイプという属性のおかげか、飛ばされはしたがすぐに体勢を立て直していた。





「………まずいな、あれは。っと、ダン!痺れ粉!」



バトルの邪魔をさせないように多数の下っ端達を抑え込んでいるクロスが、ふとそんなことを呟いた。
周囲には痺れて地に伏せている者や、眠っている者がいることから、痺れ粉や眠り粉をばらまきながら動いているのだろう。

そして今も痺れ粉の犠牲者が……



「ん、一旦散布やめな。…………ダン、ちょっといいか?」



ばらまいていたのはポポッコ♂のダン。
リュージュにいた数日間ですっかり傷が癒えたのだろう、元気に暴れていた。

そのダンに、クロスは何事か囁いていた。



「…………そんな兆しがあったら、行け。」



「ぽぽー!」



わかった、という風に鳴いたのだろうか。
そんなダンをなでると、改めて周囲を見渡す。



「さーて、次はお前らかな?」



粉の影響を受けていない者を探し、刃を向けると一気に距離を詰めていった…!




「マグマッグ、鬼火」


「どくどくを使え!それと、だましうち!」



タフトに残っている3匹の中で一番疲れているであろう、クロバットは駆動力を生かし攻撃を当てては回避を繰り返していた。
その機動力を奪おうとする鬼火が4枚の羽根のうち右の2枚に当たる。

それによってバランスは崩したが、どくどくは決めていた。




「火炎放射………」



ごおおおぉぉ!



マグマッグとクロバットの攻防の間を縫うようにマグマッグに近づいていたノクタスのだましうち。
それによって若干火炎放射の軌道はずれたものの、火傷によってふらついていたクロバットに当てるのはたやすかった。


火炎放射の勢いでタフトの真横にクロバットが飛ばされてくる。
状態異常を治すラムの実をクロバットの口に入れると、ボールを押し当てる。



「…………くっ!(どうする……?いや、どうすれば……!?)」



その時だった。
ポニータの体に変化が起こったのは。












「リアトリス。貴方、何がしたいのかしら」



スズランの前には、リアトリスがいた。
以前から考えの読めない男であったが、改めて見るとますますわからなかった。
思い切って聞いてみることにしたスズランに対し、彼は言った。




「世界を統一し、すべての人間に平等な社会を作り出す。アルメリアさんのためだ、手段は選ばない」




怖い、とスズランは感じた。
どこかが、歪んでいる。



「アルメリアっていう人が貴方達の何かは私は知らないわ。だけど!こんなやり方で喜ぶなんて思えないわ!」




「何も知らないからそんなことが言えるの!」



意外にもそんな言葉を発したのは、リジアだった。
リアトリスは彼女を落ち着かせるように頭をなでる。

それを黙ってみていたもう1人の女性も、口を開いていた。



「アルメリアさんは私達の大事な人だったのよ。もう、いないけど………」



微かに目に涙が浮かぶ彼女は、オレガノ。
その心情は、一番複雑かもしれない女性である。


その様子を見たスズランは、リアトリスに叫んでいた、



「だったら、どうしてこんなやり方しかできないの!?他にいくらでも方法はあったんじゃないの!?」



スズランが怒りを全面に押し出すことは滅多になかった。
それ故に、本当に許せないことなのだろう。


だが、リアトリスはあくまで冷静な態度で言った。



「シヴァスの王家なら、大きな価値になる。たった2人の後継者がどちらも揃っているとなれば………どうなるか、貴女はわかるはずだろう。」



2人、そう確かに彼は言った。
認識した途端、怒りとは別の感情がスズランに芽生えた。



「リアトリス、貴方っ………まさか、お兄様を……!!」




「ああ、ここにいるさ。……………そうだな。僕達に協力してくれるなら会わせてあげてもいい。」



そう言いながら、リアトリスの手はスズランに伸びて………




しゅっ!!




「(矢!?)誰だ?」



リアトリスの頬をかすめるようにして1本の矢が飛んでくる。
一瞬だけ驚いていたリアトリスだったが、すぐにその方向を見た。




「リアトリス!!スズに触れんじゃねーよ!!!」




弓矢を構えた眼鏡の青年。足元には銀色のシャワーズを連れている。
その青年にスズランは見覚えがあったし、彼を間違えるはずがなかった。




「ロゼ!!」




彼女の声に、微笑んで彼は言った。




「俺はあの誓いを忘れちゃいない。ちゃんとルジィと一緒に見つけただろ?」





「ロゼ………ああ、ロゼット・ユーノスか?」


その呼び方を記憶と照らし合わせたリアトリスがそう呟くと、ロゼは語る。



「そうだ。だが、俺はここまで1人じゃ来られなかった。コスモスさんやクロスが俺を行かせてくれたし、スターチスさんからは何があったのか聞けた。それに………」



「僕も忘れてもらっちゃ困るね!!」



続けざまに現れたハルは、ロゼの隣に並ぶようにして立つ。
そして、リアトリスを直視しながらはっきりと言う。



「ロゼ達のおかげで呪縛は解けたからね。それに、全部、思い出した。お前が僕を必要としていたのは、能力じゃなくて、血筋、だったんだ」




「成程……それでゲンガーが戻ってきていたのか……?………ロゼット、お前が倒したのか?」



ゲンガーを仕向けた張本人であるリアトリスが、ロゼに問いかけた。
すると、ちらりと後ろを見て、言った。


「引きずり出したのは俺だ。だが、倒したのは…スターチスさんだ。なあ?」



ざっ……



「ああ。………リック。さっき2つの嘘という話はしたよね?それの、2つ目はポケモンバトル。」



「スターチス………」



少なからず呆然としている様子のリアトリスは気にせず、3人は言った。



「俺はスズを守る。シヴァスも取り戻す。そのためには…………お前を倒す!!」



「だから、今は王家の血筋とか関係なしに、僕は戦う!ロゼと一緒にね!」



「こうなったからには、実力行使ででも止めてみせる。元々、説得が通用しないなら本気を出すつもりだったけど、ね」




スターチスの言葉はある意味で決別の宣言だった。
だからこそ、リアトリスもその気になったのだろうか。




「………リジア、オレガノ。やるぞ。」



「……うん」



「………スターチスは、私が?」




リアトリスが剣を抜き、リジアは槍を構える。
武器を持たないオレガノは、自然とスターチスとやりあうことになりそうだった。


その時にはロゼも弓矢を構えなおしていた。
ハルも2本の剣を抜こうとしたが、スズランの声で遮られる。



「………ねぇ、ハルが、お兄様なの!?」


スズランのじっと見つめる視線に気がついたのか、ハルは口を開いていた。



「うん。えっと、スズラン、今までごめんね?でも、今度こそ約束、守るからさ」



できうる限りの笑顔を、ハルは見せていた。
あの日と変わらない兄の笑顔だ、と何故かスズランはそれだけで安心できた。



「お兄様…、お願い。終わったら、一緒に」



思わず何事か言いかけたスズランだったが、ハルは笑みを崩さぬままに言う。


「大丈夫だよ。僕とロゼが組んでるんだから、ね?」


「……!そうよね、2人がいれば大丈夫よね!」


スズランにとって、最強の騎士で、最愛の騎士が2人揃っている。
それだけで、不安が消えていくようだった。








決戦の火蓋が落とされるその寸前、こちらのバトルは決着がつきそうになっていた。




「オーバーヒート!!!!」




ばじゅうううううん!!




タフトが叫ぶと同時に、バクーダは倒れていた。

だが、その倒したポケモンはギャロップだった。




「後、1匹!……………ノクタス!?」



どさり…



ここまで、苦手な属性相手に奮闘していたノクタスが突然倒れた。
相手のギャロップの攻撃パターンとは違うものだとすぐに気付いたタフトが攻撃が来たであろう方向を睨む。




「………ビブラーバ!?」



驚くタフトにミスミは酷く冷酷な声で言った。



「進化したとはいえ、弱り切ったそのギャロップで倒せるならやりな。ビブラーバは最後のポケモンだ」



「くっ!(最初から、余力を残していたのか!?」



次の手を何とか考え付こうとタフトが思案していると、不意に目の前に黄色い花が映る。
かと思うと、背中に何かが当たる感触がした。


「クロッカス……?(あいつ、もしかして……?)」


「痺れ粉!」



完全な不意打ちだった。
慌てたようにミスミのギャロップとビブラーバが避けようとしたが、ビブラーバは完全に避けきれなかったようで少なからず動きが鈍る。



「ポポッコ………そいつのポケモンか?」



そいつとは、クロスのことだろう。
いつの間にか後ろから横に移動したようで、タフトの横にいた。



「下っ端共は大体片付いたから、手伝います。それに、これでポケモン数は同じになるだろ、おっさん」



後半はミスミに向けられた言葉である。
言われた相手はつい反論していた。



「そこっ!タフトもだが、私はまだ30代だ!おっさん言うんじゃない!」



………………そうだったんだー。



「(作者がそれでどうする…)あんた、案外気にしてるんだな、老け顔」



その反応を聞いていると冷静になってきたタフトがぼそりと言うと、クロスも続ける。



「つか、あれじゃね?それぐらいで集中力欠くとか、アホだろ。」



「………………」



沈黙したミスミの隙を突くように、突然光の一閃がビブラーバにぶつかる。
ソーラービームという技だった。



「多分、あんたのポケモンのなんかが日本晴れ使っただろ。ダンにとっては、役に立つから使わせてもらった。」



倒れはしないものの、痺れが残っているのかゆっくりとした動きのビブラーバを見ながら、クロスが言う。
一瞬だけミスミが悔しがっているようにも見えた。



「……クロッカス。」


「クロスでいいですって。」


ふとそれを眺めていたタフトが、クロスを呼び掛けていた。


「なら、クロス。………ビブラーバ、倒せるか?」


「今の状態なら、多分。」


日本晴れの効果が残っている間は、ダンは特性の力で素早く動ける。
そして、先程も見せたソーラービームが即座に発射できる状況でもあるのだ。

それもあってか、自然とクロスも負ける気がしなかった。



「だったら、任せる。俺は、あいつのギャロップを倒す!!」











■後書き■
ロゼとハルがスズランと再会しました。
スズランが絶対的な信頼をしている2人の騎士はついにリアトリスと対峙する…!
その間際、決着がつきそうなタフトのバトル。
クロスも加わって、ミスミの2匹を相手にします。
………最初はタフトだけで決着をつけさせるつもりでしたが、まあいいか(ぇ)

一緒にいたはずのライがいないという指摘があるかもしれませんが、ちゃんと彼も出します。
でも、今月中の完結は厳しくなってきたなぁ(苦笑)

では、後僅かですが、お付き合いください!

No.64 日乃 水葉 2009年12月16日 (水) 17時15分


RE: 誓いの花 STAGE16

さぁ、いよいよロゼ&ハルがスズランの元に辿り着きました。勝つのはシヴァスを導くロゼたちか?それともアルメリアの遺志を受け継ごうとしているリアトリスたちなのか?

しかし、意外に強かったミスミのおっさん。このまま、クロスとタフトに勝っちゃったりして?(ェ)

No.65 HIRO´´ 2009年12月19日 (土) 10時33分




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