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SLMメモリー6

Scout of Lost Memories
メモリー6
リッシ湖





 シンオウ地方南東部に位置する湖、リッシ湖。
 トバリシティとノモセシティを繋ぐ街道の、ほぼ中間に位置する湖。
 その湖は観光スポットの一つで、その畔に高級ホテルなどが立ち並ぶ。

 そんな観光客が多数訪れるこの湖に、タクロウとカズキは足を運んでいた。

「リッシ湖…。ここに、ユクシーが居るんだったな」

「シロナさんの話を信じるなら…、だけどね」

「何言ってるんだよ、あれだけ色々と話を聞かせてくれたんだぜ?嘘な訳無いだろ」

「…うん、そうだといいんだけど」

「…?タクロウ、どうかしたか?」

「ううん、何でもない」




 ―――何だろう…。このリッシ湖に来る途中から、不思議な感覚がしてた。

 ―――まるで、何者かにこの場所に導かれてるかのような、そんな感覚…。




 ふと、タクロウは肩に乗るフィルに目を合わせた。

”タクロウも、やっぱり気付いてた? 僕も、この湖から不思議な力を感じるんだ…”

「…うん」


 ―――だけどこの感覚、前に何処かで…。

 ―――いつもみたいに曖昧な感じじゃない、何だろう…。



「おーい、タクロウ!何ボーっとしてんだよ!先行くぞ!!」

「え?ちょ、カズキ君!待ってよ!!」

 考え込んでいるうちに、いつの間にかカズキは先に進んでいた。
 それに気付いたタクロウは、慌てて走り出す。
 急に走り出した為、フィルもタクロウの肩から落ちないように必死だった。



 リッシ湖 奥部


 湖の畔沿いに歩けば辿り着ける場所だが、リゾート地からかなり離れている為、ほとんど人が集まらない。
 伝説のポケモンと呼ばれるほどの存在が生息する場所は、こっちの方かもしれないと思っていた。



 そして、その予感は的中する。


”誰ですか?私の安息の地を訪れた者は?”

「…え?」

「…?タクロウ、どうかしたか?」

「カズキ君、何も聴こえ…」

”貴方からは、何か不思議な感じがします。何処か、私達に似た感覚…”

 この声、どうやらカズキには聞こえていないらしい。
 となると、普段フィルとコンタクトを取っているのと同じ類。
 タクロウは心の中で、語りかけてきた声に問いかけた。


―――僕は、タクロウ。君は、誰?

”貴方が、タクロウ…。私の名はユクシー。少し前に不思議な導きにより、貴方の存在を知りました”

―――僕の事を…? ねえ、君は何処にいるの?直接会って、話がしたいよ。

”私は今、リッシ湖の奥深くに居ます。貴方を、ここまで導きましょう”

 ふと、タクロウの周囲に光が集まり始めた。
 それにより、一瞬彼の視界が閉ざされる。
 数秒の間を挟み、光は消える。

 その後広がった光景は、何も無い真っ暗な空間。
 明らかに、先ほど声が聞こえてきた時と違う場所だった。

「おい、タクロウ。一体何が…」

 何が何だか解らないままこの場所に導かれた為、カズキは戸惑っている。
 タクロウは落ち着いた様子で、先ほど自分に語りかけてきたユクシーとの会話の事を伝えた。

「それじゃあ、ここにユクシーが居るって言う事なのか…?」

「…うん。この場所に来てから、湖に来る途中から感じていた不思議な感覚、それがより鮮明に感じられる」

 目を閉じて、意識を集中させるタクロウ。
 彼にしか解らない事だが、この真っ暗な場所へ案内されてから、一層あの感覚が強くなっているらしい。

「すぐそこにいるよね、ユクシー。姿を見せてよ」

 ゆっくりと目を開き、暗闇へ向けて語りかける。
 すると彼らの目の前で光が集い、それが形を成し始める。
 やがてそれは、カンナギタウンの遺跡で見たのと同じ形になった。

「君が、ユクシーなんだね。会いたかった…」

”初めまして、ですね”

「僕は、僕の失った記憶を取り戻す為に旅をしているんだ。記憶を消すという能力を持っている君なら、何か知っているんじゃないかと思ったんだ」

”成る程、そういう事でしたか。 先程も話しましたが、私は不思議な導きにより貴方の存在を知りました。私を求めて、近いうちにこの場所を訪れるであろう…と”

「その不思議な導き っていうのは、何なの?」

「…おーい、タクロウ。一人で話進めないでくれ」

「あ、ごめんカズキ君」

 今までの会話のやり取りは、カズキには一切聴こえていない。
 否、タクロウが一人で喋っている風に見えるため、どんな話の流れになっているのか解らないでいた。


”不思議な導き…。つい先日になりますが、突然私の中に貴方のイメージが浮かび上がったのです”

「僕の…?」

”最初は、信じられませんでした。気が遠くなるほどの過去遭遇していた人間のイメージが、いきなり浮かんだのですから”

「気が遠くなるほどの過去…? それって、どういう!?」

”詳しい事は私にも解りません。ですが、貴方は似ている。余りにも似すぎている。あの時、私達3匹が出会った人間と…”

「なあ、ユクシー。お前は、お前を見た奴の記憶を奪う能力があるって伝承にあった。なら、逆に記憶を戻すことは出来ないのか?」

 カズキが漸く本題に話の流れを持っていく。
 先ほどのカズキの発言以降、ユクシーはカズキにもわかるように会話をしていたのだ。

”残念ですが、私が直接奪った記憶なら復活させる事もできますが…。彼の記憶喪失は、私の力によるものではありません。ただ、我々に近い『何か』が関係しているのだと思います”

「…お前達に近い? まさか、タクロウの失った記憶ってシンオウ時空神話と何か関係があるって言う事か!?」

”それはまだ解りません。ただ、彼の奥底から漂う気配。ただの人間の物とは違います。だから、そう感じたのかもしれません”

「後は、さっき言っていた遥かな過去に出会ったって言うタクロウと瓜二つの人物…。その辺も、色々と探る必要がありそうだな」

「或いは、危険な賭けだけどあの時の二人を探す…、って言うのは?」

「そりゃ危険すぎるだろ!? お前だってあの時、ゼバルって言う野郎に酷くやられたのを、もう忘れたのかよ!?」

「忘れてない! 忘れてないよ…。でも、他に僕の記憶に繋がりそうなのは、もうあの2人しか…」

”ゼバル…? 今、ゼバルと仰いましたか?”

 突如、ユクシーの雰囲気が変わる。
 カズキの口にした、ゼバルの名前に反応を示したようだった。

”ゼバル…。私の間違いでなければ、彼は『破壊の遣い』と名乗っていませんでしたか?」

「…! ああ、名乗ってた! 不気味な奴でやたらと強くて…。それでいてタクロウの記憶についても知っているような素振りで…」

”では、そのもう一人というのは?”

「リノアって名乗ってた女の人だよ。ゼバルは確か、『創生の遣い』って呼んでたよ」

”…!”

 2人の話を聞いて、ユクシーの表情が一気に悪くなる。
 まるで、知ってはならないことを知ってしまったかのような感じだった。

”…そうですか。その2人が目覚めましたか。もう、それだけの時が流れたということですね。すると、タクロウ。やはり貴方はあの時我々が出会った人間と同一の人物なのかもしれませんね”

「え…?」

”あの時、その人間は私に頼んで今までの一切の記憶を封印しました。次に『奴ら』が現れた時のために必要だ…、とだけ言い残して”

「奴ら…?」

”先程貴方達の話に出てきた2人の事です。彼らは突如としてこの世界に降臨した、人ならざる存在。それは、貴方達も感じているでしょう?”

「確かに…。あのゼバルって奴の力は人間の扱えるような物じゃなかった」

「それにしても、話が飛びすぎてるよ…。大昔に存在していた僕そっくりの人間が僕自身だって言ったり、あの2人も遥かな過去から存在していたなんて…」

”タクロウ。あの時私が封印した記憶の一部を見せましょう。それで、貴方があの時の彼と同一人物なのかどうかがわかるはずです”

「……解ったよ。ユクシー、見せて」

 タクロウは、ユクシーの前に立つ。
 そしてユクシーが発した光が、タクロウを包み込んでいった。




 続く

No.73 クロム 2010年02月13日 (土) 17時06分


RE: SLMメモリー6

手掛かりのユクシーとであったタクロウとカズキ。ユクシーの言う過去に会った三人とは一体何者なのか。タクロウが記憶を取り戻すキッカケになるのか。見所がありそうです。

No.74 HIRO´´ 2010年02月14日 (日) 15時55分

ウォォォアアア

うんこ

No.77 遊戯 2014年08月14日 (木) 20時26分




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