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[1451] 日本将棋連盟の未来 -過去は変えられないけれど- (4)-
JC IMPACTU (/) - 2013年04月27日 (土) 22時27分

前回のスレッドが35になりましたので新スレッドを立てておきます。

Pass

[1452] 異常なルール
歩曼陀羅華 (/) - 2013年04月27日 (土) 17時57分

J様ご教示感謝。

それにしても、何のためにそのような選挙の仕方が有るのか、見当が付きませぬ。寡聞にして、人類の歴史の中に、嘗てそのような例が有ったとも知りませぬ。

Pass

[1454] お詫びとお断り
歩曼陀羅華 (/) - 2013年04月27日 (土) 21時19分

新スレを立てるつもりはなかったのですが、なぜか連盟スレ

『日本将棋連盟の未来 -過去は変えられないけれど- (3)-』

にコメント投稿できない状況になり、やって居るうちにこのスレが立ってしまいました。

で、今もやはり連盟スレにはコメント出来ませぬ。

コメントできなくてもこれ自体は削除しようと思ったら、パスワードの入力ミスが有ったらしくそれも出来ませぬ。よしなにお願いしまする。

出来れば、このスレの冒頭文は、連盟スレのコメントに致し度。

Pass

[1455] お手数掛けました
歩曼陀羅華 (/) - 2013年04月27日 (土) 23時02分

満杯で自動的にレス不可能になっていたのですね。(但し満杯の警告文は出ていなかったようで御座います。)

Pass

[1457]
JC IMPACTU (/) - 2013年04月27日 (土) 23時08分

歩曼陀羅華さん

-----------------------------------
満杯で自動的にレス不可能になっていたのですね。(但し満杯の警告文は出ていなかったようで御座います。)
-----------------------------------

はい、そのとおりです。実は私がこのスレッドの(3)が満杯になったことを最終発言者であるにも関わらず失念しておりました。

お手数をおかけしましたこと、お詫び申し上げます。

Pass

[1463] どう致しまして
歩曼陀羅華 (/) - 2013年04月30日 (火) 08時39分

それぞれの掲示板ソフトにはいろいろ違いが有るので、当方も不慣れで御座いました。実は愚も全く別の世界(諷漫亭とは違う。)で掲示板をやっておりまして、きちんと管理されている掲示板を利用させて頂けることはありがたいと思って居りまする。

さて本筋に戻ると、「予備選」というのは、何のことはない普通の選挙のことらしいですね。本選挙と違うのは、何らかの意味、むしろ「仕組み」か「仕掛け」で、投票結果が最終結果にならないということのようで御座います。

「駒音」の観測の一つである、理事を選び、各役職者は理事会で決める方式の選挙を「予備選」と呼ぶのは、「理事選」としては本選挙の筈だから不適当なので、同様観測されているように、外部理事について奇妙な部分でもあるのでせうかねえ。

この件で丁寧に落ち無く書くことを心がけるのも愚かしいけれども、内部から選出された理事会が所定の手続きで外部理事を選任する場合であっても、「予備選」という言葉には違和感が有りまする。

つまり正棋士の選挙権、評議員として法人としての意思決定に関与できる権利を、即ちこの人達の基本的な「尊厳」を、なにか意図的に損なっているか貶めているように聞こえる呼称では御座いますね。

正体が分からないままだと、プロ棋士なる人々への尊敬を失い兼ねませぬ。

Pass

[1470]
JC IMPACTU (/) - 2013年05月02日 (木) 08時42分

歩曼陀羅華さん

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それぞれの掲示板ソフトにはいろいろ違いが有るので、当方も不慣れで御座いました。実は愚も全く別の世界(諷漫亭とは違う。)で掲示板をやっておりまして、きちんと管理されている掲示板を利用させて頂けることはありがたいと思って居りまする。
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本サイトを開設して2年になりましたが、今でも「管理」というのは不得手ですね。私は。とはいえ、そうもいきませんから、管理者が「コマンド」を行使する場合には、手続の経過を公開できちんと説明する、運営議論は公開で行うということだけはきちんとやりたいと思っていました。何故ならば管理者も運営に関して「間違う」ということはあると思っているからです。

連盟の理事選挙、どこかのタイミングで立候補者について連盟サイトで発表されると思っていますし、そのあたりをみないと詳しいことはよくわかりませんが(というよりも、踏み込んで調べようという気もあまり湧いてこないのです)谷川会長を「支える人材に恵まれるかどうか」そこがポイントになるのでしょう。

Pass

[1488]
JC IMPACTU (/) - 2013年05月11日 (土) 10時08分

週刊新潮の5.16号に掲載された中原誠十六世名人のコラムについて盤側の談話室で山岡さんが次のような発言をされていた。

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Re: 電王戦(11)質問あり! 山岡 - 2013/05/10(Fri) 06:49 No.22775


>今日発売の週刊新潮に、中原氏は棋士二人の入玉狙い戦略を「情け無い」と批判した後、自分と米長氏のように入玉が上手いと、普通の将棋のようにスピーディな勝負になるといった意味のことを書いていた


他人の入玉狙いは黒い入玉狙い
自分の入玉狙いは白い入玉狙い

ってことですか?
天才棋士も並みの評論家になったかと、少々残念な気分です。

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或いは山岡氏は本誌を「立ち読み」(手元にあり、ゆっくりと読まれたわけではない)された上での「感想」だったのかもしれない。

恵子さんが山岡さんのコメントのあとに「別の感じ方」を示されているので、ここでは詳しく触れないが、私は「十六世名人らしい、プロ棋士の矜持というものについて静かに語られた」内容だと思っている。「並みの人」ではないからこそ、こういう意見を堂々と述べることができるのだと私は感心しながらこの記事を読んだ。

「情けない」といえば、最近教えていただいた渡部愛女流三級と私の将棋である。定期的に男性棋士に指導対局を受けるようになって十年。今は香落ちである。先月は先生が「ため息をつき、顔を歪める局面」も出現した。それが最後まで持続しないのがヘボのヘボたる所以でもある。石橋女流四段には角落ちで「勝たせていただいた」経験もあったので、プロ棋士を前に「緊張する」ということはないのだけれども、もうまるっきり全然ダメだった。

指導対局で「まった」をお願いしても、おそらく上手は笑って赦してくださるのだろうが、それはできない。心が折れるというか消える将棋を指し続けるのは辛いものだ。

例えばアマチュアの強い方に「飛車落」で教えていただく。▲7六歩、△3四歩、普通、上手はここで▲6六歩と角道を止める。ところがこの方はニコニコ笑いながら「▲2二角成」と角交換の手を指される。思考回路がぐしゃぐしゃになる。こんなことではダメなのだ。ほんとうに(泣)

渡部さんに完敗し、家でうずくまるように将棋盤を前にあれこれとやっていたらカミさんが「盤と駒は立派なのにねぇ」と呟いてお茶が出てくる。超初心者のカミさんに「あなたとだったら百回指して百回勝つぞ」とぼやく。そんなものが嬉しいはずもない。単なる「弱い者いじめ」だからだ。嗚呼。

Pass

[1492]
世渡り下手爺 (/) - 2013年05月12日 (日) 11時37分

電脳戦を見ておりまして、一番感じましたのは『心が折れない機械』という点でした。

将棋を勝つことに対する正確さを求めることは、人間も機械も同じ(機械はそのようにインプットされている?)でしょうが、人間には『心の迷い』という弱点があり、それ故に勝つことは容易では無いでしょう。

しかし、人間には将棋に勝ったことに対する喜びや、負けたことに対する無念さ、差し手に対する感動があり、実はそれが本当の将棋の面白さなのだと思います。

今回の中原さんの電脳戦に於ける入玉戦法に対する考え方には共感が持てます。将棋は引き分けや負けないためのゲームではなく『勝ちを求める』ゲームである筈です。少なくとも、それを生活の糧としているプロには勝ちにいって欲しかったと思いました。

もともとが、『勝負』という形ではなく『デモンストレーション』的な趣を持って行われるべき対戦ではなかったのか、とも思います。人間と自動車の駆けっこは、自動車の創世記には面白がられたでしょうが、過去も将来にわたっても、オリンピックの陸上競技に自動車が出てくることなどあり得ませんからね。

人間同士のゲームにおける戦いは精神的な要素が大きく左右をするから面白いのですよ。そう考えると、木村や大山、中原たちは『心が折れない将棋』を指していたようにも思えます。無理な筋は避け、自然に勝つことができる差し方、それができる人は素晴らしいと思います。

Pass

[1493]
JC IMPACTU (/) - 2013年05月13日 (月) 00時30分

世渡り下手爺さま

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しかし、人間には将棋に勝ったことに対する喜びや、負けたことに対する無念さ、差し手に対する感動があり、実はそれが本当の将棋の面白さなのだと思います。
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私自身、将棋を父親を相手に「八枚落」から教えてもらった時にまさか、プロの先生、女流棋士のみなさんと「大駒落」で指していただく機会に巡り合えるというか、そういう機会を定期的に作るようになるとは夢にも思いませんでした。

十年教えていただいている男性のプロ棋士は、ある意味、指導対局では定評のある方です。いい手を指せば褒めてくださいますし、下手の言い分をある程度通して、そこから「プロのチカラ」を披露される。最近では「飛車落」でも「角落」でも、私のヘボな棋力では居飛車では、カタチを作るところまではいかないなぁと悩んだりしております(苦笑)

「電王戦」については私はこう考えました。

今回の結果を受けて谷川連盟会長、三浦八段以下「現実をみせつけられた」というような会見を行いましたが、あんなお通夜のような歯切れの悪い「情けない記者会見」をやるくらいなら、そもそもA級やA級経験者(現役)を「いきなり」出場させるような催事をやるべきではないということです。私は次回があるというならば、谷川十七世名人あたりが出ざるを得ないかなと思っていますが、それが「棋界のため」になるのかならないのかということになると甚だ疑問です。

奨励会の二段、三段クラスに出場機会を与えるなり、知名度のある引退棋士に出てもらえれば、第2回はそれでよかったのではと感じますね。

一昨年清水市代さんが「あから」と戦いました。結果は世渡りさんも御承知のとおりですが、例えば「リターンマッチ」が何故、開催されないのかとも思います。「負けたままで次の機会がない」というのは、私には不思議でした。

機械と人間の対局ですから、そもそも条件が全く違います。例えば計算能力を問うことを、機械と人間が競うなどということは普通ありませんし、そういうCPUの能力が「人間に役立つ」ような関係というものでいいのでは、とも考えます。

例えば一手30秒でCPUとプロ棋士が対局すればどうなるのかな、と思ったりはしますが。

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もともとが、『勝負』という形ではなく『デモンストレーション』的な趣を持って行われるべき対戦ではなかったのか、とも思います。人間と自動車の駆けっこは、自動車の創世記には面白がられたでしょうが、過去も将来にわたっても、オリンピックの陸上競技に自動車が出てくることなどあり得ませんからね。

人間同士のゲームにおける戦いは精神的な要素が大きく左右をするから面白いのですよ。そう考えると、木村や大山、中原たちは『心が折れない将棋』を指していたようにも思えます。
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ご指摘のとおりだと思います。名棋士の「強い心」と「かけひき」というものは、棋譜を並べてみても面白いですね。

Pass

[1496]
JC IMPACTU (/) - 2013年05月14日 (火) 20時42分

連盟の予備選挙について「web駒音」で

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19.  南蛮渡来 - 2013/05/14(Tue) 18:30 No.56135
これも2ちゃん情報だが、

西は 谷川 東 
東は 青野 田中 島 片上
外部 職員理事決定手続きの上理事会を経て6月初旬正式決定の上発表

ということらしい。
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私は「青野九段・島九段・中川八段・片上六段」という情報を得ている。関西の谷川九段・東七段(関西は無投票)で計6名。

田中寅彦九段は「落選」しているのでは??

Pass

[1511]
JC IMPACTU (/) - 2013年05月20日 (月) 21時29分

このGWに何冊か将棋に関する古本を買い求めた。その中の一冊「将棋の風景」からある随筆を紹介したい。最後に「書き手」を明らかにしよう。古い将棋ファンなら内容から察しがつくかもしれない。タイトルは「江分利満氏の将棋会」

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私が作家という職業の人を初めて見たのは約二十五年前で、場所は東京の将棋会館だった。(註 この随筆が掲載されたのは月刊誌の平成九年六月号である)短髪で黒ぶち眼鏡の作家は、多くの棋士に囲まれて談笑していた。その光景は、棋士の卵の私には大変眩しかった。一人前になれば、ああいう有名人と親しく話ができるんだと、内心思ったものだ。

その作家は山口瞳さんである。当時、山口さんは本誌が企画した『血涙十番勝負』で、一流棋士たちと駒落ち将棋を指し続け、将棋に熱中していた。棋士との交遊も深かった。また、プロ相手に呻吟する様を綴った自選記は読者の共感を呼んだ。

私はそのころ、同世代の奨励会員(棋士の卵)たちと共同で将棋の同人雑誌をなぜか出していた。『棋友』と題する小冊子には、同人が書いた自戦記・講座・随筆などが載った。内容は文章も編集も稚拙なものだったが、熱気だけはあったと思う。

私たちは、その『棋友』を山口さんにも読んでもらおうと、バックナンバー数冊を送った。恐れを知らぬのは、若者の特権だ。

数日後、私のアパートの郵便箱に山口さんのハガキが届いた。

「棋友ありがとう。このテの雑誌は大好きです。全部読みました。おヒマができましたら、ぜひ遊びにきてください。何人でこられても歓迎します.....」

私は欣喜雀躍する思いであった。同人たちへ朗報をすぐに連絡した。そして好意に甘えて、国立の山口さんの自宅を訪れた。なお「棋友」の同人仲間で棋士になったのは、私以外に青野照市九段、真部一男八段、沼春雄六段らがいる。(註 以下次回)

(越智信義編「将棋の風景」2002年3月初版 毎日コミュニケーションズより引用)
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山口瞳さんは元々編集者でもあったから、未知の奨励会員からの同人誌におそらくは目を輝かせたことだろう。「人殺し」という長編小説が刊行された前後のことだろうから、山口さんがある意味、尤も活躍していた頃に当たる。

私は山口さんの署名献呈本で、この随筆と同姓同名の方に宛てた著作の存在を知ったことがあった。勿論、だからといって同姓同名の別人である可能性はゼロではないし、仮に本人宛のものであったとしても、処分したのではなく誰かに差し上げたのかもしれない。まぁ、色々なことは考えられる。

私はカミさんと一緒に山口瞳の初版蒐集に熱を上げたことがある。生前、没後に刊行された(今も刊行は続いている)全ての初版本は拙宅のコレクションになったし、識語署名本もずいぶんと集めた。ただその時にごく一部の「例外」は除いて「献呈本は求めない」ということを決めた。

にもかかわらず知り合いの古書店主が「この献呈署名本の存在を私に知らせてくれた」のは、店主もまた、宛先が「棋士と同姓同名であり、私が将棋好き」であることを知っていたからである。

一瞬考えたが、買い求めることはなかった。好きな棋士ではなかったからである。

例えば大山康晴十五世名人などは生前に相当の献呈本が出版社から送付されていると思う。大山名人が亡くなられてから随分になるけれど、大山名人宛の署名本を古書店でみつけたことは一度もない。

流石だなぁと、ふと思ったりもする。

Pass

[1513]
JC IMPACTU (/) - 2013年05月21日 (火) 23時38分

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昭和48年2月のある日の午後、私と沼三段は山口邸の大広間に通された。ちょうどその日は月一回の将棋会で、すでに将棋が何局か始まっていた。大きな書架が隅に設えられた広い洋間で、見覚えのある著名人たちが将棋を指す光景は、自分が今まで見た将棋の集まりとは違う雰囲気だった。

山口さんの将棋仲間は、脚本家の安倍徹郎さん、タレントの大橋巨泉さん、競馬評論家の赤木駿介さんなどマスコミ関係者で、山口さん自ら「山口組」と称した。もちろん飛び道具は、チャカではなく将棋の駒だ。道具は榧盤に黄楊の駒、桑の駒台と最高級のものが用意され、脇息やちり箱の備品まであった。プロ棋士の対局とほとんど変わらない設定は、まさに"江分利満氏の優雅な将棋"といえよう。

山口さんの将棋の実力は、文壇一とかって言われた。実際に強んったと思う。私はその日、山口さんと角落ちの手合いで指したがいい勝負だった。むろん緩めたわけではない。

山口さんの将棋は、定跡をきっちりと習った本格派だった。よく序盤は有段者、中盤は一級、終盤は六級などと謙遜したが、相撲のはず押しのようにじわじわと攻め込む指し方は、プロ棋士との駒落ち戦で特に力を発揮した。そんな山口さんの将棋を、どうせ旦那芸さと冷やかに言う人もいた。

山口さんは、町道場の無手勝流の荒くれ将棋とは一線を画した。将棋は男の芸事なんだ、というのが信念であり将棋観だった。

参加メンバーの対局中の雑談の内容も面白かった。ミーハー気分の私は、耳をダンボにして聞いた。---安倍さんが脚本を書いている『必殺仕置人』が、同じ時間帯の『木枯らし紋次郎』を視聴率で抜いた。巨泉さんの持ち馬が競馬で優勝した。赤木さんが時代小説で作家デビューする。などなどの話だった。

また、人気作家だけあって来客と電話が頻繁にあり、山口さんはその日、何とNHKから将棋番組の出演依頼も受けた。中原誠名人とお好み対局を指す企画である。

「テレビ将棋はなぁ.....」と渋る山口さん。すると巨泉さんが「中原なんかやっつけちゃいなさいよ。別にハゲなんか気にすることはないでしょ」と、励ましとも冷やかしともつかぬことを言って、一同大爆笑となった。

夕食の時間になると、みんなで地下の食堂に場所を移し、山口夫人の心づくしの料理に舌鼓を打った。そして、アルコールがほどよく回ると、雑談から議論に変わっていった。

巨泉「奨励会制度に問題がある。若手を伸ばさない団体は発展しない」山口「将棋連盟の運営がまずいんだな」安倍「ジャーナリズムが発展していませんね」(註:随筆の書き手〉「そうです。そこで私たちは、ちゃちですが同人雑誌の『棋友』を出しました」沼「それさえも、当時からクレームがいろいろあって.....」巨泉「競馬界の体質も昔は古かったが、ジャーナリズムの発展でよくなった」

山口邸での将棋会は、優雅な将棋サロンの趣と団論風発が混在した。居心地のよい不思議な空間だった。(註 以下次回)

(越智信義編「将棋の風景」2002年3月初版 毎日コミュニケーションズより引用)

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山口瞳さんの没後だが、私は何度か、いや何十回と言うべきか「変奇館」を訪問する機会があった。一部、室内は改装されたがそれでも「将棋会」や「地下室」のイメージが湧く。山口さんは自ら自宅を「変奇館」と呼んだ。

将棋と作家ということになると、私は今でも山口さんと団さんを思いだす。例えば「団さんと小池重明氏のような関係」を山口さんは作らないという気がする。おそらくは「真剣師」という者に山口さんは関心のベクトルが向かなかった。というか、そういう存在を「忌避する」面があったと思う。このあたりは今でも文春文庫で入手が可能な「血族」(菊池寛賞)に詳しい。

芹澤博文九段は大橋巨泉氏を嫌った。そのひとつに「中原誠十六世名人」をゲストに呼んだ対談か何かで「中原クン」と呼んだことに怒ったのである。無礼ではないかと。

山口さんは将棋世界で「中原名人」と対談されたことがあるが、その時は「中原名人」であったり「中原さん」である。私は山口さんが年上であるからといって、名人を「クン」と呼ぶ光景は万にひとつも想像できない。イヤラシイという気がする。

ここでも紹介した島九段の最新作で「トップ棋士には高い収入を与えて欲しい。それが社会が人をみる基準になっているから」という趣旨のことを述べていた。山口さんが将棋を指していた時代というのは、トップ棋士にしても、今ほど裕福ではなかったような気がする。ただ、それが尊敬や畏敬の対象の評価として必ずしも直結するかといえば、これもまた違うような気がする。

金を稼ぐというのは大事なことのひとつだ。しかし、それが目的化され過ぎてしまうと、得たものを社会や、自身たちを支えているであろうものに対して還元しようという意識もまた薄れてしまう。

ただし、ご本人がそういうことを金額も含めて公にしていないのでここでは述べないが、立場に応じて還元されている棋士が存在することも事実である。一方、寄付を額で評価するつもりはないけれど「この棋士がこの額か」という面で驚いたこともある。

「賞金額・対局料ランキング」というのは、ある意味当該年度の「強さ」の基準ではあるのだろう。「棋士○○△□」の評価である。しかし棋士もまた人間であるのだから「人間○○△□」の評価とは別の次元のものなのだと思う。

「棋士として」を超えて「人として」将棋指しが語られるということが減ってしまった。時代の流れなのか、それとも棋士が変わってしまったのか、どちらなのだろう。

Pass

[1515]
JC IMPACTU (/) - 2013年05月23日 (木) 22時04分

週刊新潮5/30号「米長派筆頭「田中寅彦」理事落選で将棋連盟棋士総会の王手飛車」を読んだ。

この記事の中に観戦記者の談話として「即日開票でしたが、あの田中さんが落選するという波乱がおきたのです」とある。

波乱??

それはないだろう。おそらくこの観戦記者は生身の棋士から話ひとつ聞いていないし、会食ひとつしたことがないのだろう。今年の初めあたりから「田中寅彦だけは再選させない」という声は相当にあった。それをご本人もこの記者も知らなかったというのであれば、それはあまりにお目出度い。

関西での得票数がそれでもそこそこあったことに驚いている棋士も何人かいた。「得票数もトップ当選を果した棋士の約半分という大惨敗を喫したのです」と記事にはあるが、私の感覚ではそんなに驚くようなことではない。だから私は、この掲示板にも氏の当落については以前にはっきりと予測した。

氏のツイッターのトップページ、紹介欄から「専務理事を務めさせていただいております」が消えた。こういう時に、選挙結果を踏まえて、それが意に沿わないものであったにしても、氏に投票した棋士もいるのだから、何らかのコメントは示すべきであろう。田中九段が敬愛してやまない米長邦雄永世棋聖・日本将棋連盟前会長も述べていらっしゃったではないか。「大切なのは負けたあと」だと。

Pass

[1531]
JC IMPACTU (/) - 2013年05月27日 (月) 21時01分

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『棋友』の同人は、その後も山口邸の将棋会にたびたび呼ばれた。将棋を指すのも話をするのも、山口さんは二十代の若者の方が楽しかったようである。

将棋と棋士をこよなく愛し、自ら将棋連盟の宣伝部長と名乗った山口さんだったが、ある時期から将棋界と距離をおいた。また将棋を指さなくなった。

山口さんが将棋をやめたのは健康上の理由があった。将棋を指すと血圧が上がったそうだ。名人戦第1局の観戦記を書く大きな望みを実現したことも関係ある。

山口さんは二十年前に、名人戦の観戦記を何局か書いた。作家らしい洞察力のある棋士評と細やかな対局描写は、私たち棋士が感じ入るところがあり、読者にも大好評だった。

山口さんは晩年、棋士との付き合いがほとんどなかった。その一番の原因は、親しく目をかけていた二、三の棋士と考え方で行き違いが生じ、不和になったからだと言う.....。

私は二年前の3月に、荻窪病院のロビーで山口さん夫妻にばったり会った。山口さんは検査結果を聞きにきたのだが、会った早々に「君は変な病気の検査じゃないのかね」と、とんだ挨拶を受けてしまった。毒舌は健在だった。

私が山口瞳さんと会ったのは、それが最後となった。
(『小説現代』平成9年6月号〉

(越智信義編「将棋の風景」2002年3月初版 毎日コミュニケーションズより引用・「江分利満氏の将棋会」田丸昇)
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田丸九段は佐瀬勇次名誉九段の一門であり、兄弟子は米長邦雄永世棋聖である。氏の置かれた状況を考えれば、山口瞳さんが棋界を離れた「理由のひとつ」を書くことは躊躇われただろう。今、私はそのことを事更に責めようとはもう思わなくなってはいる。

「健康上の理由」「血圧の上昇」というのはある面、そのとおりである。山口さんはそのことを「新潮45」の「将棋落ちこぼれ教室」の休載にあたって、そう記している。

ただ「名人戦第1局の観戦記を書く大きな望みを実現したことも関係ある」と、そう記されることについては、強い抵抗がある。

第36期・第37期の名人戦第1局の観戦記を山口さんは担当した。36期は剃髪の森八段(当時)37期は米長邦雄永世棋聖である。37期の名人戦が始まる直前、NHKの歴代名人との座談会で聞き手を務めた山口さんが「大山十五世名人の偉業を称え、名人になる方は人格・識見共に優れている」旨のことを述べた。米長さんと大山名人の関係は決してよくはなかったこともあり、そのことを知った米長永世棋聖は「そういうことを言う者に観戦記を書いて欲しくない」と主張。いわゆる「観戦記拒否事件」である。

毎日新聞社、米長さん、山口さんとで話し合いの場がもたれ、米長さんは「観戦記拒否を撤回。改めて山口さんに依頼をしたが」今度は山口さんがおさまらない。収拾したのは大山康晴十五世名人と夫人の治子さんだった。大山十五世名人は国立の山口家を訪問し、頭を下げ続けたそうである。そのことを私は鬼籍に入る直前の奥様から伺う機会があった。週刊将棋に毎日新聞の担当記者がそのことを記したし、米長さんは翌週に緊急寄稿として反論記事を寄せた。山口さんは「37期の観戦記」を「では最後(名人戦観戦記)に書くか」と述べたそうである。そして実際にこの観戦記が最後になった。

週刊将棋にも掲載されたこの事実を田丸九段が知らないはずはないと私は今でも思っている。そのことについて論評しないというならばそれはそれで構わない。ただ「名人戦第1局の観戦記を書く大きな望みを実現したことも関係ある」では、まるで何事もなく山口さんが自ら38期以降を書かなくなったようにも受け止められてしまう。それは「違う」ということなのだ。

「知っていても書かない」ということはあるだろう。ただし「知っていることを書かずに、あたかも本人の達成感で観戦記を記さなくなった」と受け止められかねないような「事実に反する」ことを書くべきではないと私は思っている。

それはある意味「罪なこと」ではないだろうか。

Pass

[1571]
JC IMPACTU (/) - 2013年06月06日 (木) 23時03分


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なぜここ一、二年の間に森内は羽生を圧倒し、そしてまた羽生が盛り返して来たのか、それを考える前に、まずは基本的なことのおさらいから入ろう。
両者が奨励会に入会したのは昭和57年である。いわゆる花の57年組だ。
彼らは明らかにまわりの人間と違っていた。才能があり、実力があり、きらめきがあったが、もっと以前に異質なものがあった。
まずもって、顔が見るからに頭が良さそうな感じだった。それも理系であるということが、一目で見てとれる顔だった。
もちろん他の人たちが頭が悪そうだったわけではない。ただ、当時の奨励会は賢そうなというよりは、たくましそうな顔つきをした者が多かった。理系の人間は少なかった。いても勝てなかった。当時の将棋界は、文系、体育会系の天下だった。先輩は無理をいうものであり、将棋は体で覚えて勝つものである。研究なんてしているひ弱な将棋は、鍛えの入った俺達が一蹴してやるぜ---。

しかし、根性と経験で鍛え上げた猛者たちは、ふたりのひ弱に見える少年の前になすすべがなかった。あやふやなものを信じ、目に見えないものを磨くことが大事と考えた将棋界のほとんどの者は、ふたりの理系の天才の前に手も足も出なかったのである。後には「奴らはまだ将棋を分かっていない」という声が残った。その声は、彼らの進軍の後押しをするだけだった。

あれから二十五年、将棋界ははっきりと変わった。若手はこぞって、合理的な物の考え方を尊ぶようになった。

すべてはふたりが変えたのだ。あの時から将棋界は変わっていったのだった。

ひとつだけ注意したいのは、羽生、森内の両者が理系だからといって、将棋が理系の人間が勝つゲームだという確証は何もないということだ。もしかしたら今が異常な事態なのかもしれない。大山、升田、中原、米長といった(ふたりに比べれば)文系の棋士達が栄光を刻んだ歴史は確かにある。

ともあれ確かなのは、今がこういう時代で、それは羽生と森内という、ふたりの開拓者が作ったものなのだ。

一時期、研究が盛んで、研究だけで勝負が決まるという将棋が流行ったことがあった。コピー将棋などと揶揄され、つまらない将棋の代名詞にもなった。

しかし、この現象も、大局的な流れを考えると納得がいく。理詰めであることが武器の人間が、古い世代を打ち負かそうとする時に、理詰めの精神を研くことは不可欠なものだったのだ。

世界全体の空気を変える---この壮大な目論見を、どこまでふたりが自覚していたかは分からない。あるいはまったく意識がなかったかもしれない。もっとも羽生については、若い頃からのインタビューが多く、多少の自覚があったことは明らかである。「将棋は人生とは別」「将棋は単なるゲーム」「終盤もいずれパターン化されるかもしれない」などの発言には、若さの勢いの奔流ということもあるが、強い確信と意思を感じさせる。

(「棋士が数学者になる時-千駄ヶ谷市場3-」(先崎学 2013年5月刊・マイナビ)より引用)

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先崎八段はこの記事を2005年6月号の「将棋世界」に寄せている。しかしその8年後の「今の記事」と言われてもさほどの違和感というものがない。谷川十七世名人という「文系」の会長も、いつかはその役割を終えるわけだが、一体、合理性などというものをあらゆる面で追及するというのであれば、この二人は理事職になど永劫就くことはないのではないか、という気もする。

私は今、時々棋士に指導対局をお願いし、アマチュア強豪の方と雑談に花を咲かせながら、手とり足とり「読み」を開示してもらい、自宅では頑張って「大山全集」を並べるということがいちばん楽しい。

名人戦や竜王戦をみていても、何というか「ときめくもの」がないのである。CPUにA級棋士が負けたからではない。棋士もまた人間である。その姿がいつまでたってもみえてこない。

芹澤博文九段は歪ではあったけれども、歴代の名人に絶対の信を置いた方である。あれだけ嫌いな大山康晴十五世名人にすら「俺の内心の憧憬がわかっていない」と氏は述べたのだ。

そういうものが失われたというのであれば、私にはどうしても魅力的なものを感じることができない。

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[1861]
JC IMPACTU (/) - 2013年07月22日 (月) 22時09分

先週発売の「週刊新潮」に大崎善生氏による「没後20年 「大山康晴」名人の盤外の素顔」が掲載されていた。興味のある方は書店で手にとっていただければと思っている。

「職員旅行立案の際の」「イカソーメン事件」(大山名人がこれは高いので昼食のメニューから外せと主張されたもの)は氏が以前にも自著で書かれていた。

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大山は棋士でも職員でも自分に恭順するものは徹底的に可愛がり、そうでないものは敵視まではいかないが意識的に遠ざけた。最大の敵は兄弟子にして宿命のライバル升田幸三、その次は世代間の争いでもあり価値観の違いが著しかった米長邦雄や芹澤博文というところで、編集部はとくに後の2人の言動を面白がり重宝していた。大山爆弾の炸裂にはそんな要因もあったのだろう。
        (週刊新潮2013年7月25日号より引用)
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升田九段は大山十五世を「バカだアホだ」と身内の中では口にして憚らなかったし、芹澤九段は、高校生相手の講演で「大山さんは嫌いだ」と罵倒した。米長九段はある時、将棋日本シリーズのイラストポスターとして盤前に座る満面の笑顔が掲載されたが、その盤を前にひれ伏している小さく縮こまった棋士は、誰がみても大山康晴十五世名人そのものだった。それなりに皆、発散していたのだなぁと今にして思うことがある。

「逆さ昇龍」「お車代」「生花不要」いくつかのエピソードが記されているが、超合理的な面が確かにあったのだろう。

私は二十代の時に「日本将棋連盟」に最後の許諾というかセレモニーというか、十五世名人にご挨拶かたがた報告のために上京したことがある。こちらも若かったのだけれど、オーラに満ち溢れた怖い人だった。独特の威圧感が存するからかもしれない。

今の連盟とはおそらく空気が全く違うのだろう。いい悪いは別としても。

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[1954]
JC IMPACTU (/) - 2013年08月02日 (金) 23時06分

ある日の棋士会でのこと。「電王戦」の進捗事項が話題になった。さしたる報告もない中で「会長、あなたが出ればいいじゃないですか」と「しかるべき立場」の棋士が述べ、十七世名人は言葉を発することはなかったそうである。厭な空気だったろうと、私などは思ってしまう。

第2回電王戦のすべて(2013年7月刊・マイナビ)が刊行された。まえがきで谷川会長はこう述べている。

「...勝負だけではなく、一局毎にドラマと感動が生まれたことで
、これだけの盛り上がりを見せたのである。ただそれだけに、第3回をどのように進めてゆくかは、正直言って難しい問題を含んでいる。人間とコンピュータ。お互いの長所を認めながら、弱点を克服し、もうしばらくはこの拮抗した状況が続くことを願うばかりである」

なるほど「願うんじゃなくて、出なさい」ということか。会長としての力量はともかく、氏は十七世名人である。確かにここ数年は順位戦で結果をみれば、本人は勿論、谷川ファンにとっては満足のいくものではないだろう。連盟という組織も、昔に比べれば様変わりしてしまった。こういう空気は「歪」な気もする。

さて、この本を棋譜は斜め読みでさっと目を通してみた。歪な感じが更に伝わってきた。それは三浦八段の自戦記を読んだからである。まず氏は「この出場について自ら手を挙げていない」「私は出場したくなかった」と告白してもいる。氏自身「負けることは許されない立場」であることを自覚もしている。

何故、氏はそれでも出場したのか。私は氏の自戦記を読んで「少なくとも第2回に氏は出るべきではなかったのだ」と今では思っている。次回更に詳しく紹介してみよう。

Pass

[1975]
JC IMPACTU (/) - 2013年08月08日 (木) 02時22分

さて、電王戦三浦弘行八段の自戦記である。

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5月下旬か6月上旬に、将棋連盟の職員から連絡があった。「スポンサーのドワンゴさんが、三浦さんに出場して欲しいとおっしゃっています」という。他の出場予定メンバーを尋ねると、B級の棋士がいない。棋士側の目玉として、A級棋士に出て欲しいということだったようだ。
正直に書く。私は出場したくなかった。負けたときのリスクがあまりに大き過ぎる。ただ、スポンサーからの直接の依頼というのが迷いを生んだ。現在、将棋界だけでなく、日本全体が不況にあえいでいる。そんな中、ドワンゴさんはニコニコ動画で将棋のタイトル戦を毎局のように中継してくれており、今までにないファン層を取り込めているようだ。これからも将棋界にご支援いただきたいという思いがあり、それなら自分も恩返しをすべきだと思ったのだ。(中略)出場を迷った理由として、私がコンピュータ将棋に関してまったく知識がないことも大きかった。市販のソフトと指した経験もない。漠然と強いというイメージは持っていたが、具体的にどれだけのものか、知っておきたかった。だが返事の期間は二週間。A級順位戦開幕の準備や名人戦の立会人の仕事などで忙しかったこともあり、将棋ソフトについての知識を深めることはできなかった。(中略)6月に行われた名人戦第6局に副立会人として同行し、そこでドワンゴの方とお話した。「あるA級棋士に頼んだが断られ、それで三浦先生にお願いしたい」と頼まれた。私もほかのA級棋士が断ったという話を聞いていたので、正直にお話していただけたことに好感を持った。もし「A級棋士にお願いするのは三浦先生が初めてです」という言い方をされていたら断っていたと思う。
最終的に出場することに決めた。理由は3つ。1.スポンサーに協力したい。2.性格的に依頼を断るのが苦手。3.ソフトと公の場で指すなら早い方がいい。1.は前ページで述べた。2.は、自分の精神面の甘さを痛感している。師匠の西村一義九段に相談したところ「断ってもいいんだよ」と言われたのだが。これは今後の自分の課題だと思っている。3.だが、今後、ソフトが加速度的に強くなるのは目にみえている。ならばさっさと出場して勝ってしまえば勝ち逃げできるという目論見だ。少々セコイが、それだけ切実な問題であるということをご理解いただければ幸いである。ただ、これについては、自分を納得させるために強引に理由づけした感は否めない。(中略)12月の記者会見の数日後、米長邦雄将棋連盟会長が亡くなられた。電王戦に対する思い入れがすごく、ずっと盛り上げられてきた方だ。会長とは昨年9月に将棋ペンクラブの授賞式で、電王戦についてお話した。「嫌だったら出なくてもいい。君は名人戦出場の可能性もあるし、記者会見で5人目は『X』にしておく方法もある」とおっしゃった。これは会長の頭にだけあった構想だったようだが、さすが稀大のエンターティナーだと感心させられた。
会長が亡くなられてからは「盛り上げて次回につなげたい」という思いが一層強くなった。そして、絶対に勝たなければいけないと。(中略)
敗因は、出場を安易に引き受けたことかもしれない(笑)電王戦が注目を集めたことは良かったが、個人的にはいいことがなかった。いや、ひとつだけある。それは強い相手と将棋を指せたということだ。その何物にも代え難い喜びは、今も私の中にはっきりと存在している。
(第2回電王戦のすべて(2013年7月刊・マイナビ)より引用)
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三浦八段は正直な方だと思う。曝け出したような内容だ。

多くの棋士が氏の自戦記を目にしたことだろう。ここには引用しなかったが、今年、三浦八段は最後まで他力とはいえ、名人挑戦者の可能性があった。星ひとつ届かなかったが、氏にとってこの落胆は相当なものがあった。「じゃあ電王戦で頑張ろうという気にはなれなかった」という旨のことが記されている。

私はしみじみと感じたものである。いくら棋士が個人事業主的な面があるとはいえ、スポンサーが直接、棋士に交渉するということになると、ある意味、こういうことが起きてしまう。少なくともこういう棋戦に「誰を出場させるか」は連盟が「事務局」のひとつも作って、棋士をマネジメントしなければいけない。例えばアーチストや俳優、女優といった方々が大部分、何がしかの事務所に所属するというのはそういうことなのだ。そういうものがあれば、仮にスポンサーから依頼があっても「出場に関することは全て事務局が管理していますのでそちらを通してください」で済むし、棋士本人も、正直な気持ちを事務局に伝えることができる。誰もが「直接断ることは辛い」面があるし、そういう調整を行うことが、棋士の負担を解消することにもなるし、棋士を守るということもできる。

三浦八段の自戦記を読んだ棋士は、今まで以上にリスクを考えるだろう。断る棋士が増えそうな気もする。なるほど、谷川十七世名人の出場という事態は、ひょっとしたらひょっとするのかもしれない。

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[1979]
ビルバル (/) - 2013年08月08日 (木) 17時32分

JC IMPACTU様、こんばんは

電王戦のお話し、拝読いたしました。
ドワンゴからすれば大大大成功でした。連盟も興行的には成功なのでしょうが、A級棋士が敗れるというのは個人的にショックでした。

僕の勝手な思いですが、もう少し巧妙に人選を進めてほしかったです。
女流棋士と引退棋士は既に戦っていますので現役男性棋士になるわけですが、新鋭5名でもよかったのではないかと・・。

故米長永世棋聖の最後の戦士はXっていうのはすばらしい!
僕なら、羽生先生が出るぞー羽生先生が出るぞーと思わせといて出さない。
次節は、竜王が出るぞー竜王が出るぞーと思わせといて出さない。
その次は、名人が出るぞー名人が出るぞーと思わせといて出さない。

これを私は柏原芳恵作戦と名づけております。
脱ぐぞー脱いだぞーと流布しといて蝉ヌードどまりでひっぱるアレです。
袋とじでも脱がない柏原芳恵には鎮めようも無い怒りを覚えたものですが戦術としてはアリです!

しかし、前回ではタイトル獲得者とA級が出てしまいました。
ヘア(下の毛)を見せてしまったからには視聴者も並みの棋士ではもう満足できなくなっているかもしれません。


困った事です。
JCさまは、どうお思いになりますか?

Pass

[1980]
JC IMPACTU (/) - 2013年08月09日 (金) 00時00分

ビルバルさん

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女流棋士と引退棋士は既に戦っていますので現役男性棋士になるわけですが、新鋭5名でもよかったのではないかと・・。
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第1回「電王戦」の終了会見で、米長前会長は「5局一斉対局」をその場で発表しました。「思い入れ」そのままの電光石火というか、あれは前会長が一人で決めたシナリオです。私は「いくら何でもそんなことはないだろう」と思っていましたが、対局終了から会見の間にバタバタと決めたようです。会長の決断に誰も異など唱えませんから、これは瀬川さんの人選と同じような方式だったわけです。

今回もA級棋士は一人は断られたとあります。B級棋士は誰も手を挙げなかった。そういう意味では、米長さんが敗れたことによって、次どうするかというのであれば、私は奨励会棋士から希望をとって、出場してもらえばよかったのでは、と思いますね。

奨励会員には対局料としての収入はありません。今は毎月月謝も支払っています。今の三段は強いですし、若さもハングリーな面もある。面白い将棋になったと思いますよ。勿論、それでドワンゴが納得するかという問題はあるのですが、はっきり言うと「出たくない棋士」を引っ張り出して、ギャラで縛ってやるようなものなのかなぁという気はします。

今回も、なりゆきからA級棋士の出場が求められるわけですから現実、難渋しているというところでしょう。

いよいよどうしようもなくなったら谷川十七世名人でしょう。谷川さんのためにという棋士がいるかどうかですね。

Pass

[1983]
世渡り下手爺 (/) - 2013年08月11日 (日) 07時43分

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勿論、それでドワンゴが納得するかという問題はあるのですが、はっきり言うと「出たくない棋士」を引っ張り出して、ギャラで縛ってやるようなものなのかなぁという気はします。
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ある棋士が言っておりました。
「勝っても負けてもお金になる勝負などを機械とする意味があるのですかね。自分なら、同額を賭けて勝ちにいく。少なくとも勝負師ですからね、負けて失う物がない勝負など勝負ではないですよ。結局は、お金の為にした茶番劇にしか写らない。」

その様な棋士もいるのですね、棋士としての誇りを持って生きてきたから出た言葉でしょう。勝ち・負けは時の運かもしれませんが、「絶対に勝ちにいく」という気持ちを持たずして機械と戦う意味などは棋士には無い筈です。

デモンストレーションならば良かったのでしょうが(笑)


Pass

[1988] 電王戦に関する記者発表会
まるしお (/) - 2013年08月14日 (水) 17時19分

 8月21日(水)午後1時、ニコファーレにて「電王戦」に関する記者発表会。

 ニコニコ生放送で中継。

http://live.nicovideo.jp/watch/lv146865915

【登壇者】
・谷川浩司九段(日本将棋連盟会長)
・片上大輔六段(日本将棋連盟理事)
・川上量生(株式会社ドワンゴ会長)
・塚田泰明九段(第2回電王戦出場)
・山本一成(第2回電王戦出場ponanza制作者)

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