みんみんさん、はじめましてMKです。まず驚いたのは中学生で尾崎さんをキーヨと呼ばれている点がオールドファンっぽくて素敵です。また歌われている曲が渋いですね。幅が広い。
ところで歌い方についてのご質問なのですが、私なりの分析なので、お役に立てるかどうか疑問ですが。よろしくお願いします。
まずは「なぜ布施さんになるのか？」というと、これは布施さんと尾崎さんのルーツから話を始めます。布施さんはボビー・ソローのカバーでデビューしました。いわゆるイタリア系です。オペラはまだマイクのなかった時代に劇場で、できるだけ観客のもとへ声を届けるために生まれた歌唱法だと私は推測しています。口を縦に開き、のどを広げて歌えばオペラ的な響きになります。対して我らがキーヨは幼少期からFEN（米軍放送）を聴いて育ち、ジャズ、ハワイアン、カントリーをルーツにもっています。いわゆる英語派です。kumikoさんがご指摘のように尾崎さんは口の開き方がまるで水泳の息つぎのようです。極端にいえば、口が横に開きます。尾崎さんの英語の発音の良さは実はこの口の形に秘密があると私は考えています。欧米の実力派ロック系の歌手もやはり横開きです。尾崎さんの物まねをする芸能人の方が巻き舌にして歌うのは、このような根拠があるのだと思います。たしかに理にかなっています。しかしながら、今一つ似ていないのは実はいくつか理由があります。
ひとつめの理由は低音です。多くの人がもつ尾崎さんのイメージとして伸びやかで力強い高音です。物まねをする人もほとんどが「ドアをしーめーてー」の高音部にフォーカスします。しかし、尾崎さんの魅力を語るうえで、低音の素晴らしさを外すことはできません。尾崎さんのナチュラルな声は「my better life」「窓辺」「星の王子様」「別れて愛して」などで聞けます。昔から低音部を丁寧に歌うことを尾崎さんは意識しており、そのことが高音部の安定につながることを、おそらくだれよりも理解していたのではないかと思います。起伏の少ないメロディーは実はとても表現が難しいです。＊余談になりますが当時低音の魅力で一世を風靡したフランク永井、アイ・ジョージ、水原弘さんらも実は素晴らしい高音をもっています。６０年代に尾崎さんがデビューしていたら、別の売られ方をしていたかもしれません。
次に、体の構造です。顎の形状や胸部、肺の構造は声をつくりだすうえで大きく影響します。実際に物まねタレントが似ていない最大の原因はここにあると私は見ています。尾崎さんがクオーターであり西洋人に近い構造をもっていることは推察できますし、海育ちで幼い頃から水泳、サーフィン、時には海に潜って魚や貝をとったり・・・こうした環境が強靭な心肺機能を培ったと考えています。
最後に、何と言っても練習量です。ある番組で尾崎さんは「僕は何度も何度も練習しないと歌えない」と言っていました。尾崎さんのレパートリーの中で最も難しい曲は私は誰が何と言おうと「また逢う日まで」だと思います。低い出だしから、急に加速する「話し～たくない」の部分とサビの盛り上がり。ローングトーンの多用。生涯尾崎さんがこの歌を歌いつづけることで、一度もキーが下がることなく世界一の歌声を維持し続けたと私は考えています。なぜ私が世界一と思っているかはまた別の機会でお話しします。
では、まとめさせていただくと
①口を縦ではなく、横に開くイメージで歌ってみる。
②低音部も心をこめ丁寧に歌いこむ。＊ただし、あま
りくどくならないように。
③できれば心肺機能を鍛える運動を取り入れる。
水泳、ウォーキング等
私は２０年間筋トレをしています。大胸筋と背筋は
歌唱には重要です。
重ねて申し上げますが、以上述べたことはあくまで私個人の見解です。少しでも参考になれば幸いです。
では、今から「君と生きる」を練習しにいきます。