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SLMメモリー2

Scout of Lost Memories
メモリー2
ユクシー








―――ここは…。そうか、また、いつもの夢…。
―――だけど、ここは本当に何処なのだろう…。
―――何処か懐かしく感じる場所だけど、心当たりがない…。
―――…え?何…。この場所が、崩れていく…!?
―――こっちの方にも、崩壊が…?
―――うわ…、ああ…。



「うわああああああ!!!」

 そこで、僕の意識が戻った。
 先程の悪夢(?)の影響なのだろうか。全身、汗でにじんでいた。
 今、僕達がいる場所はシンオウ地方のコトブキシティという町。
 フタバタウンを旅立ち、マサゴタウンを抜けてここに到着したところ。

「はぁ、はぁ…。 あれ、カズキ君…?」

 とりあえず呼吸を整えて、僕は部屋を見渡した。
 およそ10畳前後のフローリングの部屋、部屋の隅に置かれている、今僕のいるベッド。
 僕達は、コトブキシティのポケモンセンターに宿泊している。
 だけど、部屋の中に今僕が口にした少年、カズキ君の姿が見当たらない。
 部屋の扉の鍵が開いている…。多分、いつも通り朝になってて僕が寝坊したんだ。

 普段から常に身に付けている腕時計型の便利アイテム、ポケッチに目を配る。
 その液晶画面に、現在時刻が8:30と表示されていた。
 あの夢を見ているときは、何時も目を覚ますのが9時前後だから、今日は早い方なのかもしれない…。
 そんな時、部屋の扉が開き、その向こうからコバルトブルー色の髪の毛の、僕と同い年くらいの少年が入ってくる。
 僕の、唯一、最高の友達だ。

「お、もう目が覚めたのか、タクロウ。いつもより早いな。」

 タクロウ それが僕の名前。けど、解るのはそれだけ。
 つまり、僕は記憶喪失。自分の名前以外は何も分からない。
 だから、僕はその記憶を求めて旅を始めたんだ。

「変な夢を見たんだ…。途中まではいつも通りだったんだけど、途中で何時も夢で見ている場所が崩壊して…。」

 そう、あんな感じの夢を見ることなら、今までに何回かあった。
 だけど、この夢をこんなに短期間で2度も見たのは初めてだ。
 まして、あんな崩壊していく夢なんて、見た事もなかった。
 その夢が、何か意味しているのではないかと思うと、僕は震えが止まらなかった。

「カズキ君、恐いよ…。僕、何でか解らないんだけど、とにかく恐いんだ…。何か、この旅の中で、何か起こるんじゃないか…って。」

「心配するな。お前が何かあったとき、お前を支える為に、俺は一緒にきてるんだぜ。」

 カズキ君らしい励まし方だね。
 でも、ありがとう…。それだけでも、大分気持ちが楽になるよ…。







 とりあえず、僕達は当初の目的地に向かう事にした。
 その目的地は、ミオシティ。シンオウ地方西部に位置する、小さな港町。
 この町は、陸地が東側と西側とで分かれている。
 その2つの陸地を繋ぐ橋は、跳ね橋となっていて、この町唯一の港から船が出航する際は通行不可となっている。
 何故、僕達がそんな町を訪れる事にしたのかというと、沢山の資料の並ぶ『ミオ図書館』に行くため。
 あてずっぽだけど、ここで何か解るかもしれないと思ったんだ。

 そんなこんなで、コトブキシティを出た僕達は、途中の大河を渡って、ミオシティに入った。
 そして、真っ先にミオ図書館に入った。
 僕の胸には、記憶の手掛りがあるという期待感で、胸がいっぱいだった。

「うわ、凄い量の本だな…。」

 図書館に入った僕達の視界に入ったのは、天井まで届きそうなほどの高さの本棚がズラっと並んでいる光景だったんだ。
 『天井まで届きそう』と一言で言っても、この図書館の天井は少なく見積もっても15メートル位はある。
 それだけの高さの本棚がズラッと並んでいるんだ。ここにある資料の多さは計り知れない。

「カズキ君。まずは記憶に関する本を探そうよ。何か、自然的なのか、人為的な記憶喪失なのかは解らないけど、最初はそんな本を探した方がいいと思うんだ。」

「よし。じゃあ、手分けして探すか。」

「うん。」

 こうして、僕達は記憶に関する書物を探す事になった。
 この図書館、全部で3階建てになっていて、僕が一番広い1階部分。
 カズキ君が2階、3階を捜すことになった。




「うーん、いざ探すと言っても、簡単に見つかる物でもないか…。」

 とりあえず僕は、手頃な本を手にとって中身を確認する。
 しかし、ハズレばかりだ。これといった本は、見付からなかった。
 だけど、ここでの苦労は決して無駄ではなかった。
 カズキ君が、見付けて来てくれたから。




 僕が1階で本を探し始めてから、1時間くらい経過した頃、上への階段からカズキ君が降りてきた。
 右腕に、一冊の本を抱えながら。

「カズキ君、その本は…。」

「おう、とりあえずこの本を見てみろよ。」

 カズキ君が持ってきた本の表紙には、こんなタイトルが書いてあった。
 『おそろしい しんわ』と。
 …一体どんな本を見付けてきたのかと思ったら。
 でも、とりあえず僕はその本のページを開いてみた。
 その内容は、こうだった。


『その ポケモンの めを  みたもの
 いっしゅんにして きおくが なくなり
 かえることが できなくなる

 その ポケモンに ふれたもの
 みっかにして かんじょうが なくなる

 その ポケモンに きずを つけたもの
 なのかにして うごけなくなり
 なにも できなくなる』

(ゲーム ポケットモンスターダイヤモンド&パールより)



「目を見た者の記憶を消すポケモン…。そんな能力を持ったポケモンが…。」

「…タクロウ。もうちょっと待っててくれ。確か、シンオウ神話の中に、そんなポケモンの存在があったような気がする…。」

 また上に上っていったカズキ君。
 さっきより時間はかからず、戻ってきた。
 何冊かの本を持って。

「これがシンオウ神話に関する本だ。この中に、確か…。   あった!」

 カズキ君が本に載っている一匹のポケモンを指さす。
 そのポケモンは、僕には見た事の無いポケモンだった。

「カズキ君、このポケモンは…?」

「知識の神と呼ばれるポケモン、ユクシーだ。このポケモンが、さっきの本にあった『目を合わせた者の記憶を消す』能力を持ってたはずだ。」

「だけど、このポケモンって神話の中に登場するポケモンでしょ?実在するかどうかも解らないよ?」

「そう、それが問題なんだ。もし、そのポケモンが実在するなら、何か解るんじゃないかと思ったんだが…。」

「いつもながら行き当たりばったりだよね、カズキ君って…。まあ、この図書館に行こうって言い出したのは僕だけど…。」

「……悪かったな。」

 折角記憶が無くなった事に関する手掛りを掴んだと思ったのに、あまり進展が無かった。
 僕達は、これからどうするのかが全く解らない状態になってしまった。
 でも、何処にいるのか解らないなら、自分達の足で探せばいい。
 シンオウの神話に出てくるポケモンなら、かならず何処かに手掛りがある。
 僕は、そう思ったんだ。

「とりあえず、シンオウ各地を回ってみようよ。何か手掛りが見付かるかもしれないから…。」

「そうだな。じゃあ、何処から行くんだ?」

「とりあえず、シンオウ地方の神話に縁のありそうな所…。カンナギタウンに行ってみようよ。」

「確か、昔の暮らしと歴史を現代に伝える町って言われてる町だったな…。だけど、ここからだと…。」

「かなり遠いけど、行くしかないよ。そこにしか、手掛りが無いような気がするんだ。」

「じゃあ、一旦コトブキシティに戻って、それからだな。」

「そうだね。」

 次の目的地も決まったけど、その日はミオシティのポケモンセンターで一日を過ごす事にした。
 色々調べていて、僕もカズキ君も疲れていたし、もう夕方になってたから…。

 だけど、手掛りが見付かったという期待感とは別に、今朝からの不安感は残ったままだった。
 そして、その不安は次の日、カンナギタウンへ向けて旅立とうと言う時に的中する事になったんだ。



 今日は、いつもより早く目が覚めた。
 ……フィルが、僕に呼びかけているんだ。


    ―――タクロウ、起きて…。タクロウ!


「フィル……?どうしたの…?」


    ―――さっきから、嫌な予感がするんだ…。何か、嫌な気配が近付いてきてる感じが…。


「(エーフィには、トレーナーを守るため、予知能力が発達したっていうのを何かの本で読んだ気がするけど…。まさか…。)」

「お、タクロウ。今日は早いな。」

「カズキ君…。何か、フィルが嫌な気配を感じるって言ってるんだ…。早いところ、出発しようよ。」

「え?あ、おい!ちょ、待てよ!!」



 ―――解ってるよ、フィル。君が言わなくても…。
 ―――旅に出てからと言うもの、ずっと僕達に付きまとうかのように感じていた謎の気配…。
 ―――多分、僕の拭いきれない不安の原因だって事も…。
 ―――ただ、記憶を探すだけの旅に終わりそうも無い…。そんな気がする。



 不安な気持ちを抱えたまま、僕達は昨日来た道を戻る事にした。
 だけど、なるべく人目の多い所を通るようにしている。
 万が一何かが起こっても、何とかなると思ったから…。



 案の定、人通りの多い街道を通ったお陰で、ここまで特に何も起こらず、コトブキ、ミオ間にある大河を渡る事が出来た。
 だけど、ここでの一瞬の安心が、致命的だった…。
 コトブキシティが視界に入っているが、人通りが現在は少ない。
 そんな時、僕とフィルは、ほぼ同時に危険を察知した。

「…っ!!」

 とっさに僕はその場の地面を蹴り、移動する。
 つい今まで僕が居た場所の地面が、まるで上空から何かが落下した跡の如く、窪みが出来ていた。
 だけど、何も見えなかったし、何かが落ちてきたという感じもしなかった。
 フィルが、とっさにこの状況を察知してなければ、どうなっていたのだろうか…。


    ―――タクロウ!何か来る…!!


「!」


 その直後に、僕達の目の前で風が集まってきた。
 その集まった風の中から、1人の男が姿を見せた。
 だけど、その表情は悪寒を感じさせるほど、不気味な感じだった…。

 この男は、一体…。何者なんだ…。



続く


後書き
この話、大体は同じなんですが、細かい箇所をチマチマ書き換えてあります。
まあ、然程気になると言うほどでもないので問題は無いかと。

…それにしても改めて掲載してみると、SLMは1話辺りの長さが全然なんだよなぁ…(汗)。

No.19 クロム 2009年01月30日 (金) 18時53分


駄文コメント

タクロウの記憶を探す旅に出て、最初はミオシティへ。
ミオシティと言えば、図書館ですが、ゲームでは他の街に図書館と言う施設は見当たらないんですよね。ビレッジの規模ならばないということもあるでしょうが、やはり、それはミオシティの図書館が大きいと言う象徴なのでしょうか?他の街にも一応あるけど、ミオシティがかなりでっかくて、他の街はたいしたことがないから無いという設定なのでしょうか?……正解はないのでしょうけど。

そして、カンナギタウンに向かうタクロウたちですが、次回はピンチ……なのでしょうか?

No.20 HIRO´´ 2009年01月30日 (金) 20時37分




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