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SLMメモリー3

Scout of Lost Memories
メモリー3
破壊の遣い






あらすじ:
フタバタウンに住む記憶喪失の少年、タクロウ。ある日、彼は同じ町に住む親友のカズキと一緒に記憶を探す旅に出た。ミオシティの図書館でシンオウ時空神話に登場した伝説のポケモン、ユクシーが何か関係しているのではないかと推測し、手掛りを求めてカンナギタウンを目指すことになった。その矢先、謎の敵が二人に襲い掛かってきた。





ドゴォォォォォォンッ!!


 突如、この付近一帯に轟音が鳴り響いた。
 コトブキシティに程近い街道が、突然粉々になった。
 その中心近くで、二人の少年と一匹のエーフィがボロボロになりながらも上空を見上げていた。
 否、二人が視界に入れているのは上空に佇んでいる一人の男。

「ねえ、カズキ君…。今、何があったの?」

「知るかよ…。だが、奴が何かやったのは間違いなさそうだぜ」

「それに、明らかに僕達を狙ってる。どういうことなのか解らないけど…。このまま戦わなきゃ、やられるよ!」

 彼らの前にいる男は、明らかに彼らの敵。
 しかし、得体が知れないため不用意に動くわけにもいかない。

「ガーディ、だいもんじ=I!」

 カズキの指示で、ガーディは口にエネルギーを溜め始める。
 ある程度溜まった後、そのエネルギーが炎として発射された。
 それとほぼ同時に、炎が大の字の形となった。

「ふん、この程度の攻撃が通用すると思うのか?この俺によ!!!」

 そう叫ぶと、男は掌をタクロウ達に向ける。
 それだけで先程ガーディの放った炎が完全に消え去ってしまった。
 更に、先程粉々になった地面が更に粉々になった(謎)。


ズドォォォンッ!

「うわわわわ!!!(慌)」

 反射的…、否、咄嗟の本能的判断とでも言ったほうが良いだろうか。
 タクロウは肩にエーフィのフィルを乗せ、男に背を向けて走り出す。
 ただ単に恐怖しただけなのかもしれないし、その場にいたら自分の身が危ないことを察したのかもしれない。
 どちらにしてもタクロウは今、逃げている。

 しかし、途中で足を止める。
 そう、コトブキシティとミオシティを結ぶ街道の途中にある運河に来てしまったからだ。
 しかし、ここでタクロウは一つ気付いた。
 カズキが、近くにいなかった事だ。

「カズキ君…?」

 眼を閉じ、タクロウは意識を集中する。
 微かに、弱々しくではあるが彼の気配は感じる。
 場所は、さっきの地点から少し離れた所。
 ちょうど、彼の背後にある運河の下流に位置する場所だった。

「良かった…。カズキ君は無事みたいだ。急いで合流しなきゃ」

 と、カズキの元へ向かおうとした矢先。
 突然彼のエーフィ、フィルが危険を察知した。


”危ないっ! タクロウ、伏せて!!”

「!?」

 フィルの言葉に従い、タクロウは身を屈めた。
 その直後。



ザバァァァァンッ!!



 突然、運河からとてつもなく巨大な水柱が立ち上った。
 何かに気付いたように元の方角を向くと、そこにはあの男がすぐ側に立っていた。

「チッ、喰らったと思ったが…。勘の良い野郎だぜ」

「クッ…」



―――フィルが言ってくれなかったら、終わっていた…。

―――それにしても、さっきから何か妙な感じがする…。

―――何だろう?この感覚…。



「だが、偶然はそう何度も起こらないぜ。今度こそ、テメェの最後だ」

 そう言って、男は右手を振りかざす。
 その瞬間、フィルはまたしても危険を察知した。
 しかし、遅すぎた。
 危険の察知が後少しでも早ければ、結果は変わっていたのかもしれない。

”タクロウ!!”

 男は、右手を軽く振った。
 すると、川岸の地面が上流側からどんどん破壊されていく。
 無論、タクロウ達のいた場所も当然その範囲に含まれていて…。



ドゴゴゴゴゴゴ!!

「うわああああああ!!!」

 破壊に巻き込まれ、川に落下してしまった。
 そこで、彼の記憶は一旦途切れた。



























「…ウ。 …ク…ウ」

「うっ…」

「タクロウ!無事か?」

「カズキ…君」

 意識が戻ったタクロウが最初に視界に入れたのは、カズキだった。
 彼の脇で、フィルも心配そうな表情で座り込んでいた。

「あれ…?僕、川に落ちた筈じゃ…」

「ああ、俺も驚いたぜ。お前が川の上流から流されてきてたんだからな。まあ、エンペルトがお前を助けたって訳だ」

 今気付いたようだが、彼の隣には大きなペンギンのような姿をしたポケモンがいる。
 そのポケモン、エンペルトはカズキの手持ちポケモンのようだ。

「それより、カズキ君も無事だったんだね」

「ああ。つっても、俺もついさっきまで気失ってたんだけどな」

「そっか」

「…にしてもあいつ、何者なんだ?いきなり襲ってきやがるし、訳の解んねぇ能力使いやがるし。お陰であの付近一帯通行不能な位に破壊されちまってるってよ」

「破壊…」

 そう呟いた瞬間だった。
 タクロウの脳裏に、何かの影のようなものが過ぎった。
 その直後、タクロウは突然頭痛に襲われた。

「うっ……!!」

「タクロウ…?オイ、どうした!!」

「頭が……痛いっ!!」

「チッ、ガーディにある程度乾かしてもらったが、こりゃ風邪ひいたか…。急いでコトブキシティに行かねぇと…」

「違う…。カズキ君、風邪じゃない…!!」

 頭を手で押さえながら、タクロウは必死でカズキに訴えた。
 カズキは足を止めて後ろを振り向いた。

「風邪じゃないって…、じゃあ何なんだよ?」

「あいつと向かい合ってた時、妙な感覚がしたんだ…。言葉じゃ上手く表現できないけど…。けど、あいつから『何か』を感じたんだ」

「何か…って何だよ?」

「それが解れば、苦労しないって…。それに、もしかしたら僕の記憶に関係してるのかもしれない…」

「オイオイ、そんなベタな展開があるかよ(汗)。だが、あんな事があった直後じゃそう考えるのが当然だよな」

「…!」

 再びだが、一瞬タクロウの脳裏にとある光景が過ぎった。
 いつもの夢で見る風景の中に、先程襲ってきた男の姿があった。
 そして、一昨日の夢の時のようにその景色が破壊されていく光景が…。

「……」



―――今の光景は、一昨日夢で見たものと似てる…。

―――だけど、何でさっきのあいつの姿まで…。

―――解らないことだらけだよ…。

 そんなときだった。
 またしてもフィルが危険を察知する。
 彼らに休む暇は全く無いらしい。

”タクロウ、またさっきの奴が来るよ。まっすぐこっちに向かってる!!”

「カズキ君、またさっきの奴が来る…。急いでここを移動しないと…」

「急いでって、お前…。そんなフラフラな状態でまともに動けるのか!?」

 タクロウの言うとおり、タクロウは未だに足取りがフラフラしている。
 余程頭痛が酷いようだ。

「大丈夫かよ。肩貸すか?」

「平気。それより、早く逃げないと…」

「よし、川に飛び込め」

「狽ヲ…?」

 突然の発言に、タクロウは勿論フィルも一瞬思考が止まった。
 しかし、そんな事は考えずにカズキは二人(?)を川に突き落とした!(爆)
 少し遅れて、カズキ自身も最後に飛び込んだ。









 少し下流に流されてから、タクロウは水面に顔を浮かべた。
 そして一番にカズキの姿を探した。
 しかし、彼の姿はすぐに見付かった。
 当然、タクロウが一番最初に挙げたのは、怒り混じりの怒鳴り声だった。

「カズキ君!!何考えてるの!!?」

「馬鹿野郎。頭痛が治まらないお前と一緒に陸路を行くより、川の流れに任せたほうがスピードが出るだろ?」

「だったらもうちょっと細かく説明してよ!急に川に飛び込めなんていわれたら、戸惑うじゃないか!!」

「……あ」

 うっかりしてたらしい(爆)。
 カズキは、いつも何か一言足りない場合が多いようだ。

「…ねえカズキ君。もう一つ訊くけど、この川って何処に続いてるか知ってるの?」

「……あ(二回目)」

「……(大汗)」

 一言足りない場合が多いどころか、後先考えずの場合も多いらしい。
 彼は本当に馬鹿なようだ(爆)。

「けどこの川って、ミオシティとコトブキシティの間にあるあの川だよね。だったら、このまま行けばシンジ湖辺りに出るんじゃないかな?」

「よし、もしシンジ湖に出れたら一旦家に戻ろうぜ。今後のことを少し話そうぜ」

「そうだね」

『在れば…、の話だがな』

「「!!?」」

 突然、二人の間に突然別の声が割って入ってきた。
 そしてその声は、先程タクロウが向かい合っていた男の声と同じ。
 即ち…。

「もう、追い付いてきた…!?」

 案の定、あの男が二人の流れている川の上空にいた。
 しかも、位置関係が全く変わらないほどの速度で移動している。

”そんな! 僕は、何の危険も感じなかったのに…”

「エーフィ……か。最初に気付くべきだったな。トレーナーを守るため、予知能力が発達した。そしてテメェは他者の心理を読み取る能力を持っている! なら、ポケモンにもその能力は通用するはずだからな」

「!!」



―――こいつ、僕の能力の事まで知ってる!?

―――まるで、僕の事を全て見透かされている感覚だ…。

―――否、それ以前に何で僕の事をそこまで…。

「気になるよなぁ?テメェのことを色々と知っているこの俺の事が!!」

「…」

「だが、テメェはその事を知る前にくたばる。今、この場所、このタイミングでな!!!」

「!!」

「まずいっ!エンペルト!!!」

 奴は再び此方に手を向ける。
 今迄の戦いで、この動作は此方を吹き飛ばすための動きだと言うことは二人とも気付いていた。
 反射的にカズキはエンペルトを出した。
 エンペルトも状況を理解し、タクロウ達を連れて一緒に川の中に潜り込んだ。
 しかし、奴の表情には笑みが浮かんでいた。

「もぐった程度でかわせるとでも思ったのか!?この俺の攻撃からよぉ!!!」

 そう叫んだ直後。



ズドォォォォォォンッ!!


 二人が潜った川を含めて、半径数十メートルに渡って、巨大なクレーターを作ってしまった。
 無論、二人はとてつもなく巨大な力を間近で喰らったため、最早満足に動けるような状態ではなくなっていた。

「カ…ズキ…君」

 タクロウが手を伸ばせば届くような距離で、カズキがうつ伏せに倒れている。
 いくら弱々しいとはいえ、タクロウが呼びかけても全く反応が無い。
 どうやら既に意識は無いようだ。

「呆気無ぇ」

「…!」

 そう呟きながら、男は彼らの近くに降り立った。
 そしてゆっくり歩み寄る。
 タクロウにとっては、このほんの数秒の時間がとても長く感じたらしい。(後日談)

「呆気無ぇ終わり方だが、まあいい」

 倒れているタクロウに向けて、男は無情にも掌を向ける。
 ここで果てると言う事を本能的に感じた瞬間、突然男は動きを止めた。

「だがまあ、何も知らねぇまま消すほど俺も無情じゃねぇ。最後に、俺の名を教えてやる」

 ある程度の間を空けて、男は再び口を開く。
 その口から発したのは、己自身の名。

「俺の名は、ゼバル。『破壊の遣い』ゼバルだ。まあ、それを冥土の土産にでもする事だ」

「破壊の…、遣い………。  ……!」

 男、もといゼバルの名を聞いた瞬間、タクロウの脳裏に再びとある光景が過ぎる。
 一枚一枚の写真が高速で次々と画面に表示されるが如く。
 それはほんの数秒でピタリと止んだ。
 それっきり、タクロウは言葉を発さなくなった。

「さて、そろそろお別れといくか。今度会うことになるのは、はたして何時になんのか解んねぇが…。まあいい。とりあえず、消えてろ」

 ゼバルが今まさにとどめを刺そうとした瞬間だった。
 タクロウは、不思議と意識が先程よりはっきりとしてきた。
 体も、普通に動かすには及ばないが、最低限の動きをするだけには回復していた。
 そして、フィルに指示を出す。

「フィル…。『サイコ…ディザティ』!!」

 直後。


ドゴォォォォンッ!!



「なっ…?」

 フィルの放った、通常とはやや異質な念波が、ゼバルを吹き飛ばす。
 それから少し遅れて、タクロウは立ち上がる。
 その時の彼は、先程までとは違い、周囲に不思議な空気を漂わせていた。


続く



あとがき
今回も前回同様、所々細かい部分を修正してあります。
まあ、然程気にならないかも。

…あれ?この言葉、前回の後書きでも書いたような………?
気のせい気のせい♪←

とりあえず、このメモリー3で某所で公開されていた分までのアップは終了です。
以降の話は現在も執筆中です(メモリー4は完成済み)。
なので気長にお待ち下さい。

No.22 クロム 2009年02月03日 (火) 19時32分


簡単感想

『破壊の遣い』ゼバル……いきなりの強敵のようですね。タクロウを知る彼の目的とはいったい何なのでしょうか?

今回の話を読んでカズキに共感を覚えました。「後先を考えるよりもとりあえず目の前のことから片付ける」……行動的でいいと思います。

……ん?カズキはそんなことを考えていない?いや、考えてなくてもいいのです。そこが彼のいいところなのでしょうから。

そして、明らかに何らかの変化が生じたタクロウ。次回は反撃開始……でしょうか?

No.29 HIRO´´ 2009年02月27日 (金) 10時54分




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