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誓いの花 STAGE4

「・・・私、会えなくて気づいたわ。」


寂しげな笑みの少女は、窓の外に見える夕暮れを見ながら、そっと呟いた。

彼女が言葉を届けたい想い人は、今はそばにいない。
会いたくても、会えない・・・。


誰にも聞こえない、だけどはっきりと伝えたい気持ちを口にしたい気分だったから。



「私は、あなたが好き・・・。・・・ううん、多分愛してる。」



しゃら・・・


僅かな風で、彼女が身につけていたペンダントが揺れる。
美しい、蒼の石が飾られているペンダント。


それを、愛おしそうに握りしめて目を閉じる。
祈りにも似たその行動は、彼女自身と・・・『彼』に対してのものだろう。


しばらく、そのままの状態を保ったままだったが、ふと目を開き、そっと石を指でなでる。


「ロゼは、約束は守ってくれる・・・!・・・だから、お願い・・・私を見つけ出して・・・!」


銀色の目で見つめる蒼に、願いを込めて。
彼女の希望であり、想い人である青年に届けと言わんばかりに、軽く口づけた。


囚われの姫君は、スズランは、決して諦めはしない。
あの人に、伝えたいから。
また、会いたいから。

薔薇を名に持つ男の、声が聴きたくて。
たったそれだけのこと。
だけど、彼もきっと言うだろう。


『会いたいって理由だけで探して何が悪い?』


どこか不機嫌そうで、でも優しい声と表情で。






Flower of an oath〜誓いの花〜 STAGE4







「クロス、リュージュまで後どれぐらいかかりそうだ?」



手持ちを回復させるために立ち寄った町で、回復待ちをしている間にロゼがクロスに尋ねた。
何故シヴァスにいた彼らがリュージュというところへ行こうとしているのか?
それは、40分ほど前に遡る・・・




「それで?・・・お前は、何を知っている?」


すっかりいつもの調子を取り戻したロゼは、不意にこう言った。
クロスは先程までのロゼの様子を思い出して、苦笑いを浮かべつつ少し考え込む。



「悪い。・・・いろいろ調べたことには調べたんだけど、今は持ってない。」



訝しげにロゼが首を傾げる。
そして、何かを言う前にクロスが続ける。


「いや、うちにならあるんだけど・・・その、今日ここで再会するとは思ってなかったし・・・」



それで、納得したような表情になるが、しばらくするとロゼは真顔で言う。


「・・・あれ、お前の町ってどこだっけ・・・?」


「Σ何年つきあってると思ってんだよ!?・・・ってか、お前の行動範囲、狭いだろ?」

↑ロゼとクロスは7年の付き合い(何)



「狭くて悪かったな・・・というか、俺が進んでエリル方面の仕事ばっか引き受けてた・・・のもあるが(ぼそっ)」



「そ、そうなのか?(汗)・・・リュージュ、だよ。」


驚いているのか呆れているのか微妙な表情でクロスは言った。

その後、しばらく話しこんだ後、クロスのシン(ムクホーク♂)に2人で乗って行くことになったのだが、シンが疲れてきたのを感じて、近くの町へ下りたのだった。



「ん、あぁ・・・後・・・・」


「クロッカス君!」


ロゼの質問に答えようとしたクロスだったが、不意に声をかけられ振り返る。
するとそこにはポポッコを抱えた女性がいた。


「あーありがとうございます。・・・それで、状態は?」


ポポッコを受け取りながら、クロスはそんなことを尋ねた。
よく見るとこのポポッコ、左耳の下辺りに大きな切り傷があり、さらには体のあちらこちらに傷がついていた。
傍にいるロゼが驚いているのを見ると、ロゼは初めてポポッコを見たようだった。


「・・・クロス、そのポポッコは・・・?・・・随分怪我してるようだが。」


それに気がついたのかやや苦笑いしながらクロスはロゼに言う。


「少し前に見つけてな。・・・その時は今よりもっと酷い怪我だったからマシにはなった方なんだけどな。・・・まぁそれで俺が面倒見てるというか・・・」

「・・・そう、なのか・・・」


ロゼはどこか悲しげにも聞こえる微妙な言い回しで呟くと、そのまま黙りこむ。

そんな空気に口をはさむ・・・というか話しかけたのは先ほどの女性。


「その子、少しずつだけど確実によくなってるわ。・・・でももうしばらくおとなしく療養させないと駄目よ?」



「わかりましたー・・・そういうわけだからダン、ボールに入ってろ。んで、ロゼ、行くぞ!」


クロスは返事をしてポポッコ・・・ダンをしまいつつ、ロゼに呼びかけた。
そして若干慌てつつもロゼはクロスについていくのだった・・・。

あ。ちなみに言い忘れてたけどこのポポッコは♂です。(え?聞いてない?)





やがて2人は森に入り、たわいもない会話などをしながらリージュに向かっていた。


「クロス・・・そういえばシヴァスで「好きな奴いる」って言ってたよな?どんな子なんだ?」

「・・・うるせーよ。ただの幼馴染だっての!!」

「ふーん・・・ただの幼馴染ねぇ・・・」

「で、それがどうしたって言うんだよ!?」

とかまぁクロスの想い人のことでロゼが(一方的に)からかってみたり。
他にはこのようなことも。


「・・・そういえばクロス。コスモスさんは?」

「姉さん?・・・どこにいるか知らねーけど、そう簡単に死ぬとも思えないからなぁ・・・」

「それに関しては同意していいか?」

どうやら話題はクロスの姉のことのようだ。
何故か2人とも彼女のことを恐れているような気がする。
そのうち、2人して言った。

「自分の姉ながら怖い・・・いや、まぁ確かに腕はあるんだけど・・・」

「副隊長の1人だしな。・・・だが・・・あの人は不機嫌にさせると色々とまずかったよな・・・」

「いやいや、それで一番大変なのは俺だぜ・・・?」

話がよくわからないが、要するにこういうことらしい。
『姉が不機嫌になると、大抵弟がどうにかしろと言われる』と。(ぇ)




ロゼとクロスが会話をしている場所から少し離れた場所に、別の男二人がいた。
こっちはこっちで何やら話していたようだが・・・


「・・・スターチス。あなた、一体何者なんです?」

「何者、とはどういうことかな?」


片方は疑惑の眼差しを相手に向け、片方は何のことだと言わんばかりな素振りを見せる。
そのまま、探るような目つきをお互いに数秒した後、口を開いたのは問い詰めていた方・・・金髪の男だった。


「戦えないと言うけど戦える力は持っている。・・・こう言った方がいいかな。あなたの目は戦う者の目をしている。ってさ。」


そう言う彼の目は、確信している目であった。
やがて、もう一人の男は困ったようにぽつりと呟く。


「できるだけそう見えないようにしていたんだがな・・・まったく、いつから気づいていたんだ?」


言いながら、それこそ本気で困っているような表情がはっきりと見えた。
次第にどうしたものかと口元に手をあてる。
それと同時に紫色が舞い、左耳に黒の十字架が揺れているのも見え隠れ。


「・・・比較的、最初から。・・・いや、目を見る前から何となく違和感があったっけ。『あいつ』とか他の奴らとは違う雰囲気があったというべきかも。」


「・・・・・・そこまで気づいていたのか・・・。・・・わかった、君の質問に答えよう。私は・・・」


彼・・・スターチスは諦めて(?)、もう一人に何か言おうとしたそんな時だった。


「ちょっと待って。・・・誰か来る・・・!」


その言葉により、2人はひとまず木々の間に隠れてやり過ごそうとしたのだった・・・。






2人組の片方が何かに気づく寸前。
突然、クロスは立ち止まる。


「・・・クロス?どうした?」


思わずロゼが問いかけるも、クロスはそれには答えず突然1つのモンスターボールを開いた。
そして言った。



「悪い。ちょっと気になることあるから、先行ってくれねぇか?」



それは本当に突然だった。
驚いてロゼは動きが一瞬止まった。・・・が、なんとか言葉を捻りだす。


「・・・ちょっと待て、先行けって・・・俺はこのへんに詳しくは・・・」


先程もロゼ本人が言っていた。
「エリル周辺以外はあまりわからない」と。
それなのにクロスは先に行けと言うのだ。ここで反論しないほうがおかしいものだった。

だがしかし、クロスは僅かに考える素振りを見せると、ロゼに言う。


「だから、メイを出したんだよ。」


そうして視線を自ら呼び出したヒコザル(ちなみに♀)に移し、語りかける。


「メイ、ロゼを頼む。俺はどうしても確かめたいことが今できた。だから、な?お願いだ。」


言い終わると、ロゼのもとへ駈け出した。
そして、ロゼの足元にいったのを確認するとロゼに反論を許さぬかのように踵を返した。
・・・それこそ、引きとめることもできないほどに。






ロゼと別行動を取ったクロスは、しばらく来た道を戻った後、不意に声を発した。


「そこに誰かいるのはわかってんだ。でてこいよ。・・・いいや、誰かというよりは片方は知ってる気配だけど・・・?」


しばらくは辺りから何の声も聞こえなかったが、僅かな静寂の後、2人の人間が姿を見せた。
それはどうやら先程の2人であった。

その姿を視認すると共にクロスは少しだけ笑いその者の名前を呼んだ。


「やっぱりお前だったか。・・・とりあえず久し振り、だな。・・・・・・ハルジオン・・・いいや、ハル。」


僅かに金髪が反応を見せたが、どうやら黙り続けるようだ。
どうするべきか、と考えた時隣の紫髪が目に入る。

ひとまずこちらに声をかけてみようと方針転換したクロスは、ぽつりと言った。



「・・・あんた、戦える人だろ?・・・それも実戦じゃなくて、ポケモンバトルで」



その瞬間、2人ともが反応を見せた。



「・・・初対面でそこまで気づかれるとは・・・」


「・・・・・・やっぱり、クロスは洞察力すごいよね・・・僕よりも、ずっと」



あらかさまにそれまでとは違う様子を見せた2人に苦笑しながらクロスは真剣な眼差しでハルを睨む。
しかしそれは敵意からではなく、信用しているからなのだが。


「俺はずっと調べていた。仲間の行方・・・それに、」


クロスは、言いかけて、やめる。

実は時折感じていたことが彼にはあった。
しかし、その説を肯定もしたくはなかった。

そんなクロスの想いを知ってか知らずか、ハルは口を開く。


「・・・さっき、どうしてロゼを先に行かせたの?」


「・・・・・・確証がないまま、話すのはどうかと思ったからな。」


それは、クロスの性格にも関係していた。
基本的に素直な物言いだが、隠すべきと思ったことは隠し通そうとする。
そして、確証がないことを話すということもしようとしない.

そんな彼だからこそ、人が周りに集まるのかもしれない・・・そんなことを思いながら、ハルは悪戯っぽく笑いかける。



「ところでさ、前より伸びてるんじゃない?・・・色々と。」



思わずつられてクロスも笑う。
久し振りだというのに何も変わってないことに安堵したのだろうか。


「そりゃ2年経ってるからな。・・・というか俺だってあれで身長止まるとおもってんだけどなー・・・」


「それで?今どれぐらいあるの?」


「ん〜・・・確か184あるような・・・・・・って話を逸らすな!!」


そう、クロスの本題はこのような世間話ではない。
おそらくハルもそれを分かっていたからこそ逸らそうとしたのだろうか。

ちなみにこの横で、どこかおいてけぼりをくらったようにスターチスが立ち尽くしていたのは別の話である。
しかし、なんとか隙間を見つけて口を開く。


「えっとだな、ハルジオン君」


「スターチス・・・何度も言うけど」


むっとした様子でハルが反論すれば、スターチスは言う。


「本当に名前を呼ばれたくないんだったら、偽名にもならない偽名を使ったりしないと思うんだが?」


スターチスの言うことはもっともなことである。
呼ばれたくないなら「ハルジオン・リディーヌ」という名前からかけ離れた名前にするべきなのだが、彼の場合「ハル・リード」という偽名を使っている。

そのことを言われているのはわかっていたが、不意にハルはこう告げる。


「ねぇ、クロス。」


「・・・何?」


微妙に不機嫌になりつつあるクロスの声に苦笑しながらハルは笑顔で言いきった。



「ちょっと、変則マルチバトルしない?・・・実戦とポケモンバトルの」


「は!?・・・あのさ、何で」


「僕が個人的にクロスと勝負してみたい・・・のもあるけど、スターチスのバトルが見てみたいから?」


うわぁ、さらりと言ったよこの人。

一瞬思考停止していたクロスとスターチスだったが、すぐに、言った。


「「いや、何で(何故)だ!?」」




しばらくの後。


「・・・ハルジオン君、私は」


「やってくれないと、さっきの続き、聞かないよ?」


「いや、先に聞いたのは君だろう・・・?」


えーっと。状況整理すると・・・
あまりハルの提案に乗り気じゃないスターチスに有無を言わせずやらせようとしている感じ?(汗)



「・・・何やってんだよ、おい」


言いながらも、クロスは先に了承していた。
普通には知りたいことを答えてくれないと判断した上での行動なのだが。

そんな時、モンスターボールの1つが揺れた。
クロスはそれを手に取ると、中にいるポケモンに怒る。


「駄目だ。バトルがしたいなら、完全に治ってからだ。もうちょっとで完治するって言われてただろ?」


すると、ボールの中でポポッコがどこか納得いかないような表情をしていた。
クロスはそれを見なかったことにして元の位置に戻す。
・・・と同時に、もう1つの中身入りのボールを手に取った。


「メイはロゼと一緒にいる。ダンはまだ戦えない・・・となると選択の余地もないよなぁ、シン」





やがて、渋々といった様子でスターチスも了承したようで、ボールを選ぼうとして、ふとクロスに尋ねる。


「そういえば、君の戦えるポケモンの数を聞いていなかったな。・・・まぁこんなところでバトルすることになるとは思ってなかったが」



「残念ながら、1匹だけ。・・・けど、シンは俺のパートナーですから。」



言っている間にボールは宙を舞い、空中で開かれる。

その中からムクホーク♂が出てくると同時にボールが手元に戻った。


クロスの一連の動作を眺めていたスターチスも、1つ選んで軽く放る。
そうして、水色の体の、もこもことした羽をもつポケモンが姿を現すとともに、軽く笑う。



「チルタリスのセラヴィー。・・・彼女は、私の相棒だ」


「るりりぃー♪」


彼女、と言われているから♀であろうチルタリスはスターチスの紹介に元気よく鳴いて見せた。



「成程。パートナー対決ってところだな。っと・・・」



言いながら、剣を取り出すのはクロス。
それを見たハルは少し意外そうな顔をした。

「あれ?今日は、剣?」


「別に、俺は何だっていいんだよ。弓矢以外だったら大抵扱えるし・・・ま、一番得意な奴とは違うけどな。」


「そういえばそうだったよね。うーんと、じゃあこっちにしようかな?」


聞いたことはさほどどうでもいいように、ハルは剣を選んで、抜いた。
どうやら、腰につけていた方を使うようだ。



「じゃあ、ちょっとやろうか?」



「ったく・・・ま、いいか。お前の提案に乗ってやったんだ、こっちの知りたいこと絶対言わせてやる・・・!」




■後書きみたいな■

実はこの話でこの対決(?)は終わらせるつもりでした。終わらなかったけど(ぁ)
でも、たまにはいいかなーと。
・・・まぁそのせいで次回に登場を回したキャラがいるのも事実。(おい)

冒頭はスズラン視点でした。
想っている相手はわかりますよね?

そしてロゼとクロスの会話をはさんで、クロスとハルの再会。
・・・それはいいんですが、ハルがなんかつかめない子になってます(ぇ)
年下に翻弄される年上2人が書いてて楽しかったです(マテ

後、スターチスがここから本格登場。
2話とキャラ違っても気にしないでください。あの時はまだ設定確定していなかったんでs(こら

えーっと・・・津波さんに感想もらう前だったけど・・・いいか。
津波さん、感想かいてくだs(ry)
あ、勿論他の人も気が向けばどうぞ。



No.30 日乃 水葉 2009年03月30日 (月) 16時00分


4話感想

 ハルたちのバトルがはじまりましたね。ハルくんの性格がよく分からないけど(ぁ) スターチスは色々と巻き込まれそうな予感がして不憫です←

 そしてお姫様は彼を待ち続けています。早く助け出せると良いですねー♪

 さらにはクロスの姉が登場フラグ立ちました。
 クロスの姉は少し期待してます(話を聞く限り強そうだし)

No.31 津波 2009年04月02日 (木) 00時27分

普通に感想

クロス対ハル&スターチスの戦いがいよいよ始まる……。
ハルの武器は、2話あたりにあったように、帯剣と大剣の2種類のよう。クロスは何でも使いこなせるオールラウンダーっぽい。
さて、この戦い、果たしてどうなるのか?
予想としては、この戦いは、(当たっていたら困るので以下略)

ところで、クロスの好きな人って、てっきり、ダンを持っていた女性かと勝手に思い込んでいました。

No.32 HIRO´´ 2009年04月05日 (日) 11時16分




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