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誓いの花 STAGE5

彼女はいつもそうだ。

突然やってきてはまた消える。

それが仕事柄仕方ないと思いつつもずっと一緒にいたくて。

だから、あの時・・・


「あの時の俺の言葉を、君はまだ覚えているのかな・・・?」


俺が彼女に最後に会ったのは2年前・・・シヴァスの事件が起こる直前だったのかな。

僅かな希望を持って、傷だらけで戻ってきたロゼに聞いても、彼女の行方は分からなかった。

だけど・・・俺はまだ諦めてないよ。

君に直接返事を聞くまではずっと想い続けて・・・


「・・・案外、我慢強いのかな、俺・・・」


言ってから、それは違うかも、と思ったけどそういう問題でもない。



「本当に、どこにいるんだよ、・・・コスモス・・・」



そうぽつり呟いたのが聞こえたのか、隣にいた同僚が俺に声をかけてきた。


「ビスカ、どうした?」


「何でもない。そろそろ戻らないか?」


歩き出そうとした寸前、ふと空を見上げると見えたのは、厚い雲の隙間から覗く青空だった・・・。





Flower of an oath〜誓いの花〜 STAGE5




きんっ! かんっ! かきん!


森の中に、金属のぶつかり合う音が響く。

それとともに、幾人かの声も混じっていた。



「とりあえず、俺が知りたいのはっ・・・お前が今までどこにいたかってことだよ!」


「その前に、シンに指示を出したら?」


・・・何故ハルはこんな余裕なんだろうか・・・?

そう思ったのは作者である私だけではなく、彼らも同様だった。


「ったく・・・いくぜ、シン!つばめがえし!」


「やるか・・・。セラヴィー・・・アイアンテール」


そう、気がつけばハルのペースに巻き込まれていた2人である。(苦笑)

それはともかく、ほぼ同時の指示により、2匹の鳥ポケモンは舞い上がり高く羽ばたいた。
指示自体はクロスの方が僅かに早かったのだが・・・


「シン、平気か?・・・それ、威嚇で下げられた威力、だよな?」


威力に関しては、スターチスのセラヴィーの方が上手だった。
・・・クロスの言う通り、シンの特性の威嚇で威力は落ちているのにも関わらず、だ。


そんなクロスの言葉にスターチスはどこか楽しそうに、そしてどこか不敵な笑みで宣言する。



「当たり前だ。私の専門は鋼タイプ!セラヴィーは専門タイプ外だが相棒だ、少々のことでは動じない!」



一方のクロスは少し考える素振りを見せていた。


「(どうする?この攻撃力・・・下手に近づくと・・・なら!)シン!」


クロスが名前を呼ぶと、ムクホークは後方へ下がる、
その瞬間、強い熱が放たれていた。


「・・・っ、左に避けろ!」


その切り替えの速さに慌ててクロスは回避の指示を出していた。
だが、この攻撃で一番驚いていたのはハルだった。


「え・・・思ってた以上に強・・・い?」


このバトルけしかけたのお前だろ、とはツッコミ禁止ね(ぇ)
そんな中、スターチスだけが冷静だった。



「セラヴィー・・・ゴッドバード」



ぽつりと呟いたかと思うと、チルタリスはエネルギーをその身に集め始める。
徐々にエネルギーが増していく中、クロスは1つ賭けに出ることにした。


「仕方ねぇ・・・真っ向勝負してやろうじゃねーの!ブレイブバード!」



ゴッドバードが力強い一撃とすれば、ブレイブバードは勢いを利用した素早き一撃といったところだろう。
とはいえ、ブレイブバードの威力もそれなりのものがあるのである意味では最良の判断ともとれる。

そんなことを、ハルが思った直後、2鳥は激しくぶつかり合っていた、

始めこそ拮抗していたものの、そこは力の差か経験の差か。
徐々にチルタリスがムクホークを押し始めていた。


「シンっ!!」


クロスの呼び声で一時は体勢を立て直しかけていたムクホークであったが、不意にスターチスの口が動き、状況は変わる。


「熱風!」


その瞬間、チルタリスがゴッドバードを維持したままに熱風が放っていた・・・!










森の中でそんなことが繰り広げられていた同じ頃。
ロゼは、クロスのメイ・・・ヒコザル♀に連れられて、街の中を歩いていた。


「・・・どこへ行くつもりだ?」


ぽつりと口に出してみたが、ヒコザルの言葉がわかるわけでもない(ついでに言えば土地勘がない)ロゼはただついていくしかなかった。

そんな時、ロゼの目の前に1匹のマリルリが飛び込んできた。


「るりり♪りー♪」


どこか楽しそうなそのマリルリにどこか見覚えを感じたが、考える前に声がした。



「見つけた!もー、シノ、勝手にどっか行くとデルフィニさんが心配するじゃない!」



薄紅色の目を持った黒髪の少女だった。髪型は例えるなら鋼タイプ使いの女性ジムリーダーと同じといったところか。

ともかく、だ。
そのマリルリを探しに来たであろう彼女が言った名前、なんだったか?



『シノ』に

『デルフィニ』?



ロゼには、その名前に聞き覚えがあると思った。
というより、知っていた。



「そうか・・・お前、フィニのシノか」


改めてマリルリに向き合い、頭をなでてやると、嬉しそうに尻尾を振っていた。
しばらくそうしていると、足元にいたヒコザルに気がついたらしい少女は嬉しそうな声をあげていた。



「メイっ!もしかして、クロ君帰って来てるの!?」



だが、彼女はすぐに落胆する。
辺りを見てもその主たる青年は見当たらなかったからだ。

マリルリとじゃれていた(!?)ロゼも、その様子に気がついたようで、声をかけていた。


「あんた・・・名前は?」


「え!?あ、人いたんだ・・・えっと・・・あたしはサザンカ」


それまでロゼに気づいていなかったのか、少女は慌てて自分の名前を名乗る。
そのことに少しだけ驚いていたが、ロゼは気にせず口を開いていた。


「クロ君・・・ってのはクロッカスのことか?それに、さっきデルフィ二って言ったよな?知り合いなのか?」


ロゼとしては何気なく疑問を口にしただけなのだが、何故かサザンカは顔を赤らめて慌てていた。


「え、あ、そのそうなんだけど・・・その、幼馴染で・・・あ、ああ、後!デルフィ二さんは2年前からうちで武器整備やってて・・・!」


「(整備・・・か)ところで、好きなのか、あいつのことが」


恐らくはサザンカの言動から判断したのだろうが、それにしたって直球すぎる。
そう思ったのは彼女もだったようで、更に赤みを増しながら反論する。


「ち、違います!クロ君とはそんな関係じゃ・・・!そ、それに!あたしの片想いなの!」


もはやこれ、反論というより肯定だな。とかなんやら思いながら、ロゼは心の中で友達以上恋人未満ってやつか・・・?などと思っていた。
それを表情には出さずに、気にしていないような口ぶりで声を発する。


「多分、メイの連れて行きたがってる場所はそこだと思うんだが・・・フィニのところへ案内してくれないか?」




5分後



「ここです。・・・クロ君の家は右隣なの」



ロゼはサザンカに連れられて、一店の雑貨屋らしき建物にたどりついていた。
右隣の家をちらりと見ると、ロゼは戸惑うことなく雑貨屋の扉を開いていた。

その瞬間、マリルリは跳ねながら一人の青年の元へ近づいて行った。


「シノ!勝手に出て行ったと思ったら・・・また勝手に・・・」


彼は呆れながら、マリルリの名前を呼んでいた。
僅かに顔をあげると、サザンカと近くに立つもう一人が目に入った。



「生きてやがったか。フィニ」



そっけない声だった。
だがそれだけで、その青年は気付いた。



「・・・え、ロゼさん?」



ぽつりと呟いただけの声だったが、ロゼには十分だった。
口元に笑みを見せたかと思うと、歩み寄っていた。

そして、正面に立ったところで気づく。


「・・・左目」


「あ、これ?あの時の傷でほとんど見えなくなってるだけだから」


あの時というのは、やはり2年前のシヴァスの一件のことだろう。

が。


「深刻な空気で言えとは言わんが、明るく言うことでもないからな、デルフィニ・セロン!」


「え、何でそこでフルネーム!?・・・ユチもいるし、僕は困ってはないよ?」


何故かデルフィニはさらりと明るく言い放った。
それに対しロゼが呆れたような声を出すと、彼はバネブーを引き寄せながら反論していた。



えーっと、しばらくロゼとフィニによる痴話喧嘩(というよりフィニの言動に対するロゼのツッコミ?)が続くので略。




「えっと・・・それで、ロゼットさん。でしたっけ?・・・クロ君は・・・」


サザンカがこう言うと、ロゼも困った表情を浮かべる。


「あいつのことだから何か考えがあってのことだろうが・・・あいつは変に頑固だからな」


・・・いや、ロゼ、君が言えたセリフじゃないよそれ(滝汗)

それはともかく、サザンカも同じように、だがこちらは僅かに寂しさを宿した表情で呟いていた。


「クロ君は、お仕事のこととかはあたしに何も言ってくれないから・・・いつも」







さて。話は戻って話題の渦中の人物・クロ君ことクロッカスはというと・・・



「・・・もういい、聞きたいことは2つだけだっ!!」


「2つ?」


相変わらず、ハルは飄々とした態度のままクロスに剣をふるっていた。
もちろん、お互い本気でやっているわけではないが。

この時すでにスターチスは傍観者に徹していたが、僅かに驚きの表情が残っていた。


「最後のブレイブバード・・・かなり効いたな」


最終的には、あのままセラヴィーがシンを押し切る形で決着がついた。
それはつまりスターチスが勝ったということになるのだが・・・少なからず大きなダメージを受けたのも確かだった。


「ま、でもこの件で戻って来てから初めて本気で戦えたも事実・・・か。」


ぼんやりとこんなことを考えていると、ちょうどクロスがハルの右側から懐へ入り込んでいた。
ここにきて初めてハルの顔から余裕さが無くなった。

慌てて切り返すハル。
それを見てクロスがにやりと笑いながら、疑問を口にする。


「やーっと隙見せやがったな。っと、まずは1つ目。お前の目的は何だ?」


途端に、ハルは泣きだしそうな表情を浮かべ、叫んでいた。



「そんなの決まってるっ!僕が何者で、姫様とどういう関係か知りたいだけだっ!!」





「・・・まだ、思い出してないんだな」


それだけで、クロスにとっては十分だった。

それ以上は何も聞かずに、もう1つ聞きたかったことを口にする。



「ならもう1つ。こっちが本命なんだが・・・お前は、この一連の事件の黒幕を知っているのか?」



「それは、私も気になるわね」


そんな声が聞こえたかと思うと、素早い動きでハルに剣を振りおろしていた。
ハルは咄嗟に収めたままだった大型の剣を引き抜き、受け止めていた。



「それでこそあんたね。二刀流なんてできるの、あんたぐらいだものね」



受け止められたのにも関わらず、攻撃の主であった女性は笑みを浮かべていた。

彼女を見て一番驚いていたのは、クロスだった。



「姉さん!?」


「久しぶりね、クロッカス。それで、ハルジオン?私もそれは気になるわね。知っているのかしら?」



一瞬クロスに視線を向けたかと思うと、次の瞬間にはハルを見つめていた。

しかし、どこか言いにくそうな様子をハルは見せていた。


「えっと、コスモスさん・・・その、ですね」


「・・・リック・・・」


困っているハルに助け舟を出したのは、意外にもスターチスだった。
周りの一同の視線を受けながらも気にしていないように彼は続けていた。



「いや、君たちにはこう言った方が早いか。・・・リアトリス・クルード、と」



リアトリス・クルード・・・その人物は



「あいつかよ・・・!」

「内部にいるんじゃないかって思ってたけど・・・よりによってもう1人の副隊長のあの男だったなんてね・・・」



そう。
かつて・・・2年前の事件が起こった際、コスモスと共に副隊長に就いていた男だった。

少なからず動揺している姉弟を尻目に、スターチスはぽつりと呟いていた。


「それに・・・リジア・ノウェルス。彼女も関わっている」


リジアという女性もまた、かつてシヴァスの騎士隊に所属していた人物だった。



「成程、複数ね。けど、これで納得できた。ピースは・・・」



僅かに冷静さを取り戻したようで、クロスは自身の持っていた情報と今手に入れた情報を組み合わせて状況を組み立てていた。

そんな時、ハルが何事か囁いていた。
やがて指先にエネルギーが集まっていき・・・放たれていた。



「っ!クロッカス!」



すぐにコスモスはそれに気がついたが、思案中だったクロスはそれに気づくのが少し遅かった。



ばちっ!!



ハルが加減していたとはいえ、元々の魔力が強かったのか、結構な威力のそれを不意打ちでくらったクロスは、そのまま倒れるのを覚悟した・・・が。

予想よりも、ずいぶんと軽い衝撃だった。


そう感じた瞬間には、ハルはプテラを呼び出し、去ろうとしているところだったが・・・何故か酷く驚いた表情を浮かべているようにクロスには感じられた。

チルタリスに先程の戦いのダメージが残っているのか、スターチスも一緒に乗っていた。



「・・・嘘・・・魔力ありそうな感じはしてたけど・・・こんな強いなんて・・・!」



その声は、スターチスにしか聞こえていなかった。





「・・・あんた、まだ気づいてないの?」


ハルたちが飛び去ったのを確認した後、コスモスはそうクロスに言っていた。
何のことかわからずに首をかしげているクロスに対して、コスモスはただ一言。



「クロッカス。あんたには風の力が・・・それもかなり強い力があるのよ」


「風・・・?」





■後書き■

ということでひとまずバトル終結?
ビスカさんは1話にちらっと出たきりだったので出してみました。
コスモスさんとどういう関係なのかは
・・・続く!(どこに)
初登場がコスモスの他に、サザンカとデルフィニ。
これでも(4話で)出したかったキャラ全員出しきれてない
オチ(蹴)

サザンカちゃんは言うまでもなく(ぇ)、
フィニは・・・次で詳しく・・・と言いたいところだけど
方針転換。
最新キャラがすっごい書きたくなったので書こうかと(謎)



No.39 日乃 水葉 2009年08月23日 (日) 21時47分


忘れた頃に感想

キャラが多くなって盛り上がってきましたね。
場面ごとにキャラを見ると、ハル&スッチーとクロスの戦いに、姉のコスモスが登場。
一方のメイについて行った、ロゼが出会ったのはサザンカとフィニ。

重要なのは、明らかになりつつある黒幕の名前が出てきたと言うところと、クロスとサザンカの関係は?ってところでしょうか。

次回は新キャラが出てくるのでしょうか?それとも、クロスたちはロゼたちに合流して、クロサザ弄りをするのでしょうか?
どちらにしても、楽しみです。

No.40 HIRO´´ 2009年09月29日 (火) 15時25分




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