[84] 【替え歌便乗】双子の微笑み【武シフ】 |
- 怪盗 - 2009年03月20日 (金) 18時58分
zakiさんのが感動しちゃって…小説かこうと思ってます。はい。 ごめんなさい、不愉快だったら管理人様にいって消して結構です>< 私の考え方でまとめてしまいました。ごめんなさい。 解りやすく名前でもつけておきます。 シーフ→ダリア 武道→シオン とりあえず緑のお姫様役はテイマさんです。 赤キ鎧の女剣士はもちろん剣士(男)。テイマさんに片思い。 他にも色々出てきます>< 勝手に決めてゴメンナサイ。 ※ネタです
「にいさん、これをあげる!」 スラム街で生まれた双子のシーフと武道は裏町で過ごしていた。 「ダリア……、このパンどうしたんだ?盗んできたのか?」 兄の武道、シオンは弟のシーフ、ダリアに向かって話すとダリアは黙ってしまった。 しばらく間があいたあと、ダリアが口を開いた。 「あいつらの家が元々俺らの家だったんだ。盗んで何が悪いの?」 「ダメだよ、母さんと父さんが困るだろ」 「あんな奴ら…いらないよ!殺してくる!」 ダリアの目は血走り、幼き顔は憎きものを打ち消すための顔になっていた。 「ダリア、落ち着いてくれ。僕があの人たちを殺す。君の手を汚したくない」 シオンはダリアを撫で、そこにあった皮の手袋を身につけて走った。 「兄さん、俺も手伝う!」 ダリアがこちらに走ってくる。シオンはその場で止まって構えをとる。 シオンの正拳が、ダリアの腹に見事命中した。 「うっ…」 元々ダリアのレベルはシオンより低いため、そのままそこで気絶した。 「ごめんねダリア。君に見せちゃいけない」 シオンは笑い、ダリアをベッドに運んでタオルをかけた。 部屋から出たシオンの顔はダリアそっくりに豹変し、まるで般若でも見ているかのようだった。刹那、シオンはすばやく走り、隣の街にいる親の家へいった。
ダリアの目が覚めた時にはシオンが隣にいてダリアの頭を撫でていた。 「兄さん、その血どうしたの」 シオンの服には時間が経過して黒ずんできた血が目立った。頬の血は乾いてシオンにくっついてしまっていた。 「返り血だよ、大丈夫。ちょっと苦戦したけどね」 「あいつらはどうなった?俺が殺すっていったのに、兄さん」 シオンの肩をダリアが押さえて少しにらみつけた。生き生きとした目だった。 「大丈夫、もうあいつらは来ないし、もうあいつらの家から何も盗まなくていい。ダリアもあの家に行かなくていいよ」 「殺せたの?」 ダリアの顔が綻んで、シオンの顔は少し暗かった。 「ダリア、もう君は何も殺さなくていいよ」 「……どうして?どうしてそんなことをいうんだ?」 「僕が、君だけの騎士になって、君の邪魔な奴を殺してあげる。もう君は苦しまなくていいんだ。これが僕の願い」 「兄さん、」 何か口出ししようとしたダリアだが、シオンの顔をみて黙った。そして狂おしいような、いとおしいような笑顔でシオンに抱きついた。 「そうして。…でも、兄さんがぬ事は許さないよ」 「うん、僕もダリアをなせはしないよ。ぬ時は」 「「ふたりいっしょ」」 くすくすと二人が笑ってから、シオンが立ち上がる。 「さぁおいで、今日は豪華なご馳走だから」 「うわ、凄い」 「といってもケーキとか、鶏肉とかお花とかだけだけどね」 「うん、すっげぇ嬉しいよ兄さん」 その日から彼らの家はだんだんと豪華になっていき、二人で一緒に外の世界に旅をすることや、裏での暗殺などが多くなった。
「どうして、どうして、シオン?」 暗いくらい闇の中、雨の降る静かな夜にシオンはある人を殺そうとしていた。 「ごめんね、ごめん。ダリアの幸せのためなら、僕は…」 ビーストテイマーの女、シャインはシオンの前に座り込んで後ろに逃げていた。 じりじりと音を立てて、涙を流しながら助けを乞うシャインにシオンは手裏剣を向けた。 「ごめんね、シャイン」
シオンの顔は真っ赤に染まり、目の前には金色の髪をした少女が目を瞑り、永遠の眠りについていた。 その子をみてシオンは泣き崩れ、過去のことを思い出した。
『……あの女さ』 『うん?どうしたの、ダリア』 『兄さんの事が好きなんだ、気に食わない』 『……』 『兄さんは、俺を愛してくれるよね』 『うん、勿論』 ダリアは狂ったような微笑を浮かべてシオンの頬を触った。 『……やって、くれるよね』 『勿論、ダリアの為ならなんでも殺すよ』 何故断らなかったのか、とシオンはその場で泣き、もう動かないシャインを見た。 シャインは笑顔でんでいた。もしかしたら自分と仲良くダリアに仕えれたかもしれないのにと後悔をしてシャインを抱き上げ、近くの木の下に埋めた。
「おかえり、……兄さん」 「ただいまダリア。ちゃんと殺してきたよ」 それをきいたダリアは壊れたように飛び跳ねて、イカれたように笑って「兄さん兄さん、やったね!」といった。 「うん……やったね」 微笑したシオンを他所に別の話にダリアが切り替える。 「今日のごはんね、奮発したんだ。ご馳走だよ!」 彼は笑う、無邪気に笑う。 不幸が近づいてくるとも知らずに。
「……シャインが、んだ?」 隣接した街に住んでいた剣士、トリトマはシャインがんだことを聞き絶望する。 シオンの悲痛な泣き声をきいたシャインの友、ビショップのシャガのがトリトマに報告したのだ。 「殺したのは、誰だ」 目の辺りを押さえ、座り込み落ち込むトリトマにシャガが口を開く。 「何でも、近くの街にいるダリアっていうシーフだとか」 「その名前なら聞いたことがある。気に食わない奴がいたらどんな時でも必ず殺すという有名な非道シーフ……」 「……どういたしますか、トリトマさん」 「野放しにしておくと犠牲が出る。はやいうちに俺が仕留める。…シャインの為にも、一般人、みんなの為にも」 トリトマが拳を握り、意思を固めた頃、ダリアとシオンは眠りに落ちていた。 向けられた刃は熱く、そして冷たい石のようだった。
「兄さん、おきて」 「……どうしたの、ダリア」 朝方、はやく起きた二人は、窓のほうをそっと見る。 家……、城は町民などで囲まれていて、その真ん中の目立つ場所にいたのは剣士のトリトマとビショップのシャガだった。 外でトリトマが大声で叫ぶ。 「ダリア、お前が居る事はわかっている。大人しく罪を認めて首を洗え!殺された人々の家族の為にこちらにこい!」 城の中にいたシオンとダリアは顔を合わせて頷き、屋上へと逃げる。 「10秒待ってやる、その間に降伏して出て来い、……さもなくば俺は貴様を潰す!」 トリトマが持っている剣を城に向けると10を数えた。 「10」 「兄さん、どういう事なんだ、これ?」 「わからない!でも僕らが狙われているってことはたしかだよ!」 「9」 「どうするんだよこれから!?」 「とりあえず来る敵を殺して、逃げよう!」 「8」 「逃げるって、何処に!」 「国外に逃亡すれば僕らの罪は洗われる!それが駄目ならバリアートにでもいって、静かに暮らそうよ、」 「7」 「そうしよっか!」 「6、5、4……3、……2、1……全員、突撃せよ!ダリアを捕まえろ!」 剣を傾けて進軍する皆を他所に、二人は階段を駆け上がり、いたるところにトラップを仕掛けて扉を閉めて一筋縄では開かぬように細工をして屋上に立てこもった。 「……きっと一気に駆け上がってくる」 「兄さん、下に降りよう。今なら間に合うよ。みーんな中にはいって外に誰もいない!」 ぐいっとシオンの腕を掴み引っ張るダリアだが、シオンが手を跳ね除けダリアを屋上にあった倉庫へ突く。 「うわっ……!……兄さん?」 語りかけても無視をして扉を閉めようとするシオンをダリアが止める。 「何を、しているの?」 「……君は生き残って。僕の服を貸してあげるから」 「……兄さん?」 「それを着て早くお逃げ。大丈夫。僕らは双子さ」 「……兄さん!!」 「きっと誰にも、わからないよ」 「にいさっ……!」 倉庫の扉を閉め、鍵をかけてダリアのレベルではあかないような仕組みにする。 近くまで下にいる皆の足音が聞こえてきた。 「(もうちょっと楽しめたらよかったのにな……)」 ダリアの服に替えたシオンは屋上の扉を押す音を聞いて止まる。 「(嗚呼、もう少しだから)」 「兄さ……ん……!……あけ……て!、俺も……兄さんのため……ならなんでもするか……ら!」 倉庫の扉の方から叫ぶダリアの声がきこえたがシオンはつらい顔をし、その声を聞かぬように耳をふさぐ。 目の前ではもう屋上の扉は開きそうで、壊れかけた扉のへこんだところからトリトマの黒い瞳が見えた。 その時にはもう扉は破壊され、トリトマがこちらに向かって襲い掛かってきた。 「ダリアぁぁあぁぁああっ!!!」 シオンに抵抗する気はなく、トリトマにあっけなくつかまった。 シオンの顔を今にも喉を噛み切りそうな顔でみたトリトマは思いっきりシオンを縛り上げた。 倉庫から小さく「兄さん」と呼ぶ声が聞こえ、シオンが大声で叫ぶ。 「この、無礼者が!」 倉庫の中で叫ぼうとしていたダリアの声がとまり、スキマからトリトマに捕まって下りていくシオンの背中をダリアは見た。 ダリアの顔を被ったシオンは涙を少し浮かべて倉庫のほうをみて微笑んだ。
「(はじめてきた、此処が監獄なんだ。)」 古びた監獄の中にいるシオンを、近くにいるスコーピオンたちが今にも攻撃しそうな顔で見ていた。 「……シャインを知っているか、貴様は」 トリトマが見下すようにシオンを見、怒ったような口調で話しかけた。 「知ってるよ、アイツさ。俺の兄さんを取ろうとしたんだよ」 ダリアのような口調で話すシオンにトリトマは思いっきり睨みつける。 「……だから殺したんだよ。それの何処が悪い。」 「明日」 「はぁ?」 「明日、お前はギロチンで首を斬られてぬ」 「ふうん。……なぁ知ってる?ギロチンで首を斬られたあと意識が数十秒残ってるんだぜ」 シオンはケラケラとダリアのように笑う。 「結局はぬ。……明日、朝一番にお前を迎えに来る。神に許しでも乞いてろ」 トリトマが思いっきり牢の扉をしめ、鍵をかける。 シオンにあけれぬ錠などなかったが、あけはしなかった。 その場に座り込んだシオンは俯いてつぶやく。 「ダリア……」
「まだ生きていたか」 「俺がぬとでも?」 トリトマの目は赤くはれ上がっていた。シャインのことを思って夜中にないていたのだろう、とシオンは思った。 「……もうそろそろ3時だ」 「よかったじゃないか、貴様がぬ時間だ」 「嗚呼、解ってる」 シオンは目を閉じ、処刑場へトリトマと歩きだした。
彼はギロチン台に置かれた。まわりでは今まで殺してきた人々の家族が集まり「殺せ、殺せ」と叫んでいる。 「(嗚呼よかった、これ以上ダリアに迷惑をかけたくない)」 やがて鐘がなった。トリトマが前に出てシオンをまた見下した。 「何か言い残すことは?」 ――神様、僕は人を殺してきた悪い奴です。けれど ――どうか、どうか生まれ変わっても。ダリアと出会わせて下さい
「 」
君はシーフ、僕は武道家同じ顔をした僕の兄弟。 君とまた出会うためならば僕は悪にだってなってやる
「(もしも生まれ変われるならば)」
――また兄弟がいいね――
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