[100] ★散華〜10〜【天使WIZエンド】 |
- DJ - 2009年05月17日 (日) 02時29分
・すっかり遅くなってしまいました、アナザーEDw ・どっちかというとルースがヤンデレですw ・この人たちのことは前作まで参照ですが、 ジェイド:天使ギルマス ルース:WIZ副マス ハイン:剣士 です
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「ならば教えてやろう。それはお前が思うような男ではないぞ。誰もかれもを誑かし、誰に抱かれてもよがる淫乱な雌犬だ。お前だってそうさ。強いお前をギルドに繋ぎとめるために媚を売っていたのだと。それを私が命じたのだと言ったらどうするね?」
「…それが彼の意志なら何の問題もありません」
「信じないのか。信じないなら見せてやろう」
言って、ジェイドは一気にハインの服を切り裂いた。隆々とした筋肉が、その秘所が露になる。そして、ルースを見やった。
「その男をやれ、ルース」
命じられるままに、ハインの傍に膝をつくルース。長い指が彼を愛撫し始める。
「ルースさん、だめだ、目を覚ましてください」
「その男の本性などそんなものさ。」
四肢を封じられ、ジェイドが何をしたいのか、わかり過ぎるほどわかってしまった。
「家畜は家畜らしくしていろ。認めろ。絶望したと。」
ハインを、ルースに犯させる気なのだ。
「ルースさん…」
ルースはいつもジェイドにやるように、ハインのものをやわらかく口に含んだ。
こんな…やり方は嫌だ。
「こんなことをしても誰も喜ばない。あなたが一番傷つくのではないのですか」
愛する者の変節を、それによって傷ついた自分を、認められずに捻じ曲げて。
「まだ言うか!!」
声だけは出る。人を呼ぶか。いや、ギルドマスターと副マスのこんな姿を見せれば、ギルドは崩壊する。いや、最愛の人のこんな姿を他人に見せるくらいなら、自分が彼に犯された方が随分ましだ。
「ルースさん…愛しています。変わらず愛してます。……」
浮かせた腰が、ハインのそれを呑み込みながら、無造作に降りてくる。今のルースは痛みも感じていないらしい。
やわらかな内壁に包まれて、涙が出る。
ルースは、狂わされ男の**に塗れてもなお、ろうたけて美しかった。
――どうしてこうなった。
所詮は家畜ではないか。
それとも。
『本当のことを言ったらどうですか。この人を愛していると』
この男の言葉が頭を揺さぶる。
それともほんとうに、
私は、ルースを 愛し ていた の か ?
ジェイドの頬に、一筋の涙が流れた。
――一瞬の光。
その光が、涙に濡れたあの瞳だと気づくのに、しばらくかかった。
ずるり、体内から男の物が抜ける。
擦られる快感に目の前が白く飛びそうになるのを堪え、
ああ、何をしてたんだっけ、と思い出そうとする。
かつてない優しさで、その人に頬を撫でられる。上向かされ、甘く切なく口付けられる。
――愛している。愛していた。
ルース。
たとえ国が滅んでも、俺が死んでも、お前は生きろ。ギルドはそのための壁だった。
レッドストーンなんて本当はどうでもよかった。嘘がいつしか心地良すぎて。
人間になりたかった。
だが。もういい。終わりだ。俺が壊した。すべて俺が間違ったのだ。
「何がいいんです」
やっと声が出た。二人の目が注がれる。愛した人と、愛しかけてしまった人と。
震える膝を押さえ、ルースは立ち上がった。
「…どうして、あなたは、勝手なことばかり。
とうに私はあなたのものなのに、今更返されては困ります。」
「…」
絶句して立ち尽くすジェイド。
「ルースさん」
束縛が解けたのか、後ろでハインが起き直る。ルースは振り向かない。
一歩近づく。
「私がいつ真実を欲しがりましたか。 私は命も心も幸福もいらない。あなたの愛さえいらない。 壊されても犯されても家畜でも構わない、あなたを好きなんです」
一気に言い終えたら頭がくらくらして、気がついたらその人に抱きしめられていた。
後は覚えていない。
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翌日。
何事もなかったように自分のベッドで目覚めると、もう昼を回っていた。
ホールへ向かうとランドがコーヒーを入れてくれる。
オズマとハルクがいつものようにケンカしているのを見ながら、パンをかじる。
そこへシンがやってきて、お前らちょっと静かにしろ、と怒鳴る。
ハインは剣の手入れをしている。
何か忘れているような、そんな気がする。
奥の廊下からジェイドが顔を出す。
ルースが反射的に立ち上がろうとするのをジェイドは手で制しておいて、ランドにコーヒーを頼む。
ランドが駆けて行ったところで、目と目が合う。
そのまま二人で顔を寄せて、今日はじめてのキスをした。
<完>
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