畏れ多くも光琳『燕子花図』で筥迫を作りました。表布のハンカチーフは横浜手捺染めで「国宝 燕子花図屏風」のデザイン。それだけで明快な光琳の意匠が面白いのですが、かきつばたの群生に奥行きを出したくて、所どころ刺繍装飾をいれてみました。 あえて柄合わせはせず屏風の余白を表現したかったのですが、ぎっしりと凝縮されました。例のごとく、できあがった筥迫は裏面のほうがすっきりと余白の美…。
表布:綿ローン、刺繍装飾 内布と挟み玉縁:江戸縮緬古裂、刺繍入り 緒締め玉:ベネチアンガラスビーズ(8ミリ)金箔入り メモ:0.7ミリ厚紙標準+被せ裏と鏡周り養生に懐紙二枚重ね
内布は琳派にふさわしくゴージャスに、瑠璃色が美しい江戸ちりめん(金駒縫い入り!)を試してみました。薄手で柔らかくシボも小さくて、問題なく使うことができました。秀逸だったのは挟み玉縁にも使えるところ。薄糊との相性抜群、まるで吸い付くようにぴたりぴたりと縁取りができました。さすが高価な裂は素材としても素晴らしい。
飾り房には、紺と香色を使いました。脇のかがりは金茶で重厚です。打ち紐は(金茶とも迷いましたが…)以前ショップ販売の雄黄(ゆうおう)と榛(はしばみ)色の中間で新色(私にとっては)です。あるかないかの赤味をふくんだ気品あるベージュは、白茶のような高価な丁子染のような素敵な色です。 飾り棚の「琳派な」筥迫を眺めて、しばし風薫る初夏の爽やかさを楽しむことにします。
★今回、日本刺繍というには程遠いのですが、縫い目を平行にすることがいかに難しいか、実際に真剣に刺してみてよくわかったのが良かったです。 あたまでは分かっていても出来ない。また一つずつ真摯に全力でこしらえたいと思います。 百聞は一見にしかず いくらきいても 百見は一考にしかず いくら見ても 百考は一行にしかず どんなに考えても、実行せねば。 百行は一果にしかず いくら行動しても、成果も大切。
ちゅん [571] 04/26/(木) 16:07:59
今回もとても印象的な色合いの筥迫に出来上がりましたね。 コレクションもかなり増えてきて、益々創作活動が楽しくなって来られたように見受けられます。
日本刺繍糸使われたようで何よりです。 あしらい刺繍も素敵ですが、初めから刺繍作品として作られると、 たぶんとても仕立てがしやすいと思いますよ。
そして、できることなら「懐剣入れ」も一緒に作っておくと 作品としての出来栄えが尚一層良くなります。
Rom筥 [574] 04/27/(金) 13:14:08
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