ピンクの型染め黒谷和紙に刺繍をして筥迫を作りました。 ミュージアムショップの棚でひときわキュートな魅力を放っていた一枚です。甘やかな桃色と深い紅色の隈取りで段染めされた色味が若向きかと躊躇するも「大人の女性に似合うピンクの小物を作ってみてください」と店員さんに背中を押され、創作意欲に火が点いたのでした。 【コンセプト】:「大人の女性が挿せるピンクの筥迫。おしゃれカジュアルな遊び心がありドレスダウンしても気品があること」 表布:型染め黒谷和紙 (刺繍装飾、柄合せ) 内布:ポリエステル白半襟 挟み玉縁:ポリエステル白半襟 / 緒締め玉:水晶(8ミリ)多面カット メモ:0.7ミリ厚紙標準+鏡周り養生&透け防止に懐紙二枚重ね 打ち紐:昇苑くみひも江戸打1mm赤み灰白 ; 3色切り房:白、フジックス手縫糸1(薄桜)、83(象牙) オトナ持ちの雰囲気にするため左上に白〜灰白〜桃色のグラデーションで刺繍を集中。はじめ紙の嚢物に刺繍なんてもったいないのでは(正直いうと下手な刺繍で素材を壊したくない)と迷ったものの、色を探すうち楽しくなってきて究極の和紙に絹糸の輝きを添えるのは極めて当然なことに思えてきました。でも紙は紙。なにせ破らないよう、針孔2度刺しお断り!やり直しもきかず…なので手の拙さはどうかご容赦願います。飾り房は繊細な灰色がかった淡色で、濃い着物でもきれい系でも白い半襟なら馴染むようかがり糸は白で意図しました。
【初めての白い内布】Rom筥さまの記述でも「白」は当て布必須で手汗厳禁、線の透け等かなり神経を使うとの事でした。何度もこしらえた筈の工程なのに、本当に白布は絹でなくとも一気に扱いが難しくなるのを実感しました。もちろんかがりの針で指先を刺すこともないよう…。手間はかかれど清楚さは格別なものがあるので報われますね!
さてショップの店員さんがこの出来あがりをどんな風にご覧になるか、しばし楽しい創作余韻に浸りたいと思います。自作おあつらえならではの筥迫の愉しみを知ると、もうやめられませんね。手元でそっと撫でると和紙の優しい風合いにほっこりします。
ちゅん [619] 09/29/(土) 16:28:03
コンスタントに新作を作り続けてくださるちゅんさんの登場ですね。 筥迫作りをここまで楽しんでいただけることに、私もとてもうれしいです。
今回も和紙の筥迫ですね。 しかし和紙に刺繍とは、刺繍をする人には絶対できない発想ですね。 色々な試みが出てきて毎回楽しい限りです。 (私も最近仕事でヘビ皮の筥迫作りましたよ)
大人持ちの美しい筥迫ですね。 最近は仕立てもぐっと腕をあげましたね。 中の芯地の使い方も色々と工夫されているようで感心します。 巾着の柄だしも綺麗に考えられています。
ショップの店員さんの反応が楽しみですね。 こんなものが出来上がるなんて予想だにしないでしょう。
筥迫に誂えたような飾り台も素敵ですね。
Rom筥 [620] 09/29/(土) 20:12:31
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あの撫松庵さんからお仕立て依頼があったとのことでブログ(10/12)記事の「パイソン(蛇!)の筥迫」を拝見しました。画像UPありがとうございます。すごいです。さすがRom筥さまの世界は果てしなく広く深い。「表革」を折返しなし断切りコバ処理仕上げで「面白かった」ですか!いやはや想像を超えた作品、ハードでヘビーでカッコいいです。
ちゅん [622] 10/15/(月) 18:30:21
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