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新世界作品置き場

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タイトル:新世界2 SF

――早くもコメディの様相を呈してきた新世界だが、シリアスな展開も忘れない! 朝焼けの空に皓皓と浮かぶ赤い月は、凄艶という言葉の似合う妖しくも幻想的な光景。そして、それをきっかけとして、突如鏡架を異変が襲う!? 新世界二作目はシリアスコメディ!?

月夜 2010年07月09日 (金) 02時42分(11)
 
題名:新世界2(第一章)

???「…………」

月夜「すぅ……すぅ……」

???「…………!」

月夜「すぅ……すぅ……」

???「……き……さい!」

月夜「ん……うぅ……」

???「いい加減……なさい……!」

月夜「…………」

???《急に静かになったわね……?》

月夜「……ふひゅるるる……」

???「てめぇはしぼんでいく風船かっ!!」

――ガスッ!

月夜「はうあっ!?」

???「はぁ……やっとお目覚め?」

月夜「……あれ?ここは……」

???「全くこの娘は……寝起きまでこんなに悪いなんて……」

月夜「……あ、白月。おはよ〜」

白月「…………」

月夜「……ん?どったの?」

白月「別に……呑気な奴って思っただけよ」

月夜「慌ててせかせか過ごすのは、私の柄じゃないからね。のんびりまったり生きていこ〜」

白月「貴女の場合はのんびりと言うより、ただ単にノロイだけよ」

月夜「むっ!聞き捨てならないわね!こう見えても、結構素早いんだねって言われたことあるんだから!」

白月「……疑わしいわね。いつの話よ」

月夜「えっと、あれは確か小学校の運動会の時だから……」

白月「……私が言ってるのは、足の速さじゃないわよ?」

月夜「え?そうなの?じゃあノロイって何が?」

白月「はぁ……もういいわ。貴女と話してると、朝から疲れる」

月夜「…………」

白月「とりあえず、昨日自己紹介をした広場みたいな所に、もう皆さん起きて集まってますよ。ほら、貴女も……」

月夜「…………」

白月「……ん?どうかした……」

月夜「……ふひゅるるる……」

白月「立ったまま寝るんじゃない!!」

―ドゲシッ!

月夜「ふぎゃっ!?」





白月「ほら!さっさとしなさい!」

春「……ようやくか。えらく手間取ったみたいだな」

白月「春さん、聞いて下さいよ。このお天気娘の寝起きの悪いこと悪いこと」

月夜「痛っ!痛いって!ちょっと、そんなにグイグイ引っ張らないでよね!骨折れたらどう責任取ってくれるのよ!」

白月「安心なさい。この程度で人間の骨は折れません」

月夜「そんなの分かんないでしょ。えと……ほら、骨の中の密度がスカスカになる病気とかあるじゃない?もしかすると、私がそれにかかってるかも」

白月「骨粗鬆症のことを言っているんですか?」

月夜「そうそう。それだよ、それ。その……えぇっと…………?」

白月「骨粗鬆症」

月夜「それそれ、こつしょしょーしょー」

白月「……何しょーしょー言ってるんですか、貴女は」

月夜「へ?私は白月の言った通りに言っただけだよ?」

白月「私はそんな風に言ってません!頭だけじゃなく耳まで悪いんですか!?」

月夜「あ、あんですって〜!」

マヤ「朝っぱらから騒がしいな」

メカ「暗く沈んでるよりかはマシだろう」

艦隊「こいつらの暗いやり取りなんて、想像できないけどな」

鏡架「ふふっ、全くですね」

朱蒼「ホント、二人共仲良しね〜」

月夜&白月『仲良くなんかないっ!』

春「……あぁ、もうわかったから、少しは静かにしてくれないか?」

白月「……あら?春さん、少し顔色が優れないようですけど、どうかなされましたか?」

春「貧血持ちに朝は辛いんだよ。俺のことを気付かってくれるなら、声のトーンを普段の5割程に落としてくれないか」

月夜&白月『…………はい』

春紫苑「…………」

月夜「あれ?春ちゃん、どうしたの?そんな全身泥まみれで」

艦隊「あ、やっぱ気付いちゃった?」

月夜 2010年07月09日 (金) 02時43分(12)
題名:新世界2(第二章)

月夜「そりゃ、そんなに汚れてたら誰だって気付くよ。何があったの?」

艦隊「聞きたい?」

春紫苑「……うるさい」

艦隊「実はさ、こいつってば昨日の夜……」

――ガスッ!

艦隊「ぐふぁっ!?」

――パタッ。

春紫苑「……うるさいと言っている」

春「……口は災いの元……だな」

月夜「ねぇねぇ、どうしてこんなことになっちゃったの?」

春紫苑「…………」

月夜「黙ってないで、理由くらい教えてよ」

春紫苑「……断る」

月夜「何でよ〜。教えてくれたって良いじゃない」

艦隊「く……ふっふっふ……知りたいか?それはな……」

――ドカバキゲシッ!

艦隊「なべしっ!?」

――ドサッ。

春紫苑「……お前は黙ってろ」

朱蒼「……懲りない人ね」

月夜「教えるぐらい別に構わないでしょ?ほら、私と春ちゃんの仲だし」

春紫苑「……どんな仲だ」

月夜「抱き合った仲」

春紫苑「なっ、そ、それは、お前の方から勝手に抱きついてきただけだろう!」

月夜「確かに最初はそうだったかもしれないけど、しばらくしたら、春ちゃんだってとっても気持ち良さそうな顔してたじゃない」

春紫苑「人聞きの悪いことを言うな!僕はそんな素振りは欠片も見せていない!」

月夜「またまた恥ずかしがっちゃって〜♪もっかい抱きしめてあげよっか?」

春紫苑「全力で断る!」

朱蒼「……素直じゃないんだから」

春紫苑「…………」

春「さて、とりあえず全員集まったところで、改めて今置かれている状況を確認しておくか」

鏡架「そうですね」

マヤ「まぁ、分かってることなんて、ここがとんでもなくヤバい所だってことくらいだろうがな」

メカ「いや、案外そうでもないさ」

白月「と、言いますと?」

メカ「昨晩、軽く島の中を歩き回ってみた。どうやら、ここに俺達以外の人間はいないみたいだ」

月夜「無人島ってことね」

メカ「そうだ。それと、他にも分かったことがもう一つある」

朱蒼「もう一つ?」

メカ「……ここは地球じゃない」

一同『…………』



――――。



一同『えぇ〜〜〜っ!!?』

艦隊「んなバカな!SFの世界じゃあるまいし、そんな簡単に別の星になんか……」

鏡架「そ、そうですよ!第一、地球以外に生命が存在する星なんて、まだ一つも発見されてませんし……」

メカ「否定したい気持ちは分かる。が、これは覆しようのない事実だ」

朱蒼「何か、絶対的な証拠でも見つかったのですか?」

メカ「あぁ。メカがGPSを搭載しているそうだが、それがまるで返事をしないらしい。別に壊れている様子はないということだから、これは地球上じゃないことの証明には十分だろう」

マヤ「まぁ、よくよく考えてみたら、今の時代、地球上に恐竜が生息するような地域はないしな」

春紫苑「それに、あの時ざっと見回しただけでも、図鑑の中ですら見たことのないような植生が多数あった」

メカ「二人はなかなか冷静だな。その通りだ。……そうだ。まだ納得できない奴がいるなら、ちょっと外に出て空を見上げてくるといい。まだ夜が明けて間もないから、多分見えるだろう」

月夜「見えるって……何が?」

メカ「見てくれば分かる」

月夜「そんじゃ、ちょいと見てくるね」

艦隊「あ、待てよ。俺も行くぜ」

鏡架「わ、私も行きます」

朱蒼「私も行くわ」

白月「先に同じく」

マヤ「なら、俺も付いて行くかな……お前はどうする?」

春紫苑「……僕は別に……」

月夜「ってことで、春ちゃんもカモン♪」

春紫苑「……待て。僕はそんなものに興味は……」

月夜 2010年07月09日 (金) 02時45分(13)
題名:新世界2(第三章)

月夜「ほらほら、ごちゃごちゃ言わないで、お姉ちゃんについて来なさいって」

春紫苑「誰がお姉ちゃんだ。面倒だから僕はいい」

月夜「何言ってんのよ。私と春ちゃんの仲でしょ?」

春紫苑「またそれか…………分かった。ついて行ってやるよ……」

月夜「やたっ♪じゃあ出発〜」

春紫苑「……ふぅ」

朱蒼「ふふっ」

春紫苑「……何がおかしい?」

朱蒼「いえ、別に何も」

春紫苑「…………」





メカ「お前は行かなくていいのか?」

春「あぁ。俺はもう昨夜見たからな」

メカ「なっ!……お前、あれほど言ったのに……」

春「誤解するなよ。ただ夜中にトイレへ行きたくなっただけだ。この穴ぐらからはそんなに離れちゃいない」

メカ「なら構わんが……何があっても、夜中に外は出歩くなよ?」

春「くどい奴だな。分かってるさ」

メカ「まぁ、そんなことはおいといてだ。どうだった?」

春「どうだも何も、俺はあんなモノ見るのは生まれてこの方初めてだ」

メカ「こっちだってそうさ。俺が聞きたいのは、アレを見てお前がどう感じたかってことだ」

春「そうだな……一言で表すなら、壮麗ってとこかな。怖い程美しい景色というものを、俺は生まれて初めて見た気がする」

メカ「あぁ、俺も似たような感想だよ。あんな色は、自然界のどこにも存在しない。アレは酷く不吉だ」

春「不吉……か。確かにそんな感じだな。ま、俺はアレを見るまで、お前の発想には拭い難い疑惑があったからな。そういう意味では良い物証になったさ…………お、帰ってきたみたいだぞ」

一同『………………』

メカ「どうだった?」

白月「どうだったって……一体何なんですか、あの月は」

艦隊「あんなにでかい月、見たことねぇぞ」

マヤ「大きさだけじゃない。色だってそうだ」

朱蒼「えぇ……紅い月なんて、見たことは疎か、聞いたこともありません」

春紫苑「どうやら、本当にここは地球上ではないようだな」

月夜「…………」

春「……ん?どうした?」

月夜「……え?」

春「何だかえらく静かじゃないか。真っ先に騒ぎ立てると思ってたんだがな……どうかしたのか?」

月夜「いや、別に……そういう訳じゃないんだけど……」

白月「いつもうるさい奴が、何の前ぶれもなく急に静まると、周りが拍子抜けするのよ」

月夜「むむっ!いつもうるさい奴って誰のことよ!」

白月「あ〜ら、わざわざ言う必要があるかしら?」

月夜「ぬぁんですっとぅえぇっ!」

朱蒼「ほらほら、二人とも喧嘩しないの。また春さんに怒られるわよ?」

春「…………」

月夜&白月『……ごめんなさい』

春「……そう言えば、鏡架はどうした?まだ戻ってきてないようだが」

月夜「え?あ、ホントだ」

朱蒼「じゃあ、私がちょっと様子見てきますね」






鏡架「…………」

朱蒼「あ、いたいた。こんなとこで何ぼんやりしてるのよ」

鏡架「…………イ」

朱蒼「ん?何?」

鏡架「……キレイ」

朱蒼「……え?」

鏡架「貴女も……そう思いませんか?」

朱蒼「っ!?」

朱蒼《瞳が……紅い……!?》

鏡架「ふふっ……」

朱蒼「ま、待って!どこへ行く気なの!?」

鏡架「遊びに行ってくるだけですよ」

朱蒼「ダ、ダメよ!外は危険だって、昨日分かったでしょう!?」

鏡架「それじゃあ、代わりに貴女が遊んでくれる?」

――ザッ……

朱蒼「なっ!?」

鏡架「どんな遊びが良い?斬死、礫死、圧死、出血死に窒息死、何でも好きなものを選んでいいわよ」

――ザッ……

朱蒼「あ……ぁ……」

鏡架「どうしたの?ねぇ、遊ぼうよ」

――ザッザッ……

朱蒼「ま、待って……」

鏡架「決められないの?じゃあ…………そうだ、首を絞めて遊ぼうよ。窒息するのが先か、首の骨が砕けるのが先か。どう?楽しそうでしょう?」

――ザッザッ……

朱蒼「や、止めて……お願い……」

鏡架「うふふ……逃げちゃダメだよ?」

――ガッ!

朱蒼「うぁっ……!」

鏡架「どう?苦しい?骨がメキメキって軋んでるよ?」

朱蒼「かっ……は……」

鏡架「ほらほら、もっと抗ってよ。良い声で鳴いてよ。でないと、愉しくない…………っ!?」

――ドンッ。

朱蒼「がはっ!ごほっ!」

鏡架「う……うぅ…………ぐ……あぁ……そんな……嫌……イ、ヤ……!!」

朱蒼「はぁ……はぁ……」

鏡架「くっ……う……うあああぁぁっ!!」

――ドサッ。

朱蒼「っ……はぁ……き、鏡架さん……?」

鏡架「…………」

朱蒼「はぁ……はぁ……げほっ!ごほっ!……と、とにかく、皆のところへ運ばないと……」

月夜 2010年07月09日 (金) 02時46分(14)
題名:新世界2(第四章)

マヤ「……遅いな」

艦隊「確かに……」

月夜「心配だね……見てこよっかなぁ……」

春紫苑「……その必要はなさそうだぞ」

月夜「え?あ、朱蒼さん!」

――タタタッ。

朱蒼「…………」

月夜「どうしたの?随分遅かった……!?」

白月「鏡架さん!?」

メカ「……何があった?」

朱蒼「…………」

月夜「……朱蒼さん?」

朱蒼「……え?」

月夜「どうかしたの?大丈夫?」

朱蒼「え、えぇ、ちょっとぼんやりしてただけよ。心配いらないわ」

春「…………」

メカ「それで、一体何があったのだ?」

朱蒼「……一時的な失神でしょう。急激な環境の変化による疲れと、さっきの月を見た時のショックで、気を失っただけだと思います」

メカ「そうか。外傷とかはないんだな?」

朱蒼「えぇ。彼女の体に身体的外傷は見受けられませんでした。恐らく、しばらくすれば目を覚ますと思います」

白月「そう……良かった……」

春紫苑「……それだけか?」

朱蒼「え……」

春紫苑「倒れていた彼女を見つけ、ここまで運んできただけにしては、些か時間が掛かり過ぎてはいないか?」

朱蒼「…………」

春紫苑「……もう一度問う。本当にそれだけか?」

朱蒼「そ、それは……」

――ぐきゅるるるる。

月夜「…………あ」

月夜を除く一同『…………』

月夜「……あ、あれ?」

白月「……貴女という人は……本っ当に緊張感の欠片もない人ですね」

月夜「し、しょうがないじゃない!お腹空いてるんだから」

春紫苑「……この空気詠み人知らずが」

月夜「何か言った?」

春紫苑「……別に」

白月「全く……貴女には羞恥心というものが無いんですか?」

月夜「むっ!失礼なこと言わないでよね!無い訳ないでしょう!」

白月「だったら、少しは自重しなさい!女の風上にも置けない奴ね」

月夜「そんなの自然な欲求なんだから、我慢出来るはずないじゃない!それに、風当たり強そうだから、別に風上になんか置いてもらわなくても結構よ」

白月「屁理屈ばっかりこねて……やっぱりガキね」

月夜「ぬわんですって〜!!」

春「あぁ、もう分かった。分かったから少しは静かにしてくれ。うるさくてかなわん」

月夜&白月『でも、こいつが……』

春「どっちもどっちだ。頭に響くから止めてくれ」

月夜&白月『むぅ〜〜……』

月夜 2010年07月09日 (金) 02時46分(15)
題名:新世界2(第五章)

艦隊「けど、まぁ月夜の言う通り、食欲は抑え込めるものじゃないわな。俺も腹減ったぜ」

春「昨夜から何も食べていないからな。確かに空腹ではある」

月夜「私もお腹減った〜」

春紫苑「…………」

白月「私も空腹ではありますね」

月夜「なぁんだ。なんだかんだ言って、白月もお腹減ってるんじゃない」

白月「当たり前でしょう。空腹を感じない人間なんかいません」

月夜「でも、それなら私とおんなじじゃない」

白月「バカを言うんじゃありません。貴女のような節操のない女と一緒にしないでください」

艦隊「はいはい、喧嘩はそれくらいにしときなって。また春さんに睨まれるぞ?」

春「…………」

月夜&白月『…………』

マヤ「ま、とりあえず皆さん空腹状態ってことだな。これからいつまでこんな日々が続くともしれない中、ずっと断食を決め込み続けるのは無理だ。どうだ?そろそろ、何か食えるモンでも探しにいかないか?」

月夜「ホント!?やった〜!」

春「だが、大丈夫なのか?毒を含むものとそうでないものを見分けることができるのか?」

マヤ「あぁ、サバイバル知識なら人並み以上にある。実際に、どこぞの森の中で一月ほどサバイバル生活をした経験もあるしな」

メカ「ほう……現代人にしてはなかなか逞しいんだな」

月夜「ねぇねぇ、早く行こうよ〜。これ以上待ってたら、私餓死しちゃうよ〜」

春「そう慌てるな。全員でぞろぞろ行く訳にもいかないし、第一気を失った鏡架を置いていく訳にもいくまい。そうだな……それじゃあ、俺と朱蒼と鏡架は留守、他は食料調達に行ってくれ」

月夜「は〜い!」

艦隊「りょ〜かい」

マヤ「OK」

メカ「分かった」

春紫苑「…………」

白月「分かりました」

春「……よし。なら、行動開始だ」

月夜「よ〜し!は〜るちゃん♪早く行こ〜!」

春紫苑「なっ!?馴れ馴れしく肩を組もうとするな!」

月夜「良いじゃん、別に〜」

春紫苑「良くない!鬱陶しいから早く離れろ!」

艦隊「二人共仲良しやな〜。よっしゃ〜!ワイも混ぜたって〜な〜♪」

春紫苑「混ざってくるな!」

白月「……何故急に関西弁?」

マヤ「ははっ、楽しくて良いじゃないか」

春紫苑「これのどこが楽しいように見える!?邪魔でしかないぞ!」

月夜&艦隊『は〜るちゃ〜ん♪』

春紫苑「あぁっ!もうさっさと離れろっ!」





朱蒼「…………」

春「…………」

月夜 2010年07月09日 (金) 02時48分(16)
題名:新世界2(第六章)

――バシャバシャ。

月夜「それっ!」

艦隊「のわっ!?やったなこのやろ!」

白月「…………」

――バシャバシャ。

月夜「うわっ!よ〜し、そっちがその気なら……そいやっ!」

艦隊「おっと!そんな簡単にやられてたまるかい!そりゃあっ!」

白月「…………」

――バシャバシャ。バシャバシャ。

月夜「えいっ!せいやっ!」

艦隊「そりゃっ!おりゃっ!」

――バシャバシャ。バシャバシャ。バシャバシャ。

白月「…………」

――バシャバシャ。バシャバシャ。バシャバシャ。バシャバシャ。バシャバシャ…………。

白月「……っいい加減になさい!!」

月夜&艦隊『!!?』

白月「あなた方は、一体何をしてるんですか!」

月夜「何をって……水遊び」

白月「んなこた見れば分かります!私が聞いてるのは、何故そんなことをしているのかということです!」

月夜「何でって言われても……ねぇ?」

艦隊「……なぁ?」

白月「あなた方という人は……自分達に課せられた役割というものを、まるっきり理解してないようですね」

月夜「いや、理解はしてるけど……ねぇ?」

艦隊「あぁ……素手で泳いでる魚を捕まえるなんて、そんな簡単に出来ることじゃないぜ?」

白月「だからって、諦めるのが早すぎます!もっと頭を使いなさい!」

月夜「むぅ……そうだ!木の枝を尖らせて、それを銛代わりに……」

白月「しようとして森に入り、適当な小枝を探している内に、虫やら木登りやらに夢中になって、果てには木から落ちかけたのはどこの誰でしたっけ?」

月夜「う……な、なら、二人で魚を挟み撃ちにして、徐々に距離を詰めていけば……」

白月「で、追い詰めた途端、その獲物にあっさりと股下を抜けられて、無様に転倒したのは誰だったかしら?」

月夜「うぅ……だ、だったら、どう足掻いても逃げられないように、そこらへんの石とかで堤防を作ったら……」

白月「で、その堤防が不完全で、隙間から悠々と逃げていった魚を追いかけて、堤防に足を引っかけたのは、どこのおバカさんだったかしらね〜」

月夜「……あぅ」

白月「まったく……呆れてものも言えないわ」

艦隊「そうまで言うんなら、白月も手伝ってくれよ」

月夜「そうよそうよ。白月だけそんなとこでのんびりしてるのは、ズルイと思うな〜」

月夜 2010年07月09日 (金) 02時48分(17)
題名:新世界2(第七章)

白月「イヤよ。私、水に濡れるの嫌いだから。それに、あなた達だってさっきまでずっと遊んでたじゃない」

艦隊「そりゃあ……まぁ、そうだけど……」

月夜「なんなら、白月も一緒に遊ぶ?」

白月「水に濡れるのは嫌いってさっき言ったでしょう……ホント、救いようのないバカね」

月夜「あぁ〜っ!またバカって言った〜!」

白月「バカにバカと言っただけよ」

月夜「今度は2回も言った〜!だったら、私は3回言ってやるもん!バカバカバカ〜っ!!」

マヤ「なんだなんだ、えらく賑やかだな」

メカ「また例にもよって例の如くか?」

春紫苑「……騒がしい奴らだ。森の中にまで響いてくる」

月夜「あ、皆お帰り〜」

艦隊「お帰り〜」

白月「皆さん、このアホな娘を何とかしてやってください。もう私の手には負えません」

マヤ「ん?なんだお前ら、まだ魚一匹も捕れてないじゃないか」

艦隊「そんなこと言ったってよ〜、魚って結構素早いぜ?銛みたいな道具もないし、そうそう簡単には捕まえられないだろ」

月夜「二人で挟み撃ちにしたり、小石を集めて小さな堤防作ったりとかしてみたんだけど、なかなかね〜」

マヤ「はははっ、そうかそうか。そのやり方じゃあ捕まえられないだろうな。よし。それじゃあ、俺が直々に川魚の捕まえ方ってやつをレクチャーしてやるよ。あらよっと」

――バシャッ。

マヤ「魚を捕まえるのに、道具やらややこしい下準備やらは必要ないんだ。そうだな…………これくらいの石があれば十分だ」

月夜「石?」

艦隊「そんな手の平大程度の石一つで、一体どうするっていうんだ?」

マヤ「いいか。これは魚の性質だが、奴らは暗くて静かな場所を好む。例えばこんな岩の陰なんかをな。そこで、手に持ったこの石で――」

――ブン。

マヤ「――思いっきり叩く!」

――ガン!

マヤ「すると、その大きな音に魚は一瞬気を失って浮いてくる。その無防備なとこを……」

――バシャッ!

マヤ「こうやって捕まえるんだ」

月夜&艦隊『おぉーっ!』

マヤ「お前らもやってみな」

艦隊「ぃよっしゃ〜!やったるで〜!」

月夜「よ〜し、私だって!あ、春ちゃんもこっちおいでよ〜!」

春紫苑「面倒だからいい」

月夜「そんなこと言わないでさ。ほら!」

春紫苑「引っ張るな!僕まで巻き込むんじゃない!」

マヤ「そう言ってやるな。人手が欲しいし、月夜がそんなに誘ってくれてるんだ」

月夜「そうそう。女の子に恥をかかせちゃダメだよ?」

春紫苑「面倒だと言っているだろう!僕は、そんなくだらない作業は御免だ」

月夜「…………」

春紫苑「う……だが、まぁ、少しなら付き合ってやってもいい」

月夜「やたっ♪」

艦隊「相っ変わらず素直じゃない奴」

春紫苑「……何か言ったか?」

艦隊「いんや、別に」

月夜「よ〜しっ!留守番してくれてる春さん達の為にも、沢山捕って帰ろーっ!」

艦隊「お〜っ!」

月夜「あれ?二人はやらないの」

白月「水に濡れるのは嫌いだって、さっきから言ってるでしょう」

メカ「俺も、こう見えて一応機械だからな。錆びると困るから遠慮しておく」

月夜「そっか。じゃあ、二人の分も頑張って、私がこの4人の中で一番捕っちゃうよ〜!」

艦隊「ふっふっふ……そういうセリフは、このワイを超えてからにしてもらいまひょか」

月夜「お、勝負する?」

艦隊「望むところや!賭けるモンは?」

月夜「そうねぇ……あ、こんなのはどうかな?」

艦隊「なになに……」

――ヒソヒソ。

艦隊「ふむふむ……」

月夜 2010年07月09日 (金) 02時49分(18)
題名:新世界2(第八章)

――ヒソヒソ。

艦隊「……おもろそうやな」

月夜「……でしょ?」

艦隊「…………」

月夜「…………」

春紫苑「…………ん?」

月夜「さ、そうと決まれば、試合開始ぃ〜!」

艦隊「負けへんで〜!」

月夜「こっちだって!」

春紫苑《……何だ?》









メカ「随分と楽しそうだったじゃないか」

白月「え?」

メカ「俺達が来るまでの、お前と月夜の話だよ」

白月「なっ!楽しいはずがないでしょう!」

メカ「そうか?月夜と口喧嘩してる時は、いつもより生き生きとしてるように見えるぞ。お前」

白月「何を言うんですか!あんなバカ娘の相手なんて、疲れるだけです!」

メカ「ははっ。酷い言われようだな」

白月「…………」

メカ「…………」

月夜「よ〜し!また捕まえたっ!」

艦隊「なかなかやるやないか。ワイも負けてられへんな〜!」

月夜「ぬっふっふ……かかってらっしゃい!」

白月「…………ふふっ」

メカ「……今の顔だ」

白月「え?」

メカ「お前は、月夜を見ている時、たまにすごく良い顔をする」

白月「なっ……そんなはず……」

メカ「なら、自分で気が付いていないだけだな。上っ面だけの笑顔じゃない、心からの慈愛に満ちた優しい笑顔だ」

白月「ち、違います!あれは、単にあの女のバカっぷりに呆れて……」

メカ「なら、お前はあいつのことが嫌いなのか?」

白月「そ、それは……」

メカ「俺は機械だ。いくら精巧であっても、人の手によって造られた存在に他ならない……だから、時々不安になるんだ」

白月「不安?」

メカ「あぁ……AIを搭載され、人間の感情を手に入れた……とされているが、俺自身が人でない以上、それが本当に人の感情なのかどうか、確証が持てないんだ」

白月「…………」

メカ「だが、その点お前は紛れもない人間だ。今、胸に抱いている感情が、本物であるという保証がある。その気持ちに、少しは素直になってみたらどうだ?」

白月《私の……気持ち……》

白月「……わ、私は……」

――バシャアッ!

白月「…………」

月夜「…………」

メカ「…………」

艦隊「…………」

春紫苑「…………」

月夜「…………あ」

白月「…………あ?」

月夜「あ、え、えと、あの、その……」

白月「……こんのバカ娘がぁっ!」

月夜「うわあぁっ!?ご、ごめん!ごめんなさ〜い!」

白月「今度という今度はもう許しません!」

月夜「ごめんって言ってるじゃない!許してよ〜!」

白月「何でもごめんで済むなら警察は要りません!さぁ、さっさとそこに直りなさい!」

メカ「……ふっ」

月夜 2010年07月09日 (金) 02時50分(19)
題名:新世界2(第九章)

春「さて……と。俺の言いたいこと、分かってるな」

朱蒼「…………」

春「さっき、一体何があった?」

朱蒼「べ、別に何も……」

春「……鏡架に首でも絞められたか?」

朱蒼「なっ!?ど、どうして……」

春「他の奴らは気付いてなかったようだが、お前の首には絞められた痕があった。よほどの力で絞めつけられたのか、かなりはっきりとな」

朱蒼「…………」

春「さぁ、何があったか話してみろ」

朱蒼「…………」

春「……例えばだ」

朱蒼「……え?」

春「今、この世界にお前と鏡架しかいなかったとすれば、誰もお前を問い詰めたりはしない……だが、現実はそうじゃない」

朱蒼「…………」

春「もし……もしもだ。お前がいまだんまりを決め込んだせいで、鏡架が誰かを殺めてしまったらどうする?」

朱蒼「っ!!?」

春「殺された奴だけじゃない。他人を殺めてしまった鏡架に対しても、お前はどうして顔向けが出来る?」

朱蒼「そ、それは……」

春「知っていることを話せ。これは頼みじゃない。命令だ」

朱蒼「…………月です」

春「……何?」

朱蒼「あの紅い月のことですよ。あれを見ながら彼女、キレイって呟いてたんです」

春「キレイか……俺の目には酷く不吉に見えたが、万人が皆同じ感想を抱く訳もない。その凄艶な美しさに彼女が見惚れていたとしても、別に不思議はないだろう」

朱蒼「そんなことじゃないんです。こちらを振り返った彼女の瞳、紅かったんですよ」

春「眼が……?」

朱蒼「えぇ。ちょうどあの時の月のような、鮮やかな真紅です」

春「バカな……人間の眼の色が、そんな一瞬で変わるなどと…………寝不足などで充血した瞳を、紅くなったと見間違えたのではないか?」

朱蒼「春さん。私は病院で看護婦長を務めているんですよ?そんな間違いをするはずがありません」

春「……失礼。愚問だったな。……そうか、眼が紅くか……その後は?」

朱蒼「その後は……私に近づいて首を絞めてきて……その後、急に倒れたんです」

春「そうか……他に何か変わったことは?」

朱蒼「変わったことですか?……そう言えば、何だか口調がいつもの彼女らしくありませんでしたね」

春「と言うと?」

朱蒼「何と言うか……子供っぽい印象を受けました」

春「子供っぽい?」

朱蒼「はい。無邪気な子供のようなしゃべり方でした」

春「なるほど……益々危険だな」

朱蒼「え?それってどういう……?」

春「これは、とある科学者からの引用だが、人間という存在は、生まれつき本能の中のあるネジが、一本ぶっとんでいるらしい」

朱蒼「本能の……ネジ?」

春「あぁ。それは、同族に対する殺傷抑制力という名のネジだ。これが抜け落ちているから、人は人同士で殺し合うんだ。よく考えてもみろ。生物界では通常タブーとされている同族殺しを、人間は平気でやってのけている。ネジがぶっとんでる何よりの証拠だろう。更に付け加えるなら、殺しという行為そのものに快楽を覚えるのも人間だけだ。他の動物の場合、殺しは何かを得るための手段でしかない。それは食料であったり、安全であったりと様々だ。何の目的もないまま、ただ殺すことにのみ愉しみを見出す。そう考えれば、人間というのは自然界で最低の生き物なのかもしれないな」

朱蒼「……そうかもしれませんね……ですが、それと鏡架さんが危険であることに何の関係が?」

月夜 2010年07月09日 (金) 02時53分(20)
題名:新世界2(第十章)

春「人間と動物の最大の違いは、理性というものの存在だ。人は理性をもつから、本能に基づく欲求を抑えることが出来る。たまに犬やイルカのような頭の良い動物にも理性はあるんじゃないかという話を聞くが、それはとんだ大間違いだ。犬が目の前に餌を置かれて我慢出来るのは、飼い主の指示に逆らえばその後に仕置きがくると分かっているから。そして、イルカが芸を覚えるのは、そうすれば餌を与えられるということを記憶するから。まぁ、どちらも根底まで突き詰めれば、生存本能の一種ということだ。話を戻すと、人は理性があるからこそ目の前の欲求を堪えることができる。だが、人は生まれた瞬間から理性を得る訳じゃない。成長していくその課程で、身に付けていくのだ。つまり、理性というものは幼い人間ほど弱い」

朱蒼「……あ」

春「もう分かったか?……つまり、幼児逆行化の進んだ彼女は理性が弱く、束縛される力のない本能は、押さえ付けられることなくその欲求を露わにするだろう。そこに、他者の殺害に対する躊躇いなどは存在しない」

朱蒼「そ、そんな……」

春「……だが、それはまだ決定事項じゃない」

朱蒼「……え?」

春「鏡架がおかしくなった理由が、本当にあの月を見たという事象のみならば話は早い。紅い月を見せなければ良いだけだ」

朱蒼「なるほど……ですが……」

春「分かっている。あの月が要因だという証拠はどこにもない。もしかすると、あの形状や色彩がファクターなのかもしれないし、この世界の植生や大気組成に問題があるのかもしれないんだ」

朱蒼「もし、後者が原因だとしたら、彼女を救う方法は……」

春「……無いだろうな」

朱蒼「…………」

鏡架「……う……ん……」

朱蒼「……この娘は……」

春「……ん?」

朱蒼「この娘は、とっても優しい娘です。見てくださいよ、この無邪気な寝顔。こんな虫も殺せないような彼女が、人を殺すなんてこと、出来るはずありません……そう、出来るはずが……」

春「…………」

艦隊「へっへ〜、大漁大漁♪」

月夜「大漁はいいけど、賭けは私の勝ちってこと、覚えといてよね」

白月「何威張ってんのよ。マヤさんが来てくれるまで、一匹も捕まえられなかったくせに」

春「……戻ってきたみたいだな」

朱蒼「……えぇ」

春「……今の話だが」

朱蒼「誰にも話すなってことですよね?分かってます」

春「無意味な混乱や疑心暗鬼は極力避けたいからな。あいつらのためにも、彼女のためにもだ」

朱蒼「……そうですね」

鏡架「…………」

月夜「みんな〜!お魚捕ってきたよ〜!」

春「えらく大量に捕ってきたんだな」

白月「そこのバカ2人が無駄に勝負なんかしたものでしてね。こんなに食べきれる訳ありませんのに」

メカ「そんなことより、鏡架の様子はどうだ?」

春「未だ眠ったままだ」

マヤ「心配だな……本当に大丈夫なのか?」

春紫苑「外傷はなく、普通に呼吸もしているんだろう?なら何も心配はいらない」

月夜「それじゃあ、鏡架さんが目を覚ますまでに、食事の準備しちゃおうよ」

艦隊「そうだな。昨日から何も食べてなくて、俺ぁもう空腹の限界だ」

春「なら、皆で手を合わせてちゃちゃっと準備してしまうか」

一同『は〜い』





朱蒼「貴女は優しい娘……そうだよね?」

鏡架「…………」

朱蒼「…………」

月夜 2010年07月09日 (金) 02時54分(21)
題名:新世界2(あとがき)












ウボァ――――(゜Д゜)――――!!


先月末からの風邪が一向に治りませぬ(´・ω・`)

何故だ……この2週間少しで、改源を軽く20袋はいったというのに、快方の気配すら見せないのは何故だ!?

そりゃ確かに、帰り道、折りたたみ傘が突然の強風によってお逝きになられ、多少の雨風に打たれたり?

新歓コンパにてぶっ潰され、気が付いたら布団も被らず床の上に倒れてたり?

38度近くありながらも、単位のために無茶して大学特攻して、授業中全爆睡してたりしましたよ。

だからって、この仕打ちはあんまりでしょう。

このまま、一生この体調不良が治らず、悪化して命を落とすなんて最期、私は求めていないのに……(´;ω;`)

ホットコーヒーを買おうとして自販機の前に立ち、お金を入れてボタンをプッシュ。

しかし出てきたのは、何故か激クールなドデカミン













「お前じゃNEEEEE――!!」




などと叫んでられる内は、杞憂に過ぎないんでしょうけどね(・∀・)



さてと、それでは本題に映るとしますか。

常連さんが登場人物となる小説、新世界の続編、如何でしたでしょうか?

会話文と擬音語のみでその場の情景を表さねばならないため、皆さんにちゃんと伝わってるかどうか若干不安だったり( ̄▽ ̄;)

内容的には、シリアスなシーンの中にも軽い笑いの要素を盛り込みつつ、次への展開もちゃんと出来たので、私自身はまぁまぁの仕上がりになったかなと思ってます。

新しくキャラを追加するかどうかについては、多少迷ったものの、まだ今のままということになりました。

乱入したかった方々申し訳ない……(´・ω・`)

ですが、次章では新しくキャラを追加投入する予定です。

具体的に誰を入れるかは、まだ決まっていませんが。

もし、あんな意味不明な設定の世界にて、性格改変した自分を登場させたいという物好きな方がおられましたら、ご連絡くださいませ(爆)(ノ∀`)ノ

さてさて、それでは今回もこの辺りで終焉と致しましょうか。

この作品についての感想、アドバイス、キャラ設定への批判(泣)等々ございましたら、下の「小説感想アンケート板」または「小説感想掲示板」、「月夜に吠えろ」の方へじゃんじゃんカキコしてくださいましね〜。

ではでは、皆さんまた会う時まで、ごきげんよう。

ここまでは、管理人兼素人小説家の月夜が、を込めてお送りいたしました(笑)

月夜 2010年07月09日 (金) 02時55分(22)


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