name:団鬼緑
Date:2011年09月19日 (月) 23時10分 No.41
「荒縄アンダーザブリッジ」の感想はこあら
例によって鬼緑先生はオンライン環境をお持ちでないので、不肖茶林がコメント等させていただく所存び。よろしくお願いします。
name:招夏
Date:2011年09月20日 (火) 16時53分 No.59
不粋な質問なのかもしれませんが…
拝読致しました。
耽美的に仕上げられた作品。
不粋な質問なのかもしれませんが、この人はいつ死んだんでしょうか。法によって裁かれたってことなんですかね? それだけが少々腑に落ちなくて、差支えなければ教えてもらいたいなぁと思います。
罪人以外の人を縄で縛って、相手の自由を奪う、拘束する、優位な立場に立つ、という時の心理状況は、その核に独占欲があると思うのですが…、そうだとしたら、この父親は本当の父親ではないのでは…などと思ったり…。まぁ、ただ単にビジュアル的に好きってのもあるのかなぁ。
まぁ、瑣末なことなので聞き流してください。
興味深く読ませていただきました〜
差し支えない範囲で回答するぜ!
まずは感想一番乗りありがとうございます!
鬼緑先生の常でいつものごとくダブルミーニングトリプルミーニングの塊なのでありますが、表層のストーリー運びに対する部分でいくつか、興を削ぐやもしれませんが回答しておきます。
まず父親に対するアレですが、ヤリ逃げです。もちろん逮捕も露見もしておりません。
鬼緑先生が描かれるのは、いつも世の中の法やら道徳やら、そういったものを重要視しない「無頼の世界」であり、根本にあるのは「どうすれば生き延びることができるか」という思考であります。そのあたりをくみ取ったうえで読んでいただければ、また新たな発見などあるやもしれません。
ちょっと真面目に語ってみたぜ!
女、三界に安寧の地なし なのか!
幻想的でよかったです。
縄は、いろいろに使えますね。縛ったり、縛ったり縛ったり。
幼き日は父に縛られ、長じては職場の上司に縛られ…… 女、三界に安寧の場所はないのでしょうか。 クスン。
個人的には、[わたくし] が縄をかけられていくところ、もっとじっくりと描いていいように思いました。 縄の結び目がひとつ増え、少しずつ身体が縛められていくごとに動きが封じられていく。 そのほうが
>生まれに縛られ、父に縛られ、法律に縛られ、金に縛られ、街に縛られ。
……がいきるように感じました。(あくまで個人的な感想ですよ…… )
最後に、自分を縛った父、投げ捨てたはずの父の元に、[もうすぐ参ります] と、回帰しようとするせりふが哀れでグっときました。
name:ナノハ
Date:2011年09月20日 (火) 23時43分 No.71
堪能させていただきました
「荒縄アンダーザブリッジ」拝読しました。
鬼緑先生が描く女性、非常に好みです。美しく妖艶で、それでいて自分の魅力にあまり気づいていない慎ましさ、というのでしょうか。大人しそうで遠慮がちに見えても心の中は葛藤が渦巻いているそんな女性、素敵ですね。
縛られているだけで何をされたというのでもないのに、非常に艶めいていて、この男に全てを持っていかれてしまったような感覚へ陥りますね。男の囁きが嫌なのに、そこで気づかされてしまった自分の本当の姿。いやいやと言いつつ沁みついてしまった体の痛みから、蘇るもう一人の自分。
この女性の言葉ひとつひとつにハッとさせられました。
またまた、すごい、悔しい、こんなふうに書けたら!きーってなりましたよー。
タイトルだけまんまで、登場人物は違ったのでホッとしました(笑)
ゾンビじゃなくて耽美
ナノハさんのコメを読み、タイトルに「荒川〜」という元ネタがあるのだと初めて知りました。鬼緑先生は、マンガにも造詣が深いのですねー。
自分を殺して生活している主人公が、あれほど憎んでいた緊縛によって生を呼び覚まされる業の深さが哀切です。まさに父親の呪縛に最後まで人生を支配されていたのでしょう。
町の開発の歴史を書いたことで、情景に奥行きが出たように思います。昭和のエロスの香り漂うお話を堪能させていただきました。
R指定は要らないの?
ごきげんよう、三里です。
鬼緑先生のご降臨、大変嬉しく存じます。
期待に違わぬエロスと生きることへの切実さが描かれておりました。
まさに渾身の作品だとお見受けいたしました。
彼女の被虐嗜好は、もう川と同じく今にも溢れそうになってしまったのですね。
そして、水に沈んで彼女は安らぎを得ることでしょう。そうあって欲しい。
生ける屍とは良く言ったものです。
name:モギイ
Date:2011年09月22日 (木) 06時46分 No.93
タイトルに救われてるのか?
こあらが見つからないのでこちらに書きましたよ。
うわあ、肉体は生きているというのに縛られることでしか生を感じられないなんて、ゾンビになっちゃうよりもはるかに恐ろしいことかもしれません。
橋の下に沈んで腐敗してるであろう父親も、きっと彼女が自分の元に戻ってくるのを知って死んでいった気がする。なんと胸糞の悪い父親でありましょうか。娘に対する執着が殺しても死なないゾンビのようにがんじがらめに彼女を縛りつづけていたのですね。
幻想的でありながらも妙にリアル。そして乳が出てこないのにエロイ。鬼緑先生、お見事です。
それにしてもひたすら悲しいお話でした。ゾンビとして復活したこの女性が、世の変態男どもを亀甲縛りにして埠頭から投げ捨てて歩く続編を希望します。
死を認識しない事
自分の死を認識していない幽霊という設定は古今の怪奇話にありますが、それをここまでエロっぽく幻想的に仕上げた作品は僕も知りません。
それにしても、縛るという言葉を縦横につかっている所なんか、さすが、第2回犬祭り以来の上手さだと思います。ただ、そのような名人芸を「ちち」ということばで発揮されているのを見た事が無いのが不思議で、次回はそれを期待したいおります。
name:楠沢
Date:2011年10月09日 (日) 20時36分 No.153
拝読いたしました
こんにちは。作品を拝読させていただきました。
せっかくの企画なので各項目ごとに感想を述べていきたいと思います。
☆はホラー度に合わせて0−5までの六段階。
今後投票やらなんやらあるそうなので自分メモ的に☆づけさせていただいています。項目は作品とそのときの気分で変えていますので、☆の数はあまり気にしないでいただけると嬉しいです。
<ホラー度 ☆>
父さんがすべてを見透かしていたのではないかと感じまして、そんな怖さに☆1個。
<艶やか度 ☆☆☆☆☆>
わたくしの語り口調とか文体一つ一つに単なるエロスではなく艶っぽさを感じました。
<タイトル度 ☆>
ここだけ元ネタをいかにいじるか的な博士もとい鬼緑先生のいつもの突っ走りになってしまって残念。
内容からしてどう見ても「アンダーザブリッジ」は妙。
<総評>
川に橋が架かる様子からして縛られている感がありーの増水する川の描写ありーのでぞくりとしました。
わたくしが自分の本質に気づくところがうまいです。そして、父親の呪縛に気づくことなく逝ってしまった?わたくしが悲しい物語でございました。
そういえば、語り口調がワタクシと似ておりますね。おほほほほ。
なるほど。
>楠沢さん
> そういえば、語り口調がワタクシと似ておりますね。おほほほほ。
なるほど、主人公は楠沢さんだったわけですね!(違
name:楠沢
Date:2011年10月10日 (月) 00時21分 No.163
一言だけ追加
>三里お嬢様
ち が い ま す !
すごく……伸びてます……
皆さまお読みいただきありがとうございます。鬼緑先生に代わりましてお礼いたします。
今回ぼかしてはいるもののかなりガチな内容でありましたので受け入れられるかどうか腐安であったのですが、大胸好評のようで胸をなで回しております。
昔日のにっかつロマンをイメージしつつ書かせていただきました。主演岩下志麻とかそんな感じで読んでいただけますといいんじゃないかと思います。……と申しておりました。
招夏さん、感想サンクス。
当然ながら妙齢の女性の方が裏窓やら奇譚クラブやらにっかつロマンやらに触れる機会は一生のうちにそうないと思われますので、いわゆる「新たな世界との邂逅」であったのではないかと、感想を読みながら思いました。きっとそこは、今まで培った価値観などが通用しない閉じられた世界であったりなんかもするはずです。
今回、そういう世界の一端をご紹介できればいいなあ、というもくろみも、書き手の側にはありました。そういう意味では大成功といっていいでしょう! 読んでいただき本当に感謝!
梅(b^▽^)bさん、感想サンクス。
救いのない話を。ゾンビ祭りなのでそういうのも許されるだろうと思い、ひたすら徹してみました。ただその中にも生きることへの賛歌といったものを密やかに込めたつもりではあります。
少々専門的な話になりますが、縄で吊る際には肉体に強く縄を打たないのが常道となっております。吊るす際に荷重がかかって、その勢いで緩く縛っていた縄が強く肉に食い込み、女体に負担を強いない程よい美を形成するわけですね。
何を語っているんだ私は。
ナノハさん、感想サンクス!
きっとナノハさんは鬼緑先生の一番のファンなのではないかと思います。いつも感謝しています、と鬼緑先生が申しておりました。
書いているのが男なので深淵まで知る由がないのですが、おそらく女性が読むことで感じられることが数多くあるのだろうなあ、といつも思います。
BUTAPENNさん、感想サンクス。
どのジャンルにも触手を伸ばすのが茶林クオリティです。いつもどおりです。
今回「根を張る」というのが裏テーマの一つでもありましたので、町を描くことは大変に重要でした。BUTAPENNさんに加えて楠沢さんの指摘が鋭いところ突いてるなあ、という思いで読ませていただきました。
三里アキラさん、ごきげんよう。小説に18禁などないっ!
別のところでも書きましたが、生きているのに死んでいる、がこちら鬼緑先生の作品でもテーマとなっております。それに滅びの美、緊縛の美を絡み合わせて出来上がりました。ご賞味いただけてよかった。
一度切ります。
つづき
続きますよ。
モギイさん、感想サンクス。
乳に頼らずともエロスを醸しだせるんだといういい見本でしたね! 乳のことばっかり書いているどっかの誰かさんにも見習ってほしいですよね! 俺だ! そして
>ゾンビとして復活したこの女性が、世の変態男どもを亀甲縛りにして埠頭から投げ捨てて歩く
ちょっと面白そうじゃないか!
天然記念狼さん、感想サンクス。
むしろ鬼緑先生の場合は乳の威力を借りていないことを評価していただきたい! 肉体ではなく心を縛ってこそ真の緊縛師だと鬼緑先生が言っておられました。
楠沢さん、感想サンクス! ……これ、楠沢おねいさんだったの?
butapennさんの指摘しておられましたが、町の移ろい、橋の移ろいこそが縛られるものの根幹をなしているわけです。そしてその橋の下で物理的に縛られる。これをアンダーザブリッジといわずして何と言おうか! とりあえずインパクト与えて読ませたもの勝ちとかそんなことは決して!
皆さま感想ありがとうございます。鬼緑先生ともども感謝!
耽美と無頼と後ろめたい哀しさと…
どうも、おじゃまします。
本家に迫る耽美的な世界。
そして、哀しさですね。
すごい迫りましたね。
岩井志麻子を思い出させる
一人語りの業の深さと言い
ハートの来ます。
以前、みちのく怪談で女の一人語りものを
かいたら、何故かふっとたオカマを想像して
しまうと某チャンネル掲示板に作品を評された
ことがありました。
化けの皮をはがれた狸の恥じらいを感じました。
その点、この作品は全くそんなことが無いので
いやあ、すごいです。
文芸的です
もはや谷崎純一郎を彷彿させます。
感服いたしました。
昔の河川伝いの町は、身分階級によって住むエリアがはっきりと分かれていて、僕の生まれた町も当時の名残が残っています。
城の周辺の武家屋敷から橋を渡って、商人の町があり、更に下流には赤線が並び…
その橋は有名なもので、人柱伝説も残っています。
身分差別になるので今となっては禁句なのでしょうが、歴史を知れば知る程、そこで何があったか、どれだけの弱者が世の無情と理不尽に泣いたのか。
そのような事を考えさせられました。
タイトルのパロディ性とは裏腹に、読み応えたっぷりなお噺でした。
マツコDX?
高柴三聞さん、感想サンクス!
岩井志麻子と来ましたか! それだけの悲哀とおどろおどろしさとエロスが出しきれていればいいのですが!
男性が女性を書くときには、気をつけねばなりませんよね。とくに男の理想とかを投影してしまうと、化けの皮が剥がれてしまうのかもしれません。つまりは常日頃よりの女体への研究が大事だということで(検閲削除
30-06さん、感想サンクス!
こっちは谷崎と来たか! 過分の褒めのお言葉ありがとうございます。
お話の下敷きにするにあたって昭和初期の雑誌等も資料として読み込んでいたのですが、もしかしたらH島S伯群あたりの話にも触れているやもしれません。物語として現実との距離感というのは大事で、寄りかかってはいけないが、現実から切断してしまってもまたいけない。そんな思いで書いていると鬼緑先生は仰っておられました。お読みいただきありがとうございます。
name:前条
Date:2011年10月30日 (日) 01時00分 No.288
身も蓋もない言い方をしてしまうと
調教済……ということでしょうか。
初めてではないだろうと指摘され、自失するところが、なんとも深い。
タイトルについては、
元ネタの作品を未読なので、内容面ではなんともいえないのですが、
全体に漂う雰囲気と、カタカナの題とが、ちょっと合わないかなという印象を受けました。
返信が遅くなりました
前条さん、お読みいただきありがとうございました。
まあ現在におきましては世の男性のほとんどは女性によって調教済だと以下略。
タイトルは知ってるか知ってないかで評価がわかれるっぽい感じですがまあだいたいいつもこんな感じですのでご勘弁ください。
安心の茶林印
読ませていただきました〜。
やっぱり、この女性もきょぬーだったということはさておき、何だかとっても悲しいお話でした。
底辺に育ち、最低の父親に育てられ、ゾンビのような生活の中で唯一、「生」を感じられるのが縛られることだなんて。
何だか死んでからも父親に縛られそうなラストが残酷だなあと。
それから意外と真面目だったなあと。
で、やっぱり、きょぬーだったなあと(結論はここです
こっちは鬼緑先生ですよ!
皆さまお読みいただき&感想をいただきありがとうございました。鬼緑先生に代わりましてお礼申し上げます。
正直なところ、もう少し票が集められる、と思っておりました。そう思うくらい、現在のところ鬼緑先生渾身の一作、といえる作品でありましょう。結果が発表された今も、その評価は変わりません。
お祭りが終わって、一ヶ月後。三カ月後。一年後。読まれた皆様の心の奥に、忘れうることなくゾンビのごとくに蠢いているのはどの作品か。それは、この作品ではないのか。大いなる悔しさと負け惜しみを込めて、ここと己の胸に刻んでおきます。
まあぷるさん、お読みいただきありがとうございます。
上の方でだいたい書いてしまったのですが、とにかく救いのない物語を綴ろう、と思ったのでした。その悲哀こそがゾンビ、ひいてはホラー文学の真骨頂でありましょう。
そして乳がむやみに気になるのはきっとコンプレックスの裏返s