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| 私は宮崎の祖父母の家にいた。 一人廊下に佇み、庭を眺めていた。 空は曇り薄暗かった。 そこへ警察が入ってきた。 「失礼します。一旦巻いてもよろしいですか?」 「何を巻くんですか?パスタですか?」 すると警察はビニールロープを出して、 「これで巻くのですが。」 私は何かを察して手首を差し出した。 そしたら案の定ロープでぐるぐる巻かれて連行された。 (やっぱりなんで?私が逮捕される?) 「え、どういうことすか?」 「昨日の○時どこにいたか?」 (普段は鹿児島に住んでますけど?じゃあいつからここにいるんや?) 「えー…わかりません。」 と現実ではありえない返答により、やはり怪しまれ、強引に連れて行かれた。 振り返ると祖父母が沈んだ顔で見送っていた。 「何にもない、大丈夫!必ずすぐ戻るから!」 珍しく大きい声をあげて、パトカーに乗り込み、助手席に座った。 運転席には山本耕史がいた。その出立ちはまるで『地面師たち』の青柳だった。 パトカーが走り出す中、私は文句を言った。 「私何にもしてないですけど、何で私なんですか?」 「うるさい!お前は...%$#÷/」 「いやほんとに」 「いい加減認めろ!」 「私は何の罪を犯したんですか?」 「殺人だよ、殺人!産経大で」 「え、殺人?それに産経大とか2回しか行ったことないし」 「2回も行けば充分じゃねえか」 「何で私が容疑者に選ばれたんだろうなー」 「選ばれるも何もお前がやったんだよ」 「もし本当に私がやってるならどんな罰でも受けますよ」 「あー俺だってお前じゃないってわかればどうとでもなってやるよ」 (運転下手くそ、ガードレール当たってんじゃん、私の取調べの前にこっちで捕まるよ) でもこれ以上言い争うのも嫌なので、ぐっと堪えて素直に従うことにした。とにかく全ての人に優しく、親切に。この日々の心構えを忘れてはいけない。 警察署に着き、取調べ室まで向かう途中、私は道ゆく人に丁寧に挨拶をした。行動で身の潔白を示すのだ。 待合室みたいな椅子に座り、看護師さんから採血をされた。そしてすぐに案内され、今度は美容室みたいな椅子に座り、フルフェイスのヘルメット装置を被った。なるほど、うそ発見装置みたいなやつか。 部屋には知らないご婦人がいた。「君の態度に感心されて、見にこられたそうだ。」と山本耕史は言った。 女性警官が色々質問するが、全然事件とは無関係なものだった。 「最近胃もたれは感じますか?」 「お前も酒呑みだから感じるだろー」 「そうですねー、たまに飲みすぎたときは抱腹感がありこの辺が苦しいです。それが胃もたれなんですかねー」 「ヘルメットを被って画面の文字見えてますか?」カラオケ画面みたいなのが映ってた。 「はい、鼻の頭が息で曇りますが、問題ないです」 「じゃあ問題です、このキャベツはどれくらいで育つでしょうか?」 「1時間くらいですか?」 「10分です!」 「10分!?」 「そんなわけないだろー、なあ?」なぜか山本耕史も私の横について参戦している。 「では、この大きさになるにはどれくらいかかるでしょうか?10秒単位で答えてください!」 「さっきの(7分の6)+(10分の1)のサイズなんですね!ということは、70分の67…あれ、あまり変わってないぞ?そもそも画像のキャベツは半分くらいなのに、どうしようんーと9分…30秒!」 「…正解です!」 「やるなあ!」 「やった!」 最初から本当にわけのわからない会話だったが、次第に山本耕史にも好感が芽生え、この空間が楽しくてもっと続いてほしかった。しかし、あいにくここで目覚めてしまった。 結局私は白だと証明できたのか、それとも冤罪で牢屋に入れられるのか、はたまた私の知らない私が本当に殺人を犯したのか真相はまだ眠っている。 |
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| [33]2025年03月02日 (日) 22時32分 |
