| [221] ’15.03.10 北関東プロレス マーリン・エンジェルvsキャティ・ローク 第3戦 |
- ブマイエ新聞 - 2015年05月04日 (月) 03時49分
大向峰子戦にて左肩を脱臼して、次のキャティ戦にて無念のギブアップ負けを喫したマーリン 療養のために帰国していたが、ついに帰ってきた。 そしてその標的は、もちろん宿敵キャティであった。
キャティは先日の香坂澪戦にて敗北したものの、そのことにより集中力も高くコンディションは抜群と見られていた。 対するマーリンは怪我明けであり、試合からも遠ざかっている。 ここはキャティ有利か?という下馬評が北関東のファンの大勢だった
そしていよいよ対決の日 リングで対峙すると二人はにこりともせず、非常に険しい表情となっていた。 今までに無いくらいの表情だ。
そしてゴングが鳴ると、二人は雄叫びを挙げながらロックアップしていく! 全身の筋肉を使い、一歩も引かない両者。押し引きが繰り返されて結果、リングの中央から動かない ロップアップだけで会場はどよめいていた。
しかし一転、キャティが自ら引きながらマットに倒れ、モンキーフリップでマーリンを投げ飛ばす ここらへんはやはり実践感覚に勝るキャティのほうが上のようだった 投げ飛ばすとキャティは素早く立ち上がりアームホイップ2連発から首四の字でマーリンを固める やはり、という雰囲気が会場から流れる
しかしマーリンも脚をばたつかせてから、徐々に身体をひっくり返して、そこから倒立。 数回繰り返して、すぽっとキャティの脚から頭を抜くとキャティの脚をクロスしてリバースのインディアンデスロック! 何回か倒れこみ脚を責めてから、見事なブリッジで鎌がために。今度はキャティが苦しげな表情をしていく
なんとか耐えたキャティ、リリースするマーリンだがすかさずフェイスロックに。 苦しみながらもロープに逃げるキャティ。息詰まるグランドの攻防に息を吐き出す観客たち。
再びスタンディングの攻防となり一気にキックで責め立てるマーリン 短期決戦を狙っているのかもしれなかった。 しかし、キックをじっと耐えていたキャティは反撃にいきなり掌打をマーリンの顎にヒットさせる ふらつくキャティに至近距離でのドロップキック!! 勢いに場外に落ちるマーリン。キャティはダメージをこらえながら走りこんで三角飛びケブラーダで場外に!!
両雄がマットに崩れ落ちるが、もちろんマーリンのほうがダメージは深い 先に上がったキャティはすっとあがって、ようやく少し余裕が出たのか観客にアピールする 苦々しげな顔でロープに上がってくるマーリンをキャティはロープ越しのブレーンバスターに捉えるが・・・ 垂直に持ち上げられたマーリンはくるりと回転してキャティの背後に回ってバックをとる。 しかし、キャティは素早くバックを取り返すと高速バックドロップ! と投げられたマーリンがそのまますくっと起き上がり、立ち上がってきたキャティにお返しの高角度バックドロップ!!
完全に不意を付かれたキャティは大ダメージだが、マーリンも崩れ落ちる ダブルノックダウンでカウントが数えられるが8で両者立ち上がる。 雄叫びを上げると少しふらつきながらマーリンがエルボー! キャティは頭を大きく揺らすが、雄叫びをあげ返してエルボーを打ち返す 何発もエルボの応酬が続くが、キャティが振りかぶったところでマーリンが顔面にヘッドバッド!!
大きくぐらつくキャティを捕まえると、キャティの得意技のブラディサンディーを仕掛ける 大きな音を立ててマットに沈む。マーリンは上にかぶさりカウントが数えられるが・・・カウント2.8で返す ならばとマーリンはバックに回ってタイガースープレックスにいこうとするが、腕を払うとオーバーヘッドキック!
キャティは立ち上がるとさらにスピンキックで側頭部を打ちぬく!マーリンはゆっくりと横に倒れていく キャティも息が荒かったが倒れたマーリンの腕をとると得意のカンパーナに! 叫びをあげるマーリン。雄叫びをあげるキャティ。 しかし、ここでマーリンは必死に首を上下に振る! もちろんキャティは簡単に離すはずがないが、諦めずに振り続けるとついに滑ってキャティを離してしまう
強引な外し方だったが、なんとか外したマーリン ならばと脚をつかもうとするが、今度は下からマーリンがスピンキックでキャティの顔面を打ち抜き、起き上がるとDDTでマットに突き刺す まさに一進一退の攻防に湧き上がる観客たち そして大技を出すためにトップロープに登るマーリン。立ち上がり、腕を横に広げるが、 キャティがここで覚醒すると下から駆け上がりボディに強烈なパンチを放つ
がくっと腰が落ちるマーリン。キャティは前からロープに登ると、マーリンの頭を抱えて雪崩式のフランケンシュタイナーを狙いにいく。 いった!と思われた瞬間・・・キャティの身体は両足をマーリンの頭にかけたまま、空中で止まる。
なんとマーリンがロープを掴んでフランケンシュタイナーを止めていたのだ。 さらにキャティの両足を肩越しに抱えると・・・今度は自分の両足をキャティの腕の前に持ってくる。 観客たちがざわめきだつ・・・そして、マーリンは飛び上がり雪崩式のスタイルズクラッシュ!
ものすごい音が日々、観客席は騒然となる。放ったマーリンにも相当な衝撃があただろう、しかしマーリンはそのまま立ち上がると… キャティの両腕を脚でフックしたまま、キャティの両足を抱えるマーリンロックT! 雪崩式スタイルズクラッシュでグロッキーのキャティにがっちりと決まる。 キャティの苦痛に満ちた絶叫が響き、腰と膝を破壊するように。
じっくりと抱え込みを続けてキャティの動きを封じると、マーリンロックUに移行 足首をつかまれ捻られていくと、さらなるキャティの絶叫が聞こえる。
香坂澪戦でその威力を思い知らされている観客たちは、叫び、キャティにギブアップを懇願する。 「あああっーーー!!、ぜ、絶対ギブアップなんて・・・こ、このまま折りなさい!」 悲痛なキャティの叫びと決意。マーリンは緩めること無く絞り上げていくが、不意にマーリンの表情に影が走る・・・
「…して・・・お願い・・・レイラ・・・」 「!・・・・」 なにか虚ろな目をしてつぶやくマーリン。そしてそのつぶやきに痛みも忘れて反応するキャティ
そして二人の間の一瞬の静寂の後、ぱんぱんぱんと静かにキャティがマットを叩いた けたたましくゴングが鳴らされて、レフリーにより技が離される。 マーリンもキャティも放心した状態だった。 やがてマーリンが立つとマットに突っ伏しているキャティを見下ろす。顔だけを上げたキャティが語りかける。
「貴女の勝ちですね…気分はどう?」 「・・・・ありがとう・・・・してくれて・・・」 「・・・・そう・・・・私も、ようやく・・・貴女への拘りを消すことが出来ました」 「私は・・・貴女と・・・・」 「いいんです。元々、レイラは恨んでいません。私だけが・・・・」
言葉をかわすとマーリンは手を貸してキャティを抱き起こす。 そしてぽんぽんと軽く肩を叩くと、勝利の名乗りを上げること無く、さっとリングを降りて去っていく。 キャティはそれを見送り、四方に礼をすると痛む脚を引きずりながら花道を戻っていく。 どちらへの選手でもない、拍手が鳴り響いてなかなか止まなかった。
翌日、マーリンは元々ワンマッチだったらしく帰国を発表。 キャティも大向峰子との一戦を最後にシリーズを休場することが発表された。

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