| [242] ’15.06.18 大向峰子 はじめての(DWFへの)おつかい |
- ブマイエ新聞 - 2015年06月19日 (金) 21時29分
大向峰子 > (初夏だが日差しの強い日。駅から住宅街の道を長身の女が、 大きな白いキャンバス地のトートバックを抱えて歩いている。なにかへとへとな様子で足取りも重かった)はぁ・・・・はぁ・・・・おかしいなあ (女は手描きの地図を見ながら途方に暮れていた)
香坂澪 > 「・・・?あの後ろ姿は・・・峰子さん?一体どうしたのかしら?」 日差しの強い中、スポーティーな格好でロードサイクルにまたがった澪が道路の先で途方に暮れている様子の峰子を見つけて困惑した声を漏らす。 「え・・・と、どうしたんですか?」 少し迷うが、峰子に近づいて声をかける澪。
大向峰子 > えっ?・・・(後ろから自分を呼ぶ声が。こんなところでファンが?と思いきや、それは自転車にまたがった香坂澪だった) ああ~~~、澪さーん!!(泣き出しそうな表情で澪のほうに近寄る峰子) 実は・・・・DWFさんにイベントの打ち合わせできたんですが・・・道に迷ってしまって・・・お願いです! 私を事務局まで連れて行ってください!(すがるように澪の手を両手で握る峰子。普段の峰子のかけらもなかった)
赤城さんに地図を書いてもらったんですが、さっぱり分からなくて・・・・ (地図を見せると、駅からDWFの建物までの道が分かりやすく、明瞭に書かれていた。 どこを間違えばこんなところまでくるかわからないぐらい。少なくても赤城の悪さとかではないようだ)
香坂澪 > 「・・・・・・・・・・・・え〜っと・・・・・・一つ、お聞きしますけど・・・・・・方向音痴?」 さすがに駅を挟んでDWF事務局と反対側の方向に迷い込んだ峰子の方向音痴にぽつりとつぶやく澪。 今日はオフであるためにロードサイクルで一日走ろうと思っていたところだが、 このまま峰子に道を懇切丁寧に教えたとしても無事に今日中にたどり着けるとは思えない。
「えと、私も事務局に用事がありますから、一緒に来ますか?」 困ったように眉を下げながら峰子に提案する澪。 まるで迷子の子供を案内するようだ、と自分でも思うが、さすがにこの状態の峰子を放っておけなかった。
大向峰子 > うっ・・・・・(方向音痴と言われて絶句する峰子)・・・・やっぱり、そうなんですかね・・・・ 外国だとストリートの番号が明確だったのでなんとかなったのですが・・・・地図のせいじゃ無さそうですね・・・・ ああっ、本気でスマホに買い換えないと駄目ですかね(がっくりとうなだれる峰子)
ええっ!?本当ですか!ありがとうございます!(満面の笑みで澪を見つめる峰子)本当に用事があるなら是非連れて行ってください・・・ 無くても、見捨てないで・・・・・(子犬のような目をする峰子)
香坂澪 > 「ず、随分リングの上のときと違いますね・・・こっちですよ」 ヘルメットを脱いで適当に長い髪をポニーテールにまとめた澪が峰子の先に立って歩き出す。 ロードサイクルを押しながらだと距離はややあるが、澪や峰子なら軽い散歩程度だ。
「所で、事務局にどんな用事なんですか?ひょっとして、DWFのリングに立ったりするんでしょうか?」 リングの上の峰子とは激しくぶつかり合ったが、その傲岸不遜な態度は嫌いではない澪。 峰子のいつもとは違う子犬のようなしぐさも相まってやや肩から力が抜けている。
大向峰子 > あ、ありがとうございます!(澪が自転車を押しながら歩くと1,2歩後ろについて歩く峰子) あ、いや、まだ試合じゃないんですけれど、DWFさんの野外イベントにちょっとゲスト出演するということで・・・・ 試合はなかなか・・・・うちのほうでも手一杯なので・・・・(ポイズンアローズのことを思い出してひとつため息をつく峰子)
でも、そのうち機会があれば是非・・・・・お役に立てるかは分かりませんが(にこりと微笑みかける峰子) ・・・ああっ、違いますよね・・・・元々、私はこうで、リングの上でもこうだったんですけれど・・・・ それじゃあだめだって、赤城さんに言われて正反対の自分になってみたら、なんだかリングの上ではしっくりときて・・・・ 今はもうリングの上では自然となんです。でも、ちょっと驚きますよね・・・・
香坂澪 > 「野外イベントですか?私には全然そう言う話が来ないんですよね・・・ 興行で売り子になると私の方に列ができてむしろ邪魔だと言われちゃいますし・・・」 峰子の応答に自分があまり団体のアピールに参加できていないことを思い出して肩を下げる澪。
「別の自分になる、ですか・・・。その気持ち、わかりますね。私もリングの上に上がるときはやっぱりプロレスラーの自分をイメージしてますし。 プロレスラーじゃなきゃやっぱり痛い思いをしたりするのは嫌ですからね・・・。 でも、プロレスラーの私なら、どんな相手でも怯まずに立ち向かえると思ってますし、そうしてるつもりです・・・」 なんとなく峯子と自分が似ていると思い、クスリと笑う澪。
大向峰子 > そうなんですね。じゃあ、赤城さんが澪さんとトークイベントしたのなんて珍しいことなんですね。 ある意味敏腕PDなのかな・・・・ でも、澪さんの場合は安売りしないほうがいいというか露出をリングに絞って純度を高めようという戦略なんじゃないですか? (肩を下げる澪を励まそうとする峰子) でも、澪さんは割りと素に近い自分でリングに上がってませんか?意欲とか野心は広がったり燃えたりするんでしょうが・・・・ ある意味羨ましいですね。私の場合は正反対ですからw
香坂澪 > 「どんな形であれ、演じていることに違いはないと思いますよ。それに、楽しいならそれが一番でしょう?」 いたずらっぽく笑みを浮かべて峰子へと振りかえる澪。駅を通り過ぎてDWF事務局まで後道のりは半分と言ったところ。 「峰子さんが野外イベントに出るのなら・・・私もそこに乱入しちゃいましょうか。 うまく運べば峰子さんとDWFのリングで当たれるかもしれませんね・・・うん、いいかも!」 それはちょっとした思いつきだが、澪は楽しそうな笑みを浮かべてパン、と両手を胸の前で叩き合わせる。
大向峰子 > まあ、確かにそうですね。正直、リングの自分が楽しくてしょうがないですね。 だからこそ、家を飛び出して続けていってるんでしょけれど(澪のいたうらっぽい笑みにつられて微笑む峰子) ええ?ゲストに対して正規の選手が乱入ですか?w反対でしょう・・・・でも、面白そうですね。 ただイベントの時は今の私じゃないですけれどねwでも、いきなりDWFさんのリングでエースとの試合は申し訳ないですよ・・・・ もう少し下の選手と当ててください(冗談か本気か謙遜する峰子)
香坂澪 > 「それは嫌ですよ。貴女ほどの相手を誰かに譲るなんて・・・」 峰子がDWFのリングに立つなら、その初の対戦相手は自分でありたい、という欲求を隠しもしない澪。 普段は控えめだが、プロレスが絡めばやはりプロレスラーの性が引っ込むことを許さない。
大向峰子 > いや、いや、いや、本当に・・・・・(なぜか照れて顔を赤くする峰子)少し実績を積んで挑戦させて貰いますから・・・・ (一方では必ず、澪にまでたどりつけるという自信のようなものが見えなくも無かった)
香坂澪 > 「ふふ、お互いやらなきゃいけないこともありますからやろうと思ったら即動かないと駄目でしょうね・・・」 ポイズンアローズとの因縁を思い出し、わずかに顔を引き締める澪。北関東所属ではないとは言え、澪も因縁浅からぬ相手だ。 だからこそ、峰子との対戦を先延ばしにするつもりはない。 「先のことは置いておいて・・・もう付きましたよ?事務局はこの建物です」 話し込んでいる間にDWF事務局はすぐ目の前に。澪は峰子に向けて案内が終わったことを告げる。
大向峰子 > ええ。片をつけないといけない相手もいますしね・・・・ 澪さんは病院にまで送られてただじゃおかないという気持ちもあるでしょうし。私もまあ、裏切られてみっともない様を晒して・・・・ あ、ありがとうございます!本当に助かりました! (建物について、両手を前にして深々と頭を下げる峰子。そしてバックからごそごそと小さな包みを出して) これ、今日DWFさんのスタッフさんたちに配ろうと思っていたシフォンケーキのひとつなんです。お礼にもらってください・・・・ 昨日の夜焼いたものですからwじゃあ、またよろしくおねがいしますね (もう一度頭を下げて、建物に入っていく峰子。その後姿はいつものように堂々とぴんと張っていた)
香坂澪 > 「・・・・・・さて、私もいろいろ動かなきゃね。やっぱりやりたいことがあるなら自分から動かなきゃ何もできないし・・・」 ロードサイクルにまたがると、峰子から受け取ったシフォンケーキをリュックサックに入れると走りだした。 その頭の中ではすでに今日のオフのことはなく、峰子との対戦をどう実現させるかに集中していた。
「・・・そう言えば、峰子さんはちゃんと帰れるのかしら・・・?駅までたどり着けるかどうかも危ないわよね。 事務局に連絡を取って帰りを案内するように伝えておきましょうか」

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