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[32] 森内俊之18世名人
JC IMPACTU (/) - 2011年05月19日 (木) 00時00分

(4)※(1)〜(3)は盤側の談話室に収録しています。

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翌年、奨励会受験を決めた小学6年生の俊之は、最後の小学生名人に出場し、ベスト4まで勝ち残った。
準決勝からはNHKのスタジオで行われ、対局の模様が全国に放映さけることになっている。いろんな将棋大会で顔を合わせることの多かったライバルの羽生善治少年もベスト4に勝ち上がってきていた。
ここである事件が起こる。テレビ収録なので先手後手をあらかじめ決め、対局前にリハーサルが行われたのがその発端だった。
「じゃあ、ちょっと指してください」と言われた俊之少年と対戦相手は、少年特有の超早指しでリハーサルを指し進めた。戦型は相掛かり腰掛け銀。早指しの二人は中盤過ぎまで、ずんずん指してしまった。
「はい、オーケーです。では本番もリハーサルどおりお願いします」と放送局の人が言った。この言葉を俊之少年は真に受けてしまったのだ。形勢は、自分が少し苦しい。しかし「本番もリハーサルどおりお願いします」と言われたこともあって、俊之少年はその言葉どおりリハーサルで指した手順をそのまま再現し、やはりそのまま悪くなってしまったのだった。
俊之は中盤に手筋を一発くらってしまい、ベスト4での敗退となった。奨励会に同期入会することになる同級生の郷田真隆は、その将棋をテレビで見ていて「森内ってなんて弱いやつなんだ」と思ったと言うが、後に実際に指してみて「強いのに驚いた」と言う。
この将棋を別室で見ていた羽生善治少年は、決勝に上がってきた相手は相居飛車が得意らしいという直感が働き、決勝では飛車を振って優勝するといういわくまでついた。
小学校3年のときに将棋を覚え、一気にのめりこんだ俊之少年は小学4年、5年、6年とその腕を磨き、いよいよプロへの道を進むことになる。
小学生名人戦でベスト4という実績を残した俊之少年は、ちょっとだけ天狗になりかけたこともあったという。
しかし、師匠の工藤と夏休みに出かけた弘前での武者修行で、10歳くらい年上の二段という人に苦杯を喫する。その道場は辛い段級でやっていたためなのだが、天狗になりかけていた俊之少年にはちょうどいい薬になった。秋に控えている奨励会試験に向かって、気の緩みもなくなった。
母・節子は俊之のプロ入りに向けて万全の準備を心がけた。
奨励会に入れば、例会日のたびに学校を休まなければならない。そのことに理解が得られる中学を探した。また高校受験が重なってくれば将棋の修行のさまたげになることも考慮し、高校受験のない中高一貫の高校がベストだと考えた。(中略)
奨励会を受験するには、棋士の師匠が必要になる。師匠は、勝浦修八段(当時)にお願いすることになった。実は勝浦は以前に京須家のアパートに下宿していたことがあった。それで祖母・たみ、母・節子と勝浦はつながりが強かったのである。

(「名人を夢見て-森内俊之小伝-」(椎名龍一・2008年10月・NHK出版より引用)
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リハーサルそのままの再現というのは、ある意味、笑い話のようなものでもあるのだけれど、こういう感じ、というかスタンスは何とはなく中原十六世名人に近いものを感じる。

今日の名人戦、羽生善治名人がようやく盛り返した。星勘定からいえば挑戦者有利ではあるけれど、次の第5局、森内九段先手番の将棋を落とすようなことがあれば、実質5分という感じがする。羽生名人の攻めが決まった将棋ではあったが、正直、万全という感じはしない。次の対局に注目したい。

米長永世棋聖、中原十六世名人の時代に比べれば、まぁ当たり前なのかもしれないが、この世代には「貧しさ」というものが殆ど感じられない。少なくともここまでの森内九段は順風満帆ではある。次回はいよいよ奨励会入会。流石にというか、やはりというべきか、この世界は俄然、甘くはなくなるのである。

Pass

[51]
JC IMPACTU (/) - 2011年06月07日 (火) 22時03分

(5)

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小学6年生の夏、俊之少年はいよいよプロ棋士への道を本格的に歩み始めることになる。
プロ棋士になるため、秋に行われる奨励会試験の受験を決意したのだ。
棋士を父にもつ俊之少年の母・節子ではあったが、それでも奨励会試験となると「不安でいっばいでした」という。
「棋士としての父や、父の門下生だった方々の苦労や努力を思うと、奨励会に入りプロを目指すということがどれほど大変なものかということが分かっていたからだと思います。ですから俊之が奨励会を受験するというときには、正直言って随分と迷いました。ただ俊之はまだ小学校6年生ということもあり、もしだめでも、ほかのことでやり直しはきくのだから.....と自分の気持ちを納得させていた部分があったと思います」
奨励会を受験するには、師匠となる棋士が必要である。幸いにも俊之の祖父である棋士・京須行男のアパートに下宿をしていたことのあった勝浦修八段(当時)と浅からぬ縁があり、俊之は勝浦門下として奨励会を受験することになった。
夏のある日、俊之は母・節子と2人で勝浦八段の自宅に入門の願いに出かけた。事前に勝浦八段の門下生として弟子入りすることは確定事項だったというが、それでも俊之少年は「すごく緊張していました」という。(中略)
入門の記念に、師匠に一局将棋を指してもらった。何を話したかは覚えていないが、指した将棋のことは今でもハッキリ覚えている。平手で教わり相矢倉の戦いになった。師匠に細かい攻めを続けられ、こちらは攻める間も与えてもらえない完敗だった。一方的に攻められ、そのまま押し切られての完敗だった。
昭和57年10月10日。くしくも俊之の誕生日に奨励会1次試験が始まった。1次試験受験者は関東だけで71人。その年にA級八段に上がった棋界のホープ・谷川浩司の影響もあって、プロ棋士を目指す少年少女が分厚い層を形成していたのである。
奨励会の1次試験は受験者同士による対局である。1次試験は受験者の人数によって合格となるボーダーラインが変わる。受験人数の少ないときには6局指して3勝3敗以上なら合格、4敗した時点で失格だが、受験者数の多いときには4勝2敗以上で合格、3敗した時点で失格となる。受験者数の多い年だったので、俊之の受験したときは4勝合格、3敗失格に定められた。後に昭和57年組と呼ばれることになるこの年の受験者は、層の厚さに加えて試験内容も厳しく設定されていた。
俊之少年は1日目に2勝1敗。2日目は最初の1局に勝ったものの、次の3勝1敗どうしの対戦で「勝てば合格」という一戦を落としてしまう。5局終えて3勝2敗となり、合否は最終局に託された。
最終局の相手は土曜教室の先輩だった。俊之少年が「自分よりも強い」と認識していた相手であり、対戦相手が告げられたとき、俊之は内心目をつぶりたい気持ちだった。
勝ったほうが合格、負けたほうが失格。互いの人生を大きく左右する一番である。棋士を目指す少年たちは、ありとあらゆる場面で勝負の厳しさをたたき込まれる。負けられない勝負を制したのは俊之だった。
「逆転勝ちでした。僕は同期の仲間に恵まれたこともあって、もし奨励会入会が1年違っていたら今とはまったく違った人生になっていたと思います。
関東の受験者71人中、2次試験に進んだのは26人だった。
(「名人を夢見て-森内俊之小伝-」(椎名龍一・2008年10月・NHK出版より引用)
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入会時に「平手」で指してもらったというのも、案外珍しいことなのかもしれない。確か勝浦九段のお弟子さんは全員四段昇段を果たされたという記憶がある。師匠として、これほど嬉しく、恵まれたこともない。

さきほどまで名人戦第6局の棋譜を並べていた。中原-米長時代の矢倉とは違う。そもそも1日目で、こんなに進まない。一体何が違うのだろう。ヘボな私にはさっぱりわからない。

ただ、何とはなくだが、もし7局まで進めば、矢倉になるのではないかという気がしなくもない。この二人の極めようとする姿勢には、ただただ敬服するばかりだ。

森内少年の2次試験の試験官は林葉直子さんである。私はこの小伝を読んで、そのことを初めて知った。

実はここにも劇的なドラマがある。次回は棋譜と共に紹介してみよう。

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