張りのある白大島紬に、桔梗の刺繍をして筥迫をつくりました。 憧れの全面刺繍筥迫には遠く、あっさり絵柄です。 内布はぼかし染めの長襦袢絹地です。
まだ汗ばむ季節にとりかかっていたものの、お出かけの当てもなく張り切る力も出ず…。 刺繍糸を絡ませたまま、すっかり季節に追い越され、文字通り棚上げにしていました。
そんな中、きちんとかがりまで筥迫を仕上げられたという方が、 先の掲示板にでていらっしゃったのを見て、少しばかりお力を分けていただいたように 感じて、ようやっと組み立てることができました。 ありがとうございました。
いざとりかかってみると、すっかり夏の気持ちになりきって、 すずやかな取り合せを考えたり、緒締め玉に選んだ緑色の人口キャッツアイに 打ち紐を通すために、じりじりと内径を削り広げたり。 あちこちこだわりポイントがあるのが、筥迫の魔力…いえ魅力ですね。
「桔梗」は草乃しずかさんの図案集から組合せましたが、ぜんぜん忠実でありません。 貼り込むときに難儀しそうな針目はできるだけ避けたいと、稚拙な自分と夢見がち 欲張りな自分がせめぎあい忖度しあって、黙って手を止めては頭の中で大騒ぎ!です。 胴締めの柄合せでは、思いのほか刺繍の厚みがあってこれまたぜんぜん揃わずでした。
さて仕上げてみますと、 これを本当に夏に取りだすなら、やはり手汗をつけたくないがため、 どうしても懐紙に巻いて使いたいと思わせられます。
筥迫には、その豪華さを高貴な女性達が競い合ったというにぎやかなファッション イメージをもっていたのですが、しっとりとつややかに輝く絹糸を眺めていますと、 もっと静かな景色がみえるようです。
優しく繊細な女性らしさを忘れないよう戒めてくれる、お守りのような小箱として、 そっと懐中して装いに取り入れられたらと思うのでした。
ちゅん [753] 11/28/(土) 17:24:09
ちゅんさん、お久しぶりです。 久々に作品を見ることができて嬉しいです。
刺繍の筥迫素敵ですねぇ。 刺繍がとてもお丈夫になっていてびっくり。 習われているのですか?
ちゅんさんは独学で黙々と筥迫を作り続けていて 仕立てもとても綺麗で感心します。 継続は力なりですね!
>貼り込むときに難儀しそうな針目はできるだけ避けたいと
仕立てを理解していると、嫌でもそのような考え方で刺繍をしてしまいますね(笑)。 (仕立てを知らない刺繍の人にこれを教えるのがなかなか難しく私はいつも難儀しています、、、)
渾身の作、是非是非大事にお使いください。
Rom筥 [754] 11/28/(土) 18:24:48
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おひさしぶりです。 Rom筥さまにほめられると天にも昇る心地です。 刺繍については、本やネットで動画を見てです。職人さん方の手つきが素晴らしく、 見るとするでは大違いで、ちっとも針が的を得ません… 以前「時間をかければ何とかなることもある」とRom筥さまがおっしゃっていたのを ここでも思い出して励みにしました。優しく見守ってくださりありがとうございます。
ちゅん [755] 11/29/(日) 16:31:56
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