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[109] シナリオ置き場
神酒 - 2018年07月27日 (金) 23時56分


コンプリスの牢獄

『この牢獄は、甘くて苦い』
推奨技能:目星、図書館、聞き耳
KPとのタイマンシナリオ。
NPCとは既知関係でなくても良い。

1.シナリオ背景
探索者たちはグラーキの夢引きによってランダムに選ばれた人間である。
夢の中の牢獄ではグラーキの従者であるアンデッドたちが大量に徘徊している。
この従者たちをかいくぐり、探索者たちは脱出しなければいけない。
この従者たちは数十年の間、アンデッドとしてこの牢獄で過ごしてきた。そのため、光に非常に弱い。強い光を浴びた場合即座に緑の崩壊を起こしてしまう。

グラーキが夢引きに成功した理由は、現在探索者の住む地域にある小さな美術館にて「イギリスの風景」展というものがやっているからである。
イギリスの風景展では、イギリス各地の風景が飾られているのだが、その一枚の絵にセヴァン谷の湖の底の絵があった。それが門としての役割を果たし、グラーキは新たな犠牲者を探して夢引きを行っていたのだ。
こういった背景があるが、探索者およびKP側NPC(KPC)が同じ街に住んでいるという必要はない。
KPCが偶然探索者のいる街に、何がしかの用事で訪れていた、ということでも構わない。
この日、あなたたちは同じ街にいて、グラーキの夢引きの犠牲となったのだ。

探索者たちはすぐにグラーキの従者となるわけではない。
探索者たちが夢の中で目覚めた時に付けられていた首輪に、グラーキの棘が仕込まれている。
どちらかの探索者の命が失われると同時に、首輪から棘が出て探索者たちに刺さる仕組みとなっている。
探索者たちは、どちらかの命が失われないうちに、アンデッドたちのいるこの牢獄から抜け出さなければならないのだ。

2.導入
最近、探索者の住む街では奇怪な行方不明事件が連続している。
テレビをつければすぐに、そんなニュースが流れてくることだろう。
『最近、☓☓市(探索者の住む街)では行方不明事件が連続しています――』
『調査の結果、行方不明事件の被害者たちは殆ど全員、寝る前までは――』
『怖いですね。では次のニュースです。現在☓☓美術館で行われているイギリスの風景展は――』
そんな、ニュースが。今もあなたの目の前で流れている。
<図書館>もしくは<知識>に成功すると、以下のことがわかる。

・現在探索者の住む街では行方不明事件が多発している
・被害者は全員、夜、家に帰ってそのまま行方不明となった
・玄関に靴が放置されており、帰宅してから外出した形跡はない
・上記の内容から、寝ている間に誘拐されたのでは?と噂されている

そんなことを調べたりなどしていると、時刻は就寝時間となる。
あなたは眠りにつくことだろう。

3.目覚め 牢獄
そして探索者はふと、目が覚める。
頭が痛い。何か、嫌なことが起こりそうな……。
否、起こっている。
その事実に気がついたのは、首元からじゃらり、と重い音がしたからだった。
首に感じる違和感。そして重い金属の音をたどって視線を上げれば。
そこには、あなたと鎖で繋がれた、首輪をつけた(KPCの性別)が眠っている。
自分の首に手をやる。
あなたの首にも、首輪がはまっていた。
背筋に冷たいものが走るのを感じる。これは夢なのだろうか?それとも、現実なのだろうか。
SANc(0/1)

※この時点で持ち物は寝る前に持っていたもの以外全て没収されている。

首輪で繋がれた男(KPC)を調べるという宣言があった場合、「鎖がそこまで長くないのでKPCと一緒ではないと動けない」と言うこと。
もしKPCを起こすという宣言があった場合、揺り起こしたり声をかけたりすれば彼は目覚めることだろう。
初対面のふたりでやる場合は、目覚めたあとに自己紹介などの時間を設けると良い。

自己紹介やRPが落ち着いたら、部屋の描写をすること。
部屋は簡素なもので、暗い中で見渡せば、ひどく簡素な牢屋のような場所であることに気がつくだろう。

牢屋自体は非常に簡素で、備え付けの棚のようなもの、鉄格子、ベッドがあるのがわかるだろう。
また、KPCに手伝ってもらえば、自分の首輪も調べることが出来る。
探索可能箇所:【棚、鉄格子、ベッド、首輪】

→棚
特に何も入っていないように見える。
<目星>に成功すると、棚の隅に何か小さな紙が落ちているのを見つける。

●牢獄のメモ
釘で引っ掻いたような文字で何かが書かれている。
『あなたとその子は一心同体。
 命の重さを知るが良い。
 命の重さがわからぬ場合
 死から解放されるときが来る』

※KPCを殺すなどといった行動に出た場合、グラーキの棘が刺さるというヒント。

→鉄格子
牢獄の鉄格子だ。
出口は鍵が閉まっていて、出られない。
<目星>に成功すると、牢屋の外の壁に鍵束がかかっているのが見える。
手を伸ばしても届かないだろうが、何か棒のようなものがあれば取れるかもしれない。

→ベッド
簡素なベッドだ。少し大きく、ふたりで寝ても十分な大きさだと思うことだろう。
<目星>に成功すると、ベッドの下に何かあるのがわかる。
どうやら火かき棒のようだ。
もし鉄格子を見ている場合、これで鍵が取れるかもしれないと思う。

→首輪
まるで犬につけるような首輪である。
色はKPCが赤、探索者が黒だ。
(これには特に意味はないので、KPの好きな色にしても良い)
首輪を調べる場合、<アイデア>に成功すると、
首輪の裏側の部分に何かが仕込まれていることに気付く。
軽く触った限り棘のような感覚だ。
しかし、今は指や首に刺さったりする様子はない。


外に出る、という宣言があれば、外に出ることが出来る。
牢屋の外に出た場合、次の項目へと移動する。

4.目撃
探索者たちが牢屋の外に出た場合、<聞き耳>を振らせる。
成功すると、乾いた軽いものが歩くような音が聞こえてくるだろう。
暗く薄暗い廊下だ。何が来るかわからない。一回牢屋に戻った方がいいと感じる。
<聞き耳>に失敗した場合、強引にKPCに腕を引かれる。
そしてそのまま牢屋に引きずられることだろう。急に腕を引かれたことでSANc(0/1)

どちらの場合でも、そのまま以下の描写に移ること。

薄暗く、殆ど電気のついていない、かろうじて見える程度の廊下を何かが歩いてくる。
あなたは、一瞬それを「人」と認識することが出来なかった。
乾涸び萎びた骸骨のような、ミイラにも似た何か。
それがひたひたと、歩いてくる。
ひとりだけではない。二人、三人……無数の、アンデッド、と称すべき「何か」。
それがゆっくりと、歩いてきていた。
皮が骨に張り付いているだけのようにも見えるその手には、信じられないほど長くひび割れた爪がついている。
アンデッドのような何かを見た探索者はSANc(1/1d8)。

発狂し、叫びだそうとしたり、逃げ出そうとした場合はKPCが止める。
そのままアンデッドたちが通り過ぎるまで、あなたたちは恐怖でその場に釘付けになることだろう。
それが通り過ぎていった後、KPCがぽつりとあなたにつぶやく。
「……あれ、捕まったらどうなるんでしょう…」
「……無事では済まないですよね」
「外に出るなら、気をつけて行きましょう」
そういう彼の顔も蒼白だ。

そのまま廊下に出ると、先程のアンデッドが持っていたのだろうか。
地図のようなものが落ちているのが見つかる。
自分たちがいたのはB202号室のようだ。
この階には他にもB201、倉庫、そして階段のようなものがあることに気がつく。
探索可能箇所:【B201、倉庫、階段】

B201
別の牢獄だ。鍵はかかっていない。
中はだいたい、あなたの最初に目覚めた牢獄と同じだ。
探索可能箇所:【備え付けの棚】

→備え付けの棚
棚には特に何も入っていない。
<目星>に成功すると、ひとつの棚に何かメモ帳のようなものが入っているのを発見する。

●B201のメモ
ボールペンで殴り書きされたもののようだ。
後半に行くにつれほぼ文字が荒れてきて、最後は殆ど読むことが出来ない。
『首輪の裏が何かちくちくする。
 見てみれば、棘のようなものがあった。
 どういうことだ?
 知らないやつとつながれていて気味が悪い。
 
 外に出ようとしたら、よくわからない化物に襲われた。
 慌てて逃げようとしたが、首輪で繋がれたやつが逃げ遅れた。
 もう無理そうな傷だ。
 牢に戻って手当をすることにした。

 手当をしたがどうしようもない。
 あいつは死ぬ。
 仕方がないが、これで探索が楽になるかもしれない。

 どうして
 俺まで』

奇妙に歪んだ文字を見た探索者は、彼の末路を想像してしまうことだろう。
SANc(0/1)。
B202
探索者たちのいた牢の横にある牢屋だ。
牢屋の中は薄暗い。
牢の中には机がおいてあり、何かを書いていた痕跡がある。
探索可能箇所:【机、本棚】

→机
机にはノートが置かれている。
ひどく汚い字で読みにくい内容が綴られているのがわかるだろう。
<図書館>に成功すると、以下のことがわかる。

●湖底に潜むもの
読みづらい字で覚書のようなものが書かれている。
『イギリス・セヴァン谷にある湖の底には、■■■■と呼ばれる邪神が棲んでいる。
 彼はそこから夢を送り、彼への信仰に引き込んでしまうのだ。
 彼の棲む湖は、様々な水域に通じる門がいくつかあると言われている。
 果たして、門は水域の形を成していなければならないのだろうか?
 それが絵画であったとしても、彼に縁があれば、門として機能するのではないか?』

そこまで読むと、ページから一枚、何かのチケットとパンフレットが落ちてくる。
それは探索者の住む街にある美術館のチケットだ。
現在はイギリスの風景展をやっているらしいが……。
パンフレットを見れば、一枚の絵が掲載されているのがわかるだろう。
「セヴァン谷の湖底」というタイトルのもので、絵の中心にはぼやけてはいるが、
楕円形の体と無数の棘を持つ「何か」が描かれている。
それを見た瞬間、あなたの体に寒気が走るのがわかるだろう。SANc(0/1d3)

→本棚
本棚には数冊の本が差し込まれている。
<図書館>に成功すると、一冊、似合わない絵本があるのを発見する。

●しらゆきひめ
誰もが知っているであろう童話だ。しかしなぜか、登場人物の顔が黒く塗りつぶされている。
内容を読んでいくと、見たことのないものに変質していることに気がつくだろう。
『棺の中で眠る白雪姫を見た王子は、手に持った針を刺しました。
 死んでいなかった白雪姫は、それで死んでしまいます。
 しかし、真雪のように白い肌には、赤い網の目のような線が広がります。
 それでやっと、しらゆきひめは死から解放されたのでした。
 王子との幸せなキスで、白雪姫は本当に、しあわせになれたのでした』
奇怪で醜悪な、悍ましく改変された内容に背筋が凍るような感覚を覚えるだろう。SANc(0/1)

※これは、最初の部屋で見たメモの内容を補強するものである。
 このまま行くと、探索者はアンデッドとなってしまうことを示唆するものだ。

倉庫
倉庫の中はあまり片付いていないことが伺える。
雑多にものを突っ込んでいるだけ、という印象を受けるだろう。
探索者が望むのであれば<幸運>に成功すると、武器などが(倉庫にありそうな範囲で)出て来る。
部屋全体に<目星>をし、成功すると書類棚に差し込まれた書類を発見する。

→書類棚に差し込まれた書類
丁寧な文字で書かれた書類だ。
ところどころ文字が欠けていて読みづらい、古いものだ。
読める場所を繋ぎ合わせると以下のような内容になる。
『《緑の崩壊》について。
 緑の崩壊は長い年月を過ごしたグラーキの従者が、
 日光のような強い光に晒されたときに起こる現象である。
 彼らは光に晒されると文字通りその体を崩壊させられてしまうのだ。
 その悍ましい光景は、見ているものをも狂気に陥らせることだろう。』

以下の情報を読み終わった後、KPCがあなたの腕を引く。
そして部屋の中の一角を指差すことだろう。
「あそこの棚の裏、ドアのようなものが見えませんか?」
近づいていけばわかるだろう。棚の隙間から、ドアが見える。
棚をどけるには<STR*5>に成功しなければならないが、KPCと協力する場合には特に判定は必要ない。

ドアには鍵がかかっている。
鍵のようなものが何処かにあるのかもしれない、と思うことだろう。
今探索者たちがいる場所は倉庫とは書かれているものの、意外と整理整頓されている。
このドアの奥は物置のようになっているのかもしれない、と感じる。

※B1で鍵を手に入れ、取りに来た場合、部屋全体に<目星>、もしくは投光機を探すという宣言で投光機を発見する。
大きなものだが、KPCと一緒に持っていけば簡単に持っていくことが出来るだろう。

階段
弱々しい光が揺れている階段だ。
光はあるものの奇妙に暗いような感覚を覚える。
上に行こうとする場合、まだ他に探索していない箇所があるときはKPCが呼び止めると良いだろう。

すべての部屋を調べ終わり、上に行くという宣言があった場合以下に進む。
5.逃走
階段を使い上に登ろうとした場合、<聞き耳>を要求すること。
成功した場合、降りてくる足音に気付くことだろう。
あのアンデッドが降りてくるのかもしれない、と背筋に寒気が走る。
今なら逃げられるだろう。逃げて、倉庫などに身を隠して進むことができる。
もし戦闘行動に入るという宣言があった場合、<アイデア>に成功すると、
KPCと自分は首輪で繋がれているため戦闘になった場合上手く動けないということがわかるだろう。

<聞き耳>に失敗した場合、降りてきたアンデッドとかちあい、1Rのみ戦闘となる。
1R目の最後に、KPCに強引に手を引かれ、倉庫に連れて行かれるだろう。アンデッドはそこまでは追いかけてこない。
戦闘の際、KPCと探索者は首輪で繋がれているため、回避は不可能とする、
また、戦闘技能にはすべてー50%の補正がかかる。
アンデッドのデータに関しては末尾の<資料>に記載するが、見づらい場合はMM(P.42)のデータを参考にすること。
倉庫まで逃げた後は、そこでアンデッドをやり過ごすことになるだろう。
明かりが薄暗いからか、探索者たちが倉庫に逃げ込むとアンデッドは気づかずにそこを通り過ぎて、別の場所を探しに行くのがわかるだろう。
もしかしたら目はあまりよくないのだろうか、と思うことだろう。

以上のイベントを終えた後、上の階に上がることが出来る。

6.B1階
上に上がっていけば、やはり窓のない、暗い牢獄が続いている。
もしかしたらここは、地下なのかもしれないと思うことだろう。
この階は先程の階と同じような作りをしているが、ほとんどの牢は空となっている。
やはり上に登る階段があるが、そこにはアンデッドがうろついているのがわかるだろう。
どうにかしないといけない。
探索可能箇所:【廊下、牢屋、倉庫】

廊下
廊下は異常に静かで、寒気がするような気配に満ちている。
<目星>に成功すると、ひとつの牢の中に人が倒れているのが見えるだろう。
ふたりの人間が折り重なるように倒れている。
生きているのだろうか、と思って近寄った場合以下のイベントに進む。

あなたたちがそれに近づいた時、びくり、とその体が痙攣した。
そしてそれはゆっくりと、顔をあげる。
眼球があるべき場所には何もない。
皮膚は乾涸びかけ、眼窩は落ち窪んだそれは。
まさしく化物、というべき姿だった。
皮膚には赤い網目のような模様にも似た線が走っている。
変わり果てた人間の姿を目撃した探索者はSANc(1/1d3)

牢屋の鍵は閉まっている。
アンデッドとなった二人が出てくることはないだろう。
<アイデア>もしくは<知識>に成功すると、彼らふたりが着ている服が、テレビなどで報道されていた行方不明者のうちのふたりのものに酷似していることがわかる。
また、<目星>に成功すると、片方のアンデッドのポケットに何か鍵のようなものが入っているのがわかるだろう。
もしこの鍵を取る場合、<DEX*5>もしくは、武器を持った状態でのみ<戦闘技能>と<回避>の組み合わせで取ることが出来る。
鍵にはタグなどはついていない。小さな鍵だ。

牢屋
何の変哲もない牢屋だ。
誰も入ってはおらず、物寂しい。
部屋の中には棚のようなものがある。あなたが最初に目覚めた牢屋と同じだ。
探索可能箇所:【棚】

→棚
棚の中にはいくつか雑多に洋服のようなものが入っている。
誰かがここで生活していたのだろうか?
洋服のポケットには、探索者の住む街にある美術館のチケットが入っていた。
裏に走り書きがしてある。

●チケットの走り書き
汚い文字で走り書きがしてある。
『B2の倉庫の奥の鍵を手に入れた。
 だけど俺はもう長くない。
 あそこの鍵は別のミイラみたいなのが落としていったけれど……。
 B2の倉庫の奥に投光機があるみたいだが…それを手に入れれば……』

倉庫
武器を探す場合は<幸運>などで探すことが出来る。

すべての場所を見た後、以下のイベントが起こる。

7.相談
一通りすべての場所を見た後、KPCがあなたにこう提案してくる。
「先ほどのアンデッドから手に入れた鍵、もしかしてB2の倉庫の鍵なんじゃないでしょうか?」
「投光機を使えば……ここから出ることも出来るかもしれません」
「取りに行きませんか?」
取りに行くという場合、宣言のみで取りに行くことが出来る。
取りに行く場合はB2の倉庫へと移ること。

もし投光機を取ってくる、もしくは投光機を取らずに階段に向かうという場合、『8.クライマックス』へと移り、エンド分岐となる。

8.クライマックス
投光機を持ってくる、もしくはB1にある階段に向かうといった場合ここへ移る。

あなたたちが階段へ向かうと、ゆらり、とアンデッドたちがあなたたちを見た。
乾涸びた爪があなたに襲いかかる。瞬間。
ぐう、と強く首が絞まる感覚。
KPCが乱暴に鎖を手繰り寄せたのだ。
「すみませんっ……!」
先程まであなたの体があった場所を、鋭い爪が通り過ぎていったのがわかるだろう。
間一髪。避けることが出来た。
冷や汗が体を伝う。
ふ、と上を見上げれば。階段の上から一瞬、柔らかな光のようなものが見えた。
あそこへ行けば出られるのかもしれない。
そう思ったあなたの肩をたたき、KPCが小さく頷いた。

ここから戦闘R処理となる。
グラーキの従者(アンデッド)たちは1d6+4体存在し、DEXは1d6で決定する。
戦闘で倒す、もしくは自分の手番に「投光機」を使用することでエンドA、
戦闘に敗北するもしくは道中でKPCまたは探索者のHPが0になるとエンドBとなる。
以下はエンド分岐となる。


エンドA:水底より出て
エンド条件:クライマックスで戦闘に勝利もしくは投光機を使用する

※このエンドでは投光機を使用した場合のみを記述している。
戦闘に勝利した場合は適宜描写を改変すること。

あなたが投光機のスイッチを入れる。
薄暗い牢獄の中に、真昼のような色が満ちた。
どうしようもないほど明るく、一瞬目がくらむ。
アンデッドたちは、びくり、としてその体をすくませた。
染みのような斑点がアンデッドたちの体に浮かんでいく。それは、崩壊の始まりだった。
その染みは徐々に広がり、そして。
アンデッドたちは文字通り、崩壊した。
悍ましい『緑の崩壊』を見た探索者はSANc(1/1d10)

※探索者は一時的狂気に陥る可能性がある。
KPCはSANcはするが一時的狂気には陥らない。

崩れていくアンデッドたち。
それを見た瞬間、ぐい、とKPCがあなたの手を引いた。
「行きましょう……!早く出ないと!」
その声に導かれるように、あなたたちは外に走り出て行くことだろう。
階段を駆け上がる。
息が切れても、それでも。必死で駆け上がる。
この牢獄から、出るために。

階段の一番上。
そこにある扉を開いた瞬間、まるで水底から浮かび上がったように一瞬視界が晴れた感覚を覚え。
あなたたちは、意識を失った。

(KPCと探索者が知り合いだった場合)

……あなたは、目を覚ます。
体がじっとりと濡れていた。
夢の中で全速力で走ったような……そんな感覚。
先程の夢を思い出し、首に手をやったとき。
ふと、電話が鳴った。
KPCだ。電話に出れば、彼の声がする。
「……先程、あなたの夢を見たんですが……」
「……大丈夫でした?」
その声に、先程の夢が嘘ではないと知るのだろう。
あなたたちは水底の牢獄に囚われずに済んだ。しかし。
次の日もニュースをつければ、行方不明者のニュースがやっていることだろう。
それは、美術館での展示が終わるまで続いた。

(KPCと知り合いでない場合)
……あなたは、目を覚ます。
体がじっとりと濡れていた。
夢の中で全速力で走ったような……そんな感覚。
先程の夢を思い出し、首に手をやる。まだ、首輪の感覚が残っていた。
あれを夢だと思うのは短絡的すぎるかもしれない。
そんなことを考えながら、あなたは水底の夢から浮上し、現実へと戻る。
……行方不明者は、未だ、出続けている。
きっと、あの展示が終わるまで、続くのだろう。
そんなある日。
あなたは、街中を歩く彼を見つけた。
KPCだ。
彼はしきりに首にふれて、どこか気まずそうな顔をした後、あなたの視線に気づき目を上げる。
そのままあなたの方へ、走ってきて。
ぎゅう、と服を掴んだ。
「ずっと、探してたんです」
「お礼を、言いたくて……」
――そうして奇妙な夢の続きが始まる。
しかしそれは、案外、悪くないものなのかもしれない。そう、思った。

クリア報酬
生還 1d10
KPCとともに生還 1d6
投光機を使用 固定で+3
クトゥルフ神話技能+2



エンドB 水底に沈んで
エンド条件:クライマックスで戦闘に敗北もしくは途中でKPCまたは探索者が死亡する

※ここでは「KPCが死亡した」場合のみ記述する。探索者が死亡した場合は適宜描写を改変すること。

KPCがぐらり、と傾く。
彼の命が失われていく。そう思った瞬間だった。
ちくり、とあなたの首に、何かが刺さった。
「王子との幸せなキスで、白雪姫は本当に、しあわせになれたのでした」
「めでたし、めでたし」
そんな声が聞こえたような気がした。
何か液体のようなものが体の中に入ってくる。
そこであなたの意識は途切れた。
しかし、死ぬことはないのだろう。
あなたと彼は、この牢獄に、囚われたのだ。
この水底の、牢獄に。

探索者ロスト

資料
もし「グラーキの従者」と戦闘をする場合、以下のデータを参考にすること。
基本的に戦闘で使うもののみ記述するため、
それ以外のデータに関しては基本ルールブックもしくは
マレウスモンストロルムの該当ページから算出する。
(マレウスモンストロルム:P.42、基本ルルブ:P.176)

グラーキの従者  崩壊する奴隷
DEX:1d6 耐久力:18 db:0
技能:小鎌 40% ダメージ1d6+1




Number
Pass

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