[8118] 二十二日の法語 食物は容貌及び性格を變化する |
- 国士無双 - 2018年05月22日 (火) 05時26分
徳川幕府時代の美人が面長であったのは歌麿の浮世繪を見てもわか
るのであるが、近代に於いては圓ぽちゃの美人が殖えて来つつある
のである。それは食物の關係からであることが證明されるのであ
る。肉食獣の顔貌は肉や骨を咬みくだくために顎の力學的關係から
支点から重點に至る距離が短いほど、力を少なく加えて咬みくだく
力が強くなるので、顎が前方に長く伸びずに横に張ってゐるので圓
顔になるのである。肉食を幼い時から續けていると、歯の形も肉食
獣に近づいて來のである。即ち草食動物には野菜等を咬み切るため
にもってゐる菜刀の形をした門歯が発達してゐるのであるが、獣食
肉を多食する人の門歯がだんだん肉食獣の歯即ち犬歯に似て來てそ
の先端が尖って來つつあるのである。食物がこのやうに生理作用ま
でも變化する力があり、生理作用は潜在意識の支配するところであ
ることを考へると、食物の變化が“意識”に影響を與へることは類
推するに難くないのである。即ち獣鳥肉を多食するときは、平和的
な門歯が戦闘的な犬歯に變形すると同じく、それを食する人の精神
状態が平和的性格から好戦的性格に移行することはやむを得ないと
いふほかはないのである。肉食愈々多くして、平和を叫びながら、
平和を理由に戦争や闘争を繰返す人類の現状を見るとき、食生活の
平和化の必要を私は痛感せずにゐられないのである。
|
|