記憶喪失のふりをして、一連の出来事を忘れたことにして封印。
「ホントに忘れられたら、ホントに忘れられたら」。
でもいつの間にか、なにが作り話なのかがわからなくなっちゃって。
記憶喪失だという事実を否定したくてたまらなくなった時には、立派な21世紀の精神分裂man。
「はじめまして。なぜあなたは、私の目を見ないのですか?あなたは以前の私との知り合いだったのですか?申し訳ありませんが、あなたからのご恩も、私がしてしまったご無礼も、何もかも全て思い出すことができません。どうか過去は過去と割り切って、私にはじめましての握手をしてくださいませんか?」
そうして、ぼくは差し出された手の甲にある小さなシミを見て気絶する。
毎日がそんな茶番の繰り返し。吐き気と目眩のメリーゴーランド。
[148] 2010年05月12日 (水) 15時46分