| [702] インターネット道場――辨道聴き書(べんどうききがき) (4) 『生命の實相』第34巻より |
- 信徒連合 - 2015年10月01日 (木) 09時42分
インターネット道場――
辨道聴き書(べんどうききがき)(4)
『生命の實相』第34巻より
< 少年の夭折を憂へて >
谷口先生が山の家へお移りになって二、三日すると一人の母親が十五、六歳の少年を連れて来て、『私は生長の家によって大変救われました』と御挨拶申し上げた。『だいいち此の子供が救われました。生長の家を知らなかったら今頃はもう此の子供は死んでしまっていたかも知れません。青山学院の三年生だったのですが、治るにしても三、四年かかると思いまして学校を退学させたのでございます。
ところが生長の家を知らせて頂きまして聖典「生命の實相」を読ませて頂き、伊東さんに大黒さんを彫刻して頂きましたのが御縁になり、伊東さんが来て下さいまして「何ァに、こんな病気位大した病気ではない、もう治っているんだから起きなさい」などと力を附けて下さいまして、逗子へ一緒に伴れて行って随分乱暴なと思われるような水泳などをさせられましたが子供はそれ以来元気になりまして、此の新学期からまた通学するように再入学の手続き致しましたら、
青山学院の主事の佐藤先生が驚かれまして「そんなに退学して三、四年も養生しなければならぬ病気が、どうしてそんなに二、三ヶ月で快くなったのだ」とお尋ねになりましたので、「生命の實相」と云う本を読んで治りましたと申し上げたら、佐藤先生は「そんな善い本があるのなら、私も一度読みたいものじゃ。私は宗教的信仰はないが、多勢の青年を取扱うているのだから、そう云う本を読んで本当に青少年を救う道を知りたいものじゃ」と被仰いました。近いうちにその先生に「生命の実相」を持って行ってお上げしたいとおもいます」と申し上げた。
『青少年を指導する役目の学校の先生や校医が生長の家に入ってくれると人類の青少年時代の夭折がどんなに減ずるか判りません。併し子供の健康をよくする道は、父母に当たる夫婦が調和するにある。夫婦の道が紊れては駄目だ』と谷口先生は被仰った。
< 神授の手袋 >
この才木さんが、或る日このY氏をその宿泊所たる東京本郷区大学前の二葉旅館へ訪問しようと思って円タクに乗って出掛けた。大学前で才木さんは円タクから降りると、其処へ別の自動車が来て才木さんの腰部へ後方から激突した。才木さんはその瞬間、一間半ばかり跳ね飛ばされて市電の石畳の上へ俯向けに激しく叩きつけられた。
才木さんは本能的に両掌を石畳の上に突いた。才木さんは寒中でも毎年手袋を穿いたことのない人であったが、その時には不思議に革手袋を嵌めていた。人から貰った手袋を円タクの中で試みているうちに円タクが目的地へ着いたので手袋を脱ぐ暇もなしに後方から自動車で激突されたのであった。手袋は非常に部厚い革製で柔らかいクッションのように緩衝の役目を果たしてくれた。才木さんは下腹の出ている人であったが、どう云うものか、その出ている下腹が座布団のようにフゥワリと全身に緩衝作用を与えて身体は何処も傷まなかった。
『生長の家の神様は自動車で、今日此処で激突されると云うことを知り給うて、あらかじめ私に手袋を与え給うたのです』と才木さんは此の事件を注釈した。
< 神想観で扉開く >
才木さんが小川旅館に宿泊していた或る日、離れの便所で用を達していた。便所の扉には内側のツマミがとれていて内側からは開閉出来ないようになっていた。才木さんが用を達している間に、外側に誰か着て便所の扉の締まっていないことを見て、外から便所の扉を締めて往った。才木さんは便所から出ようとすると、扉が外から締まっていて出ることが出来なかった。
便所は母屋からかなり距離が隔たっていて呼んでも聞こえそうになかった。また呼んで聞こえるにしても、一人前の男が便所の中へ閉じ込められて呼び声を上げるなんて余り見っとも好い話ではなかった。才木さんは斯う云う時には神想観をするのが最も好いと思って、便所の中で神想観をして、この扉が自然に開きますようにと念じた。
五分間ばかり神想観をした頃、便所の外に誰かが来たような気勢がした。才木さんは神想観をやめて便所の扉を内側からノックした。扉は自然に開かれた。扉の外には才木さんの係りではない女中さんが立っていた。『どうして君は此処へ来る気になったかね』と才木さんは尋ねた。『実は、この辺で誰かが呼んでいられるような気がしまして、どうしても気になって仕方がないのでやって来ましたが、誰もいないので引き返そうかと思っていましたら、貴方が中からノックなさいました。』『私は声をあげて呼びはしなかったよ。だけど神想観でこの扉の開くように念じたのだ。その思念が君に感じたのだねえ。』と才木さんは笑いながら云った。
併し、神想観の威力はこのような時にも発揮されるものだと云うことがこれで実証されて、才木さんは益々自信が強くなった。
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