| [902] インターネット道場――辨道聴き書(べんどうききがき) (24)『生命の實相』第34巻より |
- 信徒連合 - 2015年10月22日 (木) 10時56分
<治る人と治らぬ人の体験>
その後また話されたメリヤス屋さんの末富さんの話を要約しよう――
末富さんが、桜井正枝夫人に真理の話をしてあげると桜井夫人は肺結核の三期から起ち上がった。末富さんは肉体は存在しない、実相のみ実在であるとの絶対信念から、苦しさに耐えられないほどの病人に対しても、断固として神の絶対威力を説いたのだった。
『肉体本来無し。人間は神の子である』の真理を知る時、今まで肉体をなんとかしなければならぬと引っかかっていた心が解放されると胸を締めつけるような思いがなくなるから胸の血行もよくなり、抗病力が強くなって早く回復するのである。
そのうえ、『天地一切のものと和解せよ』の教えを受けて、胸の中で摩擦していた思いが消えると、肺臓内の炎症も自然に消えてゆくことになるのである。肺病の心的原因は争う心、短気な心、憂鬱を胸にためている心、特に夫婦関係で摩擦する場合には起りやすいのである。
ともかくこの桜井夫人もこの強い信念の下に実相一元の話を聞かされ、良人に調和して感謝しようという気持ちになった時、長い間の病床にあってお粥のみ食べていた夫人が急に堅い御飯を頂けるほどの元気が出て、歩行もでき、表へも出られるようになった。
その状態を近所の人たちが見た時、驚いて叫び出したということである。家人も仕事に手がつかないほどの驚きと歓喜であった。末富さんはさらに語(ことば)をついでこう言った。
「心から素直に『實相』のみにお頼りいたしますという気持ちにならないかぎり瀕死の病人はもとより、なかなか普通の病気も治りません。私は四人も医者から見放された方を治していますが、皆本当に心から縋って来られる方のみです。この病気が治ったらあの訴訟に勝ってやろうとか、身体の具合が悪い時のみ治して下さい、治ったら神を信じますという人は治っていません。その考えのために亡くなった方もあります。
神をためす者こそ、自業自得の苦しみを嘗めています。誠こそ神の国へ導く鍵です。病気を治してもらえればよいといって、こちらの都合も考えず、こちらの時間を平気で使って、時間は生命ですから、こちらの時間を殺すことは、こちらを殺しているのです。こちらの生命を殺しながらそのために行ってあげた乗り物代までも払わせるような利己的な人は、いつまでたっても、苦悩から解放されないのであります。身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ、本当に自他一体に誠を捧げる心こそ大切であります」と熱心な語調であった。
<『甘露の法雨』の功徳>
谷口先生御上京以来、ほとんど一日も欠かさずに先生のお傍で黙々として大存在をしめしておられる辻村楠造翁は、次のように今朝は語られるのであった。
「私の知り合いに女学生がありまして、毎月月経時になると癲癇(てんかん)の発作を起こしていました。私が生長の家を知るようになってから、毎朝祖先の霊に対(む)かって、『甘露の法雨』全編を誦げるようになりました。
するとこの難治といわれているその娘の癲癇が治ったのです。そこでいよいよ確信を得ましたので、なおも祖先の霊の悟りに精進いたしました。ところが一昨々日、その娘に外出せねばならぬ用事が起りました。多少心配ではありましたが、一人でやりましたところ何のこともなく帰って参りました。家中ありがたく感謝いたしています。大真理のお蔭を受けて感謝しています。」辻村翁の話は、語り手が語り手だけに静かに満場を打ったようであった。
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