| [1139] インターネット道場―――体験実話特集・平岡初枝先生「子供を見つめて」より(13) |
- 信徒連合 - 2015年11月16日 (月) 07時22分
インターネット道場―――
体験実話特集
平岡初枝先生「子供を見つめて」より(13)
ほめ合う子どもたち
<善認クラブ>
ほめること、認めること、それは常に希望と自信とをもって勇躍人生に光明を与える教育であり、なえたるを立たせ、くずおれたるを引立たせる教育であります。
私が郷里の富山にいました頃、このほめる教育の神髄をつかんだ青年たちが、相寄って善い子の教育を思い立ち「善認クラブ」という名称で素晴らしい成果をあげたものです。善認クラブとは、相手の善さを認める、つまりほめる教育です。幼稚園クラスから中学二、三年までの子供を、毎週一回集まりやすい場所をきめて集めるのです。そして、前の週間に行なった善行を発表させて、みんなで称讃し合うのです。やり方はいたって簡単です。
「これから善認発表をしていただきます、先週よいことをしたことを話して下さい」とリーダーがいいます。
すると、子供たちは口々に…… 「本を読みました」 「お使いに行きました」 「赤ん坊の守りをしました」 「茶わんを洗いました」 「お床を敷きました」 「玄関を掃きました」 「雪よけをしました」 ……等々といいます。
そのたびに、 「それは素晴らしい」 「それは、えらかった」 とリーダーがほめてあげる。そして、子供たちはみんな拍手で祝福するのです。これだけのことなのです。でも、それだけがうれしくて、子供たちの集まる数がどんどんふえました。それだけでなく、学校の成績がぐんぐん伸びて、 「素晴らしい子になった」「善い子になった」 と親たちが目を見はるという結果になったのです。
<偉い人とは>
私も時折この「善認クラブ」の集まりに出席して、次のような話をしたものです。
「皆さん、偉い人、立派な人ってどんな人か知っていますか。偉い人というのはひげがあるからえらいのではなく、洋服が立派だからえらいのでもありません。大勢の人を喜ばせる人がえらいのです。
お釈迦さまは二千五百年前、インドでお生まれになった人です。この人が二千五百年の後までも大勢の人を救うおしえを説かれ、大勢の人を喜ばしていられる。だからお釈迦さまはえらい方だとみんなから尊敬されていられるのです。
またここにある電燈、これはアメリカのエジソンという人が発明されたのです。これが発明される前は、ランプをともしていたのですが、うす暗くて風が吹くと火事になる心配もあった。ところが、エジソンが若いときから一所懸命勉強し、実に便利な電燈や蓄音器を発明して下さったので、世界中の者が喜んだ。それでエジソンは偉い人だ、とみんな尊敬しているのです。つまり偉い人とは、こんなふうに大勢を喜ばせる人なのです。
だから皆さんも大勢に喜んでもらえる人にならねばなりません。それには、小さいときから人を喜ばす稽古をしなければならない。先ず、お父さんお母さんを喜ばす子にならねばなりません。
お父さん、お母さんは、皆さんがちょっといいことをしても、とてもうれしがられるのです。喜ばれるのです。こんなに簡単に喜んでくださるお父さんやお母さんをよろこばすことができないでは、将来大勢の人を喜ばすことはできません」
こうして「親を喜ばしなさい、親を喜ばしなさい」と、みんなで教えたものです。この子供の会をしていますと、子供がぐんぐんよくなるので、自然に親たちの会もできるようになりました。そこで、親を集めて話す話の中心は、子供をよい子に育てたかったら、子供のちょっとでも良いところはほめてやってください、喜んでやって下さい、認めてやって下さい、ということでした。
こうして、子供には親を喜ばすこと、人を喜ばすことを教え、親たちには子供を祝福することを指導したのです。するとグングン子供がよくなり、成績などもみんなズンズンよくなりました。その中の一例を次に書いてみましょう。
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