| [1290] インターネット道場―――体験実話特集・平岡初枝先生「子供を見つめて」より(23) |
- 信徒連合 - 2015年11月28日 (土) 08時40分
インターネット道場―――
体験実話特集
平岡初枝先生「子供を見つめて」より(24)
<母の感謝で子供は勉強>
ある年の12月もおしつまった28日、時間も午後の七時を過ぎたころ、私の家の前でデラックスな自家用車がとまって、中年の見覚えのある婦人が降りてこられました。名はおもい出せないが、どこかで会った方、と考えているうちに、それは一年あまり前に、子供の教育のことで質問を受けた方であることを思い出しました。
何でも中学2年生の一人っ子の男の子が、勉強がきらいで、できなくて困るというのでした。その時、私は何となく次のような話をしたのです。
「奥さん、あんたは毎朝仏壇に合掌していますか。御先祖に感謝していますか。それができていないのなら、明日からそれを実行して下さい。そして次のようにいうのです。
御先祖様へありがとうございます。ありがとうございます…… お父さん、お母さん、ありがとうございます。ありがとうございます…… 素晴らしい夫を授けていただいて、ありがとうございます…… 素晴らしい子供を授けていただいて、ありがとうございます…… と、はっきりとした言葉で五分間ほどずつくり返すのです」
「素晴らしい夫でも、素晴らしい子供でもないのですけれど」 と、夫人はくすぐったそうな顔をされました。
「奥さん、いけません、私のいう通りするのです。真心こめて、はっきりとした言葉で五分間ほどずつくり返すのです。それを朝ごとにくり返していると、そのうちに、あなたの心のなかに夫の素晴らしさ、子供の素晴らしさが分かってくるようになるのです。その時子供はいやでも勉強する子、よいことのすきな子になるのです。これが一つ。
それから、もう一つあります。それは、素晴らしい夫、素晴らしい子供ですから、御主人のおっしゃることには、あなたは素直にハイとついて行くことです。子供の顔を見た時には、何か必ず一つ、良い言葉で祝福してやるのです。何もほめること、祝福することがない時には、じっと見つめてニッコリ笑ってやることです」
「それだけですか」 と夫人は念を押されたから、 「それだけです」 と私は答えた。この間、20分ほどだったかと思うのです。 その夫人が、年の暮の28日に訪ねて来て下さったのです……。 「先生、ありがとうございました。おかげで、よく勉強する子になりました。そして今度、クラスで数人しか受けられない努力賞をもらってまいりました」と感謝されたのです。
大人は善い家庭の建設に努力していたら、それでよいのですね。「子供は神の子」と信ずる自己訓練をはげんでいたら、それでよいのですね。
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