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[127] 題名:平成21年度年度追い出し合宿報告 「ミニ討論会」 A 名前:20期生 中村貴治 投稿日:2010年04月01日 (木) 07時04分
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※[125] 題名:平成21年度年度追い出し合宿報告 「ミニ討論会」訂正
前投稿のミニ討論会の第一報告の内容に一部誤りがあります。
お題B「日本は豊かか」の主張内容が、現役生と卒業生で入れ替わっています。
正しくは、
現役生 ⇒「反対」、卒業生 ⇒「賛成」
の立場です。
「議論の推移」、「結論」に関しては、正しく記述されています。
わかりにくくなってしまい、申し訳ありません。
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下記の討論内容報告に加え、今後の討論のために、
今回の1.ミニ討論会のシステム、そして2.先生のお話を追記したいと思います。1.ミニ討論会システム
◎評価方法
評価は討論後、討論に参加したゼミ生以外が行い、
勝ちだと思った方のチームの札をあげてもらうことでポイントに換算。
獲得したポイント数で勝利チームを決しました。
◎ポイントシステム
評価者:
討論に参加したゼミ生以外
ポイント換算:
三戸先生 3ポイント
渡辺さん 2ポイント
ゼミ生 1ポイント
◎時間配分
日時:3月10日 16:30〜18:00
討論時間:25分
(最初に両チームの主張を発表、最後の2,3分は両チームの最後の主張をまとめて貰う)
評価集計・コメント時間:5分
(コメントは三戸先生、渡辺さんのお二人から)2.先生のお話
終了後、三戸先生から今回のミニ討論会を振り返り、討論に必要なことを大きく3点にわけてお話頂きました。
ご指摘を頂くと、如何に意識的に討論ができていなかったのか、恥ずかしく思う限りですが、
今後の討論に向けての基本を記す目的で、ここに記しておきたいと思います。
@どういう性格の議論なのかを考える
議題は、議論するだけの背景・意味を持っているからこそ、議題となります。
例えば、今回のお題@「相撲は国技か」であれば、昨今上位層に外国人力士が増加し、
横綱、大関を席巻。力士の鏡であるはずの(元)横綱、朝青竜は数々の暴挙を残し、
更には暴行事件、薬物事件など様々な不祥事が発覚。この中で相撲は本当に国技といえる
のか、疑わしくなってきているという背景があります。
(三戸ゼミ版08年度10大ニュースにも、「7〜10位 揺れる角界〜大麻・暴行・八百長疑惑、
問われる国技の品格〜」がランクインしています)
コンセプトを踏まえていない意見が的外れなものになるように、
「何故この議題を扱うのか」を踏まえない議論では、充実した内容、結論は望めません。
今回のお題@が、上記のような相撲の現状に対してではなく、その発祥と国技としての
定着に論点が定まってしまったのも、主張を構築するのに固執するあまり、
「何故この議題を扱うのか」、議論の性格を意識しきれなかった結果と言えるでしょう。
どのような性格の議論なのかを考え、そこに論点を当てていくような議論の組み立てが
充実した討論にむけた第一の鍵となります。
A納得のできる理由を考える
議論の基本中の基本と言えることですが、こと社会的な問題を扱うとなるとより意識して
詰めることが必要な点になります。
今回のお題は、以下のようにそれぞれ既に社会的な通念として確立、浸透している立場が
ありました。
お題@「相撲は国技か」⇒ 肯定。相撲は国技である。
お題A「夫婦別姓の是非」⇒ 反対(非)。夫婦同姓である。
お題B「日本は豊かか」⇒反対(非)。皆が不安を感じている風潮がある。
このように既に確立された通念に対して、改めて疑問を投げかけて勝利しようというの
ですから、皆を「言われてみれば確かにそうだ」と言わしめ、納得させるほどの理由が
必要となります。
つまり、お題それぞれに、最初から(@「どういう性格の議論なのか」を踏まえたうえで)、
現状を覆す程のしっかりとした理由を持って論理を展開し、皆を納得させなくては
ならない側の立場が存在したのです。
今回の討論会では、全て既に通念として確立、浸透している立場のチームが勝利しました。
現状を覆すほどの説得力をもった主張を構築できたチームがいなかった結果といえます。
いうまでもなく、@、Aを達成するには、日ごろの問題意識、社会へのアンテナと、
確かな主張をつくりあげる準備が必要なります。
討論の本番以外の時間にどう振る舞うかが重要な点でしょう。
B納得させる話し方をする
3つ目は討論時の振る舞い方に対しての注意です。
理論の確かさもさることながら、どのように理論を主張するかも、その理論の説得力に
大きく左右してきます。
・小さい声でボソボソしゃべる。
・淡々と抑揚がない声でしゃべる。
・沈黙が多い
などは、全てこの要件を踏み外しています。どのような意見でも聞いている側は眠くなり、
意見の説得力が大きく削がれてしまいます。
相手を引きつけ、納得させる話し方とはどのようなものか。
私たちは、刮目やスピーチ大会で常に相手を意識して、自分の話を納得させることを
意識して、話す力を養ってきました。
それを討論の場でも活用しないことは非常に惜しいことです。逆に何故やらないのか。
それぞれが既に一定以上の話す力を備えているのですから、
「どのように主張するのか」の観点からも討論をもう一度考える必要があるといえます。
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私たちは毎年討論会を、一年間のゼミ活動、勉強の成果を発揮する場として定めています。
ですが、せっかく時間をかけて準備しても、それをどのように生かすかということまで
意識できていなくては、本当に満足する結果は得られません。
先生は以前、本の交換会のアドバイスとして、「短く言った方がよい。短い文から始めれば、
何が必要なことなのか。ミニマムが見えてくる」とおっしゃいました。
討論会についても同じことが言えます。
「大は小をかねる」と言いますが、小から大へと拡散していく学び方もできるのでしょう。
今後ミニ討論会の機会があれば(是非そのような機会をつくりたい!)、
ここに記してあるようなことを意識して行い、年末の討論会にもつなげていきたいと思います。