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[217] 題名:後期第3回本の交換会報告テーマ「講談社現代新書」〜「正義」の観点から本を読む〜 名前:坂倉 尚道(22期生) 投稿日:2010年11月19日 (金) 10時11分
前回に引き続き報告が遅れて申し訳ありません。もう二度と報告が遅れることのないようにします。
11/2(火)に行われた本の交換会報告をします。テーマは「講談社現代新書」です。
●○●紹介本リスト●○●
■先生、OB
出品者
著者名『本のタイトル』評価 購入者
-紹介コメント
※今回紹介された本の出版社はすべて「講談社現代新書」です。
三戸先生
佐伯啓思『「欲望」と資本主義』A○ 中村
−社会主義の崩壊後、資本主義が大きくなり、「国家」が社会主義の代わりを担うようになった。
資本主義を動かしているのは「企業」である。「資本主義」がどういったものかを抜きにしてCSRについて考えることはできない。
西尾幹二『ヨーロッパの個人主義』A− 竹田
−カントやベンサムの時代の人間観が分かるようになるには、近代化論を読むと良い。
「効用」「自由」は「個人」の概念抜きには考えることはできない。「正義」に対しての理解が深まる一冊。
前川貞次郎『新書西洋史5 絶対王政の時代』A− 小泉
−「ルソー」「カント」「ホッブズ」などの思想が生まれたのがこの時代である。この時代についての理解がなければ、
「正義」についての議論を本当の意味で理解したことにはならない。
玉木正之『スポーツとは何か』B+ 大野さん
−目次を見ると「オリンピック」「企業スポーツ」「ギャンブルスポーツ」「高校野球」「Jリーグ」etc。視点が面白く、類書のない本。
大野さん
佐伯啓思『自由とは何か』A− 坂倉
−「アメリカのイラク戦争」「イラクの人質事件」「市場競争」「援助交際」etc。「自由」の名のもとに
様々な問題が正当化されていることに「違和感」を持ちながらもなかなか反論できないのが現状なのではないか。
自分達が生きている社会について考える上で「役に立つ」一冊。
■現役生
[評価]
出品者 著者 『本のタイトル』購入者
−紹介コメント
※今回紹介された本の出版社はすべて「講談社現代新書」です。
[A+]
安齋 福岡伸一『生物と無生物のあいだ』小泉
−小さな生命の振る舞いは、恐ろしいほど、そして美しいほどに人間の振る舞いに似ている。生命とは何か。
Scienceと文学の出会い。必読のベストセラー。
中村 福岡伸一『生物と無生物のあいだ』近藤
−交換会で出品される本の中で、「良い本」に共通しているのは「何度も紹介される本」である!と安齋さんに続けざまに紹介(笑)
ゼミ室は笑いにつつまれる。
[A−]
竹田 増田四郎『大学でいかに学ぶか』松井
−「ゼミで本を出そう!」こんなに遅くまでやっているゼミなんて他にない。ここで自分達が何をやっているのか
を改めて考えることが出来る一冊。
勝又 中根千枝『タテ社会の人間関係』長M
−日本の伝統的な社会は「タテ社会」である。現代に生きる我々も昔からの日本の人間関係を知ることで、
現代日本のコミュニティにおける「正義」というものを考えてほしい!
[B+]
長M 池上彰『わかりやすく<伝える>技術』清野
−三戸ゼミで勉強する中で感じるのは、「人に伝えること」の難しさ。この本を読んで、掲示板・レジュメ・スピーチで実践し
「伝える」技術を向上させよう!
[B]
清野 黒沼克史『少年法を問い直す』勝又
−著者は法律学の専門家ではないが、そのことが返って内容を理解しやすくしている。
法律に矛盾を感じたことがある人に読んで是非欲しい!
近藤 安藤優一郎『幕臣たちの明治維新』三戸先生
−今年、最も流行ったドラマと言えば「龍馬伝」。倒幕側の人間は有名だが、幕府側の人間がどのように明治維新を生きたのか
を是非知ってほしい。
坂倉 広田照幸『日本人のしつけは衰退したか』安齋
−少年の凶悪犯罪が起こった時に言われるは「日本のしつけが衰退した。」しかし本当にしつけは衰退しているのか。
将来のためにしつけについて考えよう!
▲▽▲本日の人気本▲▽▲
本日の人気本ランキングは以下のような結果になりました!
順位 紹介者 著者 タイトル 評価 購入希望者
1位…安齋さん 福岡伸一『生物と無生物のあいだ』 A+ 4人
2位…三戸先生 西尾幹二『ヨーロッパの個人主義』 A− 3人
中村さん 福岡伸一『生物と無生物のあいだ』 A+ 3人
長濱さん 池上彰『わかりやすく<伝える>技術』 B+ 3人
坂倉 広田照幸『日本人のしつけは衰退したか』 B 3人
安齋さんが現役生で初の1位獲得です!おめでとうございます!
福岡伸一『生物と無生物のあいだ』は安齋さん、中村さんに加えて、三戸先生も
評価A+をつけるとおっしゃった本です!
僕も「是非読んでみたい!」と思わされた一冊でした。
次の交換会も複数の人に手を挙げさせるような紹介を目指して頑張りましょう!
■□■感想■□■
最近の本の交換会、特に今回の「紹介の特徴」として挙げられるのは、「正義」の問題に関連させた本の紹介です。
こうやって、紹介された本を振り返って見てみると、本当にあらゆることが「正義」に関連しているんだということが分かります。
現在起こっている法律や経済の問題。日本、中国、ヨーロッパ、アメリカの社会や歴史。人間観。
本当に様々なことに関連し、広がりを持つ分、それだけ面白い勉強になっているのだと思います。
一回読んだことのある本でも、「正義」の観点から読み直すことで、また新たな発見があるかもしれないので
この機会に今まで読んだ本を読み返したいと思います。
※次回11/24(水)(11/16(火)から延期しました)のテーマは「その他新書」です