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[245] 題名:夏合宿 駅弁企画〜三戸ゼミ美食アカデミー〜 名前:坂倉 尚道(22期生) 投稿日:2011年03月01日 (火) 05時03分
夏合宿で行われた「駅弁企画」の報告をします。大変遅れて申し訳ありません。
夏合宿が終わってからすぐに報告を書けば、もっと良い報告が書けたことを考えると本当に残念です。
せめて今読んでも意味のある報告になるように心がけます。
[目次]
T.企画内容
U.結果
V.感想〜「お願いランキング」ビデオに関する議論から〜
T.企画内容
前期のゼミ室で度々話題に上っていた「お願いランキング」の「美食アカデミー」。
夏合宿では「評価」の勉強ということでその録画ビデオを鑑賞しました。
またそれに連動する形で「駅弁企画」を開催し、ビデオを観る前に(御宿に着いた後すぐに)
事前に用意した「駅弁」を食べて評価しました。
以下のような進行手順で行いました。
≪進行手順≫
[準備]
@集合場所の東京駅で駅弁を購入。(他班に食べてもらう駅弁を選ぶ。)
[昼の部]
A開会式前の時間に広間で弁当のプレゼン&試食。
B評価用紙に記入。
C弁当に対するコメントの発表。
[夜の部]
D「お願いランキング」のビデオを鑑賞。
Eビデオを見て気付いた点について議論。
U.結果
以下が、今回紹介された駅弁のランキングです!
味…10点、見た目…5点の評価をして、平均ポイントに値段/800円を掛けました。
(つまり安い弁当ほど、ポイントが高くなるシステムです)
駅弁外観一覧
第5位…スペイン産ベジョータイベリコ豚重(eashion)
写真
−値段1000円。どんぐりを餌にしているイベリコ豚を使用。肉好きに食べてほしいと紹介。
(紹介班)肉食主義
(評価者)竹田、市川、勝又
平均 竹田 市川 勝又
味 5/10 7/10 6/10 2/10
見た目 1.67/5 2/5 2/5 1/5
合計 6.67/15 9/15 8/15 3/15
平均総合×値段/800円=5.24P
[コメント]
●味
・美味いけど冷めると少し味が落ちる。脂身多くて少食の人にはきつい。
・脂身たっぷりでおいしい豚だった。ししとうのアクセント、卵焼き、のりがはいっていて細かいところまで気がきいている。
ただ脂っこすぎて気持ち悪い。
・見た目通り脂っこい。ガッツリでなくて、脂っこい。肉にはもっと薬味があれば味が変わっていいかも。
○見た目
・パッケージにイベリコ豚の高級感がない。
・パッケージがさびしい。
・中身の色合いが少ない。
・肉々しい。
第4位…炙り煮穴子重(NRE大増)
写真
−値段1000円。煮穴子が美味いのは分かるがそれを炙ったらどんな味になるのだろうか。
(紹介班)コバストテレス
(評価者)小泉、衛藤、松井
平均 小泉 衛藤 松井
味 7/10 7/10 8/10 6/10
見た目 2.14/5 2/5 2/5 3/5
合計 9.14/15 9/15 10/15 9/15
平均合計×800円/値段=7.31P
[コメント]
●味
・穴子は味が薄い気がするがやわらかさは申し分ない
・穴子のご飯に対する割合はやや少ない。
・煮穴子の炙り感を弁当で出すのは難しいだろうが、食べていて感じられなかった。ネーミングだけに…
○見た目
・穴子は黄色のパッケージが合っている。
・ご飯が見えすぎ。コストを考えると下手におかずを増やすよりも穴子を大きくタレをしみ込ませてほしい。
・コストを考えるとご飯を煮汁でたくと良い。
・青トウガラシの緑、紅葉型の人参が色合いをよくしている。
第3位…鶏づくし弁当(全国農業協同組合連合会)
写真
−値段850円。農協が出している駅弁。近藤班が鶏めし弁当と併せて紹介。
(紹介班)けいさん!!
(評価者)坂倉、小林
平均 坂倉 小林
味 6.5/10 6/10 7/10
見た目 2.5/5 3/5 2/5
合計 9/15 9/15 9/15
平均総合×800円/値段=8.47P
[コメント]
●味
・付け合わせの煮物もかなり美味い。ただ、「鶏づくしだ〜、鶏美味いな〜」という感動がない。
せせりとつくねの右半分に対してそぼろの左半分が魅力に劣り、箸がすすまない。
・せせりが美味い。そぼろの味付けがしっかりして良い。
○見た目
・素材が鶏だけに、色見が地味。
付け合わせは煮物でないほうが良いのでは。全体的に素朴な感じを出すというのなら有りだが。
・見た目はコンビニ弁当と変わらない。プラスチック容器で高級感は感じられない。
第2位…高崎名物 鶏めし弁当(高崎弁当株式会社)
−値段800円。近藤班は先生の食べたい弁当の情報を事前に入手しこの弁当を用意。
写真
(紹介班)けいさん!!
(評価者)三戸先生、清野
平均 三戸先生 清野
味 6/10 7/10 5/10
見た目 3/5 4/5 2/5
合計 9/15 11/15 7/15
平均総合×800円/値段=9P
[コメント]
●味
・美味い!(出ましたカワゴエSmile!)だが少し甘い。おかずに工夫の余地あり。
・全体的に甘め。ごはん、つくねの味は良いが、玉こんにゃくの味が微妙。はしやすめとしても…
○見た目
・半世紀変わらない包装は何よりいい。(包み紙からフタヘ直接印刷に変わっているが)独自色は十分。
しかし他の弁当とまざると今一つ地味。
・そぼろがパサついて見えるので食べにくそうな印象。ご飯の部分で茶を表しているので、
隣につくねじゃないものを入れて色を加えて欲しい。
・そぼろの卵は変えた方が良い。(いくら鶏づくしだからといって…)
第1位… 松茸おこわ重(おこわ米八)
−値段840円。秋といったら松茸。季節感を味わえる駅弁。
写真
(紹介班)Seinoism
(評価者)守内、近藤、中村
平均 守内 近藤 中村
味 7.67/10 8/10 6/10 9/10
見た目 4/5 4/5 4/5 4/5
合計 11.67/15 12/15 10/15 13/15
平均合計×800円/値段=11.11P
[コメント]
●味
・はしやすめの漬物が良い。
・甘い、酸っぱいなどのバランスが良く全体で調和されている。
・食感のバランスが良い。(柔らかいもの、歯ごたえのあるもの)
・ごはんが少し固い。(おこわが固いのは当たり前だが。)
○見た目
・紅葉形の人参、黄金色の銀杏、茶色の松茸などの彩りが素晴らしい。
・全体から秋を感じさせる。〜「お願いランキング」ビデオの議論から〜
V.感想
本来は、ビデオを視た後に、その評価に関して議論を行ったので、その議論の詳細を報告すべきです。
しかし、報告の遅れのため、情報が正確でないので、自分の「感想」という形でその議論について書きたいと思います。
申し訳ありません。
今回の企画を通して、一番問題になったのが、
川越達也を始めとする評価者達が、それぞれ違う料理に対して別々の基準を用いて評価をしているのではないか
ということです。
例えば、オムライスは「味」で評価し、ハンバーグは「見た目」で評価する。
何の一定の基準も持たずに、「思い込み」で評価している。
川越達也のコメントを聞いているとそのようにも感じる人もいるかもしれません。
では、本当に何の共通した「基準」も持たずに評価をしているのか。
ゼミ生の中ではなかなか議論が進展しませんでした。
これに対して、三戸先生は、
評価者達は、全ての料理に共通して「期待」という基準で評価している
というお話をされました。
おそらく、あの番組に出ているプロの料理人は、その料理のみを見て評価しているのではなく、
「駅弁として」「ファミレスがつくった商品として」だとか
「その商品コンセプトに照らして」
自分の持っている「期待」を大きく上回る商品を高く評価し、
それに及ばない商品を低く評価しているのではないか、ということだと思います。
「ネーミング」に関して敏感なのもそれに関係しているのでしょう。
例えば、「こだわりハンバーグ」の「こだわり」に対して、本当に「こだわっ」ているのか、
ということを厳しく評価しています。
お願いランキングの評価者達は、おそらく全員「期待」で評価しているのには変わりがないのでしょうが、
その評価者達にも優劣があるように思います。
それは、相手の意図や場・環境から生まれた「期待」を持って評価に臨んでいるかどうか、ということかな、と思いました。
「期待」とは「相手に求めていること」です。
「女性の口に合うかどうか」をほとんどすべての商品に適用する女性の評価者も
「女性の口に合う料理が良い」という「期待」を持っています。
しかし、それは自己中心的な「期待」です。
そこからは、いち女性の消費者の意見としての参考以上のものは生まれないでしょう。
三戸ゼミでは、「評価」ができる機会がたくさんあるので、「評価」というものに対してもっと意識的になり、
「良い評価」が自分に身に着くようにその機会をもっと積極的に活用していきたいと思います。