since 2009.06.19
[224] 題名:報告のやりがい、再確認 名前:竹田俊亮 21期 投稿日:2010年12月11日 (土) 16時18分
報告から学べることは本当にたくさんあります。
学びやすさとしても三戸ゼミの勉強に比べるとはるかにわかりやすく自分の力になります。
(三戸ゼミの勉強は本当に難しい内容をやっています。
理解するだけでも学部生のレベルをはるかに超えているのではないかと感じることさえあります。
ましてそれをレジメや論文として相手に伝えるとなるとさらに難しいものです)
私は昨年度の後期2年生の報告に対し、ほぼ全て事前にチェックをして投稿をさせました。
これは09年度の前期に掲示板を通じて佐々木さんにご指摘を頂き、
大野さんや片岡さんといった現役の先輩から丁寧にその詳しい内容まで教えて頂いたからです。
この経験は今確実に自分のものとして身につき、一生の宝であるとも思っています。
三戸ゼミは本当に「良き師、良き朋」に恵まれた場です。
すべての場・時間を大切にして下さい。そうすることが自分を大切にすることにもつながります。
今年度もあと3カ月。ゼミも数回です。一緒に学んで、自分の宝を創りあげていきましょう。
(これも参考に 2009年度 本の交換会総括!)
[223] 題名:ゼミ報告から見える問題、現状把握その2 名前:竹田俊亮 21期 投稿日:2010年12月11日 (土) 02時49分
これまで3年生を中心とした担当者に対し、その都度進捗状況を聞くとともに、
報告に取り組む際、何が心の壁となっているのかを問うてきました。
その内容をまとめ、今後に結び付けていきます。
2、姿勢が問題なのか
前期と夏休みを通して私が正直に感じたことは、
彼らが自分の勉強としてではなく、ゼミの課題であるからやらないといけない
といった姿勢の問題として捉え、やる気に結び付けられないのだなと思っていました。
しかし、実際彼らの状況を聞きますと、報告をまとめるときはかなりの時間をかけており、
難しい勉強内容をまとめようと努力をしています。(構想時間も含め7〜9時間費やす場合もある)
このことから、一概に姿勢の問題として片づけられないと分かりました。
3、一度工夫をしてみよう
ではどのように改善していくことができるのか。
以前から三戸先生のご提案で、次のような改善案が出ています。
【一つの報告内容を分担する】
…現在の報告の形式は、一人がその日の内容を全てまとめようとしていますが、
どうしても量が多くなり、報告者がまとめきれていません。
(勿論、全ての内容を網羅するのは難しく、取捨選択をしなければなりませんが)
よって、その日一日の内容を
@勉強
A刮目
Bゼミ室の光景+自分が感じたこと、
C先生のお話
のように分けていくという案です。
これにより、一人の負担を減らすことができ、読み物としての側面が強く出て一味違った報告の練習にもなるでしょう。
毎週担当者を回していき、全ての種類をこなせば、また一段階成長するに違いありません。
一度やってみることが大切です。がんばりましょう。
(記録について)
時間をかけて行っているゼミ報告ですが、記録性としてまだまだ問題があります。
11月は三戸先生が体調不良のため2回欠席されました。このことは必ず記録として残しておきましょう。
〇第7回:11月16日(火)市川宗近
⇒三戸先生にお叱りを受けたことについては書かれていますが、
それをきっかけに三戸先生が帰られたことも書くべきです。
〇第8回:11月24日(水)清野彩奈
〇第9回:11月30日(火)×
⇒三戸先生の欠席情報を書きましょう。
[222] 題名:ゼミ報告について、現状把握その1 名前:竹田俊亮 21期 投稿日:2010年12月11日 (土) 02時00分
夏合宿に続き、後期のゼミ報告が全て上がっておらず遅れることが多々あります。
このことを担当者のこととしてだけではなく、今後のゼミ報告の在り方にもつながることと受けとめ、
先輩の立場からこれまでの整理と今後について書き込みます。
1、2010年度報告 状況
−夏合宿− | −後期−
合宿総括:近藤祐太朗×|第1回:10月5日(火)松井敬祐 「中公新書」
勉強:坂倉尚道、他 △|第2回:10月12日(火)衛藤雄介、市川宗近
(以下企画) |第3回:10月19日(火)× 「岩波新書」
夜企画:清野彩奈 〇|第4回:10月26日(火)松井敬祐
深夜企画:清野彩奈 〇|第5回:11月2日(火)清野彩奈 「講談社現代新書」
音楽企画:清野彩奈 〇|第6回:11月9日(火)× 〜スピーチ大会「納得できなかったこと」〜
パウル君:近藤祐太朗〇|第7回:11月16日(火)市川宗近
2年企画:衛藤雄介 ×|第8回:11月24日(水)清野彩奈
駅弁企画:坂倉尚道 ×|第9回:11月30日(火)×
ブリッジ:守内彩子 △|第10回:12月7日(火) 「その他新書」
―――――――――――|
第1回スピーチ報告 ×
『もしドラ』報告 ×
この現状を見ますと、報告というのは遅れれば遅れるほどその価値が下がってしまうと感じます。
読む人にとっては勿論ですが、報告者にとっても記憶を遡ることが難しくなり、正確さが損なわれます。
また、報告者にとっては書くことに時間がかかるだけでなく、次回の報告がたまれば更に精神的負担にもなるでしょう。
このような悪循環は報告本来の性格から大幅に離れています。
なぜこのようになってしまうのでしょうか。
改めて報告の意味をもう一度理解するだけではなく、そのやり方も工夫していかねば
これから報告する人にとって、報告を通して自他ともに豊かにしていくことができません。
以前書いた私の書き込みもなかなか有効な意味を持ちえていないように思いますので、
再度、ゼミ生全体で確認、共有し、来年度以降自分たちが取り組むことの意味を理解してほしいです。
報告の何にやりがいをもてるのか
[221] 題名:後期第8回ゼミ報告〜水曜日にゼミがあるなんて新鮮だ…!〜 名前:清野彩奈(22期生) 投稿日:2010年11月29日 (月) 20時46分
今回のゼミでは時間割を変更し、勉強の開始前に達成目標を確認しました。全体で目標を
確認したことで今日すべきことを共有し、ゼミに臨むことができたと思います。
しかし、今回も時間管理の徹底ができておらず、前半の功利主義の検討だけで2時間も
割いてしまう結果となりました。これが後に響いてしまい、予定していた課題をゼミの場で
検討することができなかったのは問題でした。
それでは11月24日に行われたゼミ報告を行います。
【目次】
T.基本情報
U.「正義」検討〜功利主義、自由主義、共同体主義〜
V.CSR検討T.基本情報
【日時】11月24日(水)17:00~00:30
【場所】経営学部B棟203号室
【出席状況】(括弧内は欠席者)
OB:大野さん
けいさん!!:近藤、小泉、勝又(宮原、大塚)
SeinoIsm:清野、竹田(高松、衛藤)
肉食主義:坂倉、長濱、松井(守内)
コバストテレス:中村、安齋(小林、市川)
出席:59%(10/17)U.「正義」検討〜功利主義、自由主義、共同体主義〜
今回は各正義に納得できたのかできないのかを各班がレジュメにまとめてきました。
そのレジュメを基に、納得できない点を検討することでより正義の理解に迫りました。
○功利主義
功利主義では納得のいかない点として以下の三点が挙げられた。
(1)少数が犠牲になる
(2)功利計算は現実的にできるのか
(3)功利計算はしてもよいのか
時間の都合上、(2)の現実的にできるのかという点で切り上げになってしまった。そのため、
最後まで検討することができず結果は保留となった。
(1)少数が犠牲になる
→必ずしも犠牲がでるとは限らないが、功利主義の性質上それは否めない。
目的に叶ったことだとしても、少数が不利になることを正しいとしてしまってもよいのか。
不平等であるのに、それを正当化することに問題があると感じた。
しかし、功利主義とは最大多数の最大幸福を目的とした考え方である。そのため、少数が
不利であることに納得がいかないというならば、功利主義の目的である「最大多数の最大幸福」
自体に納得がいかないということになる。この反論を成立させるためには最大多数の最大幸福を
目的とすることが正しくないと論拠を揃えて指摘しなければならない。
(2)功利計算はしてもよいのか
→してもよい。
この問題は功利主義が原因の問題ではなく、他の正義に関わる問題である。計算の動機や
目的によって判断が変わる。
例えば、サンデルのテキストにあったタバコ会社のケースでは、功利計算の結果を悪質な宣伝に
使用したことが反感を買ったのであり、功利計算が反感を買ったのではない。
むしろ功利計算は保険会社などで社会から必要とされ、現在にも根付いているものである。
よって功利計算はしてもよいものであるが、例にも挙げた通り慎重に扱わないと社会から反感を
買うため、十分注意が必要なものでもある。
(3)功利計算は現実的にできるのか
→できる。(しかし、金額に換算するという市場ルールに則ったものに限る。)
功利計算には“快楽と苦痛によって判断するという純粋な場合”と“金額に数値化するという
市場ルールに則った場合”が存在する。実際の社会では保険会社を代表とした、功利計算を
現実のものとした例に満ち溢れている。周囲を見渡せば金額表示されたものに囲まれている
市場経済に生きる私達には功利計算を否定することはできない。
しかし、快楽と苦痛を可視化できる状態にするには難しく、主観的に計測した効用と客観的に
計測した効用では差異が生まれるため、はたして計測することが可能なのであろうかという点が
問題として残った。
○自由主義
自由主義の検討では肉食主義のレジュメを基に納得いかないことを挙げた。
<リバタリアニズム>
(1)同意だけでは成立しない
(2)課税を否定するのはどうか
ロールズはそもそも理論の共有が完全になされていなかったため、納得できるかできないか
の検討に入ることができなかった。
(1)同意だけでは成立しない
→たとえ当事者間で同意があったとしても、影響は収まらない。
社会は他者と関わって成立しているものであり、当事者間に同意があったとしても、何かしら
権利の侵害である等の影響が出てしまうものである。常識や法律があるから現在の社会は
成立している。そのため、同意だけでなく社会規範も考慮に入れなければならない。
(2)課税を否定するのはどうか
→課税は社会を正常に機能させるために必要なシステムである。
リバタリアニズムは労働の対価として財産を得るとしているのだから課税で所得から財産を
奪うのは侵害であると考えている。そして、自分の財産の一部が他人に再配分されることを
嫌うため、課税で徴収された税金が生活保護等の社会福祉に充てられる必要性を感じない。
弱者保護を必要ないと主張しているようなもので、酷くも感じるが、財産を守るためなら
リバタリアンは正しいと判断する。
○共同体主義
共同体主義では納得のいかない点と疑問点として以下の二点が挙げられた。
(1)価値観は統合できるものなのか
(2)共通善から外れた行動を取った場合はどうなるのか
また、共通善そのものに対して疑問も浮かんだ。共通善の定義が“伝統や文化、または
市民の熟議によって設定された価値観”とされたが、この定義の中には二つの軸が存在している。
共通善を定めるにあたって“@伝統や文化”“A市民の熟議による”と定め方に違いがあるのである。
そのため、共通善自体をつめる必要がある。
(1)価値観は統合できるものなのか
→難しいと思われるが、現段階でつめられていないため回答不可能。
価値観が多種多様に存在しているため、統合するのは難しいと批判点として挙げられたが、
多種多様に存在しているから統合は難しいという結論には結びつかない。批判として成立していないが、
統合できるのかという点に答えられなかったのでつめる必要はある。
(2)共通善から外れた行動を取った場合はどうなるのか
→不正義とはならない。
個人が共通善から外れた行動を取ったとしても、正しいかどうかの判断ができない。政治哲学として
共通善が必要とされているのであり、個人を対象とはしていない。そのため、共通善は
アイデンティティを汲み取ったものでなければならないとされる。
しかし、まだつめきれてない点もあるため、検討事項として残った。V.CSR検討
今までゼミの場に何度もCSRの肯定・否定論についてのレジュメは提出されたが、
しっかりと時間を割いて検討したことは少なかったため、肯定・否定論の理解に努めた。
<否定論の論拠>
【対木】
・自由市場原理に従えば企業にCSRは求められない
・CSRを強調すると、企業の権力が増大し(現在は良しとされている)、
多元的社会を否定することになる
【森本】
・資本的企業観
<肯定論の論拠>
【対木】
・企業の利益に繋がる(市場システム上)
・企業が進んで“社会的規範”になるべき
・企業は社会貢献に足りる資源を保有している
【森本】
・制度的企業観
・ステークホルダーアプローチ
・社会的規範
・自由経済擁護論
・潜在的事業機会論
<否定論>
論拠として“自由市場原理に従えば企業にCSRは求められない”とあるが、正しくは
消極的CSRとして捉えており、全くCSR活動が求められていないわけではない。
法・市場ルールの遵守、財・サービスの提供、株主の私的利益追求は最低限のラインとして
求められており、それ以外の活動は政府機関が行うべきものとしている。
<肯定論>
否定論の消極的CSRと対で肯定論は積極的CSRとして捉える。消極的CSRで求められる
活動に加え、社会から求められている分野の活動に積極的に取り組むことが望まれている。
○ここで、この肯定論の論拠である“自由経済擁護論”と否定論の論拠である“自由市場原理に
従えば企業にCSRは求められない”が矛盾しているように感じる点が指摘された。
→これは時代が変わったことが大きな要因であると考えられる。
時代・社会における「正義」が変わったのであり、背景である歴史の変化についても考慮する
必要があるとされた。W.感想
「納得できるかできないかを検討する前に、ロールズの理論を確認する必要がある。
この時点でその状態だと危ないぞ。」と大野さんが仰った言葉の通り、もう私達に残された時間は
僅かです。ラストスパート、頑張っていきましょう!
今回のゼミでは、夏合宿以来の書記を務めました。身長の関係で黒板の上部を上手く使うことが
できない私は書記を苦手としていましたが、椅子を台にすることで克服できました!!!!!!!
椅子の上に乗って黒板に字を書くなんて小学生以来です。前回の夏合宿では書記の要領が
把握できずに混乱して終わりましたが、以前よりは落ち着いて取り組むことができました。
これを機に、これからは書記にも積極的に取り組んでいきたいと思います。
[220] 題名:後期第5回ゼミ報告〜短く簡潔に、内容を述べよ〜 名前:清野彩奈(22期生) 投稿日:2010年11月29日 (月) 20時17分
報告が大幅に遅れてしまい、申し訳ありませんでした。
討論会までゼミの回数も限られてきたため、今回のゼミでは今後どのように勉強を進めていくのかを
先生からご提案していただきました。具体的な内容に残りのゼミ日程に割り振り、担当も決めたので
方向性がしっかりと定まったゼミとなりました。
【目次】
T.基本情報
U.「正義」検討〜ミル、ロールズ、サンデル〜
V.CSR検討
W.刮目T.基本情報
【日時】11月2日(火)14:40~22:50
【場所】経営学部B棟334号室
【出席状況】(括弧内は欠席者)
OB:大野さん
けいさん!!:近藤、小泉、勝又(宮原、大塚)
SeinoIsm:清野、竹田(高松、衛藤)
肉食主義:松井(坂倉、守内、長濱)
コバストテレス:中村、安齋(小林、市川)
出席:47%(8/17)U.「正義」検討〜ミル、ロールズ、サンデル〜
今回の勉強では今まで触れていなかったミルの功利主義、ロールズの平等、サンデルの共同体主義
について検討を行った。
先生から各主義において「短く簡潔に、主義が何を主張しているのか述べよ」と最初に提言されたが、
誰一人先生を「その通りだ」と頷かせることはできなかった。
○J.S.ミルの「功利主義」
ミルはベンサムの功利主義をより洗練したものへとするために取り組み、新たな功利主義を
打ち出した。しかし、比較対象であるベンサムの理論が記述されておらず、反論もどういったものなのか
分からなかったため、ミルがベンサムの功利主義を超えることができたのかが検討できなかった。
○ジョン・ロールズの「平等」
ロールズの正義は第一原理と第二原理に基づいて成立する。各原理の論拠が用意されていたが、
平等と公平は同義なのか、第二原理は何故必要なのかという指摘がなされた。
また、サンデルは正義の問題を論ずるためにロールズを取り上げたが、二十一世紀において
この当たり前である「平等」を取り上げる必要があることがまず問題でもあるとされた。
○マイケル・サンデルの「共同体主義」
各チームで「マイケル・サンデルが提唱している共同体主義とは何か」を簡潔にまとめ、
黒板に書き出し、検討することとなった。そこで結果として「各コミュニティの(人びとが共に考え)
共有する価値に基づいて行為をすること」とまとめられたが、この主張には今まで検討してきた
功利主義・自由主義など各概念が盛り込まれたものであることが指摘された。そのため、
サンデルの正義ははっきりとはしていないということが分かった。V.CSR検討
企業の社会的責任論の否定・肯定論についての検討を行い、今後の方向性として正義とCSRを
どうやって結び付けていくのか方法案が提案された。そして、今回は否定・肯定の内容理解
というよりも、正義とどうやってCSRを結びつけるかという点を重視して行った。
しかし、否定・肯定の論拠が記述されなかったため、それを抜きに正義論との結びつきは
考えることができないので論拠の整理と対比表の作成が課題とされた。【今後の具体的な勉強の予定一覧】
<11/16>
・正義論〜功利主義・自由主義・共同体主義〜
・CSRの否定・肯定論
<11/24>
・責任と正義
・行為と分配
・CSRとは
<11/30>
・CSR否定・肯定論と正義論W.感想
ゼミ報告を停滞させてしまって反省しております。ゼミ報告担当の時は次回のゼミに向けて内容を確認される方、
その日ゼミでどのようなことが起こったのかを確認しようとする欠席された方のために最悪、月曜日までには
掲示板に挙げようとしているのですが、今回はこんなにも遅くなってしまい大変申し訳ないです。
三年生として二年生に示しもつかないので、今後はこのようなことがないよう一層気をつけて
いきたいと思います。
[219] 題名:2010年度後期第7回 ゼミ報告 名前:市川宗近(23期生) 投稿日:2010年11月24日 (水) 06時34分
【目次】
T.基本情報
U.勉強
V.先生に叱って頂いたことに関して
W.感想T.基本情報
【日時】11月16日(火) 15:00〜
【場所】経営学部B棟334号室
【出席者情報】※カッコ内は欠席者
OB:大野さん
近藤チーム[けいさん!!] 近藤、勝又(小泉、大塚、宮原)
坂倉チーム[肉食主義] 松井、坂倉(守内、長濱)
清野チーム[Seinoism] 竹田、清野(衛藤、高松)
小林チーム[コバストテレス] 中村、安齋、市川(小林)
出席率:53%(9/17)U.勉強
1.先生のお話 ―無自覚の「正義」―
検討を始める前に、先生から「無自覚の正義」についてお話を頂いた。
※ ※ ※
現代社会では、無自覚で功利主義、自由主義、共同体主義が混ざりあっている。
例えば、このままでは潰れてしまいそうな会社があるとする。
このまま会社が潰れ、全員が職を失い途方に暮れるよりかは、一部の人の首を切って、
会社を存続させることについて、多くの人が「尤もだ!」と賛成するだろう。
しかし、では、あなたを首にします、となったとき、多くの人は反対する。
これは、無自覚の功利主義の例であり、このような人では、真っ先に首を切られても
仕方ないだろう。そして、これから討論会をするにあたり自分達が納得させる相手も、
少なからず、無自覚の正義を持っているはずである。
そのような、人を納得させるためには、自分達の無意識の正義を意識的な正義に変える必要がある。
そのため、功利主義についての理解を深め、無意識的現状から意識的に変えるべく、
功利主義についてのレジュメの検討から入った。2.レジュメ検討
【検討レジュメ】「功利主義 総論」(担当:Seino Is,m)
≪功利主義に対する各種批判の確認≫
(1)前回までの「功利主義批判」
前回まで、マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』(早川書房)用いて、功利主義に対しての批判として、
「個人の効用が考慮されない」「価値の一元化は不可能である」の二点が挙げられていた
(2)今回の新たに追加された「功利主義批判」
今回、主に加藤尚武『現代倫理学入門』(講談社学術文庫)を用いて、以下の5つの批判点が挙げられた。
「単一原理主義の破綻」 「幸福加算の不可能性」 「個体の基準の不在」
「義務への動機の不在」 「配分原理の不在」
の五点の批判にしたことで、功利主義の限界へ迫ることができた。
⇒その批判によって、功利主義の考えに影響を及ぼすのか、変更する点がないのかという
検討がされていなかった。
≪批判に対する検討≫
今回は先生から、実際に検討する際に、どのように批判的に考えればいいのかを実践していただいたので、以下に示す。
(1) 「単一原理主義の破綻」について
【レジュメ本文】
「10人の人がいて、それを自由人と奴隷人に分けた場合と…」
【検討】
例の設定が複雑化している
→「自由人と奴隷」の例では奴隷というだけで価値観を導入することとなり、功利主義を考えるための例であったはずが別の正義の話を持ってくることになる。
設定自体が難しくなるため、これを男と女に置き換え、男女共同参画社会を例に女性の社会への進出を考えるなど、自ら例に手を加えるなどすることで分かりやすくなる。
(2) 「幸福加算の不可能性」について
レジュメにおいては、本当に幸福を計算「できるか」どうかという観点からのみ、批判が加えられているが、実際には幸福をする時は、少なくとも以下の2つの意味での検討が必要であろう。
@正確にすることが「できる」のか
Aできるとして「してもよい」のか(→根本的に人身売買と変わらないのではないのか)
先生からいただいた、批判をヒントに、他の各批判への検討が次回への課題となった。V.先生に叱って頂いたことに関して
レジュメの検討を行っている途中で、先生からゼミ生の姿勢に対してお叱りを頂いた。
「何故勉強しているのか」「何故夜遅くまで続くゼミでなくてはならないのか」
全ては自分達がしたい、そうありたいと考えているからである。
我々はゼミ生として今回のことを重く受け止め、考えなくてはならない。
その後、ゼミ生によって「今、何が問題であるのか」ということから考え、意見を出し合った。
そこで挙がった意見から、主だったものを以下に記す。
(1) 今回の問題点
「自分達の勉強」になっていない。ゼミ生が自分達の勉強であるのに、先生が話してくださっている時も、下を向いていたり、寝ていたり、学ぶ者としての姿勢が最悪であった。
またその表れとしてゼミ報告を含め、掲示板での課題が勧められていないなどといった点も指摘された。
(2) 原因は何か
学びたい、納得したいという気持ちが少なかった。レジュメをもって何を学びたいか、
納得したいかを考えることなく、ゼミの席に座っていた。
また、一週間のスケジュール管理もなっておらず、効率の悪さの問題も指摘された。
(3) 課題・対策
@一週間のスケジュール管理の見直し
→ゼミ生の中には、レジュメ作成のため、前日寝ずにゼミに来る者も少なくない。
しかし、寝不足の頭ではやはり勉強がはかどらないため、一週間の時間管理を
きちんとすることで、前日の睡眠時間の確保、レジュメ作成の早期化を図る。
A勉強前のレジュメの読み込み
→毎ゼミで配られるレジュメが多いこともあり、その場での理解や疑問点を出すの
は困難である。そのため、勉強前にレジュメに目を通し、何が納得できないか、
何を納得したいのかを明確にすることで、勉強にたいする意識の改革。
B寝ている者は、容赦なく起こす、あてる
→本人の意思とは裏腹に寝てしまう時も考えられるため、寝ている人を見つけた
時は、積極的に起こす。また、あてたり、意見を聞いたりすることで、目を覚
まさせる。また、顔を上にあげて、他人の意見を聴く。
ゼミ生全体で勉強をしていくのである。
以上「対策」として挙がったものであるが、今回問われていることはより根本的な問題である。
「自分達自身が『本当に学びたい』と考えているのか」
先生は「一時間半で終わってもいいんだ」ということをよくおっしゃる。しかし、それでも三戸ゼミが「三戸ゼミ」であるのは、ゼミ生が「自分達が学びたい」と望んでいるから
である。先生はその気持ちに対して応えようとして下さっている。
我々が本当に「学びたい」と思っているのかどうか。一番大切なところを全体で確認し合い、
その日のゼミを終えた。W.感想
〜時間に対する意識〜
今回のゼミは、ゼミ開始時刻15時になっても、ゼミ生が数人しかいないという状況から始まった。
実際、勉強を開始できるような人数になったのは、生協休憩の後であった。
ここで、もう一度事実を確認しておきたい。本来、ゼミは15時開始である。
が、授業をとっている人もいるため、勉強が開始されるのは、16時過ぎからということになっている。
ただし、それはあくまで、例外的な人のみ。
それが、現状のゼミでは、集りの時間が16時過ぎ、勉強開始が17時過ぎ、
そのため、終了時刻が23時過ぎという状況である。今後、時間を守るということが、いかに大事であり、当たり前のことであるか、ということを、しっかりと各自意識し、
ゼミ開始時刻にきちんと始められるようにする必要がある。
こういうところを、きちんとしていくことが、ゼミ全体の士気を高めて、勉強もはかどる
んじゃないかな、と思います。
[218] 題名:夏合宿2択クイズ企画〜パウル君に挑戦!〜レポート 名前:近藤祐太朗(22期) 投稿日:2010年11月24日 (水) 00時23分
大変遅れてしまいましたが、夏合宿報告をします。
今回の三戸ゼミWebの大幅改良に当たり、
過去の報告のリンクをアーカイブとしてまとめようとしています。
ここまで報告が遅れたからには、今回の報告をアーカイブ作成の布石とし、
三戸ゼミWebの発展に寄与したいと思っています。
夏合宿のアーカイブは、三戸ゼミWikiにまとめていく予定です。
まずはどんどん報告をUPし、報告のリンクを作成していきます。1.企画内容
今回注目したのが・・・パウル君!!
パウル君とは、2010年サッカーワールドカップで、ドイツの7試合、そして決勝と、
合計8試合を連続的中させた占いタコです。
この企画は、パウル君にあやかり、2択の選択を8連続的中させられるか、というものです。
今回の夏合宿では、勉強の合間にリフレッシュする意味で、
ゼミ生参加型の小さな対決でどちらが勝つかを、皆で予想しました。
その対決は、2の結果発表とともに行います。
それぞれの参加者は、直前にくじ引きで決めました。
くじ引きで誰が出場することになるのか、皆ドキドキしていました。2.結果発表
1回戦:じゃんけん対決 ○ 小林 vs 松井 ●
2回戦:あっち向いてホイ対決 ○ 清野 vs 小泉 ●
3回戦:腕相撲対決 ○ 中村 vs 竹田 ●
4回戦:腕相撲対決 ○ 松井 vs 坂倉 ●
5回戦:記憶しりとり対決 ○ 市川 vs 小泉 ●
6回戦:ブリッジ練習対決 ○ 衛藤 vs 松井 ●
7回戦:ブリッジ練習対決 ○ 松井 vs 市川 ●
8回戦:ブリッジ予想対決 ○ Seino Ism, コバストテレス+三戸先生
vs けいさん!!, 肉食主義+大野さん ●
予想の成績はこちら
2連続正解は2ポイント、3連続正解は3ポイントというように、
連続正解の数をポイントとして計算して、チームごとの順位を決定しました。
「連続正解」に重きを置いていたため、1問正解ではポイントはなしとしました。
そして順位は・・・1位 コバストテレス (10ポイント)
2位 Seino Ism (9ポイント)
3位 けいさん!! (6ポイント)
4位 肉食主義 (3ポイント)3.印象的なエピソード
司会をしていた私の印象に残っているエピソードを、
自身の視点から描いていきます。
(1)1回戦「じゃんけん対決」
パウル君企画の初っ端を飾ったじゃんけん対決。
どんな風に企画を進めるか、皆さんに把握してもらおうとして、
最も簡単でメジャーな対決である「じゃんけん」を行った。
しかし、予想以上の白熱ぶり!!
“あいこ”を続けること、5回以上・・・。
まさかの熱戦に、皆のボルテージは一気に上がるのでした。
対戦前に意気込むお二人
(2)3,4回戦「腕相撲対決」
3,4回戦は、それまでと打って変わって肉体系の対決。
司会をしていた私は、一人明らかに強そうなボクサー勝又さんが選ばれないか
心配していましたが、どちらが勝つかわからない「良い勝負」になりました。
出場者の皆さんの必死そうな顔を見ていると、外から見ている皆もヒートアップしてきて、
見守っている私もいつの間にか真剣勝負に引き込まれていました。
中村さんvs竹田さん はこちら
松井君vs坂倉君はこちら
(3)5回戦「記憶しりとり対決」
こちらは頭脳系の対決。
順番にしりとりをしていき、それを互いに最初から言い続けました。
長引くうちに、これは勝負がつかないかな…と少し心配になりましたが、
勝負がつく瞬間はやはりやってきました。
まさかの5分超の対決を演じた2人の記憶力には、皆驚いていました。4.企画反省
(1)面白かった!!
普段なかなか見られないゼミの皆の一面を見られたという意味で、
とても新鮮な場でした。
まずはくじ引きで誰が選ばれるか一喜一憂し、選ばれたら注目を浴びながら対決する、
そして選ばれなかった人は真剣勝負を見守る。
そのサイクルを、皆で創り、楽しめていたと思います。
(2)面白かった半面…
この企画を次も行いたいかという話をしていた時に、どうしても話題に出るのが、
ブリッジとの共存でした。今回の合宿では、勉強のコマの終わりにパウル君企画を
行っていたため、ブリッジの機会を失くしてしまっていたのです。
実際に、ブリッジは4回しかできませんでした。
それが一概に悪いとはいえませんが、ゼミ生にとって少し寂しい気持ちがあったのも事実です。
さらに、どちらが勝つかわからない対決の予想をしても、単なる勘によるもので、
予想としては面白みに欠けるという意見もありました。
しかし、そもそもタコのパウル君はサッカーのことなど何もわかっていない状況で
占っていたのですから、忠実なパウル君としては、成功ではありました。
対決の内容を変える等して、改善の余地は大いにあるはずであり、
今後さらに面白い企画を考えるきっかけにしたいと思います。
[217] 題名:後期第3回本の交換会報告テーマ「講談社現代新書」〜「正義」の観点から本を読む〜 名前:坂倉 尚道(22期生) 投稿日:2010年11月19日 (金) 10時11分
前回に引き続き報告が遅れて申し訳ありません。もう二度と報告が遅れることのないようにします。
11/2(火)に行われた本の交換会報告をします。テーマは「講談社現代新書」です。
●○●紹介本リスト●○●
■先生、OB
出品者
著者名『本のタイトル』評価 購入者
-紹介コメント
※今回紹介された本の出版社はすべて「講談社現代新書」です。
三戸先生
佐伯啓思『「欲望」と資本主義』A○ 中村
−社会主義の崩壊後、資本主義が大きくなり、「国家」が社会主義の代わりを担うようになった。
資本主義を動かしているのは「企業」である。「資本主義」がどういったものかを抜きにしてCSRについて考えることはできない。
西尾幹二『ヨーロッパの個人主義』A− 竹田
−カントやベンサムの時代の人間観が分かるようになるには、近代化論を読むと良い。
「効用」「自由」は「個人」の概念抜きには考えることはできない。「正義」に対しての理解が深まる一冊。
前川貞次郎『新書西洋史5 絶対王政の時代』A− 小泉
−「ルソー」「カント」「ホッブズ」などの思想が生まれたのがこの時代である。この時代についての理解がなければ、
「正義」についての議論を本当の意味で理解したことにはならない。
玉木正之『スポーツとは何か』B+ 大野さん
−目次を見ると「オリンピック」「企業スポーツ」「ギャンブルスポーツ」「高校野球」「Jリーグ」etc。視点が面白く、類書のない本。
大野さん
佐伯啓思『自由とは何か』A− 坂倉
−「アメリカのイラク戦争」「イラクの人質事件」「市場競争」「援助交際」etc。「自由」の名のもとに
様々な問題が正当化されていることに「違和感」を持ちながらもなかなか反論できないのが現状なのではないか。
自分達が生きている社会について考える上で「役に立つ」一冊。
■現役生
[評価]
出品者 著者 『本のタイトル』購入者
−紹介コメント
※今回紹介された本の出版社はすべて「講談社現代新書」です。
[A+]
安齋 福岡伸一『生物と無生物のあいだ』小泉
−小さな生命の振る舞いは、恐ろしいほど、そして美しいほどに人間の振る舞いに似ている。生命とは何か。
Scienceと文学の出会い。必読のベストセラー。
中村 福岡伸一『生物と無生物のあいだ』近藤
−交換会で出品される本の中で、「良い本」に共通しているのは「何度も紹介される本」である!と安齋さんに続けざまに紹介(笑)
ゼミ室は笑いにつつまれる。
[A−]
竹田 増田四郎『大学でいかに学ぶか』松井
−「ゼミで本を出そう!」こんなに遅くまでやっているゼミなんて他にない。ここで自分達が何をやっているのか
を改めて考えることが出来る一冊。
勝又 中根千枝『タテ社会の人間関係』長M
−日本の伝統的な社会は「タテ社会」である。現代に生きる我々も昔からの日本の人間関係を知ることで、
現代日本のコミュニティにおける「正義」というものを考えてほしい!
[B+]
長M 池上彰『わかりやすく<伝える>技術』清野
−三戸ゼミで勉強する中で感じるのは、「人に伝えること」の難しさ。この本を読んで、掲示板・レジュメ・スピーチで実践し
「伝える」技術を向上させよう!
[B]
清野 黒沼克史『少年法を問い直す』勝又
−著者は法律学の専門家ではないが、そのことが返って内容を理解しやすくしている。
法律に矛盾を感じたことがある人に読んで是非欲しい!
近藤 安藤優一郎『幕臣たちの明治維新』三戸先生
−今年、最も流行ったドラマと言えば「龍馬伝」。倒幕側の人間は有名だが、幕府側の人間がどのように明治維新を生きたのか
を是非知ってほしい。
坂倉 広田照幸『日本人のしつけは衰退したか』安齋
−少年の凶悪犯罪が起こった時に言われるは「日本のしつけが衰退した。」しかし本当にしつけは衰退しているのか。
将来のためにしつけについて考えよう!
▲▽▲本日の人気本▲▽▲
本日の人気本ランキングは以下のような結果になりました!
順位 紹介者 著者 タイトル 評価 購入希望者
1位…安齋さん 福岡伸一『生物と無生物のあいだ』 A+ 4人
2位…三戸先生 西尾幹二『ヨーロッパの個人主義』 A− 3人
中村さん 福岡伸一『生物と無生物のあいだ』 A+ 3人
長濱さん 池上彰『わかりやすく<伝える>技術』 B+ 3人
坂倉 広田照幸『日本人のしつけは衰退したか』 B 3人
安齋さんが現役生で初の1位獲得です!おめでとうございます!
福岡伸一『生物と無生物のあいだ』は安齋さん、中村さんに加えて、三戸先生も
評価A+をつけるとおっしゃった本です!
僕も「是非読んでみたい!」と思わされた一冊でした。
次の交換会も複数の人に手を挙げさせるような紹介を目指して頑張りましょう!
■□■感想■□■
最近の本の交換会、特に今回の「紹介の特徴」として挙げられるのは、「正義」の問題に関連させた本の紹介です。
こうやって、紹介された本を振り返って見てみると、本当にあらゆることが「正義」に関連しているんだということが分かります。
現在起こっている法律や経済の問題。日本、中国、ヨーロッパ、アメリカの社会や歴史。人間観。
本当に様々なことに関連し、広がりを持つ分、それだけ面白い勉強になっているのだと思います。
一回読んだことのある本でも、「正義」の観点から読み直すことで、また新たな発見があるかもしれないので
この機会に今まで読んだ本を読み返したいと思います。
※次回11/24(水)(11/16(火)から延期しました)のテーマは「その他新書」です
[216] 題名:後期第2回本の交換会報告テーマ「岩波新書」〜本の「値段」や「奥付」にも着目しよう!〜 名前:坂倉 尚道(22期生) 投稿日:2010年11月19日 (金) 09時47分
報告が遅くなり大変申し訳ありません。10/19(火)に行われた本の交換会報告をします!
テーマは「岩波新書」です。
●○●紹介本リスト●○●
■先生、OB
出品者
著者名『本のタイトル』評価 購入者
-紹介コメント
※今回紹介された本の出版社はすべて「岩波新書」です
三戸先生
柳父章『翻訳語成立事情』A+ 市川
−「社会」「自由」「個人」「権利」など近代を象徴する言葉がどうしてその翻訳語に落ち着いたのか。
「Society」という言葉を「世間」として訳せずに、「社会」という新しい言葉を新たに作らざるを得なかった。
江戸と明治で人間関係がはっきりと違うことが分かる。言葉を手掛かりにして対象を認識できるということを教えてくれる、
岩波新書で一番の本。
鈴木孝夫『ことばと文化』A 衛藤
−「お湯」は英語で「hot water」。(「お湯」という言葉はない)「対象をどう切り分けていくか」で言葉は変わる。
「言葉」というものに対する認識が変わる一冊。
鈴木孝夫『日本語と外国語』A− 大野さん
−「日本語」は劣っているという批判があるが、この本を読むと「決してそうではない」ということが分かる。
日本社会、日本語に対する認識が変わる。
池上嘉彦『記号論への招待』B+ 松井
−「ボールペン」を「ボールペン」と呼ぶ必要は別にない。「言葉は区別するためにある」という認識を持つ、
「記号論」を知ると世界観が変わってくる。
貝塚茂樹『孔子』A− 安齋
−どのように社会を治めるのか。「法」に対して「徳」がある。「論語」を本当の意味で理解するには、
その当時の時代背景や孔子の人物像を知らなければならない。
ロナルド・ドーア『誰のための会社にするか』A− 小泉
−ガバナンスに関する本で、これほど読みやすく分かりやすいものはない。このテーマについて考える導入本としては最適の一冊。
渡辺洋三『法とは何か』B+ 近藤
−「法」抜きに「正義」の問題を考えることはできない。「ユダヤ教」「イスラム教」のような神と契約するような国は「法」の社会であるが、
日本社会はそうではない。日本人にとっての「法」とは何か。今、日本で「法」が どのように受け取られているのか。
「市場化」「グローバル化」が進めば進むほど重要になってくるテーマである。
大野さん
藤沢令夫『プラトンの哲学』A− 松井
−「正義」「哲学」に関する本を数々読んだ中で、非常に知的に興奮した理論が、プラトンの「イデア論」。
「個別的な事象から、普遍的なものの考え方や見方を導けるようになりたい」と考えている人にはうってつけの一冊。
■現役生
[評価]
出品者 著者 『本のタイトル』購入者
−紹介コメント
※今回紹介された本の出版社はすべて「岩波新書」です。
[A+]
松井 ロナルド・ドーア『誰のための会社にするか』 勝又
−「手放すのが惜しいが、まだ読んでいない人には是非読んで欲しいから出品します!」
「正義」の観点からも読みなおすことができる。
[A−]
小泉 村井吉敬『エビと日本人』 長M
−日本人にエビ嫌いはいない!エビがみんなの食卓に届くまでにどんな経緯を経ているのか。
どんな問題が起こっているのか。「環境問題」、「正義」にも関係する一冊。
中村 内田義彦『読書と社会科学』衛藤
−本の交換会で購入した本を、漫然とただ読んでいるようではまだまだ甘い!「本を読むとはどういったことなのか」
といった観点を持ちながら本を読もう!
[B+]
竹田 佐和隆光『市場主義の終焉−日本経済をどうするのか−』安齋
−ズバリ、テーマ押し!!今回の「企業の正義」の論文を作る上で、問題意識を明確に持つことができるようになる一冊。
清野 石弘之『地球環境報告U』中村
−「日本はタイタニック号です。前方に氷山が見えてもこの船は絶対に沈まない。科学的技術で容易に回避できる。
そう思っています。ですが、すでに船の周りには氷山の欠片が漂っています。」上手い表現だと思った方は一読すべし!
市川 石井淳蔵『ブランド 価値の創造』大野
−エルメス、ヴィトン、コカコーラ、無印etc。ブランドとは名前が作りだす自由な世界!読めば納得・発見たくさんあります!
小林 竹内啓 『偶然とは何か』勝又
−人はすべての情報を知った状態で、合理的な意思決定をすることはできない。
知らなかった情報から起こった出来事を「偶然」と呼ぶ。その「偶然」にどのように対処すべきなのかを考えよう。
[B]
安齋 松田浩『NHK−問われる公共放送−』竹田
−「受信料払っていますか!?」ゼミ生にアンケート。受信料を払うべきなのか否か。この本を読んで「正義」の観点で考えよう!
長M 大野晋『日本語練習帳』松井
−「五千円お預かり致します。二千円のお返しになります。」間違った日本語を使っていませんか?
正しい日本語を身につけましょう!
坂倉 大野晋『日本語練習帳』
−長Mさんに続き、本日二人目の紹介!評価も同じ。三戸ゼミに入り、文章を書く機会、読む機会が
絶対に増えたであろう二年生に薦める一冊。
衛藤 大津栄一郎『英語の感覚(下)』坂倉
−高校生に英語を教えている衛藤お勧めの一冊。「これはこういうものだから暗記して…。」が嫌いな人にお勧めの一冊。
勝又 大平健『純愛時代』小林
−本のタイトルを見て「男女の恋愛」の話と思いきや…。心に闇を抱えた精神病患者を救おうとする人達の「愛」が描かれている。
人とのつながりを再考できる一冊。
近藤 神田秀樹『会社法入門』
−正しい企業活動は何なのか?まず法律的に何が正しいのかを考えるために会社法について考えよう!
▲▽▲本日の人気本▲▽▲
本日の人気本ランキングは以下のような結果になりました!
順位 紹介者 著者 タイトル 評価 購入希望人数
1位…三戸先生 柳父章『翻訳語成立事情』 A+ 5人
2位…三戸先生 貝塚茂樹『孔子』 A− 4人
3位…三戸先生 池上嘉彦『記号論への招待』 B+ 3人
大野さん 藤沢令夫『プラトンの哲学』 A− 3人
安齋さん 松田浩『NHK−問われる公共放送−』B 3人
三戸先生が「岩波新書で一番!」とおっしゃった
柳父章『翻訳語成立事情』が最大の5人を獲得!
現役生では安齋さんが健闘しました!「NHKの受信料問題」は
大学生にとっての身近な「正義」の問題ということで、購入希望者が多かったのだと
予想されます。
(うーん。やっぱり現役生の名前が少なくて寂しいです。)
■□■感想■□■
本日の本の交換会では三戸先生から本の値段についてのお話がありました。
○三戸先生が中学生だったころの岩波新書は一冊何円だったでしょうか?
答えはなんと、岩波新書一冊「150円」!
また岩波文庫の☆1つの本(最大3つまでの☆の数で値段が決まっていたそうです)は
なんと、一冊「50円」!ゼミ生からは驚嘆の声が上がりました。
今、「50円」で本を買えたらどんなに良いことか…。
また、先生からゼミ生対するアドバイスとして頂いたのが
本を読む際に「奥付」を見るように、ということでした。
「奥付」にある「刷数」を見れば、「その本がどれだけの人に読まれたか」が分かります。
そして本を紹介する際には、「それだけ多くの人に読まれた」というだけで
大きなアピールポイントになります!
本の交換会を経験していく中で、
本の内容だけでなく、本の「値段」や「奥付」といった所にも着目し、
「本」自体に対する見識を深めていきたいと思います。
※次回11/2(火)のテーマは「講談社現代新書」です
[215] 題名:中村さん、竹田さん、報告のまとめに関するコメント有難うございます! 名前:坂倉 尚道(22期生) 投稿日:2010年11月19日 (金) 09時31分
中村さん、竹田さん、報告のまとめに関するコメント有難うございます!
報告をするたびに、毎回核心を突くようなコメントが返ってきて驚きます。
驚いているだけではなくて、早くそのコメントに十分応えられているような報告を
書けるようになりたい、書けるようにならねばと思います。
中村さんのおっしゃる通り、自分はあまり他の人の報告に対する評価をしていません。
報告が上達しない原因はそこにあると
自分自身もそう認識しています。
他の人の書く報告と見比べ、積極的に学んで(真似んで)いきたいと思います!
また、後輩のみんなに先輩方のようなコメントができるよう、評価にも積極的に取り組んでいきます!